そのスーツはカイザと見た目が酷似していた。ベルトの形状、フォトンストリーム、胸部の装甲、それにあの必殺技。
てことはこいつもオルフェノクで、あの変態を葬ったってことは俺と同じような理由で戦っているか、もしくは口封じか。どっちにしろ敵ではないことを祈ろう。
「あんたは何も「大丈夫か⁉シンタロー君❗」えっ?あっ❗」
キラの急な乱入に気を取られ、その隙にライダーはマンションの屋上に飛び移り、素性も聞けぬまま逃げられてしまった。
「いらねぇことしてんじゃねぇよ❗逃げられただろうが❗」
「そんなことより、体は大丈夫なの?」
「だから大丈夫だって言ってんだろ」
しつこく安否確認をするキラに、そろそろ煩わしくなってきていたので、証拠として、バックルから取り外したカイザフォンを開き、通話終了ボタンを入力し変身解除して見せた。
するとキラは、全く信じられないというような表情をしていた。
「………菅山君以外に使える人がいるなんて…」
「おい、今何て?」
菅山?何故その名前がこいつの口から出てくるんだ?それにしてもこいつには引っかかる点が多い。この場所について無知なこと、あきらかに素人技では不可能な機材の扱い。カイザギアの致死性についての知識、そして菅山との関係性。これらを重ね合わせると、一つキラの正体が浮かび上がる。
「…………それを何処で手にいれたんだ?」
「これは菅山の物じゃない」
「……何を知っているかは知らないが、話を聞かせ「ヒヨリ❗しっかりしろ❗」」
背後から狼狽する子供の声が聞こえ振り向くと、さっき助けたガキの一人が気を失っていた。きっと、さっきのオルフェノクの死に様を見たせいだろう。もしくは首を閉められたのが原因か。それなら早く病院に連れていかないと手遅れになる。
「まずは救急車を呼ぼう。話はそれからだ」
「あぁそうしよう。ってスマホ電池切れてるし、まぁこいつがあるか」
電池が切れているスマホの代わりにカイザフォンから、俺は救急車を呼んだ(かなり噛みまくってだが)。エネがやけに静かだったのはスマホの電池が原因だったのか。後で何言われるかわからない……何をネタに脅されるか考えただけでも吐きそうだ。頼むからデスクトップの左斜め下の二つ目のフォルダーだけはやめてくれよ…………
「君も見てもらった方がいい。顔が青いよ」
「いや、これは問題ない(問題ないわけがない)」
しばらくして救急車がこちらに向かってきた。その時、救急隊員は困惑したような濁った瞳で俺達を見ていた。無理もないだろう、小学生二人の近くにコスプレをした巨漢と、あからさまに実用的じゃないベルトを巻いた目付きの悪いジャージ男がいるんだから。それもあってか、キラが非常に綺麗に見える。
糞❗このイケメンが…………
倒れたガキを救急車に運び終わった後、俺達も付き添いで救急車に乗ることになった。だけど、救急隊員の俺達二人を見る目は変わらない。正直、キラが憎らしいとまで思えてきた。何でここまでイケメンなんだよ…………神様ってのは本当に不公平だ。いっそ、カイザギアのアタッシュケースで顔が変わるまで殴ってやろうか。
「どうしたの?」
「いっ❗いや❗…………何でもない」
キラや救急隊員の冷たい目線も気にしていたが、一番心残りなのはあのライダーだ。いったいあれは何なんだ?あの体格からすると中身は女か?フォトンストリームの色の違いもあるし、カイザとは別物なのかもしれん。
いったい何者なんだ…………あいつ
シンタローsideout