カゲロウデイズ もう一つの夏の日々   作:劉騎913

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呼び出された17日

呼び出された17日

 

キドside

 

今日は外に出れば即座にミイラと化すかもしれない程の晴天。その天候ゆえか、俺達はアジトから一歩も出ずに遊び呆けていた。こんなものじゃ。外でバイトをしているセトに申し訳がつかない。何かしようと考えても、大して収穫はない。ただ時間とカロリーを消費しただけだった。昨日の遊園地の記憶の空白部を思い出そうとしても、脳裏の片隅にすら無くなっていた。

 

「ドロー4❗」

 

「私もドロー4❗」

 

「合計8枚……今は…………32枚…」

 

意外だった。ユサがこんなにUNOが弱いなんて、これをいれると七回連続で最下位だ。まさかわざとじゃないのか?そうでなければ、こんな大差で連続で負けるなんて業はできるはずがない。

 

「ユサさん弱すぎじゃないですか~」

 

「カードが悪いんだよ。きっとそうだ」

 

「それはカードじゃなくて、お前が弱いんだ」

 

「こんなに負けてる人………くっ❗始めて見た」

 

「お前も言えた口じゃないだろ?負け犬」

 

さっきまで笑っていたカノは、俺の罵倒がクリティカルしたのか、机に突っ伏した。

 

「上がりだ」

 

「私も上がり❗」

 

「私も」

 

「マリーはともかく、お前ら弱すぎないか?」

 

「うるさいな❗僕はあんまりこうい……ねぇ、今ニュースで何かやってなかった?」

 

顔を真っ赤にしてムキになっていたカノの表情は、テレビのワイドショーを見た瞬間に元の青白い表情に戻っていた。

ニュースで紹介されている監視カメラの写真には、ぼやけていて分かりにくいが、赤い光を放つ黒い人影が写っている

 

「これどっかで…………」

 

「でも何か違うよね」

 

「もっとダークと言うか………不気味な感じだったような…………」ら

 

だいたい想像している物は一緒なようだ。この写真に写っている人影はそれに類似点が多い。それにしても、「この世でさ迷い続けている怨霊」って安直すぎやしないか?見ようによっては見えるが、もう少し捻りと言うか、オリジナリティーは無いのだろうか。

出演している胡散臭い霊能師の話を聞かされる、アナウンサーの気持ちを考えると耳鳴りがしそうだ

 

「なら探してみようか」

 

「えっ?何をですか?」

 

「だからこれを。発見されたのはこの辺りだから見つかるかもしれないよ。それとこいつは555(ファイズ)かもしれない。」

 

「「「555?」」」

 

「スマートブレインが開発したライダーシステムの一つ。言うならカイザを更に改良して作られたんだよ。その写真と555との類似点が多い、だから探す価値はあるよ」

 

「ならお兄ちゃんにも連絡しない と…………って繋がらない。何してるの?お兄ちゃん」

 

不満を口にしながら、スマホを弄るモモを見て、ふと、俺も携帯を取り出した。

確かあの時、カイザフォンの電話番号を登録しておいたはずだ。これなら出るかもしれない。

 

 

 

…………

 

 

 

もしもし

 

「シンタローか?今何処に?」

 

如月総合病院だ。

 

「病院?精神科か?」

 

お前…………

 

「悪い…………で?何故病院に?」

 

はぁ……オルフェノクに襲われたガキを病院に連れていってたんだよ

 

「オルフェノク?倒したのか?」

 

倒した…………いや、先に倒された

 

「倒された?」

 

何かカイザに似てるんだが…………少し違う姿をした奴に先を超された

 

「…それって………そいつは赤い光を放っていたか?」

 

何で知ってるんだ?その事

 

「何だと………場所は……」

 

何だ⁉

 

「えっ?何があったんだ?シンタロー❗」

 

ヤバイヤバイ…………おっおお……オルフェノクが出りゃ……出た❗ののっのんきに喋ってる暇じゃねぇ❗じゃあ切る

 

「おい❗シンタロー⁉」

 

切られたか…………あの焦り様から察すると、かなり危険な状態のようだ。………今、向かうのは邪魔になるか。

 

「どうする…………」

 

「これを貸してあげる」

 

ユサは鞄から、SF映画等で異星人と戦うために造られたプラズマガンのような風格を持った、大振りの真っ黒なハンドガンを取り出した。

 

「何だ?これは?」

 

「高濃度フォトンブラッド圧縮照射兵器「スティング」。こいつなら、並のオルフェノク程度なら倒せる。弾は10発で自動リロードだけど、五秒かかるから気を付けて」

 

「すまない……」

 

俺はユサから借りたホルスターケースを腰に装着し、スティングを差し込む。

 

「僕は彼女達と残っているよ。誰か戦える奴がいないと危険だからね。だけど、無茶だけは駄目だよ」

 

「何から何まですまない。行くぞカノ」

 

「わかった。二人を頼んだよ、ユサ君」

 

「私も行きま「駄目だよ」でも❗」

 

「君が行ったら、余計にシンタロー君の邪魔になる。ここは信じてまってあげよう」

 

「…………はい」

 

ユサがモモを宥めている間に、俺達は足早に如月総合病院に向かった。この銃を使いこなせるかは分からないが、シンタローの負荷を減らすことはできるはずだ。

 

 

 

 

待っていてくれ…………シンタロー

 

キドsideout

 

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