シンタローside
「うっ…痛❗……くない。て言うか何で生きてるんだ…?俺」
あんな激痛だったのに、確かに体が潰れた感覚は嫌なほど感じたのに、何で傷ひとつ無いんだよ……?まさか、夢か?いや、鉄骨は本物だ。奇跡ってやつか?いや、体潰れたのに再生する奇跡ってなんだよ……あっ❗エネなら何か知ってるんじゃ❗
ポケットを漁ると、いつも一緒に居たスマホが真っ二つに割れて別れを告げていた。
さっきから静かだと思ったらこう言うことか……はぁ…これじゃあ連絡取れねぇじゃねぇか…とりあえず、明日機種変もするか。
俺が鉄骨の間から抜け出し、自宅に向かおうとしたその時、後ろから男の声がした。
「やあ、君がシンタロー君だね?」
「誰だ?あんた」
後ろを振り返ると、俺と同い年ぐらいの、右目に医療用の眼帯をした白いパーカー姿の男が立っていた。
この独特なファッションセンス、それに、この中二臭い雰囲気、凄くあいつらを連想させる。何で中二病の奴はパーカーが好きなんだ。
「僕の名前は遊佐優斗、ユサと呼んでくれ」
「単刀直入だけど、着いてきてくれないか?」
「何でだよ?俺は帰るんだ。放っておいてくれ」
「その壊れたスマホの代わり、それに引きこもるのに最高の環境をただであげると言ったら来るかい?」
「そんな上手い話「あるんだなこれが」はっ?」
「まぁ来たら解るよ」
スマホも引きこもる環境もただでくれる奴この世にいるのか?いや、いない、いなくて当然だ。そんな都合の良い話があるわけがない。だけど、何だ?こいつの目は、冗談を言っているように見えない。一様着いていってみるか
「わかった。その代わりに話を詳しく聞かせろ」
「最初からそのつもりさ。さあ早く行こう」
俺はユサの後を親鳥に着いていくひよこのように、後ろを歩く。
その時、着くまで互いに一言も喋らなかった。これが無言の弾圧と言うやつなのか、夜の暗闇が更に圧迫してくる。
目的地に着いたためか、ユサは急に立ち止まる。その目の前には巨大なマンションが聳え立つ。
「着いた」
「ここってどう見ても高級マンションじゃねぇか…お前何者?」
「まぁ入ってから教えるよ」
マンションに入り、エレベーターで最上階の50階に上がる。
エレベーターは騒音も無く、とてもスムーズに上がっていく。まるで何かの諜報組織の一員になった気分だ。
「ここが君の部屋になる場所さ」
「えっ⁉マジで⁉」
エレベーターを降りて一つだけある扉を開けると、俺の予想をはるかに超える物が目に飛び込んできた。
高級感のあるパソコンチェアにデスク、しかもパソコンは最新式の物だ。確か50万はしたはずだぞ、あれ、それにパソコンデスクの横、ガラスの壁じゃねぇか。他のテーブルも大理石だし、ソファーもちゃんと用意されてる。
本当に何者なんだ?こいつは
「家賃とかは」
「別にいらない。ここは僕の父が管理しているマンションなんだ」
「どう言うことだ?それ?」
「まぁそれについては今から話すよ。とりあえず、座って話そう」
ユサはソファーに俺と対になるように座り、話を始める。
と言うか、その前にフード取れよ
「とりあえず、お前は何者だ?」
「僕は元スマートブレイン社社長、現11th社社長・遊佐文人の息子」
スマートブレイン?あの大企業の元社長の息子?だから、こんなマンションをただで貸す余裕があるのか。
「後、君には伝えなくちゃいけないことがある」
「何だよ?」
ユサは少し黙り込み、フードと眼帯を外し話始める。
髪の毛が真っ白なのは良いとして、目が隻眼になってやがる……しかも、傷がかなり深い。
「僕は……僕と君は…………」
「もう死んでいるんだ……」
シンタローsideout