始まりの8月15日【5】
シンタローside
訳がわからない……もう死んでる……?馬鹿なのか?こいつ。ならここは何か?死後の世界か?馬鹿馬鹿しい……どうせ右目の隻眼も、事故に会って、命は助かったけど右目がお陀仏したとか、そんなあたりだろ。
「もう死んだ……そんな話❗はい、そうですかって信じられるわけないだろ❗証拠を見せろ❗」
「はぁ……一番使いたくない方法を使わせるんだね…君は…」シュオーン
「うわぁぁ❗」
ユサは不愉快そうに立ち上がる。すると、陽炎がユサの体の周りを包み、ジャケットを羽織った灰色の化け物へと変貌した。
「お前…化け物だったのか⁉」
「頭の中で【殺したい】と念じてみろ」
「何でだよ?」
「良いからやれよ」
「じゃあ………何だこれ⁉ …」シュオーン
言われた通り、頭の中で【殺したい】と念じてみると、体が陽炎に包まれ、灰色のサメを元にしたような化け物に変貌した。
俺は今まで人間だと信じて生きてきたけど、こんな形で裏切らなくてもいいじゃねぇか。
「君の今の姿だ」
「僕達は一度死に、奇跡的に蘇生した。オルフェノクとして」
「オルフェノク?」
「今の姿のことだよ。一度死んで、体を再構築し、蘇生する人類の進化系。だけど、それは極稀でね。だから、オルフェノク達は、ある方法を使って同族を増やす」
「ある方法?」
「使徒再生。オルフェノクが触手や武器を使って、人の心臓に因子を埋め込む行為。だけど、これも確率が低くてね、失敗して殺してしまうことが多い。成功しても大した能力は出せない」
「じゃあ俺達みたいに死んで覚醒したのは、かなりレアってことか?」
「そうなる。それに、オリジナルのオルフェノクは通常よりも強力な力を持っているから、できればそちらの方が良い」
意外と今の状況で冷静でいられるこいつと自分が怖い。オリジナルの方が良いかもしれないけど、そもそも化け物なんかになりたがる奴はいない
「とりあえず、元に戻るにはどうすれば良い?」
「肩の力を抜いてみろ」
「そんなんで戻れ……戻れた」シュオーン
「それと」シュオーン
「僕達はオルフェノク化しただけじゃなく、まだ何かしろ力があるかもしれない」
「何だそれ?」
「いや、確信は無いんだが……そんな気がする」
「はぁ…まだ何かあんのかよ……でもモモには何「あれ何だ?」はっ?」
ユサが指差している窓ガラスの方を見ると、さっきの公園の辺りで灰色の化け物とパーカー姿の人影があった。
モモ…❗それにあいつら❗……逃げろ❗そいつは不審者ってレベルじゃない❗
「ヤバい❗どうしよう❗……って❗お前は何してんだよ❗」
「良いから動くな❗」
ユサはアタッシュケースを開き、ベルトのような物を取りだして、武器みたいなツールをベルトに着けて、俺の腰に巻く。
その次に、見慣れないデザインのリボルバー型のガラケーを開き、何かのコードを入力する。
913ENTER
STANDBY
妙にくぐもった低い電子音だな。何か呪われそうな感じがして気持ちが悪い。エネの方が断然マシだ。
「何だよこれ?何する気だよ?」
「使い方は変身すればわかる」
「変身⁉頭大丈夫か⁉お前⁉」
少し響いたのか、ユサは一瞬ビクッとしてバックルに携帯を斜めからセットする。
Complete
低い電子音とともに、俺の体の周りにオレンジ色の光の線が走り、スーツが形成された。
何だよ……これ?戦闘アバターに俺自身がなったのか?ここは俺の知っている世界じゃない……完全にゲームの世界じゃねぇか…ここ
「何これ⁉」
「早く行け❗今なら奴を倒せる❗」
「はっ⁉どうやっ……まさか、これか❗」
ベルトの右側に付いているホルスターから、変わった形状の銃を取りだし、携帯に付いているメモリースティックを、グリップに差し込む。
Ready
電子音が銃から発せられ、グリップの下から、光の刃が形成された。
マジでどうなってやがるんだ?これ完全にス○ーウォーズの剣だよな?俺は結局何になったんだ……