俺は飛び降り中に体勢が崩れることなく着地に成功する。
何で着地まで成功するんだよ?このスーツいったい何なんだよ……国に技術提供したらノーベル賞取れるぞこれ。
目の前の公園を見ると、キドが化け物に首を掴まれていた。しかもオルフェノクは手が変形し始めていた。
このままだと死んじまう❗この剣切れるんだろうな⁉切れなかったら泣くからな❗
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ❗」
ガシン❗……ボトッ
「あああぁぁぁぁああああああ❗」
俺は佐々木小次郎風に剣を構え、叫びながら斬りかかり、キドの首を掴んでいた化け物の左腕を切り落とす。
マジで切れた……いや、切れなかったらどうしようかと考えてたけど、切れた時のことも考えれば良かった。かなりビックリした、ハムかと思うぐらいスパッと切れたから。
「大丈夫か⁉」
「あぁ…何だ⁉お前⁉」
「これは……その」
「まぁそれは置いといて……もう終わりだ❗化け物❗」
俺はバックルに装着したままの携帯を開き、ENTERボタンを押す。
exceed charge
電子音の後にバックルの端から、体の光のラインをたどり、エネルギーを送られた剣はオレンジに輝く。
いや、待てよ。何でこうすれば必殺技が使えることが分かったんだ?特にレクチャーも受けてないのに……偶然?いや、意図的にしたし…まぁ良い❗とりあえずこいつを潰さないと❗
「やぁぁぁぁぁぁ❗❗」
ズシャ❗
「糞がぁぁぁぁぁぁ……ぁぁ…………」
剣を忍者の様に構え、左腕の切断部を押さえながら地面で悶え苦しんでいるオルフェノクの腹部に、刃を勢いよく突き刺す。その後、オルフェノクは体から青白い炎を出しながら灰となった。
……怖い…何だよこの剣。刺したり切ったりしたら灰になるのかよ…迂闊に触ったらヤバい……灰皿行きになる。
そう言えばこの剣、銃みたいに引き金と銃口も付いてるし、剣じゃなくて銃なのか?なら、使い方によっては撃てるかもしれない。
俺はグリップからメモリを抜き去り、銃をホルスターに収納しメモリを携帯に指し直す。
「助けてくれてありがとう。あんたは何者なんだ?」
「えっ⁉いや……そのぉ」
「その声……どこかで聞いたことあるような」
ヤバい……やっぱりモモにはバレるか。大人しく変身を解くか?いや…どうしよう……バレたらバレたで面倒なことになりそうだし、打つ手がねぇ……
ガチャ
「えっ?」キュイーン
「シンタロー(さん)⁉」
「何でお兄ちゃんが⁉」
キドの野郎❗いきなりベルト外すか⁉普通⁉完全に素性もバレたしどうするんだ……一回死んで、さっき死んだ化け物みたいになりましたって言うか?だけどベルトの説明はどうする?それに化け物扱いされて終わるだけだし……こんな時にエネがいれば。
「よくやったよ。シンタロー君」
「来んのおせぇよ」
「誰だ?あんた」
「僕の名前は遊佐優斗。シンタロー君のお友達かな」
まぁ…強ち間違ってはいないけど、かなって何だよ?かなって。はっきり言えば良いだろうが
「えっ⁉お兄ちゃんにお友達が⁉」
「えっ?シンタロー君って友達いなかったの?」
「カノ❗そんなこと言っちゃダメだよ❗」
スゲェムカつく、助けなかった方が良かった気がする。友達いるのがそんなに偉いのか?ホワイ○○ースの艦長にでもなれるのか?それにマリー、モモには何も無しなのは何でだ?
「キド、ベルト返せ。こいつら灰のオブジェにしてやる❗」
「落ち着け❗シンタロー❗」
「落ち着きな。これあげるから」
「あっ?…スマホ……本当にただで良いのか?」
「良いって言ってるじゃん」
最新機種じゃねぇかこれ。しかも11th社の特別製のスマートフォンって、社長の息子だからってここまでして大丈夫なのか?同族だからだろうか。
俺は早速、スマホの電源を付ける
「あっ❗ご主人❗大丈夫ですか⁉」
「エネ❗何でこいつに居るんだ⁉」
「エネちゃん❗今まで何処に居たの⁉」
「えっと……実は気絶してまして……気が付いたらこの中に」
「はぁ⁉気絶⁉電脳の体の癖に何で気絶なんかしてんだよ⁉」
「私だって気絶ぐらいしますよ❗それに鉄骨落ちてきたのに、何で無傷なんですか⁉」
「それは…………」
やっぱり知ってたのか……だけど、オルフェノク化したことは知らないらしいな。糞、知ってたら口裏を合わせさせようと思ったのに…更にめんどくさくなった。
「やっぱり……これお兄ちゃんのじゃないの?」
壊れてるけどわかる……これはいつ何時も俺と共に居たカナル型の白イヤホンだ。やっちまった…スマホがぶっ壊れたショックが強すぎて、あの時回収忘れてた。
こんな形で綻びが出るとは思わなかった。
「この血はお前のなのか?シンタロー」
「……それは「まぁ彼にも話せないことがあるしさ、質問攻めは止めてあげてくれないか?それと、いきなりで悪いけど、君達の基地に連れて行ってくれないか?」」
こいつ何を?だけど、助かった。俺だけだったら、黙り込んでしまうか、オルフェノクの姿を見せてしまいそうだったし、こう言うフォローは本当にありがたい。
「えっ?何で知ってるの?」
「話したのか?シンタロー」
「いやわかるよ、君達の格好で。だって君達、どう見たって何かの中二集団じゃないか」
いや、お前には言われたくないだろう。中二病重篤患者のような風貌のお前にだけは
「中二…」
「中二?」
「中二…ぷぷっ❗」
「わかった、連れていこう。だが、覚悟してもらうぞ」
「大丈夫さ」
覚悟って……拉致られて急に入団させられた俺はどうなるんだよ?ヒキニートには人権なんて無いのか?
遊佐と俺(遊佐に無理矢理引っ張られて)は真夜中の公園をキド達と立ち去り基地に向かう。それと、今一番気になるのは、何故かキドはベルトを返してくれない。ただ忘れてるのか、ベルトを気に入ってしまったのか、かなり自然体でベルトを握り締めている。
良いから返せ