牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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みなさんからの質問を締め切りたいと思います。質問、ありがとうございました!質問は次回の投稿でお答えしますよ!

さて、今回はラステイションの魔戒騎士クロウと、女神たちのお話です!


12話 短所

クロウ…影に生き、影となりて闇を斬る魔戒騎士…これは、そんな彼と、女神の出会いである…

 

ある晩、一人の少年が、ある男の前でおじぎをしていた。男は黒いローブを纏っていて、顔はわかりそうにない。

 

「ありがとう!あんたのおかげで因縁の相手にようやく勝てた!」

 

少年は興奮しているのか、叫ぶように男に言う。すると男は少年の頭を掴む。

 

「それはよかった。その勝った時の表情……こりゃいいディナーになりそうだ」

 

そう呟くと、少年は男に吸い込まれて消滅した。乱暴に口があると思われる所を拭くと、男は通信端末を取り出し、一人の少女の欄を見ていた。

 

「女神候補生ユニ…やつは特に越えたい相手がいる。……フフフ、極上の餌が喰えそうだ」

 

男は高らかに笑っていた。

――――――――

「オルヴァ、この辺りはこのくらいかな?」

 

ラステイションのダンジョンに存在しているエレメントを浄化し終え、クロウは自身の首からぶら下げてる女性の横顔を模したカメオ型の魔導具、オルヴァに話しかける。

 

「えぇ、邪気は見あたらないわよ」

 

オルヴァが答えると、クロウはダンジョンの出口へと歩き始める。

 

その道中の森の中である。

 

ガササッ

 

草むらから音が聞こえ、クロウは自身のロングコートの裏にある剣を構える。草むらからでてきたのは、黒で統一された服を着たツーサイドトップの黒髪の少女だった。

 

「どこいったのよあのモンスター!」

 

草むらからでるなり少女は辺りを見渡す。モンスターを探してるのだろうか。そして少女はクロウを見てハッとする。

 

「あれ?あの、あなたはもしかして…あの遊園地の時にお姉ちゃんと一緒にアタシたちを助けてくれた…」

 

「クロウ、です」

 

その少女にクロウも見覚えがあったのか、クロウは警戒を解く。

 

「クロウさん……ですか。アタシはユニ、ラステイションの女神候補生です。あの時はありがとうございました」

 

深々と頭を下げるユニと名乗った少女。クロウも思い出したのか、かぶりを振る。

 

「いえ、僕は何もやってないですよ。ユニさんたちを助けたのはノワールさんです。ところで、ユニさんはなぜここに?」

 

クロウに聞かれユニはハッとする。

 

「今、クエストの途中なんです。いつもは、お姉ちゃんがやってるんですけど、どうしてもお姉ちゃんを越えたくて…だからこうやって一人でクエストをしてるんです。って早くモンスター探さないと!失礼します!」

 

ユニはどこかへと走って行った…

 

「越えたい人がいる……か」

 

ユニの走っていく姿を見てクロウはこう呟く。

 

「どこか昔のクロウに似てるわね」

 

オルヴァがからかうように言う。するとクロウの目が鋭くなる。

 

「そうかもね…」

クロウがユニとは逆のほうへ歩き始めようとすると、目の前にメメが赤い指令書を持って現れた。メメから指令書を受け取り、青い魔導火で指令書を解読する。指令書にはこう書いてあった。

 

『越える願いをこめた銃弾を放つホラー、マグナスを討滅せよ』

――――――

女神化したユニ…ブラックシスターは群がるモンスターと一人で戦っていた。

 

「クッ、数が多い!」

 

右手に装備した銃【X.M.B】でモンスターを撃ち抜いていく。ある程度片付けたところで、ユニが受けたクエストの討伐対象である、フェンリルが現れた。現れた途端、銃でフェンリルを撃つが、まったくびくともしていない。

 

「少しやばいかも……ハッ!」

 

フェンリルの爪がブラックシスターに向けられる。ブラックシスターは素早く後ろに下がり顔に射撃を集中させる。だが結果は同じだった。

 

(落ち着けアタシ…きっと弱点はあるはず…)

 

距離を置き考えるブラックシスター。でも、そんな隙を目の前のフェンリルが与えるはずもなく、フェンリルの爪がブラックシスターに向けられていた。だがそれはとある少女の斬撃によって消滅した。ユニの姉、ブラックハートことノワールだった。女神化したノワールの剣の一振りで、フェンリルは消滅した。

 

「ユニ、一人であんまり無茶しないで。それにこいつはあなたにはかなりの強敵なのよ」

 

「お姉ちゃん…」

 

女神化を解いたユニは、そう呟くことしかできなかった…

―――――

 

「お姉ちゃん、できたよ!」

 

「ありがとうユニ、そこに置いといて。あと、そこのお願いできる?」

教会に戻ると、書類の作業が待っていた。ユニは書類を置いて別の書類を取る。そしてユニはノワールが確認し終えたであろう書類を見る。そこにはユニが確認したものより何倍もの量の書類が積まれていた。

 

(アタシも頑張らないと!)

 

ユニは自分を鼓舞し、仕事に戻った。

――――

日が沈んだ頃、ラステイションを一望できる高台にクロウは立っていた。

 

「頼んだよ、オルヴァ」

クロウが手裏剣のような武器“円参”をオルヴァに向ける。すると、オルヴァの目の部分が円参と合体する。

 

「任せて、クロウ!」

 

円参の中のオルヴァが言うと、クロウはそれをラステイションの街中に向けて投げる。これにより、より広範囲でホラーの搜索ができるようになる。円参がクロウの元に戻る。

 

「見つけたか?オルヴァ」

クロウが円参に声をかける。オルヴァは円参の中央のオレンジの瞳をパチパチと動かし答える。

「ええ、でも、ちょっとまずいことになってるかも、あのホラー、候補生を狙ってるわ」

 

クロウは即座に教会へと向かい始めた。

―――――

「ハァ…」

 

ため息をこぼし、ユニは教会のコテージから、外の湖を眺めていた。自分は一体なにをすれば姉を越えられるのか…そう思いながら。

 

「ラステイションの女神候補生、ユニさんとお見受けいたします」

 

突如、湖の近くに黒いローブを着た者が現れる。

 

「だ……誰?」

 

「私はあなたの願いを叶える者です。ここだとあれなので、一度、教会の外で話をしましょう」

 

ユニは湖の近くに行く。疑問も少しあったが、それよりも興味のほうが、勝っていたのである。

 

「では改めまして、私はマグナス。あなたの願いを叶えるため参りました」

 

「アタシの……願い?」

 

ユニの質問に頷くような動作を取ると、マグナスと名乗った者は、おもむろに銃を取り出す。それは普段ユニが使っている銃に酷似していた。

 

「聞きましたよ?あなたは姉であるノワール様を越えたい……と。この銃を手にしてください…必ずや、ノワール様に勝てるやも知れません」

 

「アタシが…お姉ちゃんを…」

 

ノワールを越える…その思いだけが、今のユニにはあった。今のユニは正気ではないのだ。マグナスの持つ銃を受け取ろうとした……その時である。どこかから投げられた手裏剣のような物が、マグナスの持つ銃に当り、それが地面に落ちると、黒い瘴気となって消えた。投げられた方を見ると、そこにはクロウがいた。

 

「ちぃ!魔戒騎士か!」

 

「そういうお前はホラーなのか?」

 

クロウが魔導火でマグナスの顔を照らす。魔導火に照らされた西洋人のような顔の瞳には、ホラーの紋様が浮かび上がっていた。

 

「くそっ!こうなりゃ一時退却…」

 

マグナスがクロウもユニもいない方向に走り出す。だが、その目の前にはノワールがいた。

 

「ユニを狙うってことは…覚悟はできてるわよね?」

ノワールは剣を振りかざす。マグナスはかろうじてそれをよけるが、即座にユニが援護射撃を行う。とはいえ、ユニの攻撃では、ホラーに少しのダメージも与えられないため、牽制ぐらいにしかならない。

 

「よくもアタシの気持ちを利用したわね!」

ユニの言葉にマグナスは笑いながら反論する。

 

「気持ちを利用した?確かにそうだが、これはお前の根幹にある感情だぞ?姉であるノワールを越えたい…その一心で頑張っている…俺はその願いを叶えるために一役買ってるだけだぞ?それの何が悪…ぐぁぁ!」

 

言いかけた時、クロウの斬撃が、マグナスに直撃する。

 

「魔戒騎士!お前にはセリフを最後まで喋らせる情はないのか!」

 

「悪いがホラーの戯れ言を聞いてる余裕はない…そして、そんな力を使ってまで彼女がノワールさんを越えたいとは思ってないはずだ!」

 

クロウはある人物を思い出していた。その人物の纏う鎧は日ごとに輝きを増していき、ホラーとなってしまった魔戒騎士を斬ったその時、その鎧は完全なる黄金の輝きを放っていた。そのホラーを倒した時の彼の顔は、哀しみと喜びが入り混じった表情だった。

 

「例えばそれは一度では越えられない壁かもしれない。でも、自分のできることから…小さな壁から飛び越えて、その大きな壁を越える……それが、誰かを越えるということだ!」

 

ユニは何かに気づいた。自分は頑張りすぎていたのだろうか、いきなり大きな壁に挑んでいたのではないのだろうか…心の中で自問自答をして、覚悟を決めたのか、ユニは女神化して銃を構える。

 

「そうね…クロウさんの言う通りかも…だからアタシは、あんたの助けなんか必要ない!」

 

「調子に乗るなよ!」

 

マグナスがローブを外す。弾丸のような顔、そして全身に巻かれた弾薬、そして左腕にはその弾を放つためのガトリングガンがあった。これがマグナスのホラーとしての姿である。マグナスはクロウたちに向けて銃を乱射する。ノワールはネクストフォームに変身し、空を飛びながら回避する。クロウは日本刀型の魔戒剣を取り出し、銃弾を全て切り裂き、その後、剣先で円を描き九字護身法の構えを取り、紺色の鎧を召喚する。

 

――人知れず闇に射し、人知れず闇に葬る影の名の鎧――

 

幻影騎士・吼狼<CROW>の鎧を…

 

《99.9 …98.3…》

 

魔導刻が時間を刻み始めたのを合図に、吼狼は走り出しマグナスを斬る。だがマグナスは背中から素体ホラーと同じような翼を広げ空に飛び立つ。ネクストブラックたちも飛翔しそれを追いかける。

 

「私たちも行くわよ、クロウ!」

 

「行くぞ……オルヴァ!」

 

吼狼が耳のバイザーを下げると、狼の顔は、どこか猛禽類を思わせる顔になった。そして吼狼も翼を広げる。

 

《92.4………72.1…70.8…》

 

魔導刻の時が20秒減少する。そして吼狼は空へと飛び立つ…

マグナスの弾丸をよけながら、ブラックシスターは巨大なエネルギーを込めた弾を放つ。それはマグナスの近くで爆発した。マグナスはその衝撃で吹き飛ぶ。

 

「いくらユニの攻撃が効かないとしても、爆発の衝撃は受けるらしいわね」

 

すかさずネクストブラックは【ナナメブレード】を展開し、それをマグナスに向けて飛ばす。さらに吼狼の投げた円参も加わる。そして吼狼は急速にマグナスに接近し、縦横無尽に何度も斬っていく。そして下から切り上げ、一回転してから、マグナスを踏みつける。マグナスは地上に落ちて行った。吼狼たちも着地する。降り立つなり、ネクストブラックは、自身の得物をブラックシスターに渡す。

 

《58.6…56.1…》

 

 

「これでホラーにガツンと一発入れてきなさい!」

 

武器を受け取り、無言で頷く。

 

「ハァァァ!」

 

ブラックシスターはその剣をまっすぐ縦に振り下ろす。吼狼が追い打ちをかけるようにマグナスを切り捨て、ブラックシスターたちのいない方に蹴り飛ばす。マグナスは消滅し、その邪気は吼狼の剣に吸い込まれる。

 

《47.9…46.1…》

 

吼狼たちは変身を解く。するとユニはクロウに向けて笑みを浮かべた。

 

「クロウさん、ありがとうございます。おかげでなんだか重いものが取れたような感じです」

 

「いえ、変われたのは、ユニさん自身の力です。僕は何もやってないですよ」

 

「あ、またそういう事言った!」

 

「……また?」

 

事情を知らないノワールが頭の上に疑問符を浮かべる。ユニがその日の朝起きたことを説明する。説明し終えると、そこにはクロウの姿はなかった。

―――――

「よかったの?クロウ、あのまま帰っちゃって」

 

人気のない道をクロウは一人歩いている。そんなクロウにオルヴァはこう尋ねた。

 

「いいさ、女神は光の象徴、影である僕には、あの二人は眩しすぎる…」

 

そしてクロウは暗い道を歩いていく…

――――

その頃、プラネテューヌの街を、一人の青年が歩いていた。少々パーマの入った茶髪、黒いロングコートを着ている。その青年は、ドーナツを口にしながら歩いている。

 

「まさか紫の管轄に配属されるとはね」

 

彼の左手のグローブについた、仮面をつけた女性の頭部をかたどった魔導具が彼に話しかける。青年はドーナツを食べ終え、何かを思い出すように空を見上げながら応じる。

 

「だな。そういや紫の管轄ってあいつがいるんだろ?半年、しかもニブルシティであって以来だな…」

 

「懐かしいわね、牙狼に会うのは」

 

「あぁ。さて、夜が明けたら挨拶にでも行くかね」

 

「その前に番犬所に行くのが先でしょ?零士」

 

相棒の魔導具のツッコミに零士と呼ばれた青年はクスッと笑う。

 

「はいはい、わかりましたよ“シルヴァ”」




ザルバ「ここで閑話休題といこう、お前さんたちも知りたいだろう?稜牙たちのいろんなことを…次回『魔戒通信 出張版』お前たちの質問にも答えるぜ!」

いかがだったでしょうか今回!そしてあの銀色の狼…どの称号かは、みなさんお気づきでしょうが、彼については次次回の登場をお楽しみに!

そして次回はオリキャラの設定とみなさんの質問にお答えする魔戒通信 出張版です!SS形式で、稜牙たちがはっちゃけます!(おい)

そんなこんなで次回もお楽しみに!
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