牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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稜牙「闇を照らす希望の光に…GAROOOO!」

どうも、ガロです!ちなみに稜牙が叫んでいるのは、現在放送中のゴールドストーム翔の…そしてこの作品のOPにもなる
JAM Projectで「EMERGE~漆黒の翼~」の歌詞の一部です。にしても牙狼のOPはかっこいいものが多いですね!みなさんもぜひ一度聞いてみてください!

それはそれとして、今回はゲイム記者が登場!そしてあの人も数話ぶり登場!……多分みんな忘れてるかも知れないあの人が…

それではどうぞ!


14話 記者

誰かがこう言った…

 

『人は心の中に猛獣を飼い慣らしている。それをうまく飼い慣らすことで、人は人でいられるが、その猛獣に逆に喰われた時、人は獣となる…』

 

この猛獣とは、怒りなどの感情のことだろう。果たして、この言葉を発した者は、本当に獣になってしまう者がいることを、知っていたのだろうか…

―――――

「はぁ、取材とかいろいろしてたらこんな時間に…」

 

夜道を、1人の少女が歩いていた。黄色い髪を後ろで束ね、黒と白を基調とした服装の少女…その少女は、帰り道で、ある光景を目撃した。

 

金色の狼が、黒い悪魔と対峙している光景を。その狼は、彼女が今まで見てきたどんなモンスターより、雄々しく、凛々しかった。

 

「って見とれてる場合じゃない!写真、写真…」

 

デンゲキコはカメラを構え、金色の狼を撮る。金色の狼は、手に持っている剣で、悪魔を切り裂く。X字に斬ると、悪魔は消滅した。

 

「しかし、こんなモンスターがいたなんて…ってあれ?」

 

次の瞬間デンゲキコが目撃したのは、狼ではなく、1人の青年…稜牙だった。

 

「え?ということは人間があのモンスターに変身してた…ってこと?余計気になる!あの〜すみません〜!」

 

デンゲキコはその青年に声をかけ、駆け寄る。

 

「あの、夜分遅くにすみません、アタシはゲイム記者のデンゲキコ、と言います」

 

自己紹介をしながらデンゲキコは名刺を渡す。

ゲイム記者とは、クエストなどで働く女神たちの活躍や、各国の流行などを取材し伝える、いわばジャーナリストのことである。

 

「へぇ…で、そのゲイム記者が俺になんか用か?」

 

稜牙は魔導火をデンゲキコの瞳に照らす。しかしなんの反応も見られない。普通の人間である。

 

「あの、今のは一体…」

 

「気にするな、おまじないだ。…んで?取材ならさっさと終わらせてくれないか?」

 

「はい、では早速…」

 

デンゲキコは先ほど撮った写真を稜牙に見せる。牙狼・翔とホラーが戦っている場面だ。

 

「あなたは、この金色の狼に変身して戦ってましたよね?」

 

いきなり核心に迫っていくデンゲキコ。稜牙の顔を見てみると、睨みながらその写真が写ってるカメラを見ていた。

 

「忘れろ、お前がゲイム記者なら特に」

 

稜牙はこう言い放ち、デンゲキコに赤い札を向ける。

 

「え?なんでですか?モンスターなら、女神たちにも協力してもらったほうが…」

 

デンゲキコは問う。稜牙は淡々と答える。

 

「やつらは女神が相手するようなやつらじゃない…とにかく、今お前が見たのは幻覚だ…」

 

赤い札でデンゲキコの記憶を奪い、その場を立ち去った…

―――――

稜牙の部屋のあるプラネテューヌのシンボル、プラネタワー、そこの近くの売店の近くで、せっせとテントを建てる人がいるのを稜牙は見た。近づいて見ると、零士だった。

 

「いや…なにやってるんだよ…」

 

呆れた様子で零士に問う。

 

「ん?そりゃもちろん、ここの限定デザートを誰よりも早くゲットするためだ」

 

さもそれが当たり前であるかのように零士は答える。

 

ちなみに、零士が狙っているのは、ブドウとバニラを合わせた、まるでネプテューヌの髪の色のようなアイスに、プリンがついた、『ネプテューヌのティータイム』という、限定200個の商品で、開店からわずか10分で毎日完売するという大人気のデザートだ。

 

「甘党も度が過ぎるとここまでになるんだな…シルヴァも大変だな…」

 

「でも、これはこれで、人間らしいといえば人間らしくていいんじゃないの?」

 

稜牙の呼びかけに、シルヴァは口をカチカチ動かす。

―――――

翌朝、デンゲキコはいつものように、事務所に出勤していた。しかし彼女には気になることがあった。何故か金色の狼の写真がデンゲキコのカメラのなかにあったのだ。思い出そうとしてもまったく思い出せないのだ。

 

「あれ?なんだっけこの写真…」

 

なにか凄いスクープの写真かもしれない…でもまったく思い出せない…悩むデンゲキコの元に、青いフードのついた服を着た男性がやってくる。

 

「デンゲキコさん、何見てるんですか?」

 

「あぁ、キドさん…」

 

彼の名はキド…デンゲキコと同期で入ってきて、よく彼女とともに取材に行くことが多い人物である。しかし、彼の書く記事は、デンゲキコの影に隠れるのが、最近の現状である…

 

「その写真、なんか新しいドラマの撮影かなんかですかね?」

 

「うーん、それがイマイチ…」

 

デンゲキコはこのことをキドに話す。キドは少し考え、デンゲキコに提案する。

 

「ためしに教会に行ってみたらどうですか?」

―――――

同じ頃、うずめは、朝食を食べながら、先日見たプラネテューヌの光景を思い出し、箸を止めていた。この日の朝食は、うずめが作った焼き魚である。

 

(あの光景、なんだったんだ?)

 

崩壊していくプラネテューヌ、それを見ているオレンジハートと1人の青年…

 

「俺…疲れてるのかな…」

 

考えても仕方ないと思ったのか、うずめは再び箸を進める。そしてさらにうずめの思考を変える一言が稜牙から発せられた。

 

「うん、美味い」

 

稜牙に褒められたのか、うずめの顔が少し赤くなる。

 

「ほ、本当か、稜牙!」

 

「あぁ、

 

ありがとうな、うずめ」

 

この一言で、うずめの思考回路は、完全に妄想モードへと突入した。

 

(やった!稜牙が美味しいって言ってくれた!なんかうまく言い表せないけど超うれしい!)

 

「あれ?そういえば稜牙さん、昨日のあの零士さん…でしたっけ?あの人はどこに行ったんですか?」

 

これまでにないほど嬉しそうにしてるうずめを他所に、マイナは漬物を食べながら稜牙に聞く。稜牙は呆れた様子で話す。

 

「あいつなら下の売店の近くでテント泊だ」

 

「下の売店って確か限定のデザートがあったんじゃないか?」

 

「あぁ、あれを一番乗りで手に入れるがためにテント泊をしてるんだ」

 

「ええええええええ!?」

 

一同は唖然とする。

 

「零士さんって…甘党なんですか!?」

 

「ていうか零士ってホラー狩りしてるんだよね!?」

 

「というか…ホラー狩りしてるから最初に並べるんじゃ…」

 

上から、ネプギア、ネプテューヌ、マイナの発言である。うずめはただ苦笑いしていた。

 

「はぁ…あいつの甘党ぶりは呆れるよ…」

 

そしてみんなが朝食を食べ終え、教会の執務室でそれぞれの仕事やらを始めようとしたところ…

 

「あのー!すみませーん!」

 

少女の声が聞こえる。ネプテューヌがその声の方へ行くと、そこには、黄色い髪の少女と茶髪の男性がいた。

 

「あ、どうもネプテューヌさん」

 

「おぉ!デンゲキコ、久しぶり!……って、こっちの人は?」

 

「俺はキドです。初めまして、ネプテューヌさん」

 

キドはネプテューヌに名刺を渡す。

 

「よろしくー!ところでデンゲキコ、今日も取材?」

 

「まぁそんなところですかね…ところでネプテューヌさん、これ、見たことありますか?」

 

デンゲキコはネプテューヌに金色の狼の写真を見せる。ネプテューヌは一瞬顔を引きつらせるが、

 

「うーん…見たことはないかな…」

 

すぐにこう答えていた。するとそこに、

 

「あれ?なんだ、もうお客さん来てたのか」

 

自宅であるかのように普通に零士が入ってきた。左手には『ネプテューヌのティータイム』、右手にはそれを食べるようのスプーンを持っていて、肘のあたりからは、ビニール袋を提げていた。

零士を見た瞬間、一瞬だけキドは睨むように零士を見ていた。零士はそれを見逃さなかったが、気のせいだと思ったのか、アイスを口にする。すると突然、デンゲキコの目が輝いた。

 

「あの、あなたは…ってそれは限定200個しか売ってなくて開店わずか十分後に完売する『ネプテューヌのティータイム』じゃないですか!」

 

デンゲキコは零士に駆け寄ると、いろんな角度からそのデザートの写真を撮る。

 

「あ、あの…誰?」

 

「申し遅れました、ゲイム記者のデンゲキコです!ぜひ取材を!」

 

戸惑う零士を他所にデンゲキコは取材を続ける。いつから並んでいたのか、そして味など…

 

「なるほど…あ、最後に1つ、これについて、何かご存知のことってありますか?」

 

デンゲキコは先ほどネプテューヌにも見せた写真を零士に見せる。少し思い出すような素振りを見せてから答える。

 

「多分それは早めに消しといた方がいいぞ?それが移り込むのは呪いの写真…なんて言われてるし」

 

「えっ!?そうなんですか!?」

 

驚き体を震え上がらせるデンゲキコ。零士は笑いながら『冗談だ』と言い、続ける。

 

「でも、それに関わらない方がいいのは事実だ。たとえゲイム記者とはいえ、無駄な詮索はよしたほうがいいよ…それに殺されるかもしれないしね」

 

零士はこう言い放つとそのままうずめたちのところへ行く。

 

「あ、あの!」

 

零士のもとへ行こうとするデンゲキコの肩を、キドはつかんで制止する。

 

「デンゲキコさん、もしかしたらあの人の言う通りかもしれません。それに、たくさんの人に聞いてみれば、情報は案外早く集まるかもしれませんよ?」

 

「あ、確かに、そうかもしれませんね…では、キドさんの考えに乗ってみますか。では、失礼しますー!」

 

デンゲキコたちが出ていく。その一方、零士は稜牙たちのところにいた。

 

「記憶を消したのはいいものの、まさか写真を消すように言わなかったとはね…とんだミスだな、稜牙」

 

「あぁ…これは本当にミスだ…」

 

大袈裟にため息をこぼし落胆する。そんな稜牙を他所に、零士は右手に提げているビニール袋から袋詰めのどら焼きを取り出し、うずめとマイナに手渡す。

しかもそのどら焼きの中には、たくさんの餡子が入っていて、皮はとてもパンパンになっている。

 

「うぉぉぉぉぉ!でかくてすげぇぇぇ!」

 

「すごくおいしそうですね!」

 

二人とも目を輝かせてどら焼きを見る。そしてせかせかと袋をあけ、1口食べる。

 

「美味しい!」

 

満面の笑みを浮かべ喜ぶうずめとマイナを見て、零士や稜牙も、自然と笑みを浮かべる。

 

「俺さ、思うんだよね…人を守るってことは、命だけでなく笑顔を守ることだとだって…」

 

うずめたちの笑顔を見て零士が言う。

 

「まぁそうかもしれないな…でも、デザートの食いすぎはよく無いと思うぜ」

 

皮肉を混ぜて稜牙は言う。

 

「嫌だな稜牙は…これとデザートの食べすぎはまさしく別腹だっての…

 

零士は笑いながら言うが、すぐに真剣な表情に変わる。

 

「それより、あのデンゲキコの近くにいたやつ…ちょっと怪しいと思うんだけど…」

―――――

「はぁ…情報は集まりませんね…」

 

夜、人通りの多い道を、デンゲキコたちは歩いていた。あの後、プラネテューヌのTV局やらにも聞いてみたが、何も知らない…としか返答がこなかった。

 

「ごめんなさい、キドさん、こんな夜遅くまで…」

 

俯きながらデンゲキコは言う。だが、キドはそんなこと気にしてない、と言わんばかりに笑う。

 

「大丈夫ですって、それはもしかしたら本当に何かの見間違いかもしれないし」

 

二人は通りを曲がり、人気のない路地へと入る。入ってまもなく、キドは立ち止まり、デンゲキコにレンズを向ける。キドがいないのに気づいて、デンゲキコは後ろを振り向いた。その瞬間、キドはシャッターを切った。

 

「ちょっと、なに撮ってるんですか!?」

 

突然写真を撮られたからか、デンゲキコは困惑する。キドは静かに笑みを浮かべながらデンゲキコに近づきこう言う。

 

「撮っておこうと思って…

 

 

 

あなたの遺影を」

 

言うとすぐに、キドはデンゲキコの首を絞める。

 

「グァ…コホッ…キドさん…どうしたんですかいきなり…」

 

苦しみながらも、必死に逃れようとするデンゲキコ。キドは投げ捨てるようにデンゲキコを離す。咳き込み、息を整えしゃがみ込むデンゲキコを、キドは蔑むように見る。

 

「その苦しむ様が見たかった…俺はあんたと同期だったせいで、あんたと比べられるはめになってたんだ…だからこそ、この手であんたを殺す…そのために俺は…」

 

キドの口が開く。だが…

 

その開き方は、まるで肉食虫のようだった…

 

「え…これ…何かの…ドッキリですか?」

 

「そう思えるのなら、あんたは幸せだろうな…」

 

キドはデンゲキコに一歩、また一歩と近づいていく。徐々にデンゲキコの体を恐怖が支配していく。だが…

 

「だから言ったろ?無駄な詮索をすると殺されるって」

 

キドは足を止めた。キドとデンゲキコの間に割っているように1人の青年が現れたのだ。

黒髪の少々パーマの入った青年、零士が…

 

「あ、あなたは…」

 

「あれ?どうしたんですか?あなたは今朝教会にいた…」

 

いきなり現れた零士に、デンゲキコもキドも疑問を抱く。

 

「それはこっちのセリフだ、ホラーさんよ…」

 

零士はキドに向けて水色の魔導火を照らす。瞳にはホラーの紋様が浮かぶ。

 

「稜牙、ビンゴだぜ!」

 

遠くから、稜牙とうずめが零士に駆け寄る。

 

「OK、じゃあ零士はそいつ頼む…こいつは俺とうずめで倒す」

 

「あぁ、俺たちのコンビネーション、見せてやろうぜ!」

 

稜牙とうずめは互いを向き頷くと、それぞれ拳を構える。

 

「まぁいっか、こないだは俺が一人でやったし」

 

零士はあっさりと承諾し、デンゲキコの目の前に立つ。

まず動いたのはうずめだった。踏み出し、キドの顔面に正拳突きを与えると、すかさず、もう片方の手でフックをしかける。

しかしそれはキドによって防がれる。キドは暴れるかのごとく、うずめの腕をはらい、うずめの腹部に、回し蹴りを入れようとする。うずめはしゃがみ、それをかわすと、キドの背後に回り込み、キドの正面にいる稜牙のほうに蹴る。

 

すると、今度は稜牙が剣を構え袈裟に斬り下ろす。蹴られて反応できなかったのか、稜牙の剣が描いた軌跡どおりに斬られる。

―――――

「これが、君の写真の真実だよ」

 

稜牙とうずめが戦う様子を見て、零士がデンゲキコに語りかける。

 

「キドさんは…どうなったんですか?」

 

「あいつは心の闇に食われて化け物になっちゃったんだ…もう、あいつを助ける術はない」

 

零士からでた言葉に、驚きを隠せなかった。

 

『あんたと比べられるはめになったんだ』

 

先ほどのキドの言葉を思い出し、まさか自分のせいなのか…とも思い始めていた。そんなデンゲキコに構わず、零士は続ける。

 

「やつらは昼は人に化けるんだ、君だって、あいつがどこか変だな、とか思わなかったろ?それと同じさ…そして」

 

零士たちがキドを見ると、ちょうどキドは化け物になっていた。右腕はどくろを巻いた竜が巻きついていて、全体像は、二足歩行のトカゲを思わせる化け物…

 

ホラー ロエスフェルに…

 

「夜は化け物として人間を襲う、さっきのようにね」

 

デンゲキコは今自分が見てる光景に、唖然としていた…

――――

ロエスフェルは右手の竜から火を吐く。稜牙とうずめは冷静にそれをよけ、反撃に移ろうとしていた。だが…

 

「うわわわわわわわ!」

 

空から何かが落ちてくるかと思うと…

 

「ん?………な!?」

 

それは土煙をあげ着地した…

 

 

ロエスフェルを下敷きにして…

 

「な、なんだ!?」

 

土煙が消えると、ロエスフェルは地面に伏していて、その上には、

 

「あ、稜牙たちやっと見つけたよ!」

 

ネプテューヌがいた。

 

「な、なんでねぷっちが!?」

 

「いやぁ、最近出番少ないから私もホラーと戦おうと思って、女神化して稜牙たち探してたんだけど…ちょっと眠くなっちゃって…その時に女神化が解除されて…」

 

ネプテューヌは頭に手を置き、苦笑いしながら答える。

 

「落ちたら俺らを見つけて、しかも偶然ホラーを下敷きにしてたと…」

 

「え?ホラー…ってねぷっ!?」

 

下を見て、ホラーがいたことにネプテューヌは驚き、素早くロエスフェルから離れる。下敷きにされたロエスフェルはゆっくりと立ち上がり、一声唸る。

 

「それにしても、このホラー気性荒いね…」

 

呑気に言うネプテューヌに、誰のせいだ…と内心稜牙たちはツッコミを入れる。

 

「ソモツ…ソモツ!」

 

ロエスフェルはホラーの言語で叫びながら、辺りに右手の竜の顔から火球を放つ。

だが稜牙は、牙狼・翔の鎧を纏い、牙狼剣で弾き返す。同時にネプテューヌたちも女神化、パープルハートは、ネクストフォームになる。

 

―――

「あ!あれって写真の狼…ってうわわわ!?」

 

火球はデンゲキコのほうにも届く。デンゲキコは慌てふためくが、零士はコートの裏からチョコを取り出し口に含む。

 

「ちょっと!?呑気にチョコを食べてる暇なんて!」

 

火球と零士たちの距離は近くなる。しかし、零士は絶狼となり、銀狼剣で火球をはじくことで、事なきを得た。

 

「さて、援護ぐらいはしますかね!」

 

絶狼はロエスフェルの頭上から、雷を落とす。

 

絶狼の落とした雷を受け、ロエスフェルは身動きが取れなくなる。その隙を逃さず、ネクストパープルは、瞬時に近づき、X字に斬ると、一回転し、その回転の力を利用して剣を振るう。

ネクストパープルの剣を受け、ロエスフェルは吹き飛んでいく。するとオレンジハートは飛び上がり、

 

「うにゃぁぁぁ!」

 

宙返りをして、飛ばされているロエスフェル目掛けて飛び蹴りを入れる。さらに、ロエスフェルを蹴った反動でさらに飛び上がる。

 

「稜牙、後はお願い!」

 

「おうよ!」

 

思いっきり踏み込み、フラフラと立ち上がるロエスフェルに接近し、牙狼・翔は横薙ぎに切り伏せる。

断末魔の叫びも上げずにロエスフェルは消滅した。

――――

「俺たちが戦ってるのはああいう心の闇に食われた人間…つまり俺らがやってるのは人殺しと変わりないのさ」

 

「人殺し…ですか…」

 

ロエスフェルを討滅した後、零士は魔戒騎士やホラーの名を出さずに、デンゲキコに自分たちのことを簡単に説明した。デンゲキコは零士に問う。

 

「今まで女神のみなさんに言わなかったのはそれが理由ですか?」

 

「まぁそうかもね」

 

零士が苦笑いしながら答え

 

「…それに」

 

少し間を置き続ける。

 

「みんなに、もし隣の人がその化け物だったらどうしようっていう疑念を抱かずに、笑顔でいて欲しいからね…だから、今日見たことは、全部忘れてくれないかな?」

 

遠くでハイタッチをする稜牙とうずめを見て零士は言う。

笑顔だけど、その中の信念のような物をデンゲキコは受け取ったのか、頷き、写真を消した。

 

「君はきっといいジャーナリストになれるよ…それじゃ、いい夢を」

 

零士は稜牙も持つ札で、デンゲキコの記憶を消し、デンゲキコの前から姿を消す。

――――

同じ頃、リーンボックスで、1人の少女がホラーに襲われそうになっていた。服は青く、アイドルのような服装で、左のサイドテールの茶髪の少女…増嶋 愛だ。

 

「ベール様!誰か!助けてください!」

 

愛は叫ぶが、それは暗闇の中に消えて行った。そしてホラーが愛目掛けて飛びかかる。

……が、ホラーは愛を襲うことはなかった。すんでのところで、斧を持った緑の狼がそれを抑えていたのだ。

 

「はぁぁ!」

 

緑の狼は豪快にホラーごと斧を地面に叩きつける。土煙をあげながら、ホラーは邪気となり消滅する。

 

「あ、あの…」

 

光とともに戯牙は消え、緑の狼がいた場所には、黒髪の青年がいた。

 

「大丈夫か?」

 

青年が愛に尋ねる。

 

この出会いが、数日後に開かれるプラネテューヌとリーンボックスの合同イベントの裏で行われる、戦いの“前奏”だった…




ザルバ「音楽というものは素晴らしいな、時に人を喜ばせ、時には涙を誘う…次回『歌姫』その旋律は悪魔のささやき」

いかがでしょうか
次回はメーカーキャラがたくさん登場しますよ!

さて、最後に出てきた緑の狼…見覚えありませんか?

次回お楽しみに!
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