牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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いろいろな用事があって更新が遅れてしまいました…

無事プラネテューヌとリーンボックスの合同イベントが終わり、プラネテューヌに戻った稜牙たちを待ち受けていたのは…

それではどうぞ!


18話 懇願

「はぁ…はぁ…」

 

プラネテューヌの路地裏、そこで、傷ついた男性が壁を伝いながら歩いていた。

 

「助けてください、女神様…」

 

男性が助けを求める。すると、光と共に、男性の目の前に、白いドレスの女性が現れた。

 

「私が救ってあげますよ…」

 

女性が男性に手を向けると、男性の頭の中に様々な光景が浮かび上がる。すると、男性の顔が嬉しさに満ちたように見えた。しかしその後男性が見たのは…

 

黒き悪魔の姿だった…

―――――

「……ここは…」

 

気がつくと、うずめは公園の中にいた。辺りを見渡しても、特に目立った変化は見られない。

 

「女神様〜!」

 

突然、少年がある方向を向いて叫ぶ。他の子供たちもそうだ。その方を見ると、リアカーを引いて、メガホンで何かを宣伝している女神がいた。

うずめはその女神に見覚えがあった。

 

「……あれは…俺?」

 

なぜなら、その女神は、自身が女神化した姿…

 

オレンジハートなのだから…

――――

「おい、待ってくれ!」

 

うずめはベットから飛び起きる。落ち着きを取り戻してから、うずめは周りを見る。そこにはたくさんの魔導具が並ぶ、プラネテューヌの自分の部屋だった。

 

「夢だったのか…」

――――

「うーん……」

 

朝食、うずめの箸は止まっていた。

 

「ん?どうした?うずめ、しいたけでも入ってたか?」

 

「いや、そうじゃなくて…ってなんで俺がしいたけ苦手なこと言うんだよ稜牙!」

 

稜牙の言葉に、うずめは顔を赤くしながら反論する。

 

「えっ、うずめさん、しいたけ苦手なんですか?」

 

「へぇ…うずめにも嫌いなものあるんだ」

 

「えっ!?いや、その…」

 

ネプギアたちに追い討ちをかけられ、さらにうずめはあたふたする。そして…

 

「かっこいいうずめさんなら、好き嫌いなく食べると思ったんですけどね…」

 

マイナのトドメの一撃により、うずめは完全に沈黙した。

 

「う、うずめ…大丈夫?」

 

プリムがうずめに声をかけるも、いみをなしてないようだ。

 

「そういえば、プリムさんってマイナさんと一緒にゲイムギョウカイを守護してたんですよね?」

 

思い出したようにネプギアが尋ねる。

 

「うん!アタシは陽の国【アロダ】っていう国の女神、シャインハートなんだ!」

 

「私たちは、姉妹のような感じで、一緒にゲイムギョウカイを守護してきたんです。それこそ、今のような感じで」

 

マイナがその時のことを懐かしみながら話す。

 

「確か、冴島 迅牙もその頃…」

 

「えっ?君も迅牙のこと知ってるの?」

 

プリムが稜牙の方に目を見開く。

 

「え?まぁ先代の黄金騎士だし、それにマイナから聞いたことがあってな」

 

「なるほどね…迅牙か…懐かしいな…」

 

プリムは懐かしむように天井を見上げる。

 

「アロダの協会に迅牙が来てからというもの、プリムは迅牙にびったりだったもんね…」

 

マイナはプリムを見ながら微笑む。

 

「フフッ、アタシは一度惚れたらそのまま突っ走るタイプだからね…」

 

稜牙は納得したような素振りを見せると、咳払いをして話し始める。

 

「で、何かあったのか?うずめ」

 

うずめは少し考え、話す。

 

「実は、夢で、俺がリアカーを引きながら歩いてるところに、女神様って声を掛けられて…俺がもし一国の女神だったらどうなんだろうな……って考えててさ」

 

「うずめが守護女神か…」

 

稜牙がうずめが収める国のことを想像する。するとそこに、

 

「うずめさんは、本当に昔、守護女神だったんですよ?」

 

「イストワール!?」

 

イストワールが稜牙たちの元にやってくる。

 

「俺が守護女神だった……って、オレンジハートのことか?」

 

「はい、実は、ネプテューヌさんの二つ前のプラネテューヌの女神が、オレンジハートさん…いえ、うずめさんだったんです」

 

「ねぷっ、私の二つ前の女神?」

 

ネプテューヌの問いにイストワールは頷く。

 

「えぇ。もしかしたら、ネプテューヌさんより、いい国だったかもしれませんね」

 

「ちょっといーすん、本人いる前でそれ言う!?」

 

ネプテューヌは驚いてイストワールに突っ込む。

 

「まぁまぁ、ねぷっちがオレンジハートのころよりいい国にすればいいんじゃないか?」

 

「そうですね、ゲームばっかしてないで、ね?」

 

うずめとマイナがネプテューヌに追い討ちをかけると、

 

「うぅ…ひどいよマイナ…」

 

思いっきりネプテューヌは落ち込んでいた。

―――――――

プラネテューヌの暗い某所、そこで統牙とクロワールは、1人の女性と面会していた。その女性は白いドレスを着ていた。

 

「よう、デュミス」

 

デュミスと呼ばれていた女性は、フフと笑う。

 

「私をその名前で呼ぶってことは、あなた、魔戒騎士か魔戒法師ね?」

 

統牙は1つ頷いて続ける。

 

「お前に頼みがある。あるやつの記憶を見てきて欲しい」

 

「へぇ、まさかホラーに協力を依頼するなんて…あなたの過去も気になるわね」

 

デュミスは統牙に手を向け、波動を放つ。すると、統牙とデュミスの中に、様々な光景が浮かんでくる。稜牙との決戦、黒い結晶を手にした時、

そして…

 

統牙が1人の女性を抱きかかえている時……

 

その光景が消えると、デュミスは微笑む。

 

「へぇ…ベルシファを使うとはね…まぁいいわ。黄金騎士とその仲間の魔戒法師の記憶を見ればいいんでしょ?」

 

「あぁ、人間が喰いたいなら、数人程度なら喰わせてやる」

 

デュミスは笑いながら、統牙に背を向け歩き出す。

 

「人間ならいらないわ。その代わり、リーンボックスのホラーみたいに、駒扱いしないことね」

 

デュミスが消えたのを確認すると、統牙は『さあな』と呟く。

 

「ところでよ、お前、どんな過去見せられたんだ?」

 

それまで無言だったクロワールが喋り出す。

 

「お前の知ったことじゃない…」

 

統牙は懐から懐中時計を取り出し、それを胸のところで握りしめる。

 

 

 

(燐音…俺はもう二度と、お前のような犠牲を作らない…だから、もう少しだけ待っていてくれ…)

 

 

―――――

その夜、稜牙とうずめ、そしてマイナとプリムはホラーの搜索を行っていた。

 

「見当たらないね…ホラー」

 

「もしかすると、あのハプルムの言っていた協力者が関係しているのかもな」

 

プリムの呟きに対していったザルバの言葉で、稜牙はハプルムが言った言葉を思い出していた。

 

『私はあの場で悲鳴を集めるだけ、その代わり帰還したら罪人を食らう…そういう契約なのよ』

 

(ハプルムの言っていたのは、きっと涼原 統牙だ…あいつはベルシファを使って、ホラーのいない世界を作ると言っていた…だとしたら、そのホラー人間を襲わせるのは、どういうことなんだ?)

 

下を向きながら稜牙が思考していると、

 

「そんな調子で大丈夫?」

 

突然、プリムが稜牙の顔をのぞき込んできたのだ。

 

「プ、プリム!?……大丈夫だ、問題ない」

 

稜牙は驚いた様子でいるが、すぐに落ち着きを取り戻す。

 

「うん、ならいいんだ。君が調子悪いと、うずめにまで影響がでそうだしね」

 

プリムの言葉に、稜牙は疑問を浮かべる。そしてまもなく…

目の前に白いドレスの女性が現れた。

 

「初めましてね、黄金騎士」

 

そう言うと女性は稜牙たちに手を向け、波動を放つ。

―――――

その波動の影響か、うずめの目の前には、夢の時と同じ公園が広がっていた。

 

「女神様〜!」

 

少年たちがオレンジハートに声を掛け、オレンジハートがそれに手を振る。ここまでは、夢と同じだった。

 

そう、ここまでは…

 

突然その公園を黒い瘴気が包むと、そこはプラネテューヌの協会となった。うずめの視線の先には、崩壊していくプラネテューヌの光景から目をそらし涙を流すオレンジハート。そして、それを必死に慰めようとする青年がいた。

 

「どうして?うずめは、うずめはもっとみんなと一緒に楽しくなりたかっただけなのに…」

 

「大丈夫、うずめちゃんは何も悪くないよ」

 

オレンジハートがすすり泣くと、青年は、その頭を優しく撫でてやる。だがそれも功を奏すことはなく…

 

「もういや…もう何も考えたくない…もう、もう…

 

 

みんな消えちゃえ」

 

 

―――――

そこで景色は、元に戻った。

 

(あれは…なんなんだ?)

 

うずめは無意識に震えていた。先程の光景に恐怖を覚えたのだろうか…

 

「フフ…それはあなたの過去よ?魔戒法師、いや、女神様」

 

「お、俺の!?違う、俺は…あんなこと…」

 

ふと稜牙のほうを見る。しかし、稜牙はまったく動じずに、魔導火を女性の方に飛ばす。すると瞳にホラーの紋様が浮かび上がる。

 

「くっ!ホラーか!」

 

うずめは魔導筆を握りしめる。しかし、その腕はとても震えていた。

 

(で、でも、もしこのまま女神の力があったら、俺は…プラネテューヌを…)

 

そう考えてしまい、うずめの体はさらに震えていた。そんなうずめの肩に、プリムが手を添える。

 

「うずめ、ここは稜牙に任せよ」

 

「そうです、非常に言いずらいのですが、今のうずめさんでは、逆に稜牙さんに迷惑をかけると思います」

 

マイナも、そのようにいい、うずめはそのまま、後方へと下がった。

 

それを確認すると、稜牙は剣を構えた。

 

「フフ、あなたもずいぶんと辛い過去背負ってるみたいだけど、案外ピンピンしてるのね」

 

「そりゃもちろん…俺の過去みたら、何故かはわかるだろっ!」

 

稜牙は女性に向かって剣を振り下ろす。

真っ二つに斬り下ろすように剣を振るうが、女性は軸をずらして回避する。すぐに稜牙は水平に振るうが、女性はまるでマト○ックスかのように体をそらしそれを回避する。

そして起き上がり両手で稜牙を突き飛ばした。

 

それは予想外だったのか、稜牙は防御せず、そのまま後ろに数歩下がった。

 

「くそっ!」

 

稜牙が再び剣を構える。すると、女性に向かって雷が落ちる。女性は痺れて動きが止まる。そして、零士が稜牙のもとにやってきた。

 

「大丈夫か、稜牙」

 

「あぁ、俺はなんとか…うずめが心配だ、さっさと片付けるぞ」

 

零士も女性に剣を向ける。すると、女性の姿は、みるみるうちに人ならざる物へと変化していく。

 

姿は、黒いロングドレスを着た人間、腕は禍々しく、顔は口が裂けている。

これがホラー デュミスの姿である。

 

その姿を視認すると、稜牙と零士は自身の剣で空に軌跡を描き、それぞれ牙狼・翔、絶狼の鎧を纏う。

牙狼・翔と絶狼が、それぞれ別方向から剣を振り下ろす。デュミスに向けて剣は振り下ろされるが、デュミスはそれぞれの剣を片腕で受け止め、押し返す。

 

続いて絶狼が右手の剣をまっすぐに振るう。当然、それは片腕で受け止められる。しかし、絶狼はもう片方の剣で、デュミスの腹部を貫いた。そして牙狼・翔も続いてデュミスを貫く。

 

「グウァ!」

 

痛みによってデュミスが叫ぶ。そして牙狼・翔と絶狼は、同時に剣を引き抜き、デュミスを水平に斬り捨てる。デュミスは邪気となって消滅した。

――――――

デュミスを討伐すると、稜牙は真っ先にうずめのもとに駆け寄った。

 

「うずめ、大丈夫か?」

 

先程よりは震えは収まってはいるが、その顔は、恐怖と不安に染まっていた。

 

「……なぁ稜牙、お願いがあるんだ」

 

うずめが稜牙の顔を見る。

 

「もし、俺の力が暴走して、プラネテューヌを…ゲイムギョウカイを滅ぼしそうになったら…その時は…」

 

うずめがさらに言葉を続けようとすると、稜牙は強くうずめの肩をつかんだ。

 

「俺を殺してくれって言うんなら、その願いは引き受けられない」

 

「……え?」

 

少々困惑したうずめは、オレンジハートの時のような声になっていた。

 

「仁さんが言っていたんだ。

 

『もし1を犠牲にして10を救わなければならないのなら、1も10もどっちも救え』

 

って。だからその時が来たら、俺はゲイムギョウカイの人々、そして………

 

 

 

 

 

 

 

うずめ、お前を守ってみせる」

 

 

 

「稜……牙……ありがとう…ありがとう!」

 

うずめを守る。その一言に安心したのか、うずめは嗚咽混じりに泣き出す。そんなうずめを、稜牙は優しく抱きしめた。

 

「おいうずめ、男の前で泣くなんて、かっこ悪いぞ?」

 

「でも…」

 

うずめはただ、涙を流していた。

――――

「おぉ〜お熱いねぇ、あの二人」

 

少し離れたところから、プリムは目を輝かせて稜牙たちを見ていた。

 

「そうやって見るのもどうかと思うぜ…」

 

零士は、そんなプリムの様子を見て、苦笑いしていた。

 

「でもあの二人、なんだか、互いに支え合う仲みたいですね」

 

「ですね、じゃなくて実際そうだって!」

 

マイナの言葉に、プリムがそうツッコミを入れる…




ザルバ「稜牙、どうやらお前は【時元の間】に来てしまったらしいな、しかも目の前には先代の牙狼か…
次回『双嵐』何!?あいつはまさか…」

いかがだったでしょうか今回…最後にものすごい稜うずの内容がありましたが…

そして次回は…

なんと!あの次元から!ある方をお呼びしたいと思います!

誰かは次回のお楽しみです!

では次回また…
感想お待ちしております!
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