牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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記念すべき(?)25話目にして第20話でこの回を投稿できることを嬉しく思います。

今回はうずめがさらにパワーアップ!下手したらこの作品の中で結構強い部類になってるかも…

そういえば、紅蓮の月もそうですが、新しいガンダム、鉄血のオルフェンズも楽しみです!ガンダムバルバトス…かっこいい…

それではどうぞ!


20話 陽輝

稜牙が時元の間でメテオと戦っていたその頃……

 

「………」

 

うずめは、教会の廊下を俯きながら歩いていた。

 

(夕べのあれはなんだったんだ?あのホラーに見せられたやつのなかで、オレンジハートは、自分のことをうずめって言ってた…)

 

うずめは、昨晩デュミスに見せられた光景のことを思い出す。リアカーを引いてゲームの宣伝をし、自暴自棄になって

『みんな消えちゃえ』

と言ってしまった、女神化した自分、オレンジハートのことを…

彼女の正体がなんなのか…その疑問がうずめの中にあった。それだけじゃない。

 

『うずめ、お前を守ってみせる』

 

「………うわぁぁぁぁ!しかもなんなんだよ稜牙は!」

 

自分を励まそうとしたのか、稜牙の言葉が何度も脳内で再生される。

 

「あの時はいろいろこんがらがってたけど、今思い出すと超恥ずかしい…うぅ〜」

 

しゃがみ込み、あまりの恥ずかしさに悶えるうずめ。

 

(…なんで稜牙はあんなに…優しく…仁をこの手で斬って…それに…)

 

そう考えていると…

 

「へぇ〜、それはどんなことがあったのか、ぜひとも聞いてみたいですね…ねぇ?プリムさん」

 

「そうですねぇ…あの“かっこいい”うずめさんがここまでか・わ・い・くなっちゃうほど恥ずかしいことだったんですかねぇ〜?」

 

「ひにゃあ!?まいっちにぷりっち!?」

 

突然後ろから現れたマイナとプリムに驚き、うずめは飛び上がり彼女たちの方を向く。

 

「と、ところで…いつからここに…?」

 

「ええっと…稜牙さんがどうたらこうたらと言ってたあたりから」

 

マイナが言うと、自分も同じくとでも言うように、プリムも頷く。

 

「え?じゃあ…あのうずくまってるところも…?」

 

「うん!一部始終をバッチリと!」

 

「そんなぁぁぁぁぁぁ!」

 

屈託のない笑顔で親指を立てるプリムを他所に、再びうずくまるうずめ。

かっこよくあろうとするうずめにとって、可愛い姿を見られたのは、恥ずかしい意外の何者でもなかった。

 

「あれ?そういえば…その肝心の稜牙さんが見当たりませんね…」

 

マイナは周囲を見渡す。うずめは稜牙がザルバに命を与えていることを話す。

 

「なるほど…じゃあ今日は零士さんあたりと一緒にホラー狩りですか…」

 

マイナの言葉にうずめは頷き、ある部屋の扉の前で止まる。

 

「でもその前に…確認したいことがあるんだ…俺について…」

――――――

「なぁなぁ、教えてくれたっていいだろ?お前、どんな過去見せられたんだよ」

 

とある魔導具が鎮座する場所、そこでクロワールは、統牙を問い詰めようとしていた。というのも、先日デュミスによって、統牙は、自分の過去を見せられたからである。

 

「燐音のことは今は関係ない……」

 

統牙はボソッと呟く。それをクロワールが聞き逃すわけもなく、

 

「ん?今“リンネ”っつったか?なぁ、誰なんだよそれ!俺だって協力者なんだ、教えてくれたっていいだろ!」

 

「………黙っていろ!」

 

さらにクロワールが問い詰めると、統牙はクロワールに向けて剣を突き立てた。

 

「おいおい、ちょっと待ってくれよ!確かに俺が悪かったからよ、だから一旦その剣下ろしてくんねぇか?それに、お前だって俺に死なれちゃ困るはずだろ?」

 

統牙は舌打ちをして剣を鞘に収める。

 

 

「燐音は今は関係ない…だが、俺の原動力であることは確かだ…“あの事件”があったからこそ、俺はベルシファを使うことを決断した……このくらいでいいだろ…」

 

そう言って統牙はその場を後にする。

 

「ニシシ…なんだ、教えてくれたじゃねぇか…しかし、ある事件で計画を始めたとなりゃ、どんどんおもしろくなるじゃねえか!」

 

クロワールはただニヒヒと笑っていた…

――――

「………」

 

教会の集会所で、うずめはイストワールから聞かれた事に頭を抱えていた。イストワールから語られたことは、うずめがデュミスによって見せられた光景に類似する点が多かった。

 

(じゃああれは本当なんだ…あれは…いってみれば、前世の俺の過去…)

 

「『このままだと、過去の俺の力が暴走して、またプラネテューヌを滅ぼすかもしれない』……か……どうしたもんかね」

 

『うーん』と言いながら頭をくしゃくしゃとしていると、

 

「大丈夫か?うずめ。イストワールと話して以来ずっとそうだけど」

 

「零士か…」

 

両手にクレープを持った零士がうずめの近くに座り、そのうちの一つをうずめに渡す。

 

「ありがとな、零士」

 

「いいってことよ、お前が元気じゃないとうちの黄金騎士がご乱心しかねないからな」

 

「それもそうかもな…」

 

零士の言葉に笑いかけ、うずめはクレープを一口食べる。するとすぐに…

 

「う〜ん!超甘くて美味しい!特にいちごの甘さとアイスの甘さが絶妙にマッチしてるところが!」

 

口調が変わり、舌づつみを打つ。

 

「ハハッ、やっぱ素は隠せないもんなんだな」

 

「!?い、いや、これは素じゃないぜ?今の、かっこいいほうの俺が素だからな!」

 

顔を赤くして零士を見る。零士は立ち上がり、扉の方を向く。

 

「これからホラーを狩りに行くがお前はどうする?俺としては、今のお前を連れて行きたくはない。

だが、黄金騎士が寝てる以上、騎士でも法師でも多い方が楽だからな…お前の意思を尊重するぞ」

 

それに、うずめは立ち上がり、クレープを持ってない方の手を握りしめて、

 

「だったら俺も行くぜ…稜牙と同じで見てるだけってもの癪だしな」

 

と応じ、クレープに、まるで骨付き肉を食べる時のように喰らいつく。

―――――

「………なぜあんたらまでついてくる…あんたらはうずめの親族かなにかか…」

 

零士はうずめの後ろにいるマイナとプリムに呆れてため息を吐く。もう彼女たちがホラー狩りの場にいるのも日常となりつつある。

 

「まぁまぁお気になさらず、私たちだって、先代の牙狼である迅牙と一緒に、ホラーを倒してたんですから」

 

「そうそう!それに、アタシの力は、うずめにとっては役に立つものだからね!」

 

「俺に?どういうことだ?」

 

うずめが問うと、プリムは自慢げに腕を組む。

 

「へっへ〜ん、聞いて驚くことなかれ…アタシはなんと、自分自身でシェアエネルギーを作り出せるんだ!」

 

「な、自分自身!?」

 

シェアエネルギーとは元々人々の信仰心である。それを自分で作り出せることに、うずめは驚愕していた。

 

「それに、そのシェアエネルギーを他の女神に分け与えることもできるんです。あ、ちなみに、女神化したら、そのシェアエネルギーを炎にして戦うんです…そのときの神々しさから、ある界隈からは【陽輝妃】なんて言われてましたね」

 

「でも、そんな力をもってたらいろんなやつらから狙われないのか?」

 

零士が問う。シェアエネルギーを作り出せるということは、それだけ何者かに狙われるリスクもあるということになる。

だが……

 

「え?もちろん壊滅させたに決まってるじゃん♪」

 

屈託のない笑顔でサムズアップをするプリムに、苦笑いするしかなかった。

 

「みんな、話してるとこ悪いけど、ホラーがこの近くにいるわよ」

 

シルヴァが零士に語りかけ、それぞれが周囲に警戒をする。

 

「!?上からくるよ!」

 

プリムが上空を見ると、鳥のような翼をはやしたホラーが零士たちの元に降り立った。

 

「これが今回の討伐対象、バームネヘドか…」

 

零士が魔戒剣を、うずめが魔導筆…そしてマイナが弓を、プリムが柄に太陽のような装飾の付いた剣を装備する。

 

「グァァァ!」

 

素体ホラーより、獣然としたホラーがうずめを襲う。とっさにうずめは魔導筆で応戦しようとするが、

 

「うわぁぁ!」

 

ホラーが振り上げた拳により、うずめは吹き飛ばされ、その衝撃で気を失っていた。

 

「うずめ!うずめ!」

 

プリムが獣のホラー、ビストゲルの攻撃を交わしながらうずめに呼びかけるが、その声はうずめには届いていなかった…

――――

(まさか…ホラーの奇襲でぶっ倒れちまうだなんて…こんなのカッコ悪ぃし…稜牙に示しがつかねぇ…)

 

うずめの意識が遠のいていく最中…

 

『うずめ…うずめ!』

 

「これは…俺の声?」

 

うずめは自身の声を聞く。その声色は、素の自分の時の…女神化したときの声だった。そしてうずめの目の前で橙の光が光り、さらにその光は、どんどん人型となり……

 

オレンジハートへと姿を変えた。

 

 

「俺…なのか?」

 

『そうだよ、うずめは、プラネテューヌの女神だったころのうずめ…まぁ前世のうずめって思ってくれるといいかな』

 

そして目の前のオレンジハートは、突然うずめに深く頭を下げる。

 

『ごめん!うずめがあなたに影響を及ぼして……うずめの過去が、あなたを蝕んで…あなたを、女神に変えてしまった…』

 

うずめは頑なに首を横に振る。

 

「いや、いいんだ…あんたの過去を知って、ちょっと考えてみたんだ。俺が女神だったら…そして、このまま女神になってたらどうなってしまうのか…」

 

『……怖いって思ったことは…ないの?うずめの力が一度プラネテューヌを滅ぼしたって聞いて』

 

「正直言って、初めて知った時は怖かった…だって、ちょっと前まで人間だったのに、急に女神になって、その女神の力で一度プラネテューヌが滅びかけてんだから」

 

うずめの言葉に、オレンジハートは返す言葉がなかった…自分の辛い過去を、来世である目の前のうずめに背負わせているのだから…

 

「でも今は違う。もし俺が暴走しても、稜牙が助けるって言ってくれた…」

 

そして口調が変わる。

 

「けど、それじゃあ稜牙だけが、辛い思いばっかりする…そんな稜牙をうずめは見たくない…だからうずめも強くなって、稜牙の負担を減らしてあげたいんだ…」

 

うずめの意思を聞いたオレンジハートは、これまでの暗い表情から一点、にっこりと微笑む。

 

『優しいんだね、あなたは…その優しさがあればきっと…うずめの力も乗り越えられる…』

 

そして光が眩くなっていく……

――――

「うずめ!うずめ!」

 

「…ん……ぷりっち?…ホラーは?」

 

意識が戻ったうずめが最初に聞いたのは、プリムが自分を呼ぶ声だった。

 

「ホラーは、今零士とネプテューヌが交戦してるよ」

 

うずめが起き上がり見ると、バームネヘドとネクストパープルが激しい空中戦を繰り広げ、地上では、零士がビストゲルの振るう腕を避け、その腕を斬っていた。

 

「俺も…戦わないと…」

 

「ちょ、うずめ!?今意識が戻ったばっかりなんだよ?そんな状態で行ったら」

 

ホラーに向かおうとするうずめをプリムが静止し諭す。しかし…

 

「俺だって守りし者なんだ!稜牙やみんなに守られるだけなのは嫌なんだ!

だからぷりっち…行かせてくれ!」

 

うずめは頑なにそれを拒む。プリムは一度息を吐いてから、まっすぐにうずめを見る。その表情は真剣そのものだった。

 

「うずめ、本当に戦うんだね?その力が、世界を滅ぼしかねなくても」

 

うずめはただ頷く。するとプリムは両手を叩き、その表情を和らげる。

 

「よし、決まりだね!それじゃあアタシがうずめに力をあげるよ!後は任せて」

 

プリムはうずめの両手を握り目を閉じる。

 

「我が光を汝に授けん…これより我は汝が剣、汝が拳、汝が翼となろう…」

 

そしてプリムが謎の呪文のようなことを口ずさむ…

 

 

 

 

《system CORONA update…

 

Let's Awakening Apollonus Orange!》

 

 

 

 

途端、プリムが光となってうずめに吸い込まれていく。

 

うずめの体は一度オレンジハートのものとなり、スーツの白い部分が赤に、両腕には排熱機構の付いたガントレット、足のローラースケートは廃され、背中の翼は紅く、少々悪魔じみたものとなっていた。そして胸部装甲の中心には紅と橙で作られた太極図の紋章

 

これこそ、うずめとプリムが融合した姿…

 

「『アポロヌスオレンジ…覚醒完了!』」

 

 

アポロヌスオレンジである…

 

「すごい…力が溢れてくる…」

 

『うん!無事成功したみたいだね!アタシのシェアエネルギーを譲渡する能力をちょっと変更して、アタシのプロセッサユニットの力もうずめに渡してみたんだ』

 

「ありがとうぷりっち…これでなら…稜牙の苦しみを少なくできる!」

 

拳を握りしめたアポロヌスオレンジは、目にも止まらぬ速さでビストゲルに近づき、右腕でビストゲルの腹部にパンチを入れる。その直後、右腕のガントレットの排熱機構が展開する。

それが元に戻ると同時に、超高温の熱がビストゲルに向けて放出され、

 

 

 

ビストゲルの肉体は一瞬にして蒸発した。

 

 

 

「え?…嘘だろ…」

 

「いや、これはうずめも驚いたというか…」

 

あまりの威力に、零士はおろか、それを放ったアポロヌスオレンジ自身も驚愕していた。

 

『あはは、最初の一発だから、制御間違えたかも…さ、あと一体だよ!』

 

太極図の紋章からプリムの声が聞こえると、アポロヌスオレンジは飛び上がり、背中の翼を広げる。すると、眩い紅い“光の翼”がそこから広がっていく。

 

「うずめ?その力は…」

 

「ねぷっちはちょっと下がってて、この力が制御できないかもしれないから!」

 

言葉通りにネクストパープルは後退し、それをバームネヘドは追いかけようとする。アポロヌスオレンジはそれを受け止め、アッパーで打ち上げる。

アポロヌスオレンジは左手に魔導筆を持ち、円の軌跡を描く。そして右手に呼び出したメガホンを用いてその円に向かって叫ぶ。円からレーザーがバームネヘドに向けて放たれ、片翼を焼く。バランスを保てなくなったバームネヘドはそのまま墜落していく。

 

「あとは頼んだよ、零士」

 

「あぁ、シメを残してくれてありがとよ!」

 

零士は絶狼を纏い、向かってくるバームネヘドを真正面からX字に切り裂いた。

――――

「ありがとうな、ぷりっち…俺、助けられてばっかりだな」

 

ホラーを討滅した帰り、うずめはプリムに感謝を述べていた。

 

「気にしなくていいって……うずめ、なんか元気が出てる気がする」

 

「え?……そうかもな、いろいろ吹っ切れられたし」

 

プリムに笑いかけ、うずめは教会へと歩いて行く。その背中を、プリムは誇らしく思いながら見ていた。

 

(過去が未来に居座っちゃいけない…迅牙、稜牙とうずめならきっといいコンビになると思うよ。だから、先代のコンビとして、一緒に見守っていこ、

 

“今を生きる守りし者”たちを)

――――

クロワールは1人、鏡型の魔導具で、ある光景を見ていた。

 

アリーナのような場所では、女性のマネキンと蛇を合わせたようなホラーと、“黒い”牙狼が交戦していた。そしてその牙狼がホラーを切り裂くと、一瞬だけ、黒い牙狼が、金色に輝いたように見えた。

 

「へぇ、黒い牙狼か…こいつぁ、今の牙狼と合わせたら、きっと面白ぇことになるに違いねぇ!」

 

その魔導具ごしの牙狼を見て、クロワールは高らかに笑っていた……




ザルバ「どうやらまた別の次元からの客みたいだな。しかも、黒い牙狼らしいぜ…次回『黒騎』漆黒の牙狼、再臨!」

………ということで次回から、コラボ第二弾が始まります!その作品は…

ジュンチェさんの『IS×GARO《牙狼》~闇を照らす者~』!

黄金騎士 牙狼・翔:叢雲 稜牙、

そしてIS学園の輝きを失った牙狼:道外 流牙

が、ゲイムギョウカイの闇を照らす!


さらに!!ジュンチェさんのもう一つの作品『Fate/G.B. ~GARO《牙狼》 DIVINE FLAME ~ 』に、うずめとネプテューヌ、そして稜牙が登場!!

ジュンチェさんと私の相互コラボ、お楽しみに!
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