牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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ゴールドストームの最終回…あれはいい最終回でした!ただ欲をいえば法剣でパワーアップして欲しかった…でも、そうなるとガルドの立場があれか…

うん、牙狼・闇だそう(ほぼ確定)

さて、そんなこんなで今回は魔戒法師の特訓という名の女の戦いミニ!


21.2話 黒騎~いざ特訓!side魔戒法師~

一方その頃、うずめたちはプラネテューヌ協会の訓練場で特訓をしていた。とはいえ、稜牙たちのように組み手をするわけではなく、うずめがリアンや箒たちに術を教える、というものだ。

 

「よし、今からみんなに教えるのは、結構強力な術だ!」

 

「お願いします、うずめさん」

 

うずめが頷くと、マイナは何らかの特訓プログラムを設定する。すると、うずめたちの前に立体ホログラムとして、スライヌが現れた。スライヌの近くには、

 

『HP:10000/10000』

 

と表示がされていた。

 

 

 

 

……ところで、スライヌとはゲイムギョウカイにわんさかいる所詮雑魚モンスターの類いであり、こんなにHPが高いのが実際にいたら異変ものである。

 

 

 

 

 

 

「あれ?このスライヌ、結構HP高くないか?まいっち」

 

「まぁ気にしないでください、攻撃してこないように設定はしてますし、魔戒法師の皆さんだったら、HP1000だとオーバーキルのオンパレードになりそうだったので」

 

「お、オーバーキルって……」

 

設定した張本人の言葉に、呆れるしかなかった。だがうずめはすぐにまぁいいかと思ったかのようにスライヌの前に立つ。

 

「いいか、見てろよ…これが【想念送波】だ」

 

うずめは目の前でX字を描くと、両腕を大きく回転させる。すると何重にも重なった陣が形成される。

そしてうずめは魔導筆を持つ腕を引き…

 

「はぁ!」

 

思い切り正面に突き出す。すると陣が回転し、そこから光弾が放たれる。

その光弾はいくつもの陣を潜り、スライヌに直撃する。直後、スライヌの近くのパラメーターが

『0/10000』

と表示された。

 

「これが【想念送波】だ。自分自身の思いや、“誰かに対する思い”を術に込めて放つ術だ。

これを敵だと認識してるやつに放つと武器になるし、仲間とか大切な人と思ってるやつには、力を与える優れものだ」

 

「誰かに対する思い…」

 

“誰かに対する思い”……この言葉にリアンやセシリア、そして鈴が反応し…

 

 

 

戦いが始まった……

 

 

「ねぇ鈴、セシリア?」

 

突然リアンが鈴たちを呼ぶ。

 

「なに?リアン」

 

「いきなりどうなされたのですか?」

 

するとリアンは悪戯な笑みを浮かべる…

 

「想念送波は想い人への思いを力に変えられる…

 

 

 

 

つまり、同じ人を思ってる人たちがが想念送波を放って、その中で一番威力の強い人が、一番その人を思ってる…ってことよね?」

 

 

 

 

その瞬間、鈴とセシリアに電撃が走った。

そして鈴は魔導筆を持ちわなわなと震え、セシリアは睨むようにしてリアンを見る。

 

「リアン…それ、宣戦布告と見ていいのかしら…」

 

「一番は私ですわ!」

 

「あぁっと…まぁ、血気盛んなのはいいんじゃないか?」

 

何かに燃える3人にうずめは苦笑いしていた。ふとエクリプスコンビの方を見ると…

 

「おぉ!?これが世に言う女の戦いってやつ!?なんか面白そう!」

 

自身も熱くなってるプリム。そして、

 

「こんなに思われてるのって…あぁ流牙さんか……爆発してしまえばいいのに…」

 

激しく嫉妬しているマイナがいた…対照的な2人に、うずめは苦笑いしていた。

 

「では、私からやらせてもらいますわ」

 

まずスライヌの前に立ったのはセシリア。スライヌのHP表示が元に戻ったのを見て、祈るように魔導筆を自身の胸の前で構える。

 

(流牙さんに、私はなんども助けられました…ですから、今度は、流牙さんを助けられるように、強くなりますわ!)

 

その強い思いを魔導筆に込め、先程うずめがやったのと同じ動作をする。

陣が何重にも形成され、その陣に向けて魔導筆で突きをいれる。

うずめより小さな光だが、その光はまっすぐにスライヌに当たった。

そしてスライヌのHPは…

『4853/10000』

と表示されていた。

 

「さぁ、よってセシリアさんのダメージは5.147でした!解説のうずめさん、この展開、どう見ますか!」

 

なぜかスタンドマイクを取り出し実況をしだしたプリムは、そのままうずめに振る。

なぜスタンドマイクがあったのかは気にしてはいけない、絶対に。

 

「え?ま、まぁ、人の思いを数値化ってのはちょっと気が引けるが、特訓だからしかたないか…でもすごいな、初めてでこの威力は…」

 

うずめの激励に、照れたような笑みを浮かべるセシリア。そして一言、

 

「い、いえ…これも、“流牙さんへの思いがあってこそ”ですわ…私の実力なんてそんな…」

 

 

 

…………ピキーン………

 

 

 

このセシリアの一言により、さらに鈴とリアンの闘志に火がついた。

 

「なら、アタシがやってやろうじゃない…」

 

今度は鈴だ。まっすぐに筆の先をスライヌに向ける。その瞳はスライヌ…いや、その先の“彼”に送られているように見えた……

 

(流牙……あんたは“家族”なのよ…家族が一人で頑張ってるのを放っておけるわけないじゃないの…)

 

鈴はそう心の中で呟きながら魔導筆でX字を描き両腕を回転させる。

 

(流牙、無茶はアタシが許さないからね!)

 

そして魔導筆を突き出す。

バシュンと音をたて放たれた光は先程のセシリアのものよりも大きかった。当然その威力も大きく…

 

『4100/10000』

 

と、スライヌの体力が表示されていた。

 

「ということでダメージが5900でしたぁぁ!」

 

高らかに、マイクを持ってない方の手でビシッと天を指し発表する。そしてすかさずうずめにバトンタッチする。

 

「え、また!?……うーん…これは思いの力だろうな…きっと、セシリアより強いものなんだろうな、鈴の思いは」

 

「そんな、アタシはただ…」

 

うずめにそう言われ、まんざらでもない表情を浮かべる鈴。

 

「フフッ〜ン、見てなさい?鈴、セシリア、私が完全勝利してあげるわ!」

 

間を空けず、今度はリアンが腕を組み、スライヌの前に立つ。そのリアンからは、嫉妬なのかなんなのか、なにやら炎めいたオーラが吹き上がっていた。

そして2人と同じように型を作り術を放つ……

 

 

しかし……その威力が2人とはケタ違いだった。

 

リアンの魔導筆から放たれたそれは、スライヌを包むほどの大きさで、すぐにスライヌを包んだ。その威力は…

 

『0/10000』

 

「おぉ!ワンパンするほどの威力とは!」

 

その膨大な威力にプリムは熱を上げ、

 

「嘘……でしょ?」

 

「さすが、流牙さんの妻を豪語するだけありますわ…」

 

鈴とセシリアは顔をひきつらせていた。

 

「どう?これが正妻の力よ!」

 

そんな2人に歩み寄り、リアンはとてもわかりやすいドヤ顔をする。憎たらしいのか、鈴はリアンをまじまじと睨みつけていた。その最中…

 

「なぁお前ら…この特訓の趣旨、わかってるんだよな?」

 

その二人の間に静かに、そして恐ろしい表情を浮かべたうずめが現れる。

 

「ひぃ!?」

 

「なんなら…本気のケンカやってもいいんだぜ?」

 

パキポキと音を立て拳を鳴らすうずめ。傍から見たら、恐怖でしかないだろう…

 

「す、す、すいませんでした!」

 

その恐怖に怯え、ほぼ直角に頭を下げる。すると、うずめはすぐに笑顔に戻る。

 

「ま、今回は特訓ってことだからな…さて、次は箒の番だ」

 

「えっ、わ、私ですか?」

 

鈴たちの様子を少し離れたところから見ていた箒は、突然話しかけられ、びっくりした表情を見せる。

 

「私はその…」

 

そして、リアンやうずめから目を背けボソボソと何かを呟いてる。そんな箒に、うずめはポンと肩を置いた。

 

「箒、ちょっと距離を置いてるんじゃないか?リアンたちや、流牙と…」

 

「!?そ、それは…」

 

図星だった。今の箒は、少し流牙たちと距離を置いていた。

 

ある理由から、離れていた魔戒法師としての道への帰還、父とのすれ違い…そして何より箒と彼らを隔てるもの、それは…

 

 

今は行方知れずの“想い人”、そして彼を斬る流牙の“悪夢”…

 

 

たとえ夢といえど、自身の想い人を斬った人間と共にいるというのは、居心地が悪いものだ。

 

「……なんだか、心の中にモヤモヤしたものがある感じがするんです…」

 

そのことを、一言に纏めてうずめに話す。

 

「だったら、思いっきりそれをぶつけてみろ、そうすれば、きっとモヤモヤも晴れるかもしれないぜ?まずは想念送波に込めてみてさ」

 

そういってニコッと笑ううずめ。戸惑いながらも、箒は了承し、魔導筆を胸の前で構える。

 

(私の思いか…)

 

箒は思考を巡らせる。父や流牙への疑念や様々なこと…しかし、それより浮かんでくるのは、

 

(まったく、一夏、お前はどこにいるというんだ…)

 

行方知れずの“彼”への思いだった。

 

(お前はわからないだろうが、千冬さんだって…私だって心配しているんだぞ?そして、お前が帰ってくることを願っている…だから…だから…)

 

思いが募ると共に、魔導筆が光を帯びていく。そして思いの丈を吐き出す。

 

「早く戻ってこい、バカ一夏!」

 

その言葉と共に、まるで竹刀を振るうがごとく、魔導筆を振り下ろす。すると…

 

ギュオオオン!

 

こんな轟音を立てて、セシリアたちや、リアンのものとは比べ物にならないほどの質量の光が放たれる。その光はスライヌはおろか、轟音を立て、その訓練場の一部を破壊するまでに至った。

―――――――

その轟音は稜牙たちにも聞こえるほどだった。

 

「な、なんだ!?」

 

当然、流牙たちも驚く。

 

『心配するな流牙、これは強大な術の余波だ。稜牙、確かあそこはリアンたちが訓練をしている場だったな?』

 

流牙のザルバが落ち着くように促し、さらに稜牙に問う。

 

「あぁ…しかし、これほどの威力か…」

 

「でも、なんでだろう、寒気がする…」

 

そのとてつもない威力に稜牙は感心していた。対する稜牙は少し震えていた。時はすでに夕刻を迎えようとしていた。

 

 

そしてそれは…激闘の始まりを告げる合図でもあった…




さぁお待たせいたしました!いよいよ二人の牙狼の共闘でございます!

次回もお楽しみに!
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