牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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リアルが忙しくて久々の投稿になってしまいました…いろいろ始まりましたね、紅蓮の月とかゴーストとかオルフェンズとか。

さてはて今回はいきなり稜牙がダウン!?果たして彼に何があったのか…それは本編を見てお察しください…


21.5話 黒騎~召喚されし2体の金狼~

「稜牙、大丈夫だったのか?」

 

「あぁ、今は…問題ない」

 

いつもと何も変わらないプラネテューヌの食卓。テーブルには空になった皿やお椀が並んでいた。

そんな中、少し顔が青ざめた稜牙は、荒い呼吸をしていた。うずめはそんな稜牙のそばで稜牙の背中をさすっていた。

 

「しかし…セシリアの料理はすごかったな…」

 

本人に聞こえないように稜牙は言う。

 

「やっぱりセシリアの料理は兵器ですね…」

 

「いや、見た目は綺麗だったんだ…見た目は…」

 

やって来た鈴にこう答える。

どうやら鈴曰く、セシリアの作る料理は、舌が物理的にとろけるほどのものらしい。しかし見た目はとても綺麗で、それに騙され食べてしまい、稜牙のようになる人が多いとか…

 

「……でも、あの料理の皮をかぶった兵器を食べて、ちょっと顔が青ざめるだけで済むって……さすが、黄金騎士ってとこですか?」

 

「さぁどうなんだろう…」

 

鈴の言葉に、ただ苦笑いで稜牙は返した。

 

『まぁ重度の甘党の趣味に付き合えるほどだからな』

 

「あぁ、下手したらセシリアのより大変かもな…」

 

(零士に合わせられるって…)

 

ザルバと稜牙のやりとりに、稜牙も甘党なんじゃないか…とうずめは思っていた。

すると突然…

 

『稜牙、ホラーの邪気だ。協会に向かってるぜ』

 

「はぁ、ホラーは待ってくれないか…流牙!」

 

ため息をこぼし、少し離れたところにいる流牙を呼ぶ。

 

「ホラー討伐の時間だせ?」

――――――

「しかし、まだセシリアの料理の影響が…」

 

セシリアの料理は一体どれほどすごかったのか…稜牙は未だにうなだれている。稜牙の呟きが聞こえたのか、セシリアが尋ねる。

 

「あ、あの…私の料理がどうかなさいましたか?」

 

「いや、なんでもないよ…それよりザルバ、ホラーはどこだ?」

 

セシリアに迷惑をかけないように誤魔化し、稜牙はザルバに語りかける。

 

『どうやらこっちに向かってきてるぞ』

 

「そうか…なら円陣を組んで備えよう」

 

ザルバの言葉に警戒を強める一行。円陣を組み、ゆっくりと進みながらそれぞれが得物を構えながら辺りを見渡す。ゆっくり、ゆっくりと…

そしてその時は突然訪れる。

 

『稜牙、正面だ!』

 

ザルバの叫びと同時に一同は円陣を崩す。稜牙たちの前に、

フッ…

と何かが降り立つ。それは猛禽類のような頭部、そして禍々しい姿…間違いなく、それはホラーだった。

 

「よう、二人の黄金騎士…魔戒法師に用はない」

 

そのホラーは左手を握り力を込め

 

「そこで黙って見てろ」

 

それを思いっきり振るう。すると闇がうずめたち魔戒法師を包み、稜牙から離れた場所へと彼女たちを連れていく。そしてその闇が結界を形成し、彼女たちを閉じ込める。

 

「リアン、みんな!……貴様ァ!」

 

流牙の中で怒りがふつふつと浮かび上がる。その証拠に、血管が浮かび上がるほどに、剣を力強く握りしめていた。

 

「許せない…か。ならどうする?」

 

「決まってるだろ…あんたを斬る!」

 

宣言し、流牙はホラーに斬りかかり、剣を振り下ろす。しかし、その剣はあっさりとホラーの左腕に防がれる。

キィン

という音が響く。見ると、そのホラーの腕部には、手甲のように硬い装甲があるようだ。

 

「クッ!」

 

なおも斬ろうと、流牙はその剣でホラーを押していく。

 

「その程度か、“黒き黄金騎士”!」

 

「ッ!?なぜそれを!?」

 

驚き、動揺したのか、流牙の剣が緩む。もちろん、その隙を目の前のホラーが許すことはなかった。その腕で流牙の剣を払い、流牙に前蹴りを与える。強力な一撃をまともに受けた流牙は、稜牙の元へと飛ばされる。

 

『見たところ、やつはディムバスだな。かなりの強敵だぞ』

 

稜牙のザルバが警戒を促す。

 

「クソッ!」

 

「待て流牙」

 

まもなく、流牙が立ち上がり、再びディムバスに向かおうとする。すかさず、稜牙がそれを止める。

 

「なんでだ稜牙!お前は…一秒でも早くあいつらを助けたいと思わないのか!」

 

流牙は結界を指差し言う。彼には、仲間が犠牲になった事が、なにより不服だったのだろうか。

 

「……流牙」

 

稜牙は深く息を吐く。そして流牙の目をまじまじと見つめる。

 

「お前がそんなやつなら、お前は一生かかっても、牙狼の鎧に黄金の輝きを取り戻すことは出来ない……絶対にだ」

 

「どういうことだ…」

 

「お前には俺に無いものがある。仲間との深い繋がり…

“絆”っていうのか?」

 

稜牙は、脳裏にある青年の言葉を思い出す。

 

『そして、ネプテューヌたちと築いた“絆”で、過去の自分から“変身”できたんだ!』

 

2度、次元を超えて邂逅し、自身も“絆”を学んだ、“白銀の嵐”たる青年の言葉を…

 

「俺は師匠の意思を継ぐ…その決意だけで、黄金になろうともがいていた。仲間はいた、でも絆ってほどのものは生まれなかった。

お前は違う、何より、仲間のことを思ってるじゃねぇか…だったら、信じてやることもできるんじゃないか?」

 

「信じる?」

 

「あぁ、案外あいつらならあの結界をぶっ壊しそうだしな」

 

稜牙はニカッと笑いながら言う。流牙は、まだ頭の上に疑問符が浮かんでいるようだ。しかし稜牙には確信があった。なぜなら、

 

 

 

そこには稜牙の相棒がいるからだ…

 

ピシッ…

 

結界の方から、ヒビが入った音が聞こえてくる。そして…

 

「やったー!脱出せーこー!」

 

間延びした明るい声が聞こえる。その方を振り向かなくてもわかる。天王星うずめたち魔戒法師だ。

 

「やるな、うずめ…ってあれ?プロセッサユニット変わってないか?」

 

振り向いてうずめを見る。うずめ、いやオレンジハートのプロセッサユニットは、スーツの白い部分が赤に、両腕には排熱機構の付いたガントレット、足のローラースケートは廃され、背中の翼は紅く、少々悪魔じみたものとなっていた。そして胸部装甲の中心には紅と橙で作られた太極図の紋章…といった、アポロヌスオレンジの物に変わっていた。

 

『ふふ〜ん、見たか、これがアタシとうずめのコンビネーション!』

 

「え?プリム!?」

 

突然アポロヌスオレンジからプリムの声が聞こえる。稜牙は驚いているようだが、構わずプリムは続ける。

 

『道外流牙、君の仲間もちゃんと助けたよ、だから思いっきり戦いな!』

 

アポロヌスオレンジの後ろには、ISを展開した流牙の仲間たちがいた。

 

「流牙、あのホラーに全力ぶつけてやりなさい!」

 

「私たちも援護しますわ!」

 

リアンたちが流牙に声援を送る。鈴は笑顔を向けるだけだが、流牙にはそれが応援であることはわかっている。

 

「流牙…」

 

箒が恐る恐る流牙に話しかける。流牙は首をかしげるが、構わず続ける。

 

「私はまだお前を信用したわけじゃない…だが、私も守りし者だ。私たちの世界に帰るために、協力しよう」

 

「ありがとう、箒」

 

流牙は箒に向けて笑みを浮かべる。箒はそんな反応など思ってもいなかったのか、驚き、顔を背ける。

 

「さて、仲間の無事も確認できたんだ、すっかり忘れてたが…」

 

稜牙は手を叩き、すっかり忘れられていたディムバスの方を向く。どうやら、しばらく人間を喰わずにそこに立ちっぱなしだったようだ。

 

「フン、それでどうだ?黒き黄金騎士は少しでも強くなったのか?」

 

放置されていたことは気にしていない様子で、ディムバスは自分の得物たる槍を取り出し、その場で振り回す。その槍は見るからして禍々しく、自身の黒い身体と、柄の紫色が、両端に取り付けられた銀色の刃をより引き立たせていた。

 

「あぁ、さっきより何倍も強くなってるぜ…流牙、あいつに見せてやろうぜ!」

 

「あぁ!」

 

稜牙と流牙は同時に天に円を描く。そして2人は光に包まれ、互いに対象的な鎧を纏う。

稜牙は、金色に眩く輝く牙狼・翔の鎧を。

流牙は、牙狼・翔に似てる物の、全身が黒に染まっていて、所々が金色になっていた。漆黒牙狼といったところだろうか。

 

「行くぞ黄金騎士ぃぃ!」

 

先に動いたのはディムバスである。自身の得物を振り回しながら剣を構える2体の牙狼に向かう。

 

「流牙、俺が食い止める間に攻撃しろ!」

 

「わかった!」

 

同時に頷くと、牙狼・翔が前に出て、向かって来たディムバスと組み合う。振り下ろされた槍を自身の牙狼剣で受け止める。

 

「やるな…」

 

「あんたもな!」

 

互いに押し合い、その力を評価し合う。その最中、牙狼・翔の背後から漆黒牙狼が飛びかかる。

飛びかかってくる漆黒牙狼に気付き、牙狼・翔の剣をいなし牙狼・翔を蹴り飛ばす。そして漆黒牙狼の放ってくる突きを後ろに下がって回避した。

 

「この!」

 

漆黒牙狼の攻撃は続く。ディムバスに向かい逆袈裟で剣を振り上げるが、槍で受け止め、いなされ、そのまま回転したディムバスの下段突きを膝の裏に受け、漆黒牙狼はひざまつく。

続けて牙狼・翔が突きと共に攻撃を仕掛ける。突きはあっけなくかわされ、下から振り上げられた槍によって牙狼剣を払われる。

 

「まだまだぁ!」

 

隙を見せずに、牙狼・翔は空いている方の腕で、ディムバスに向けて正拳突きを食らわす。さすがにそう来るまいと思っていたのか、胸部にまともに受け吹き飛ぶ。

 

『稜牙、時間が無いぞ』

 

《18.5……16.1…》

 

魔導刻が刻一刻と終わりへと時を刻む。鎧を纏う者にとって、非常にまずい状況である。

 

「(ここで仕留め損なうのはまずいな…)うずめ、シェアリンクフィールドを頼む!」

 

「OK!かっこよくキメてよね、稜牙!

シェアリンクフィールド、展開!」

 

牙狼・翔の言葉にアポロヌスオレンジが応じる。そして、アポロヌスオレンジが左手を掲げると、世界は瞬く間に別空間へと変化する。荒廃していて、それでいて光が満ち溢れている空間…

オレンジハートの特殊な力、シェアリンクフィールドである。この中では、騎士の鎧の魔力を、シェアエネルギーによってコントロールしているため、鎧の召喚時間は、実質制限がない。

 

「まだまだだよ!みんな、想念送波を送るよ!」

 

「想念送波を……?」

 

鈴やリアンは疑問を抱く、しかし、特訓をした時のうずめの言葉を思い出す。

 

『これを敵だと認識してるやつに放つと武器になるし、仲間とか大切な人と思ってるやつには、力を与える優れものだ』

 

「つまり、流牙に送れば…」

 

「そういうこと!さ、かっこよく行こ!」

 

「……はい!」

 

そして魔戒法師たちは横一列に並び魔道筆を構える。目の前でX字を描くと、両腕を大きく回転させる。すると何重にも重なった陣が形成される。

そして魔導筆を持つ腕を引き…

 

「はぁ!」

 

思い切り正面に突き出す。すると陣が回転し、そこから光弾が放たれる。

その光弾はいくつもの陣を潜り、2体の牙狼の背後で光となって牙狼を包む。

 

「なんだ…その光は!」

 

光が収まる。すると、そこには2体の黄金騎士が…そう、

 

 

真の意味での“黄金騎士”がいた。

 

 

流牙の牙狼は、漆黒から金色の輝きを纏い、腕部にガントレット、そして二つの、先にリングのついた背旗をつけている。

それはまるで、かつて稜牙が冬木で出会った黄金騎士、レオン・ルイスのガロと、流牙の牙狼が一つになったような姿…【白炎牙狼】に…

対する稜牙の牙狼・翔は、背中に四枚の翼を生やした【翼天牙狼・翔】へと…

 

「いいぞ…それでいい、黄金騎士 牙狼!」

 

ディムバスも対抗するように黒く、大きな羽根を広げる。

 

「行こう、稜牙…上手く言い表せないけど、リアンたちが背中を押してくれている感覚があるんだ」

 

「奇遇だな、俺もうずめが背中を押してる感じがしてさ…これも絆ってやつなのかな」

 

鎧の中で流牙がクスッと笑う。

 

「……かもしれないな」

 

そして二人の黄金騎士は、剣をディムバスに向け、目の前の邪悪にこう告げる。ホラーに向けた、処刑宣告を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「貴様の陰我、俺達が断ち切る!」」

 

 

 

 

 




さぁコラボ限定の形態へと牙狼の鎧が変化!次回、コラボ最終回でございます……

お楽しみに!
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