牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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お久しぶりです、ガロです。事後報告となってしまいましたが、白宇宙さんの、『超絶次元ゲイムネプテューヌ おーばーどらいぶ!』とコラボをさせていただきました!絆を力とする戦士と共闘した稜牙、今後の活躍に期待してください。

さて、今回はリーンボックスの魔戒騎士、響也が主役の回……なんですが、まずはプラネテューヌの女神がなにやら稜牙に物申したいことがあるらしく……?

それではどうぞ!


22話 主役

リーンボックスにある古い劇場の楽屋、その中で、1人の老人がポスターを見ながらため息をついていた。

 

「はぁ…私は万年脇役で終わってしまうのか…」

 

どうやらそのポスターは、その老人が出演する舞台のものらしく、それが彼の最後の舞台だというのに、彼の名前が載っていない。すると……

 

『ロナレ バ、アイ オ オドヌ』

 

鏡の中から、明らかに人間とは違う言語を話す“何か”の声が聞こえる。

 

「な、なんだ!?」

 

『トルサ、ヤメヤメ オ ソコパ バ ロナレ イ バ ヤサマアリサ……お前は何を望む?』

 

すると突然“何か”は人間の言葉を話し始めた。

 

「わ、私か?私は、1度でいいから主役になりたいんだ…主役になって、歓声を浴びたいんだ!」

 

『フフ…いい望みだ。ならばその主役を“喰って”しまえばいい』

 

「主役を……喰う?」

 

『ああそうさ……ソルワクケア!』

 

「な、何をするんだ!?うわぁぁ!」

 

そして鏡からその声の主たる“悪魔”が現れ老人を吸い込んでいく。そして、その悪魔は、若い男性の姿に変わる。

 

「そう、主役の人間を“喰えば”いいのさ…」

 

その男性は含み笑いをしながら、暗闇へと歩き始める。

 

その劇場の中の練習場。そこでは1人の若い男性が演技の練習をしていた。壁には、彼が主演を演じる舞台のポスターが貼られていた。そこに…

 

「お疲れ様です、せいが出ますね」

 

男性が入ってきた。若い男性は彼にたどたどしく会釈をする。どうやら、入ってきた男性とは面識がないようだ。男は、壁に貼られていたポスターを見て

 

「羨ましい…」

 

と呟くと、まもなく、その主演の男性の首を絞めた。そして……

 

「じゃあ喰わせてもらうよ、その主役…」

――――――――

「稜牙…ごめん、私は、どうしても…」

 

「……」

 

所変わってプラネテューヌの教会。そこで稜牙とネプテューヌが木刀を構え向かい合っていた。天候が曇りなのも相まってか、両者の間にはただならぬ雰囲気が漂っているように見えた。

 

「お姉ちゃんどうしたんだろう…稜牙さんが戻ってくるなり木刀を渡して…」

 

「うーん、なんだろうな…ねぷっち、稜牙と組み手でもしたかったのかな…」

 

「あ、あの…私、わかったような気が…」

 

「シー!マイナ、もしそれが本当だったら雰囲気ぶち壊しだから」

 

それを、ネプギアとうずめ、そしてエクリプスコンビの2人が心配そうに見ていた。

 

「こういうの、手加減できないけど、それでもいいのか?」

 

「うん、いいよ…というかむしろそっちの方がいいかな」

 

いつもの明るい口調のようではあるが、その喋り方は彼女が女神化した姿、パープルハート並に落ち着いた様子であった。

 

「なぁネプテューヌ…始める前に、1つ聞いてもいいか?」

 

ネプテューヌは何も言わずに首肯する。それを確認すると稜牙は続けた。

 

「俺に木刀を渡す時、お前『稜牙に奪われたものを取り返したい』って言ってたよな……あれがなんなのか知りたいんだ。教えてくれネプテューヌ、俺がお前から奪ったモノを……」

 

そう、そもそもの発端はこうだ。

稜牙がいつものようにゲートの封印から帰る→すると教会の前ではネプテューヌが待っていて、いきなり稜牙に木刀を渡す→『稜牙、私から奪った物を返してもらうよ!』と宣戦布告→そして今に至る…といった感じだ。そしてネプテューヌは顔を俯かせながら……

 

「そんなの決まってるよ……稜牙が私から奪った物……それは……

 

 

 

 

 

 

主人公の座だよ!」

 

 

 

 

 

「…は?」

 

一瞬、世界が止まったかのように、ネプテューヌ以外の人間が静止した。そして…

 

「「は、はいいいいいいい!?」」

 

やがてその静寂は稜牙とうずめの絶叫によって終わった。

 

「いや、あの、ちょっと待ってくれネプテューヌ、主人公って…どういうことだ?」

 

稜牙は頭を抱える。メタい、あまりにもメタい。だが恐ろしいのはここからである。

 

「どうもこうもないよ、もともとこの作品は“超次元ゲイムネプテューヌ”のはずでしょ?だったら主人公は私なんだって!

それが今となっては出番も少なくなって…私はどこのハブラレンゲルとかGN電池とかだよってほどの扱いなんだよ!」

 

「い、言ってることがさっぱりわからないんだが…」

 

さらにわけがわからなくなってしまった。いつの間にか両者の構えも解けていた。すると、スッとマイナが立ち上がる。

 

「そもそもネプテューヌ、それは原作がそうなだけです!これは黄金騎士 牙狼たる稜牙さんの物語なんですから!そう、私たちは言うなれば引き立て役、とは言ってもハンバーグのソースくらい重要な立ち位置ですけどね?」

 

ネプテューヌを落ち着かせようとしてマイナは言ったのだろうが、それが余計、火に油を注ぐような発言となった。

 

「でもでも、私が頑張ってる時だってあるよね?そこが少しでも描写されてもいいんじゃないかな〜?」

 

ネプテューヌの言い分を聞くと、マイナはため息をこぼし、そして…

 

「だったら…ゲームばっかやらないで、普段から真面目に仕事したらどうですかね……」

 

「ギクッ!?あ、いや、それは…その…あ、あはは…」

 

正論かつネプテューヌに大ダメージを与える一言を言い放った。ネプテューヌは苦笑いをして、なんとかその場を誤魔化そうとする。

 

「ハァ…これに懲りたら、まずは目先の仕事をちゃんとやりましょう?そうしたら、出番も増えると思いますよ?ほら、いい事をすればいい結果が返ってくると言いますし……あ、ちなみに私は手伝いませんよ?これはネプテューヌの仕事なので」

 

「えぇ!?」

 

諭すと見せかけてさらに追い討ちをかけるマイナ…これにより完全にネプテューヌの負けは確定した……そんな中……

 

(なぁ、メテオ、宗谷……お前らネプテューヌと仲いいよな?頼む、この状況どうすればいいんだ?)

 

心の中で同じゲイムギョウ界に住む異界の友人に助けを求める稜牙であった…

―――――

そんなころリーンボックスでは…

 

「いやぁ…ゲートの封印終わったからヒマだな…」

 

『まぁもうすぐ仕事はくると思いますわ』

 

リーンボックスの不遇な魔戒騎士こと倉橋 響也が、原っぱで座りながら空を見上げていた。首にぶら下げた髪の長い女性の横顔を模したネックレス、魔導具イルヴァも共に。

 

「なぁ、さっきどっかから不遇とかなんとか聞こえたんだが、気のせいか?」

 

『いえ…異次元からの来客との共闘の時や、ハプルムの戦闘の時とかに忘れられていたとしても、さすがに不遇とまでは行かないと思うのですが…』

 

「だよなぁ…ったく誰だよ、失礼しちまうぜ…」

 

というような感じで話していると、ふと近くに赤い封筒が落ちていたことに気づいた。それを手に取り、自身の魔導火で確認する。そこには

 

【災いの兆しあり、歓喜を浴びし魔獣ヤクシャを討滅せし】

 

とあった。

 

「イルヴァ、こいつがどんなホラーかわかるか?」

 

『ヤクシャ…才能を持ち、名の知れた人物ばかりを狙って喰らうホラーと言われていますわ。おそらくは、その名の通り役者ばかりを狙っていたりするかもしれませんわ』

 

さすがにそれはないだろう、と心の中で思いながら響也は立ち上がる。

 

「まだ奴らの時間までは時間がある。早いとこ目星くらいはつけとこうぜ」

 

『それが最適ですわ、響也』

――――――――

獣身騎士の称号を持つ響也には、ある特殊な力がある。それはまるで獲物を追う獣であるかのように、ホラーの匂いを察知する能力だ。しかも、そのホラーの現れたゲートの存在も察知でき、これまでもその力のおかげで、いくつものホラーの討伐が楽になったのだとか。

 

「ん?ここから嫌な匂いがするな…」

 

夕方、響也はとある劇場の前で立ち止まる。どうやら、響也のセンサーに反応があったようだ。

 

『本当にここにあるのですか?見たところゲートがありそうな感じのしない、新築って感じがしますが…』

 

その劇場は、外見はまさに完成してまもない建物、という感じだった。自分の主を疑いはしないが、イルヴァは不安を感じていた。

幸い、周囲に警備のような人間がいなかったため、響也はまっすぐにその劇場の中へ入っていく。

―――――――――

「ここだな…ここから、ホラーの匂いがする」

 

『えぇ、邪気も感じますわ』

 

響也はある扉の前で止まった。その扉は大きく、赤く塗装されていて、取っ手は金色に塗られていた。その扉を乱暴に開ける。中は薄暗かった。ただ一つの所を除いて。

それはステージだ。そこでは1人の西洋貴族のような服を着た男性が薄い光を浴びて演技をしていた。響也の気配を感じたのか、男性は演技をやめた。

 

「今日の公演はないはずですが…どうかされましたか?」

 

「あ?公演だ?悪いが、あんたの公演は金輪際ないぜ」

 

響也は助走をつけて、一気に男性のいるステージへ飛び降りる。そして魔導火を点け、男の瞳を照らす。すると、瞳にはホラー特有の模様が浮かび上がる。

 

「……なぁ?ホラー ヤクシャさんよ」

 

「ハハ、観客が来てくれたと思えば魔戒騎士でしたか…残念ですねっ!」

 

相手が自分の天敵であることに気づくと、ステージにいた男性…ヤクシャは響也を押して逃げようとする。

 

「逃がすかよ!」

 

響也は逃げようとするヤクシャの肩を掴み、思いっきりステージの奥の方へと放り投げた。なされるがままに飛ばされたヤクシャは、転がりながら倒れる。

するとヤクシャは笑いながら立ち上がる。

 

「フフフ…このまま逃げて人間を喰おうかと思ってましたが気が変わりましたよ!この男の望み…主役…するとしますか…この私の舞台で!」

 

このヤクシャの宣言と共に、ステージが暗転する。そしてまもなく明かりがつくと……

 

「イヤッハー!主役の輝き、見せて差し上げやしょう!」

 

ヤクシャの姿はウエスタンのカウボーイのような姿になった。そしてウエスタンハットのつばを左手であげ、右手に持っている銃で響也を撃ち始めた。なんとか当たらないように後方に下がりながら、響也は攻撃の機会を探っていた。

 

「くそっ…こうなりゃ恐れず突っ走るしかねぇ!」

 

回避行動から一転、響也は一気に駆け出した。もちろんヤクシャはその響也に向け銃弾を放つ。銃弾は響也に当たっているが、響也は気にせずに、まるで獣のようにヤクシャに飛びかかり、

 

「うぉりゃ!」

 

ヤクシャの顔をぶん殴る。予想打にしない一撃をヤクシャは頬に受け後方に数歩下がる。反撃の隙を与えまいと、響也はさらにヤクシャの腹部にアッパーカットをくらわす。ヤクシャは腹部を抱えしゃがみこむ。

 

「くっ…こうなったら…」

 

さらに追撃しようと響也は前蹴りを放つ。しかしそれはヤクシャに当たることは無かった。ヤクシャが杖で防いでいたからだ。さらに見ると、ヤクシャは黒いスーツに身を包み、マジシャンがかぶるようなハットを被っていた。

 

『おそらくコメディですわ…気をつけてくださいな、響也』

 

「コメディって何気をつければいいんだよ…まぁいい、一気にケリ付けるぜ!」

 

響也は自身の武器である魔戒斧を取り出し、ヤクシャの元へと駆け、

 

「とっととくたばりやがれ!」

 

思いっきり斧を振るう。ヤクシャは先程と同様、杖で受け止めようとするが、響也の振るう斧に負けて、その杖は、まるで枝のように、あっさりと、ポキッという音を立てて折れた。

 

「折れたぁ!?ぐぬぬ…許さんぞ魔戒騎士めぇ!なんだ?主役にこだわることの何が悪いというんだ!」

 

杖が折れることに1度は驚愕するが、屈せず、ヤクシャは煽るように響也に問う。すると、響也はクスクスと笑いだし……

 

「プッ、フフフ…ハハハハハ!」

 

突然大声で笑う。

 

「なんなんだこいつ!?」

 

『響也、とうとう頭のネジが飛んだのですか!?』

 

あまりに突然で、ヤクシャも、そして相棒であるイルヴァも驚き、引いていた。笑いが収まると、響也は天井を見上げる。

 

「いやさ、俺ってはたから見たらこんな感じなのかなってさ……いいかそこの、主役だの名声だの言ってるけどよ……」

 

そして魔戒斧の刃をヤクシャに向け、ヤクシャを睨む。

 

「あんたの芝居なんざ、ホラーになった時点で猿芝居かそれ以下だ!」

 

「ふざけるなぁぁぁぁ」

 

激昴と共にヤクシャは姿を変える。

それは、顔には般若の、全身には喜怒哀楽様々な表情の仮面を付けた黒子のような姿だった。

 

「それじゃ、狩りを始めるとすっか!」

 

ヤクシャがホラー体になったのを合図に、響也は魔戒斧を円を描くように大きく振るう。その軌跡通りに緑の円が形成され、響也の頭上に現れると、円の内部がひび割れ、響也は翡翠色の狼の鎧を纏った。

そう、獣身騎士 戯牙《GIGA》の鎧である。

 

「はぁ!」

 

ハルバート型の斧に変わった魔戒斧を構え、戯牙は走り出す。ヤクシャは仮面を自身の周りに生成し、それを戯牙に飛ばすが、ソウルメタルでできている戯牙の鎧に、そんな攻撃が通じることは無かった。ヤクシャの飛ばした仮面は、戯牙の鎧に触れた途端、粉々に砕け散った。

 

「どぉりゃ!」

 

そのまま接近した戯牙が斧でヤクシャの身体を斜めに切り裂く。さらに、鉤爪のついた左腕の篭手で突き刺し、持ち上げてから投げ飛ばす。まだ追撃は終わらない。

 

「一気にケリ付けるぜ!」

 

戯牙は斧を地面に叩きつけ、その場で一回転する。すると、魔戒斧にオーラが纏われる。先程鎧を召喚した時のように斧を振り回し、天に掲げる。

 

「獣身……剛咆!」

 

再び地面に叩きつけると、地を這い、真っ直ぐにヤクシャの方へとオーラが向かっていった。

 

「な、なんと!?」

 

それに気づいたヤクシャはすぐに立ち上がり、自身の正面にたくさんの仮面を並べ、そのオーラを防ぐ。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!せめて…せめて倒されるなら黄金騎士に倒されたいんだ!」

 

命乞いなのかなんなのか、ヤクシャがそんなことを言う。そして…それが戯牙の怒りを助長させた。

 

「ホラーがごちゃごちゃと!」

 

するといきなり戯牙がヤクシャに向かって走り出した。そして、先程放ったオーラを、再び斧に纏わせる。

 

「悪かったな、黄金騎士じゃなくてよ!」

 

そして斧で回転しながら横薙ぎする。

 

「次は……黄金騎士に……」

 

オーラを纏ったその斧は、仮面ごとヤクシャを消滅させた。

 

「てめぇに来世なんざねぇよ」

――――――――

「あぁ、終わった終わった…」

 

鎧を解除し、響也は背伸びをする。

 

『フフ、響也も立派になりましたわ…戯牙の鎧を継いだ時からは比べ物にならないほどに』

 

「っ、なんだよいきなり」

 

イルヴァの言葉に響也は少々困惑する。

 

『いえ、落ち着きがあるってことですわ、最初の頃はやんちゃだった響也が…』

 

「ハハ、まぁあん頃はな…さすがにいろんな魔戒騎士を見てたらそれじゃいけn」

 

響也が笑いながら語るといきなり……

 

 

ゴン!

 

 

「いったぁぁぁぁあ!?」

 

響也の頭上に……タライが落ちてきたのだ。

 

「なんでだ、なんでタライが落ちてくるんだ!?」

 

『これ……ヤクシャの置き土産ですかね?』

 

「こんな土産、2度とごめんだぁぁ!」

 

無人の劇場に、響也の叫びがこだました…




ザルバ「勉学やスポーツに励むも一興、友情や恋という青春を謳歌するもまた一興
次回『学園』悪魔の牙が夢を断つ……」

いかがだったでしょうか、響也は不遇キャラですが、そこがいいんですよそこが!
さて、今回はもう一つ予告があります、それがこちら

零士「よっ、絶狼こと零士だ。今回は稜牙たちと会う前の、ある一つの出会いと別れの話だ
次回、独白~Tell You My Past~『離別~sweet&bitter~』」

次回の投稿は零士の独白回です!リーンボックスで起きた、とある激ノワキャラとの出会いその他もろもろをお届けしたいと思います。例によってほぼオリキャラみたいになってますが、そこはあしからず…

それではお楽しみに!
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