牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~ 作:狼の騎神ガロ
まずはじめに我らが叢雲 稜牙から!ニブルシティで起きていたことの概略を告白してくれます。
なお、この時稜牙が纏う牙狼は、漆黒にそまっています。
それではどうぞ…
ver.叢雲 稜牙 黒金~NIFLCITY~
俺は叢雲 稜牙、黄金騎士 牙狼の称号を持つ魔戒騎士だ。今日は、みんなに話さなきゃいけないことがあるんだ。ニブルシティで、何があったのか…
まずはニブルシティについて説明しないとな。
ニブルシティっていうのは、リーンボックスの西部に位置する都市なんだ。俺が行った時は、『ニブルヘイム・コーポレーション』っていう様々な事業を行っている会社によって独立した都市として機能していたんだ。その頃は、『ゲイムギョウカイ1平和な都市』なんて言われてた。
最初はちょっとした興味からだった。番犬所に所属してない俺は、その平和な都市っていう謳い文句に惹かれて、ニブルシティにやってきたんだ。でもその実態は…
ホラーが支配する都市だったんだ…
――――
俺がニブルシティについた時、1人の女性が、勇敢にもホラーと戦ってたんだ…
その人が、まぁファルコムさんだったわけなんだけど…まぁ詳しくはまた今度話す。
……話を戻すぜ。そしてファルコムさんが戦ってたホラーを、牙狼を召喚して斬った時、激しい激痛と共に…
牙狼の鎧が、一瞬、金色になったんだ。
でも、その輝きは、痛みとともにすぐに消えた。しかもそのホラーは不思議なことに、“昼に現れてた”んだ…
その後、蓮華や零士達と出会って……いろいろ衝突することもあったけど、四人で、昼にも現れるホラーと対峙していた。
そんな中、俺たちはニブルシティの“裏”をしってしまった…
【魔導ホラー】
通常、ホラーは人間の邪心【陰我】から出てくる。でも魔導ホラーは、陰我を介さず、“ゼドム”と呼ばれるホラーの生み出す“プラント”を対象に植え付けることで、対象をホラー化させる……たとえ邪心のない人間でも…
その魔導ホラーってのが、昼に現れること、そして、そいつらを斬ると牙狼は金色になるってことだ。でも……
「俺はまともに生きてきた!なのに…あいつが…俺をホラーに!」
「ねぇ……なんで私人間を食べてるの?……誰か……教えてよ…」
そう、魔導ホラーのほとんどが、ホラーを引きつけるほどの陰我を持たない人間だったんだ。許せなかった……魔導ホラーを生み出すゼドムを…
その後、調べていってわかったことがあった。ニブルヘイム・コーポレーションの薬品工場…そこでは、人間の魂をカプセルに閉じ込める実験が行われていた。俺たちが工場に潜入したときに見たのは……
無残に転がる人間の死体、そしてそこから取り出したであろう魂を内蔵する装置…装置を制御していたのは、ホラーだった。俺たちは、たくさんの命を守れなかった…
そしてわかった…ゼドムはニブルヘイム・コーポレーションの中にいることが…
その頃から、ある2体の魔導ホラーが活動を始めた。
会社の重鎮、スメラギ
そして………
鳳凰騎士 王牙 神室 仁
仁さんが魔導ホラーに変身したときは、絶望したよ。なんで仁さんが…そう思う日々が続いてた。
――――――
「くそっ…どうして…」
1人でベンチに座って落ち込んでると
「いつになく落ち込んでるね…大丈夫かい?稜牙」
「ファルコムさん…」
ファルコムさんがそばに寄ってきて水を渡す。それを受け取り、1口飲む。
「あたしでよければ相談に乗るよ。なんせ君は命の恩人だからね」
あぁそうそう、ファルコムさんは、俺がファルコムさんとホラーの戦いに乱入したあたりで、気を失っていて、幸い、俺が牙狼を召喚することは知らない。その後も何回か会うことがあったけど、ファルコムさんには、俺はあるギルドのメンバー…って伝えてる。
そしてそんなファルコムさんに俺はこう聞いた。
「もし……ファルコムさんの大事な人が、突然モンスターになったら…ファルコムさんはそのモンスターを倒せますか?」
ファルコムさんは少し考え、答えを出す。
「たぶん……少し躊躇はするかもしれないけど…倒すかな…だって、モンスターとして生きる方が、その人にとっても辛いだろうし…」
「モンスターとして生きる方が辛い……か」
するとファルコムさんは「あ、」と何かを思い出したように言い始めた。
「でも、もちろん、もし人間に戻せるのなら、そうしてあげたいかな」
その言葉を聞いた瞬間、仁さんの言葉が頭の中をよぎった。
『1を犠牲にして10を助けるな。1も10もどっちも救え』
こんな趣旨の言葉を修行のときどれだけ聞いたことか…でも、この言葉があったからこそ、俺はここまでこれた。そして気がつくと、悩んでたことはどっかに消えていた。
「ありがとう、ファルコムさん。おかげで迷いとかが吹っ切れました。じゃあ俺はこれで」
「それならよかったよ。うん、頑張ってね」
そして笑顔でファルコムさんと別れ、俺たちは、ニブルヘイム・コーポレーションの本社に向かった……
――――
本社の目の前では、蛇と人間が合わさったような姿の魔導ホラー、スメラギが待ち構えていた。
「なぜだ魔戒騎士…貴様らさえいなければ、この都市は、秩序の保たれた平和な都市であり続けたのに…!」
「なんのための秩序だ…なんのための平和だ!」
そして俺たちは鎧を纏う。吼狼と絶狼がスメラギの両腕を抑え、その隙に俺はスメラギを貫く。スメラギは金色の波動を放ちながら、あっけなく消滅していった…
――――
本社の地下…そこに、ゼドムの封印されている祠があった。祠の前で立ちふさがったのは、仁さんだった。
「来たな、稜牙…ようやく俺を斬る気になったか?」
覚悟を決めた眼差しで仁さんを見る。
「あぁ……仁…あんたを斬って金色に輝く!」
「俺を超えて見せろ…稜牙!」
そして俺と仁さんは互いに姿を変える。俺は黒い牙狼、仁さんは王牙の鎧をさらに禍々しくした姿に…
「はぁぁぁぁ!」
互いの剣をぶつけあう。最初は仁さんが優勢だった。でも、
「はぁ!」
自分で言うのもおこがましいけど、機転を利かせ、仁さんが振るった剣を受け止めいなし、直後に剣を離し、仁さんを殴る。
そしてよろけたスキを突きもう一度剣を持ち、思いっきり剣を振り下ろす。
金色の波動が襲う。だが、痛みはもう感じなかった。そして…
「これで…最後だぁ!」
ダメ押しで仁さんの腹部を貫く。金色の波動に包まれると、牙狼の鎧は姿を変えていき…
牙狼・翔の姿になった。
仁さんは人間の姿に戻る。俺はただ仁さんの姿を見ていた。
「ハハ…強くなったな…稜牙…」
その言葉が仁さんの最後の言葉だった。
「………俺は、まだ弱いですよ…」
仁さんに向けてこう呟く。
―――――
その後、翔の力でゼドムを倒し、ニブルシティの一件は幕を閉じた。
これが、俺が今まで言えなかった過去…俺は、何人もの命を救えなかった…
……おかしい話だよな。別の次元の戦士…メテオには過去の罪を言ったところでなんにもならないって言ってたやつが、こうやって過去を告白しているなんてさ。
でも、俺はこれを“戒め”にしたいんだ。俺の師匠が…仁さんが言っていたように“悔いるのではなく、繰り返さないため”に…
さて、そろそろ時間だな、じゃあ俺は一旦これで。俺は、より多くの命を守ってみせる…だから、これからも俺の戦いから、決して目をそらすなよ!
これが、稜牙の過去…道外流牙とは似て非なる戦い…
ですがこれは概略を説明したに過ぎません…
ファルコムとの出会いその他もろもろはまた後の機会に…
果たして次は誰が告白するのか…
次回投稿は、前回のザルバの予告通り『魂刃』を投稿します!
お楽しみに!