牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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今回はあまりに長くなりそうだったので前後編に分けたいと思います。今回新たな魔戒騎士が登場します!

それではどうぞ!


4話 亡霊(前編)

ラステイション…四国家のなかでもっとも重工業が発展し、経済活動がさかんな国…そんなラステイションにある遊園地に、閉園時間を過ぎたにも関わらず、一人の青年が歩き回っていた。黒いロングコートに身を包み、首には、女性の横顔を模したカメオが掲げられていた。そのカメオから、少女の声が聞こえる。

『クロウ、邪気はこの先の建物の近くからでてるよ』

「ありがとう、オルヴァ…」

首のカメオ…オルヴァからクロウと呼ばれた青年は再び歩き出そうとする。すると、男性から声をかけられる。

「おやおやお客さん、もう閉園時間を過ぎてますよ?いったいどうしたんですか?」

クロウはその男の方を向くとすぐにライターに火をつけ、青い炎をその男の瞳に向ける。するとその男の瞳には謎の紋様が浮かび上がっていた…この男がホラーである証拠である。ホラーであることを知ったクロウはすぐにコートの裏から日本刀を取り出し男に切りかかる。だが男はそれを白刃取りで受け止め、剣を払いクロウを殴り飛ばす。

「僕は人間を楽しませてるんだよ、魔戒騎士に邪魔されたくないな」

そしてその男性は魔法陣を作りどこかへ消える…

「クソッ!オルヴァ、邪気は」

『だめ、もう反応が探せないところに消えたわ』

1人、クロウは拳を握り締めていた。

――――

その翌日、ネプテューヌたち女神と、ネプギアたち女神候補生、そして稜牙はクロウと同じ遊園地に来ていた。

「いやー、ぼっちなイメージのノワールからこんなお誘いを受けるとはー」

「ぼっちは余計よ!…とはいえこれは調査よ。お化け屋敷で人が失踪してることの」

ネプテューヌに突っ込みながら冷静にノワールは状況を説明する。

「しかし…なぜラステイションのことに私たちも行かなければならないのですか?」

「まぁいいんじゃない?あの娘たちは楽しそうよ」

そう言いブランは女神候補生たち四人を見る。彼女たちはとても楽しそうにしていた。

「まあそれもそうかもね」

「ノワール、もしそれがホラーの仕業なのだとしたら、日が暮れるまでそのホラーは行動できないはずだ。調査はそれからでもいいだろ……それに、ネプテューヌたちもご覧の有り様だし…」

稜牙が見つめる先では、ノワール以外の女神と女神候補生がどのアトラクションで遊ぶかで相談していた。

「そうね、それじゃ遊びますか!」

ノワールもその輪の中に入っていく。ノワールを見届けた後、稜牙は後ろを向きザルバに話しかける。

「ザルバ、クロウに繋げられるか」

「わかった」

ザルバは、ホラーの意思をもつ魔導具と通信をすることができる。今ザルバが連絡を取ろうとしているのは、クロウというより、そのパートナーの魔導具、オルヴァである。

「久しぶりですね、稜牙さん」

ザルバからクロウの声が聞こえる。稜牙はクロウに聞く。

「あぁ、久しぶりだなクロウ。今、例の失踪事件の遊園地にいるんだけど、そこでホラーを見たりとかしてないか?」

「それなんですが、どうやら、失踪事件の現場のお化け屋敷の管理人がホラーのようなんです。これから僕もそっちに向かいます。」

「あぁ、助かるよクロウ」

そしてクロウとの通信を切る。その直後…

「話終わった?」

「ね、ネプテューヌ!?」

いきなりネプテューヌに話しかけられ驚く稜牙。

「いつからいたんだよ…」

「いやさ、私たち守ってくれてるのに君が休んでないって言うのもあれだからさ…ほらいこ!こういうのはみんなで行ったほうが楽しいよ!」

そして稜牙の手を取り走り出すネプテューヌ。

「ちょ!引っ張るなネプテューヌ!」

―――――

「そういや、女神候補生たちには自己紹介してなかったな…俺は叢雲稜牙。訳あってネプテューヌたちの警護をしているんだ」

「アタシはユニ、ラステイションの女神候補生よ」

「ろ、ロム…です」

「私はラムよ!ロムちゃんとは双子で、ピンクの服が私、青い方がロムちゃんだから、間違えないでよね!」

アトラクションの行列で待ってる間、稜牙と女神候補生たちは自己紹介をしていた。ノワールに似た雰囲気のある少女ユニ、ブランにも似た双子、ロムとラム、そしてネプギア…彼女たちは女神候補生として、日々、女神になるため邁進している…らしい。

「しかし…ブランたちは並んでも意味ないんじゃないか?」

「りりりり稜牙!その質問ブランにしたら…」

実は今稜牙たちが並んでいるアトラクションは身長制限があり、ブランたちはこのアトラクションで遊ぶことはできない。それを知っていてあえて聞かなかったネプテューヌたちは、質問をしてしまった稜牙に哀れみの表情を向ける。

「稜牙、それわざと言ってる?わざとだったら…」

小刻みにブランが震え出す。ブランの周りには赤いオーラのようなものも見えた。かなり激怒しているのは、第三者から見ても十二分にわかることであった。

「容赦はしねぇぞ!」

怒りの表情を稜牙に向ける。目は赤く光っていた。

「わ、悪かったブラン!ごめん、俺が悪かった!」

稜牙が震えながら言うとブランは怒りを抑えいつもの口調に戻る。

「まぁ今あなたに死なれたらこっちがまずいことになるし…でも金輪際このことには触れないこと…わかった?」

最後の『わかった?』がとても威圧的な口調だったが…

「あ、あぁ……お?俺たちの番みたいだな」

そして稜牙たちはアトラクションの入口に入る。当然、ブランたちは外で待たされることとなった。

――――――

昼を食べようと店を探していた時のこと、

「あ!女神様だ!」

子供たちから声をかけられた。

「やほー!こんにちはー!」

ネプテューヌは明るく子供たちに接する。

「えへへ、みんなでこれからお化け屋敷に行くんだ!」

子供たちの一人がそう言うとネプテューヌたちはそれを必死に止めようとする。

「だ、だめだよ!あそこは今危険だから」

「そ、そうよ!もしほんとにお化けに連れていかれたら…」

「でも女神様が助けてくれるもん!」

その言葉を聞いてノワールは何かを感じた。自分は女神。例え失踪事件の犯人がホラーだとしてもこの国に住む人達は自分が守らないと…と。そう決心したノワールは優しく子供たちを撫でながらいう。

「そうね、私たちが守ってあげるわ。もし本当にお化けに拐われそうになったら、助けて女神様って心の中で唱えるのよ?」

「うん!ありがとう女神様!」

そしてお化け屋敷の方へと走っていく。

「頑張らないとだね、お姉ちゃん」

静かにユニが言う。

「えぇ、なんとしても私たちが解決するわ!」

ノワールがガッツポーズをして決意を固める。それに他の女神たちも頷いて答える。ただ一人ネプテューヌを除いては…

「その前にお昼食べようよ!腹が減ってはなんとやらってやつだよ!」

「ネプテューヌ…空気読めって…」

ネプテューヌの突拍子もない言葉に、一同は落胆するしかなかった。

―――

「ようやくここだね…」

日も暮れ始めた頃、稜牙たちは例のお化け屋敷の前にいた。それはどこか廃病院を思わせた。

「なんだか…怖い(ぶるぶる)」

「大丈夫だよロムちゃん、もしものときはあの稜牙って人もいるんだし」

「うん、稜牙さんはとっても頼りになるよ」

「まぁそれはそれとして…待ってろよホラー…お前の陰我、俺が斬るぜ!」

「稜牙、それ『俺が』じゃなくて『俺たち』の間違いよ」

「はいはい」

そして女神たちはお化け屋敷の中に入っていく…

「キャァァ!」

入って数分後、病棟の一室の扉を勢いよく開け、男性がこっちに迫ってくる。顔は蒼白で身体のいたるところが腐敗していた。院内は暗く、数メートル先がようやく見えるほどである。

「ちょっとちょっと!これリアル感半端じゃないって!」

その男性とは逆方向にネプテューヌたちは逃げる。

「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫…よね…」

息を切らしながらノワールが言う。ここは手術室のようだ。中央のベットでは女性が横たわってる。

「あの女性…明らかに怪しいですわよね…?」

「これって突然起き上がってきて襲ってくるんですかね…?」

ネプギアはそう言うが、実際その通りだった。その女性はムクッと起き上がり、近くにあったメスを持ち襲ってきた。

「やっぱりそうだったぁー!」

一目散に逃げ出す一同。そして、わざと彼女たちに当たらないように、医療器具がどこからかネプテューヌたちに向けて飛んできた。

「イヤァァァ!」

さらに素早くネプギアたち候補生は走っていき、稜牙たちの見えないところまで行ってしまった。

「ネプギアたち行っちゃった!?」

「ったくホラーが潜んでるってのに…」

数メートル進むと、そこはT字路になっていた。

「これ、よくある展開だよね…どっちだろ?」

ネプテューヌが口に人差し指を当て考える。

「仕方ないわね…ここは二手に分かれ…」

ノワールが言いかけた時だ。

「お姉ちゃーん!」

「助けてー!」

ネプギアとユニの悲鳴が聞こえた。

「ネプギア!ユニちゃん!」

「そこにロムとラムもいるのね…」

「ザルバ、場所は!」

「ここを曲がった先に邪気を感じるぞ!」

ザルバによるとこのT字路を曲がった先にホラーとネプギアたちがいるらしい。

「こうなったら女神化して一気に行くよ!」

そしてネプテューヌたちは光に包まれ女神の姿となる。背中には羽が生えていた。

「プロセッサユニット、装着完了!」

四人が叫ぶ。

「あぁ…もしかして飛んで行こうって魂胆か…」

稜牙は頭を弄りながら言う。女神たちのプロセッサユニットには羽のような推進ユニットがあるが、牙狼にはそのような装備はない。どうしようかと考えていると、

「僕なら空を飛べますよ、稜牙さん」

「クロウ!」

クロウが稜牙たちのもとにやってきた。クロウが召喚する、幻影騎士吼狼の鎧は、99.9秒ある制限時間のうち20秒を消費することで、空を飛ぶことが可能なのだ。

「えっと…あなたは…」

クロウを知らないパープルハートが尋ねる。だがクロウはそれを一言で一蹴する。

「話は後です」

そして稜牙と同じように剣先で円を描き、九字護身法のような構えを取ると、先程の円がクロウの腹部辺りに降り、強い光を放ち、クロウに紺色の鎧を纏わせる。顔はどこか猛禽類を思い浮かばせるようだった。そして邪気の方へと吼狼は助走をつけた後飛び立つ。稜牙はその背中へと乗る。それに四女神たちも付いていく。

――――

――

「……あれ?ここは…」

ネプギアたちが目を覚ますと、そこは食堂のようなところだった。候補生たちは手と足に枷をつけられ、うまく身動きが取れない。

「だ、誰よアタシたちにこんなことしたの!」

「見つけ出したらこてんぱんにしてやるんだから!」

ラムが叫んだ時である。

「ほぉ、あれほどの恐怖のあとにまだ僕をこてんぱんにしようとできるんだ…さすがは女神候補生」

厨房のほうから男性が歩いてくる。先日、クロウが戦った相手と同一人物である。

「あんたが私たちを連れ去ったのね!今すぐこれ解きなさい!」

ユニが腕と足をジタバタさせる。

「暴れない、暴れない。君たちは女神を釣るための餌なんだからさ…」

「お姉ちゃんたちになにかしたら絶対に許さないです!」

彼の言葉にネプギアたちは憤慨する。

「果たしてその威勢もいつまで持つやら…」

彼はまた厨房の方へと歩いていく。大きく笑いながら…




次回は戦闘をメインに書いていきます!

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