牙狼~ゲイムギョウカイに吹き荒れる金色の嵐~   作:狼の騎神ガロ

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秋月ダイゴ…やっぱり戲牙でしたね
そろそろ流牙も轟天召喚できそうなんだけどな…
この小説にも戲牙は出す予定です!
それでは第6話、どうぞ!


6話 橙神

「いい加減ちゃんと仕事をしたらどうですかネプテューヌさん!」

 

ラステイションでの一件から数日後、いつものようにこんなイストワールの叫び声が協会に響く。女神なのに職務を怠慢し、ゲームばかりしているネプテューヌを咎めているのだ。イストワールは、こう言っても無駄なのはわかっている。でも、こうでもしないと、怒りが収まらないのだ。

 

「もううるさいな、いーすんは。ていうかそれ言ったら稜牙だってそうじゃないの?」

 

ネプテューヌが反論しながら辺りを見渡す。協会には稜牙の姿はなかった。

 

「いいえ、稜牙さんはちゃんとした用事があってルウィーに行ってるんです」

 

キリッとした表情でイストワールは断言する。

―――――――

――――

「ハクション!」

 

突然くしゃみをする稜牙。ここはルウィーの都市部から少し離れた場所。ここの近くに、稜牙の知り合いの魔戒法師がいるという。

 

「くしゃみとは珍しいな稜牙」

 

「いや、なんか一瞬寒気がな…」

 

ザルバとそんなやりとりをしていると、一軒の小屋の前に着いた。扉の前に立つと、その扉をノックする。

 

「はーい…って稜牙じゃん!久しぶり」

 

何回かノックすると、扉が開き、女性が顔をだす。稜牙と同じようだが、より動きやすそうな服に身を包み、黒い髪はポニーテールで纏めてる。彼女の名前は蓮華、かつて稜牙とともに戦っていた魔戒法師である。

 

「あぁ、久しぶり蓮華。さっそくお願いなんだけど…」

 

稜牙はふところからシェアクリスタルを取り出そうとするが、蓮華に止められる。

 

「ちょっと待って稜牙、せっかくプラネテューヌからここに来たんでしょ?エレメントの浄化が終わって暇だし、話はお茶飲みながらにしようよ」

 

「え?あ、あぁ…」

 

若干戸惑いながらも、小屋の中に入る。中には、羅針盤のような魔導具や、様々な武器が置いてあった。蓮華は、様々な武器に魔戒法師が使う術…法術をかけることで戦う。その腕を見込んで稜牙はここに来たのだ。蓮華は麦茶をコップに入れると、稜牙に渡し、椅子に座らせる。

 

「どう?紫の管轄は」

 

蓮華も椅子に座り稜牙に話しかける。

 

「ほんとよくわからない神官だよ…ネプテューヌたちに魔戒騎士のこと伝えるように言うわ、女神の警護をさせるわ…あと、女神…正確には候補生だけど、女神の目の前で人がホラーに喰われて、救えなかったことを悔やんでる。」

 

稜牙は言うと、麦茶を一口すする。そして少し互いの近況を話したところで、稜牙がシェアクリスタルを取り出し話を切り出す。

 

「これがシェアクリスタル、女神の力の源の結晶だ」

 

「へぇ、じゃあこの結晶から力を得ているんだ…」

 

稜牙からシェアクリスタルを受け取ると蓮華は頷く。

 

「なるほど、稜牙の話から察するに、これに術を付与して、女神でもホラーが倒せるようにすればいいんだね」

 

「ああ、頼む」

 

立ち上がり深く頭を下げる稜牙。そんな稜牙に蓮華は戸惑う。

 

「どうしたの稜牙?そんなに女神に力を与えようとするなんて…下手したら女神たちはその力でまた戦争するかもしれないのに…」

 

蓮華の言葉に、顔をあげ、稜牙は静かに答える。

 

「なんか…似てたんだ、子供の時の俺に…」

 

稜牙は先日のノワールの言葉を思い出していた。

 

『見てるだけっていうのは、やっぱ無理みたい』

そして、過去の自分を…

『もう見てるだけなのは嫌だ!』

 

自分と似ている、だからこそ力になってあげたい。そう稜牙は思っているのだ。それを知った蓮華はハツラツとしながら決心する。

 

「わかった、善処はしてみる。もちろん、四女神分ちゃんと作るよ!」

 

「ありがとう、蓮華」

 

稜牙は再び深く頭を下げようとするが、蓮華に止められる。

「いいって稜牙、ニブルシティの戦いを共に戦った私たちの仲だからさ。そうだ、時間かかりそうだからさ、お母さんたちに挨拶しに行きなよ。牙狼を金色にしてから行ってないんでしょ?」

 

稜牙はハッとするが、すぐに扉の方を向く。

 

「うん、そうするよ」

 

そうだけ言って稜牙は小屋を出る。蓮華は小さく手を振りながら見送る。

――――――

―――

「ハァァァ!」

 

稜牙がルウィーの街を歩いていると、聞きなれた少女の叫び声が聞こえた。声のするほうを見ると、青髪の白い服を着た少女が、自身の服に似てるような色の斧を振り回し犬の顔と尻尾のついたスライム…スライヌを一掃していた。側では斧を振り回す少女と同じような服を着た青髪とピンク髪の双子の少女が、魔法の杖のようなもので魔法を発動させ援護していた。稜牙がその少女たちの元へついた頃にはスライヌたちはすべて消滅していた。少女たちが光に包まれると、そこにはブランとその妹の双子、ロムとラムがいた。

 

「よ、ブラン、ロム、ラム」

 

「こんにちは、稜牙」

 

「やっほー、稜牙さん!」

 

「こんにちは…」

 

稜牙が手を挙げながら挨拶すると、素直にブランたちも挨拶する。

 

「しかしモンスター退治とは女神は大変だな」

 

「そうね…でも、毎日ホラーと戦ってるあなたたちに比べたらまだマシな方よ。それより、あなたがどうしてルウィーに?」

 

「知り合いの魔戒法師に用があって…あと、母さんのとこにも寄ろうって思って」

 

苦笑いしながらブランたちと話す。

 

「稜牙さんのお母さんって、どんな人?」

 

「ああ、すごく優しくて、頼もしい人だったよ……」

 

ロムの質問にしんみりとしながら稜牙は話す。その話し方にブランは疑問を抱くが、気の所為だと思ったのか、すぐに先程までの表情に戻る。

 

「ねぇ、どうして稜牙さんはそんなに強いの?」

 

ふと、ラムが聞いてくる。

 

「いや、俺は強くないよ…助けられなかった人の方が多いし…」

 

稜牙の脳裏には、先日のテムロラの一件の時のゾンビとなった人たち、ホラーに憑依された者、そして、白い狼が浮かび上がった。

 

「…でも……稜牙さんは助けてくれた…あの化け物から私たちとお姉ちゃんを助けてくれた…ありがとう」

 

「私からも礼を言うわ、妹たちを助けてくれてありがとう」

 

ブランたちが深く頭を下げる。稜牙は慌てて首を振りながら否定する。

 

「いや、ロムたちを助けたのはノワールだ。礼はノワールに言ってくれ…それじゃな」

 

稜牙はどこかへ歩いていく。その姿はどこか悲しそうだった。

―――――

――

誰もいない、廃墟だけが立ち並ぶ場所。そこに1つの十字架が立てられていた。稜牙はその十字架に向かい、手を合わせ拝む。

 

「父さん、母さん、みんなの仇は俺が取るよ…必ず、『ベルシファ』を討滅してみせる。あと俺、とうとうなったよ、本当の黄金騎士に」

 

そして稜牙は立ち上がり牙狼を召喚して十字架をじっと見る。数十秒すると、鎧を解く。

 

「じゃあな、父さん、母さん…」

 

十字架に背を向け、稜牙は歩く。

―――――

――

「はぁ、結局“やつら”の時間になっちまったか…」

 

墓参りから戻ろうとすると、もうすっかり日が暮れていた。やつら…ホラーの現れ始める時間である。

 

「稜牙、早速だぜ、しかもたくさんだ」

 

ザルバに言われ辺りを見渡す。すると前方からホラーが襲いかかってくる。左腕でその攻撃を受け止めると、稜牙はホラーの腹部にパンチを入れ、数歩下がる。そうしている間にも、ホラーは稜牙の周囲に出現し続けていた。

 

「な!?もしかしてここの近くにゲートでもあるのか?」

 

たくさん現れるホラーに困惑しながらも、稜牙は魔戒剣を引き抜き、一体、一体切り伏せていく。すると、

 

「うにゃぁぁぁぁ!」

 

こんな叫び声とともに、どこからか水の波紋ようなものが広がっていき、その輪の中をホラーがくぐると、ホラーは消滅していく。

 

「嘘だろ!?」

 

稜牙はただただ唖然とするしかなかった。そして、稜牙の近くに、少女がやってくる。髪はオレンジのツインテールで、白っぽい服を着ている。おそらく女神だろうが稜牙には気になることがあった。女神は、右手にはメガホン、左手には魔戒法師の扱う筆、魔導筆を所持しているのだ。

 

「稜牙、まだホラーは残ってるよ!」

 

女神が話しかける。なぜか女神は稜牙の名を知っていた。ホラーはなおも稜牙たちに迫る。数は5体だ。

 

「なんで俺の名前を…って今はそんなこと関係ないか」

 

稜牙は剣先で前方で円を描き走りながら牙狼を召喚し、ホラーの一体を突き刺す。突き刺した剣を抜く勢いで振り返り、そのまま後ろにいたホラー二体を斬る。さらに、一回転しながら残りの二体を斬りさく。鎧を解除し、女神の方を向く。

 

「ところで、女神なのに魔導筆を持ってるようだが…ここの管轄の魔戒法師か?」

 

そう聞くと、女神は少し大袈裟に手を横に振る。

 

「違う、違う、うずめは、さすらいの魔戒法師だよ!」

 

「うずめ…お前、本当に天王星うずめなのか!?」

 

稜牙は呆然としていた。自分の知っているうずめは、魔戒法師でもなければ、女神ではないはずなのだ。うずめと呼ばれた女神が光に包まれると、女神が赤髪の少女に変わった。

 

「あぁ、正真正銘、天王星うずめだぜ。久しぶりだな、稜牙」

 

稜牙はただ、唖然とするしかなかった。

 

「お前は俺がどう言っても魔戒法師になるとは思ってたけど…まさかよりによって女神にだなんて…」

 

「魔戒法師になったのは、稜牙が必死になってんの見て俺も何か手伝いたいって思ったからなんだけど…女

神に関してはホント偶然としか言えないんだよな…」

 

苦笑いし、頭をクシャクシャとしながらうずめは言う。するとうずめは、ハッと何かを思い出したかのように稜牙の両手を掴む。

 

「そうだ!こうやって再会できたし、お前に話したいことがたくさんあるんだ!行こうぜ稜牙!」

 

そして稜牙の手を引っ張りながらどこかへ向かっていくうずめ。その顔には、満面の笑みを浮かべていた。

 

「ちょ、おい引っ張るなうずめ!うずめぇぇぇ!」

 

そんな稜牙の叫びは深い夜の中に吸い込まれていった…

―――――

―――

ルウィーのまた違うところでも、一匹の“狼”が、魔獣を狩っていた。赤紫色の“狼”は、身の丈ほどはあろうかという大剣を振り回し、魔獣を殲滅していた。魔獣を殲滅し終えると、狼は消え、茶髪のスラッとした青年がいた。彼が左耳につけている獣の顔のようなイヤリングが、彼に話しかける。

 

「堅人、ここの近くにもホラーが現れたらしいけど、黄金騎士が倒したって」

 

すると彼は眉をひそめる。

 

「黄金騎士?やつは紫の管轄のはずだが…」

 

そんな彼らの様子を遠くから、見つめる黒い影があった。その影は、巨大な輪刀を持っていて、ホラーが消えたのを確認すると、スッと闇の中に消えた…




ザルバ「ついに蓮華があれを完成させたようだな、果たして、女神に魔戒の力が使いこなせるか?
次回『神化』次世代女神の力、刮目せよ!」

次回、ネプテューヌV2で登場したあれが登場します!

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