問題児たちが異世界から来るそうですよ?~『終の夜』の軌跡~   作:ブレイアッ

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この作品は『問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡』の続編となっています
箱庭世界や魔法少女リリカルなのはの世界観に関する説明はいくらかはぶきます

それでは、どうぞ!


“火花”が散った先

火花は消えた

 

 

一時の時の狂いは本来のあるべき姿に戻った

 

 

なら

 

 

消えた火花はどこに?

 

 

彼の者はどこへ消えた?

 

 

物語は………本来の姿に戻ったのか?

 

 

答えは否

 

 

火花とは大きな火から絶えず飛び上がり続けるものだ

 

 

故に

 

 

この物語は、新たな始まりを迎える

 

 

:::

 

 

“ノーネーム”本拠

 

火竜誕生祭から帰り、いつも通りの騒がしい日常に戻ったノーネームの本拠に白夜叉が訪れた

 

「数日ぶりじゃの、黒ウサギ」

 

「白夜叉様!? どうされたのですか!? いきなりこんなところに!」

 

「何、ちょっとした野暮用じゃよ。急ですまんがおんしらのところの問題児どもを集めてはくれんか?」

 

「かしこまりましたのですよ」

 

急ぎ足で本拠の中に入っていく黒ウサギを眺め、懐に入っているギフトカードを着物の上からそこにあるかをしっかりと確かめるように取り出す

 

「まったく、いつ消えるやもしれん物を置いていきおって………」

 

それはある少年が存在していた証

誰からも忘れ去られ、世界からも忘れられた。否、最初から存在しなかったモノが残した最期の贈り物(ギフト)

 

:::

 

「すまんの、突然押しかけて」

 

“ノーネーム”の応接室に白夜叉と黒ウサギの他に三人の少年少女が集まった

 

「まったくだ、せっかく気持ちよく昼寝をしてたってのに」

 

逆廻十六夜

 

「そうね、私のはじめてのお昼寝をパーにされちゃ迷惑よ」

 

久遠飛鳥

 

「リリのクッキーまだ全部食べてない……」

 

春日部耀

 

いずれも以前崩壊寸前の“ノーネーム”を救うために召喚された特別な力を持つ少年少女………いや、問題児たちである

 

「相変わらず礼儀を知らん童たちじゃのう」

 

普通なら無礼だと怒られるであろう三人の言葉も白夜叉は軽く流す

 

「いったいどうされたのですか? 突然我々のコミュニティに訪れるなんて」

 

「うむ、ある人物から匿名でおんしらのコミュニティにこれを届けてほしいと依頼されてな、物が物だけにこの私が直接持ってきた」

 

白夜叉が懐から出したギフトカードから大きめの布袋が二つ出現した

 

「これは………?」

 

「お金……かしら?」

 

「金だな」

 

「うむ、サウザンドアイズ発行の金貨五千枚だ」

 

全員が白夜叉を見る

現在のノーネームの財産は黒死病の魔王を倒したことによりサウザンドアイズからそれなりに報酬はもらったのだが何者かから贈られてきたこの金貨はそれの数百倍にも及ぶ

 

「そ……そんな大金、一体何処の誰がこの“ノーネーム”に!?」

 

黒ウサギがウサ耳から汗を飛ばしながら白夜叉に聞く

 

「悪いがそれは教えられん。そういう約束だからの」

 

サウザンドアイズは商業コミュニティだ。箱庭上層にも名を連ねるこのコミュニティにとって顧客の信用は第一。下手に取引相手の個人情報をバラしては双女神の旗印に泥を塗ることになる

それを察したのか黒ウサギたちはそれ以上の詮索はしなかった

 

「では、私はこれで失礼しよう。このまま黒ウサギの胸を眺めるのもいいが帰って説教されるのはかなわんのでな」

 

そう言って白夜叉は立ち上がる

そうだ、と何かを思い出したように立ち止まり、懐から封書を取り出した

 

「“アンダーウッド”で行われる収穫祭の招待状だ。今朝“六本傷”からおんしら“ノーネーム”宛に届いた」

 

“龍角を持つ鷲獅子”の印璽が押されたそれを机の上に置く

 

「これは独り言じゃが……“源修也”なる人物と縁のある者がお忍びで参加する。聞いた話では箱庭三桁以上の実力者だとか」

 

それだけ言って白夜叉は去っていった

 

 

:::

 

 

とある神様の話をしよう

 

昔、昔のその昔

あるところに神様がいました

その神様はたいへん気まぐれ屋で退屈が嫌いでした

ある日、神様は何もないところから一つの宇宙を創りました

その宇宙の中で色々な星が生まれました

その様子が面白かったのか神様はたくさんの宇宙を創りました

たくさん創ったらたくさんの星が生まれました

でもある日、神様は宇宙を創るのを止めました

星が生まれるのを見ることに飽きてしまったのです

神様は生まれた星に命の欠片を一粒ずつ蒔きました

するとたくさんの星に命が生まれました

命はとても儚く、生まれては消え、生まれては消えを繰り返します

神様はそれを美しいと思いました

ある日、神様は気まぐれで争いを命たちに与えました

すると命たちは瞬く間に進化していきました

しかし、それと同時にたくさんの命たちが消えました

ある日、神様は自分の分身達を命たちの中に紛れ込ませました

神様は見ることに飽きてしまったのです

ある分身は命たちの国の王になりました

ある分身は命たちと戦う龍になりました

ある分身は命たちの国の王の友達になりました

たくさんの分身達がたくさんの命たちと関わって変わっていく様を見て神様は命たちの世界に降りてきました

すると神様が創った宇宙達が消えてしまいました

神様は困りました

困った神様は自分の体をいくつかに分けました

バラバラになった神様は小さな神様になりました

小さな神様はたくさんの宇宙に降りていきました

今度は宇宙達は消えませんでした

小さな神様はたくさんの命達から崇められました

小さな神様達も退屈が嫌いでした

だから小さな神様は戦いを生んだり

過去と今と未来を往き来したり

違う宇宙に繋がる道を創ったりしました

命たちはみんな、小さな神様のことをこう呼びました

『シュヴァルスティア』と

 

パタンと本が閉じられる

 

「シュヴァルスティアの名が神話以外で初めて歴史の中に登場するのはベルカ戦乱期、アクトゥルスという国のあるプロジェクトの名だ。そのプロジェクトの唯一の完全成功固体にはシュヴァルスティアの名からこう名付けられた

 

 

 

ーーーーーシュウと」

 

バサッと翼が広がる音がする

 

「シュウは消えたのではない。本来あるべき姿に戻ったのだ」

 

 

 

 

問題児たちが異世界から来るそうですよ~『終の夜』の軌跡~

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