【赤き救世主って知ってる?】
【何それww】
【しってるべ。最近、噂になってるヒーローのことっしょ?】
【そうそう。目は黄色に光ってて体には赤い線が入ってる銀色の戦士。それが最近、灰色の怪物と戦ってるんだって】
【でもそれ噂っしょ?】
【それが実は噂じゃないみたいなんだよね。実際に助けられた人もいるらしいよ】
本日も快晴、世間一般でいえば真に嬉しいことだが俺からすればうれしくない。ていうかマジで夏の暑さは太陽のせいだと思っている。太陽まじウザい。
まぁ、太陽があるおかげで洗濯物が綺麗に乾くんだが。
「ヒッキー、目腐ってるよ」
「由比ヶ浜さん。それはいつものことよ」
「ふっ。俺の腐り目は世界一」
「それで世界一とっても」
いつもの風景、いつもの毎日。奉仕部に来てはお茶を飲み、由比ヶ浜と雪ノ下が百合百合な光景を見せている傍で俺は本を読む。
「あ、そういえばゆきのん。赤き救世主って知ってる?」
「ええ。最近、噂になってるわね。でも私は信じないわ。灰色の怪物も」
「でも私は信じてるんだ~。なんだか格好いいじゃん!」
……もしも……もしも彼女たちが真実を知ったら他の奴らと同じように彼女たちも俺を排斥するんだろうか……赤き救世主は灰色の怪物であり、灰色の怪物は比企谷八幡という人間の皮を被った怪物であることを知ったら彼女たちは俺を化け物と罵るだろうか。
その時、彼女たちには見えない角度からオートバジンが浮遊しているのが見えた。
あいつ、ファイズフォンに連絡できる機能持っているくせにそれ使わないんだよな。
「悪い、ちょっとトイレ行ってくる」
二人に断りを入れ、奉仕部を出た後、窓から飛び降りるとオートバジンが俺を抱きかかえてゆっくり地上に降り立ち、自動的にバイクへと姿を戻す。
ヘルメットをかぶり、オートバジンに跨ってその場所へと向かう。
オートバジンには灰色の怪物―――オルフェノクを感知する機能と場所を特定する機能がつけられているから普段、奉仕部にいても何の問題もない。
「あれか」
『Burst Mode』
「ぐぇ!」
ファイズフォンに106と入力し、エンターキーを押して前方で人の首を掴み、使徒再生をしようとしているオルフェノクめがけて引き金を引くと黄色いレーザーが三発連続で放たれ、オルフェノクに直撃して軽く吹き飛ばした。
ゾウみたいなやつだな……言うならエレファントオルフェノクか。
「逃げろ」
怯えた様子の女子にそういうとそいつは震えながらその場から走り去っていく。
「んだてめえはよぉ! こっちは仲間に引き入れてやろうとしてんのに」
「使徒再生によるオルフェノク化は確率が低い。それにオルフェノクは……消えるべき存在だ」
アタッシュケースからドライバーを取り出し、腰に装着するとそいつは驚きを露わにする。
「っっ! それは……お前まさか!」
『standing by』
「変身」
『complete』
ファイズフォンに555と入力、エンターキーを押してベルトへと差し込んだ後直角に押し倒すと俺の体に赤い線が入り、そこから赤い輝きを放ちながら変身が始まる。
「555……貴様が我らの同胞を倒しているという悪魔!」
「どっちが悪魔かは……分かるよな」
「ほざけ!」
殴り掛かってきた拳を避けると同時に足を引っ掛けると顔面から見事に地面に倒れるが起き上がり、振り向き様にその長い鼻を振るってくるがそれも体を後ろへと傾かせて避ける。
殴り掛かってくる奴の拳を腕で防ぐと同時に腹部を蹴り、怯んだところを顔面に一撃を加え、殴り飛ばす。
「悪いがそんなに時間はかけてられないんだ」
『ready』
ベルトの側面にあるポインターを取り外し、ファイズフォンにあるミッションメモリーを装填すると電子音声と共に本体が伸長する。
『Exceed Charge』
それを右足の脹脛にあるマウントに装備し、ファイズフォンのエンターキーを押すと電子音声と共に赤い光が全身を通るとともに装備したポインターが赤く光る。
「よっ!」
跳躍し、一回転すると同時にポインターを奴に打ち込む。
「たぁぁぁぁ!」
「ぐあぁ!」
打ち込んだポインターめがけて蹴りを打ち込むとポインターがドリルのように回転し、そのままオルフェノクを貫通すると、オルフェノクにφの文字が浮かび上がるとともに青い炎を上げて砂となって消滅した。
「この世界にオルフェノクは必要ない……全てな」