武神と大空の出会い   作:塗る壁

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どうも塗る壁です。オリジナルの設定等がありますが暖かい目で見ていただけると嬉しいです。


出会い編
武神の悩み


 川神市・春

 

「どっかに強いやつは居ないかな~」

 

 その少女は退屈していた。

 彼女は中学3年生 川神 百代。武の名門の生まれである彼女は天賦の才を持って生まれた。その実力は若くして世界有数の実力である。だがその天賦の才は彼女の悩みの種でもあった。

 

 武術家であると同時に戦闘狂でもある彼女は誰よりも強者に飢えていた。しかし、最近彼女と渡り合えるものは居なくなりつつある。今日も手合わせがあったが瞬殺してしまい、そのせいで暇になってしまった。

 勿論、彼女と戦える者は居る。祖父である川神 鉄心や九鬼財閥の執事ヒューム、そして彼女と同じ武術四天王の者達。だが足りない。それだけでは渇きが癒えないのだ。彼女はまだ見ぬ強者に飢えている。新たな刺激を求めている。

 

「みんなと遊ぼうっと」

 

 彼女は呟きながら携帯を開く。

 彼女の言うみんなとはよく遊ぶ仲間である風間ファミリーの事だ。今日は武術の手合わせがあると誘いを断ってしまったが予想以上に早く終わってしまった。そして、彼女が暇になったので遊べるとメールしようとした時だった。

 一瞬、微かに気配を感じた。

 

「ッ!? 誰だ!!」

 

 一般人の()()とは違う。百代にすら微かにしか感じられないなど一般人な訳がない。

 百代は辺りを見回すが既に気配は感じられない。だが、百代の直感が言う。まだ居ると。何処に居るかは分からない、だが確かに近くに居ると。自分にここまで悟らせないとは、もしかしたらかなりの手練れかもしれない。そう思うと百代は嬉しくなった。

 百代は感覚を研ぎ澄ませる。そして──

 

「へえ? ツナには及ばねえがなかなかに鋭いじゃねえか」

 

「ッ!!?」

 

 背後から声が聞こえた。

 百代はその場から跳びその者と向き合う。百代は驚愕していた。全力で感覚を研ぎ澄ませたにも関わらず、こうも簡単には背後を取られたのである。もし、攻撃されていたならば終わっていたかもしれない。そう思うとゾッとした。そしてその者を見る。

 

「なっ!?」

 

 百代はその者を見て絶句した。何故ならば……

 

「反応もなかなかだな。及第点ってとこか……」

 

「こ、子供!?」

 

 まあ合格か、と呟く目の前のそいつは2~3歳ぐらいの黒いスーツを着た子供だった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 数日後。

 

「ここが並盛町……」

 

 百代は休みを利用して一人で並盛町に来ていた。

 

「……思ったより普通の町だな」

 

 普通。それが百代が抱いたこの町の印象である。

 辺りを見回すが何処をどう見ても普通の町である。何故彼女が風間ファミリーのみんなにも秘密でこの町に来たかと言うと──それはあの子供との出会いまで遡る。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「こ、子供!?」

 

 百代は驚愕していた。あれほどまでに気配を殺せる者がまさか子供とは思わなかったのだ。

 百代が口を開けてポカンとしていると。

 

「何時までもポカンとしてんじゃねえ。風穴あけられてえか」

 

「うわ!?」

 

 いきなり拳銃をこちらに向け、予告も無しに撃ってきたのだ。すかさず避けるが、百代は戦慄せざるえない。

 

「こ、こんな美少女に向かって撃つなんて!? 何考えてるんだ!?」

 

「何が美少女だ。ポカンとしてるてめえが悪い」

 

 なんて口の悪い子供だ。百代はそう思った。

 

「それで? 用があるんだろう?」

 

「ほう? 察しがいいな。その通りだ」

 

 たとえ子供でもあれほどまでに気配を殺せる者がただの子供とは思えない。この子供が何者かは分からないが、かなりの実力を秘めているのは明らかだ。そんなヤツが自分の所に来たのには何か用があるとしか思えない。

 

「その前に名乗らねえとな。チャオッス、オレはリボーンだ」

 

 リボーンと名乗ったその子供はニヤリ笑う。

 

「私は川「川神 百代だろう? 知ってるよ」……」

 

 自分も名乗ろうとしたら勝手に言われた。

 別に何故私の名前を知っているのかなど思わない。百代は有名だ。知らない人など少ない方だろう。

 

「それで私に用とはなんだ?」

 

「話が早いな。分かっていると思うがお前の調べはついている」

 

 やはりと思う。

 わざわざ百代に話し掛けたのだ。調べもついているのだろう。

 

「お前は幼少の頃より天賦の才を開花させ、武の世界じゃあ有名人だ。それに戦いを好む性格も合わさって成長速度も高い。だが、最近じゃ自分に敵うヤツが少なくなって退屈している。違うか?」

 

 違わない。確かに百代は最近退屈している。

 

「確かに退屈してるが、それが何か関係するのか?」

 

 そう。たとえ百代が退屈していようとリボーンには関係ないはずだ。

 百代が問い掛けるとリボーンはニヤリと笑いながら言った。

 

「ちょっくらその退屈を無くしてやろうと思ってな」

 

「何?」

 

 食い付いた。

 退屈を無くしてやるとは一体どういうことか。百代は耳を傾ける。

 

「但し条件があるその条件を飲むならお前の退屈を無くしてやる」

 

「条件とはなんだ?」

 

 百代は警戒しながら聞く。この子供は得体が知れない。だが、この退屈を無くせるのなら聞く価値はあると。

 

「条件は簡単だ。この事を秘密にしてくれるだけでいい。そうすれば強いヤツと戦わせてやる」

 

「強いヤツ……」

 

「ああ。ヘタレだが、お前が満足できる実力は持ってる。どうだ?」

 

 満足できる実力。まだ見ぬ強者と戦える。

 こいつの目的は分からないがそれだけで百代の答えは決まった。

 

「わかった条件を飲む。そいつのいる場所と名前は?」

 

 リボーンは最初から分かっていたかのように笑う。

 

「場所は並盛町。名前は……」

 

---沢田 綱吉だ---

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 そして現在。

 

「それでそいつは何処に居るんだ?」

 

 百代は道に迷っていた。

 

「手がかりは名前だけだし……」

 

 こんなことならあの子供に詳しく聞いておけばよかったと後悔した。あの後、百代はすぐに家に帰り並盛町の場所を調べた。そして、早く休みにならないかと今か今かと待ちわびていたのだ。そして、今になってこれである。百代がうーんと唸っていると

 

「あのー……」

 

「ん?」

 

 栗色の髪の頼りなさそうな少年が声を掛けてきた。




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