武神と大空の出会い   作:塗る壁

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どうも塗る壁です。

ツッコミ所があるかもしれませんがよろしくお願いします。



武神と大空

「ほ、本当にお前が沢田 綱吉なのか?」

 

「はい…」

 

 百代は綱吉を観察する。綱吉は百代にジロジロと見られて居心地が悪かった。

 

「強いヤツと聞いて楽しみにしていたんだが…」

 

 百代は頼りなさそうな綱吉を見て落胆の色を見せる。

 

「ずいぶんと貧弱そうなヤツだな…」

 

「グハッ」

 

 百代の言葉が綱吉に突き刺さる。

 春とはいえまだ肌寒いので綱吉は長袖を着ていた。そのため実際は分かりづらいが綱吉は細身だが筋肉質だったりする。

 

「そ、そのオレの事を誰から聞いたの?」

 

 綱吉は先程から気になっていたことを聞くことにした──と言っても薄々勘づいてはいるのだが。綱吉の頭には一人の子供が思い浮かんでいる。

 

「ああ。リボーンとか言う子供に聞いたのだが。どうやら私はうまいこと乗せられたらしい」

 

(リボーン! なにしちゃってんの!?)

 

 案の定、この少女に自分の事を教えたのはリボーンだったようだ。綱吉は叫びそうになるのを抑え、頭に手をやり心の中で愚痴を漏らしていた。

 

「ん――?」

 

「あれ? どうしたの?」

 

 そして、ふと少女が自分の事をジーっと見ているのに気付く。

 

「なあお前…」

 

「え? 何?」

 

 その少女の顔には落胆の色が微かに残っているものの興味深そうに試すように綱吉に問い掛けてきた。

 

「ちょっと私と戦わないか?」

 

「は?」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 百代は落胆していた。

 あの子供は自分を満足させるほどの実力者と戦わせてやると言った。だが目の前に現れたのは戦いのたの字も知らなそうな一般人。その事実が一層に落胆の色を深める。帰るかと考えていたら…

 

「そ、そのオレの事を誰から聞いたの?」

 

 綱吉とかいう少年が自分に聞いてきた。どうやら何故自分の事を知っているのか気になるらしい。当然と言えば当然だ。

 百代はあの時の子供の名前を思い出し、少年に教えることにした。

 

「ああ。リボーンとか言う子供に聞いたのだが。どうやら私はうまいこと乗せられたらしい」

 

 子供の名前を教えると綱吉は驚愕と納得の表情を浮かべた後、頭に手をやっていた。どうやらこの少年はあの子供と知り合いらしい。

 百代は再び少年を見る。やはり強そうには見えなかったが──

 

(ん?)

 

 それは武術を嗜む者としての経験からか強者を望む者としての本能からかは分からないが思った──この少年は侮れない。

 気をそれほど感じる訳でもないし見た目も頼りなさそうな優しそうな雰囲気を発している、のにも関わらず自分の何かが告げていた。この少年を侮ってはならないと。

 

「あれ? どうしたの?」

 

 百代が考えていると、綱吉が百代に声を掛けてきた。どうやらジーっと見てくる百代の事が気になったらしい。百代は意を決して──

 

「なあお前」

 

「え?何?」

 

 この少年を試すことにした。

 

「ちょっと私と戦わないか?」

 

「は?」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 ここで質問。よく映画で男女が追いかけっこするシーンがありますが、皆さんはそういうのに憧れますか?彼の答えは勿論──

 

NOである。

 

「ハハハ! 待て待てぇ!」

 

「なんで追いかけてくるの!?」

 

 綱吉は現在、あの少女に追いかけられていた。おまけに少女は笑いながら絶妙な距離を保ってくるので綱吉に更に恐怖を与えていた。

 

「ほう? なかなか速いな。なんだか愉しくなってきたぞ」

 

「なんで嬉しそうなの!?」

 

 先程とは違い、彼女は楽しそうな顔に獰猛な笑みを浮かべている。むちゃくちゃ恐い。こうなったのも綱吉が少女の誘いを断ったからである。

 綱吉は戦いを好まない。戦う時は仲間や友達のためであり自分のために戦うようなことはしない。そんな綱吉が彼女の誘いを断るのは当然と言えよう。結果このような追いかけっこが始まったのだが。

 

(というかむちゃくちゃ速い!)

 

 綱吉は今までの特訓から超死ぬ気モードにならなくても逃げ足だけは速かった。そのスピードは常人を越えているだろう。だが、少女は平然と付いてきていた。

 綱吉を楽しそうにジワジワと追い詰めながら──

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「フッフッフッ。とうとう追い詰めたぞ? つ・な・よ・し・君?」

 

(ま、まずい! むちゃくちゃまずい!)

 

 あれから数時間もの間町の中や森の中を走り回り、かつてリング争奪戦の修行の為に使っていた崖の所まで追い詰められてしまった。二人とも息切れしていないのは流石である。

 

 追いかけっこしている途中で川神 百代と名乗った少女はニヤニヤしながらゆっくりと近づいてくる。

 

「ちょ、ちょっと待って! どうして川神さんと戦わないといけないの? オレなんかした!?」

 

 綱吉には百代と戦う理由などないし、そもそも今まで会ったことすらない。

 

「そんなのは決まっている。面白そうだからだ」

 

「お、面白そう? いや、オレと戦ったって面白くないよ!? どう見たって一般人だし」

 

「そんなことは無いだろう? それに一般人はどうかはもうどうでもいい」

 

「え!?」

 

 百代は既に綱吉の事を見直していた。追いかけっこの時、綱吉は常人とは思えない身体能力を見せ、数時間も走り回ったにも関わらずほとんど息切れをしていない。綱吉を見直すのに充分だった。

 

「それに見た目の事を言うのなら私も華奢な美少女だぞ?」

 

(あっ、この人自分で美少女とか言っちゃうタイプだ)

 

「なんだ? その目は?」

 

「い、いえ! なんでもありません!」

 

 自分で美少女と言う百代に対して暖かい目を向けてしまい、百代にジロリと睨まれる。

 

「私はな、戦うのが好きだ。それも強いヤツとな。最初は落胆したが、沢田 綱吉。お前は合格だ。お前ならこの退屈を無くしてくれる」

 

「……………」

 

 綱吉は感じとる。この少女から途方もない乾きや飢えを。彼の超直感が教えてくれる。この少女は危ういと。

 

「わかった…」

 

「本当か!」

 

 百代は目を輝かせる。もしあの子供が言ったことが本当ならば綱吉は百代を満足させるほどの実力をもっているはずだ。

 

「但し少し時間をくれない? 少し準備しないといけないから」

 

「ああ。それくらいなら構わないぞ。場所は?」

 

「ここで…」

 

 百代と綱吉が戦うことが決まった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「どうだ? 川神 百代は?」

 

 家に帰るとリボーンが綱吉に聞いてきた。

 

「リボーン! なに考えてるんだよ!? オレと戦えなんて!」

 

 綱吉がリボーンに問いただす。リボーンが何を企んでいるのか。どうして彼女と戦わせようとしてるのか。

 

「ツナお前、最近は自分に近い実力のヤツと戦ってねえからな、それに身近のヤツとは違うヤツと戦って経験を積んだ方がいいだろ?」

 

「だからって「それにだ」…」

 

 綱吉の言葉を遮り、真剣な声で言う。

 

「ツナ、川神 百代を見てどう思った?」

 

 綱吉が百代の勝負を受けたのには理由がある。

 

「危ういかな……」

 

「…………」

 

 リボーンは綱吉の目を見る。綱吉には強い覚悟と哀しみが宿っていた。

 

「彼女、あのままじゃ大切なものや自分を自分で壊しちゃうかもしれない…」

 

 それは可能性でしかない。だが、確かにあり得る話だった。綱吉の周りに戦うを好むものは居る。雲の守護者である雲雀がいい例だろう。だが、それとは違う危うさ。

 

「それにさ。なんだか放っとけないんだよね」

 

 綱吉は照れくさそうに言う。

 

「そうか…」

 

 リボーンは帽子を深く被る。そして、綱吉に向けて言った。

 

「なら、お前がどうにかして見せろ」

 

「うん」

 

 二人の戦いは近い。




うーん、都合が良すぎたかな?もしかしたら編集するかもしれません。
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