「おかわりお願いします!」
「あら。いい食べっぷりねえ。すぐ持ってくるわね」
満面の笑顔で百代はおかわりをお願いしていた。綱吉の母 奈々も穏やかに笑い台所に向かう。百代は戦いの後、綱吉に少し早いが昼食を食べていかないかと誘われたので綱吉の家に来ていた。
「そういえばツナの気ってなんなんだ? 今まで感じたことのない気だったが…」
「え!」
死ぬ気の炎は裏社会、それもごく一部の者しか知らない力だ。骸が最初の頃、
「オ、オレの気って特殊でさ。他の人とは少し違うんだよ」
綱吉は誤魔化すことにした。
「へー。そうなのか」
(あっさり信じたー!?)
綱吉は知らないが、
「はーい。百代ちゃんおかわり持ってきたわよ」
「あ。ありがとうございます」
話していると奈々が百代のおかわりを持ってきた。
「それにしても奈々さんって一児の母とは思えないぐらいに綺麗ですよねー。料理もとても美味しいですし」
「ふふふ、お上手ね。お世辞でも嬉しいわ」
「いえいえ。お世辞じゃありませんよ? 今度、是非とも私と「ちょ、ちょっと!? かわか、百代さん!」…なんだよツナー?」
綱吉から突如ストップがかかった百代は不機嫌になる。
「なんだよじゃないよ百代さん! 何、母さんにナンパしてんの!?」
綱吉の母である奈々をナンパしようとした百代に綱吉のツッコミが入る。
「いいじゃないかー。あんな綺麗な人が母親なんて羨ましいぞ? それとも何かヤキモチか?」
百代はかわかうようにニヤニヤと笑う。綱吉も赤くなりながら反論する。
「違うって! 常識的に考えてよ!」
「それとも…私へのヤキモチか!」
「だから違うって!?」
「なにをー! こんな美少女と一緒に食べられるなんてそうそうないんだぞー!」
「楽しそうね~。ツッ君に新しい友達が出来てよかったわ」
からかう百代にからかわれる綱吉。そして、微笑ましそうに見守る奈々。そんな平和な一時が続く。
◇◇◇
綱吉、百代、奈々の三人が会話していると家のチャイムがなった。
「あら? 宅配便かしら?」
奈々はハーイと言いながら玄関に向かう。少しして──
「ツッく~ん。獄寺君が来たわよー」
「え!? 獄寺君が」
「友達か?」
「うん、オレの友達。ちょっと行ってくるね」
綱吉は百代に断りを入れ、玄関に向かう。
◇◇◇
「今朝はご挨拶に向かえなくて、申し訳有りません! 10代目!」
「ちょっ! 獄寺君!?」
綱吉と顔を合わせると同時に頭を下げる少年。綱吉の嵐の守護者であり、自称右腕の獄寺 隼人である。
「そういえば獄寺君。今日の朝、来なかったけどどうしたの?」
獄寺は毎日と言っていいほど朝に挨拶に来ていた。だが、今日の朝は来ないので綱吉も不思議に思っていたのだ。
「はい。今朝はリボーンさんから用事を頼まれていまして…」
(やっぱりお前かー!? リボーン!)
どうやら獄寺が綱吉の所に来なかったのはリボーンの仕業だったらしい。
「どうしたんだツナ?」
「あ?」
(あ! ま、まずい!)
遅い綱吉が気になり、百代が奥からひょっこりと顔を出す。獄寺は見たことのない人物に眉を潜める。
「てめえ! 何者だ! 10代目の家で何をしてやがる!」
(やっぱりー!)
綱吉は事情を説明することになる。
◇◇◇
「つまりこの戦闘バカは10代目に喧嘩を売り、手を煩わせた挙げ句にコテンパンされたと」
「ちょ、ちょっと獄寺君!?」
庭でこれまでの事を説明した。それを聞いた獄寺のあんまりな言い方に綱吉は慌てる。そうっと百代の方を見る。
「むー。確かにそうだがそんな言い方はないんじゃないか?」
(やっぱり不機嫌になるよね…)
案の定、不機嫌になった百代は頬を膨らませる。このままではまずいと思った綱吉は話を変えることにした。
「その、とりあいず自己紹介したら? せっかく知り合ったんだし」
綱吉の提案に二人はお互いに名乗ることにした。
「私は川神 百代だ。武術をやっている」
「……獄寺 隼人。10代目の右腕だ」
「右腕?」
「百代さん?」
獄寺の右腕という発言に反応を示した百代。そんな百代に綱吉は嫌な予感がした。
「右腕ということはお前はツナの次に強いのか?」
「ちょっ! も、百代さん!?」
獄寺に向けて獰猛な笑みを浮かべた百代は構えをとる。獄寺は百代の意図を悟る。
「へッ! てめえなんざ10代目が出るまでもねえ。10代目とやりてえなら右腕である俺を倒してからにしな!」
「獄寺君まで!?」
獄寺は懐から武器であるダイナマイトを取り出す。
「ほう。爆弾を使うのか?」
「なんか文句でもあんのかよ」
「いや、少し珍しかっただけさ」
百代は様々な近代兵器を相手したことのあるので、ダイナマイトぐらいでは驚いたりしない。まさに一触即発。何時戦いになってもおかしくなかった。だが──
「ちょっと! 二人ともストップ!」
綱吉が二人の間に割って入る。
「ツナ…」
「10代目…」
「百代さん。さっきオレと戦ったばかりでしょ! なのに獄寺君と戦おうしてんの!? 獄寺君もいきなり戦おうとしないでよ!」
綱吉は二人に向けて言う。その声は少し怒りが含まれていた。
「いやその…強そうなヤツをみるとつい。その…すまなかったツナ」
「10代目。すみません! 10代目の右腕でありながら俺は…」
二人は申し訳なさそうに謝る。
「わかってくれたならいいよ」
素直に謝ってくれた二人に綱吉はホッとした。もし二人が戦いを止めなかったら大惨事だった。
「おーい! ツナー!」
「えっ?」
綱吉がホッとしていると後ろから綱吉を呼ぶ声が聞こえた。綱吉が振り向くとそこには──
「や、山本!」
嵐に続き雨がやって来た。