さあ、愛を演じよう   作:玉露入りお茶

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会社、辛い。

最悪一週間毎に書きます。

だけど、ことりちゃんに癒されながら頑張って投稿時間を縮めたい。


南 ことり 編
トラウマ


僕は昔、女の子を傷つけた。

 

正確な時間は覚えていないのだけれども、その時の記憶は鮮明に覚えている。

 

僕が幼稚園に通っていた頃、きっと鬼ごっこでもしていたのだろう、鬼として女の子を追っていた僕はたまたま転けてしまったその子の足を勢いを殺せず踏んづけてしまった。

 

その時見てしまった、その子の左膝を、僕が踏んでしまったその場所を。

 

真っ赤に染まったその傷口を・・・。

 

女の子はその後、病院に行って手術を受けた、後は知らない。

 

その子がどんな顔をしていたか、その子はどんな性格だったか、幼稚園の頃の記憶なんて誰も殆んど覚えていないだろう。だけど僕はその一瞬の出来事はしっかりと頭に記録されている。忘れない子供の頃の記憶。

 

僕のトラウマ。

 

 

 

 

「帰りたい・・・」

 

学校の教室の中で僕は椅子に座って考えていた。

 

何故、僕はここにいるんだろう・・・というか何故、こんな学校に入ってしまったんだろう。

 

音ノ木坂学院、伝統ある元女子校である。

 

少子化の問題で、生徒数が下がりつつあった音ノ木坂は共学という道を選んだ。だけど共学化したのはつい二年前男子の数はまだまだ全然少ない学校だ。

 

僕はあの事件以来、女の子が苦手になったというか触れられなくなった。後、運動も苦手になった。

 

だから、この女の子が多くいる、教室から抜け出したい、だけど廊下に出たらもっと多くの女の子がいる。

 

八方塞がり、四面楚歌、絶体絶命。

 

え?、なんでこの学校に入ったかって?、親に無理矢理入れられたんだよ!、僕の苦手を克服するために!、男子もいるから大丈夫って言われても、無理なものは無理だ!

 

はぁ、入学して二年目、後もうちょっとで折り返し地点か・・・。卒業は遠い。

 

 

 

 

ようやく帰れる・・・

 

先生、なんでいつもHRが長いんですか?、アナタの恋愛相談なんかクラス中誰も気にも止めてませんよ。というか先週の人はどうしたんですか?、フラれたんですか?。

 

沈む心を何とか持ち上げながら家に帰るべく、廊下を進む。勿論女の子にぶつかりたくもないため、いつものように窓側を沿うように歩く。

 

しかし、今日のその廊下の窓側はいつもとは違っていた。何が違うかというと、落とし物があったからだ。

 

四角い形、手のひらサイズの本、そして僕も持っている物、生徒手帳だ。

 

それは丁度僕の足下にあって、人が行き交う廊下の中では、下を注意して見ていかなければきっと見付けられないだろう。

 

足下にあった生徒手帳を僕は当然のよう拾う。そして勿論中身を見る。個人情報が載っているものだが、落ちているならば誰だって持ち主に届ける為に中身を確認するだろう。

 

しかし、僕は心の中でこう思った。最近は個人情報の漏洩などで社会問題になっているが、こうも簡単に、顔、名前、年齢、通っている学校、生まれた歳、そして住所までが載っていていいのだろうか、セキュリティが持ち主の管理の仕方だけで、カギやパスワードが一切ない。学生手帳とは手帳であることに意味があるのに時代の流れに全くついてこれてないのだ。

 

アナログ、デジタル。

 

まあ、だけど、簡単に見れなきゃ僕がこうして持ち主の届けに行けないのだから、それでいいのだろうか?

 

そんなどうでもいい事を考えながら、生徒手帳を躊躇なく開き、そこに載っていた名前を僕は見る。

 

南 ことり

 

これから会うだろう、女の子の名前。

 

正直気が気が気でないが、僕は拾った物を持ち主に返さない程酷い人ではない、拾ってしまったからにはしょうがない。

 

僕は少し重い足取りで元来た道を窓側沿いに歩いて引き返す。

 

この時、僕が酷い人であったならば、いつものように廊下側を歩かなければ、手帳に暗証番号とかあれば。

 

僕はこれから先、あんな思いはしなかっただろうし、あんな事にはならなかっただろう。

 

これは、トラウマ持ちの少年と過去を既に克服している女の子の愛を演じる物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ことりちゃんの膝の設定は小説版の方から引っ張って来ました。

今回はことりちゃんは出て来ませんでしたが、次からガスガス行きます。

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