食の革命から数週間後。アキバの街に様々な料理が溢れ、人々は美味しい物を求めた。アキバはまさに、グルメ時代真っ只中であった。そしてまた一つ、新たな料理に挑戦しているギルドがあった。
―――――――――――
ここはドレットパックの厨房。そこで彼等は、ある挑戦をしていた。
「へい、おまち・・・・・・」
スマッシュは慎重に丼をにゃん太に差し出した。
「それでは、拝見させて貰うにゃ」
そう言って、丼の中身――――ラーメンを口にする。麺、具材、スープにいたる全ての食材を一つ一つ味わいながら食べるにゃん太。それを緊張の赴き見守るドレットパックの四人。そして、丼が空になった。
「そ、それで大将? どうだ?」
スマッシュが恐る恐る尋ねると、にゃん太の評価が発表された。
「・・・・・・はっきり言って」
「・・・・・・ごくっ」
「ダメですにゃ」
その一言に、四人はガックリ肩を落とした。
何を隠そう彼等は、アキバの街にラーメン屋を出そうしていた。その為のラーメン作りに、にゃん太に協力して貰っていたのである。
「くあ~! 自信作だったのに、駄目か~!」
「一体何が駄目だったのよ?」
リコピンがそう尋ねると、にゃん太は丁寧に解説し始めた。
「麺、具材に関しては文句は無いにゃ。しかし、スープに僅かな臭みが残ってしまっている。そのせいで、せっかくの素材が生かされるどころか、逆に殺してしまっているのにゃ」
「つまりダシか」
「でも、ここいらで使えそうな物は全て使ってみたけど、全部にゃん太さんにダメだしされたよ」
「う~む・・・アキバから少し離れた場所まで行くか・・・いやしかし・・・・・・」
ゲーム時代とは違い、遠征するにはリスクが高くなっていた。目処が無い状態で行くのは得策では無いと、スマッシュ達はそう考えていた。
「それなら、翡翠の湖に行ってみては如何だにゃ?」
「「「「翡翠の湖?」」」」
「アキバから約数キロ離れた場所にある湖だにゃ。そこで専用のアイテムを使えば、特殊モンスターと遭遇出来るんだにゃ」
「そんなモンスターが居たのか・・・よーし! 早速明日行ってみよーぜ!」
こうしてドレットパックは、翡翠の湖に行く事にした。
―――――――――――
翌日。装備万全の体制で、スマッシュ達は翡翠の湖に訪れた。
「ここか。よーし、早速始めようぜ」
四人はにゃん太から譲って貰った専用アイテム―――ビックカエルを使い、特殊モンスターを釣り上げようとしていた。
「こんなんで釣れるのかしらねぇ・・・・・・」
「にゃん太の旦那が言ってたんだから、間違いないだろう」
「そうは言ってもねぇ・・・・・・」
「・・・・・・ん?」
するとストロガノフの竿が動き出す。そして強い引きが感じらた。
「来た! なんか来たよ!」
「なにぃ!?」
「でかしたぞストロガノフ!」
「手を離すんじゃないわよ!」
ストロガノフの竿に、スマッシュ、カツオ丸、リコピンの三人が掴み、彼と共に特殊モンスターを釣り上げようとする。
「行くぜ野郎共! 一気に釣り上げるぜ!」
「「「おおー!」」」
四人は力を合わせてモンスターを釣り上げようとする。その攻防はしばらく続き、そして遂にモンスターを釣り上げる事が出来た。
「よっしゃあー! 釣り上げ・・・・・・た?」
そのモンスターの姿を見て、四人は唖然とした。その姿は魚と恐竜が合わさったような姿であった。 しかもかなり巨大で、全長10メートルは軽く越えていた。
「デカ!?」
「こ、これが特殊モンスター?」
「レベルは80か、ちょっと厳しいかな?」
「へん、上等だ! 三枚に卸してやるよ! 行くぜ!」
スマッシュ達は武器を構えて、モンスターに斬りかかって行った。
―――――――――――
翌日。あちらこちらに怪我をしたスマッシュ達は、再びにゃん太にラーメンの試食を頼んでいた。
「へいおまち! 今回は傑作だぜ!」
「ふむ、それでは拝見させて貰うにゃ」
にゃん太は麺、具材、スープにいたる全ての食材を一つ一つ味わいながら食べる。それを緊張の赴き見守るドレットパックの四人。そして、丼が空になった。
「ふむ・・・・・・」
「「「「・・・・・・ごくっ」」」」
「美味しいですにゃ。これなら、お客様に喜んで貰えるにゃ」
「「「「よっしゃー!」」」」
にゃん太のお墨付きを貰った四人は、大喜びをした。こうして、魚竜ラーメンが完成したのである。
―――――――――――
それから暫くして、ドレットパックはラーメン屋を開店した。中でも魚竜ラーメンは好評で、多くの人達がそれを求めて店に訪れて来た。
「へいおまち!」
「おっ、来た来た! いっただきまーす」
店に訪れた記録の地平線のメンバー達は、魚竜ラーメンを食べていた。
「おお! こいつはうめぇ!」
「うむ、麺がしっかりしていて、食べ応えがある!」
「野菜もチャーシューも美味しいぜ!」
「スープもサラッとしていて、とっても飲みやすいです」
「流石、にゃん太班長が一押しするだけの事はあるね」
「もちろんですにゃ。ここのラーメンは、彼らが血と汗と努力の結晶ですからにゃ」
「おかわり!」
「へいよ!」
それから彼等の魚竜ラーメンは、アキバの街でそれなりに有名となった。しかし彼等はこれだけで満足せず、更なる味を求めて、精進していった