リルドの冒険譚   作:1103

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久々の投稿です。
ログホライズンのスピンオフの漫画を読んで、書いてみたものです。


番外編3、対決、武道家少女カワラ

ここは円卓会議に参加しているギルドの一つ、西風の旅団のギルドホール。リルドは今日そこに遊びに来ていた。

 

「へぇー、和風なんだ」

 

「うん、僕はこういうのが好きだからね。後で大浴場も見せてあげるよ」

 

「そりゃ楽しみだな。ん?」

 

すると向こうの方から、何やら叫びながら走って来る少女がいた。

 

「師匠ー!」

 

そしてそのまま、ソウジロウに抱きついた。

 

「うわぁ! カワラさん、廊下を走ったら危ないですよ」

 

「えへへ、ごめんごめん」

 

カワラと呼ばれた少女は、悪びれた風も無くそう言った。こういうのが日常茶飯事なのか、ソウジロウは特に彼女を咎めようとはしなかった。

 

「ところで師匠、稽古つけて欲しいんだけと、良いかな?」

 

「えっと、今日はお客さんが来ているから、また今度ね」

 

「お客さん?」

 

ソウジロウの言葉で、カワラはようやくリルドの存在に気づいた。リルドはそんな彼女に、陽気に挨拶をする。

 

「よっ、俺はリルドだ。よろしくな」

 

「私はカワラ。師匠の一番弟子だよ」

 

「へぇー、ソウジロウも弟子を取っていたんだ。流石は御茶会の元メンバーだな」

 

「そんな大した事は教えていないんだけどね。ところで、“も“って?」

 

「俺もにゃん太先生の弟子なんだ。最近じゃあ、シロ兄はミノリ、直兄はトウヤを師事しているんだ」

 

「シロ先輩の弟子か・・・・・・羨ましいなあ」

 

ソウジロウはそう小さく呟いた。二人の話を聞いて、カワラはある事を思いつく。

 

「よく分からないけど、師匠のお知り合いの弟子なんだよね? だったら私と組手しない?」

 

「組手?」

 

「模擬戦みたいな物だよ、たまにやっているんだ」

 

「へぇ、おもしろそうだな。よし、やろうぜ!」

 

「よーし決まりだね! それじゃあ道場に案内するよ!」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ二人とも!」

 

カワラはリルドに道場に案内し、その二人の後をソウジロウは慌てて追い掛けた。

 

―――――――――――

 

西風の旅団のギルドには、大きな道場がある。そこで簡単な訓練等が出来るようになっている。そこに、リルド、カワラ、ソウジロウの三人がいた。

 

「それじゃあルールを確認するよ。勝敗は相手のHPを一定削った方の勝ち、それ以外には何でも有りの真剣勝負。あと、僕の判断で中断させる事もあるから、そのつもりで」

 

「うし!」

「オーケー」

 

「それでは・・・・・・始め!」

 

ソウジロウの合図で、リルドとカワラは同時に動き出した。

 

「先手必勝! オーラセイバー!」

 

カワラのオーラセイバーが、リルドに向かって放たれた。リルドはそれを――――。

 

「トリックステップ!」

 

トリックステップで攻撃をかわし、続けて攻撃に移る。

 

「クイックアサルト!」

 

「なんの! シャドウレスキック!」

 

カワラは迎撃を選び、高速の蹴りを放つ。二人の体は交差した。

 

「くっ、」

 

「よし!」

 

アドバンテージを得たのはカワラであった。リルドの攻撃も確かに当たったが、それでもカワラHPを僅かに削る程度、対するリルドは先の攻撃で、HPの四分の一を削られていた。

 

(やっぱりレベル差があるのはきついな・・・でも、こんな事ぐらいで引き下がるつもりは無い!)

 

リルドは双剣を握り締め、カワラを真正面から対峙する。対するカワラも、リルドを正面から見据えた。

 

「いっくよー! ワイバーンキック!」

 

カワラは跳躍し、急降下しながら蹴りを放つ。リルドはそれを跳躍でかわす。

 

「まだまだ! エリアルレイブ!」

 

カワラのすかさずの追撃、空中で身動きが取れないリルドに対空アッパーを放つ。それに対してリルドは――――。

 

「ラウンドウィンドミル!」

 

「うわぁ!?」

 

空中で体を捻り、カワラの空中アッパーをかわし、更にカウンターを食らわせた。

カウンターを見事に食らったカワラは、床に叩きつけられ、リルドは見事に着地した。

 

「どんなもんだ!」

 

「いてて・・・やったなぁ!」

 

カワラも怯まず、リルドに向かって走り出した。リルドも正面からカワラに挑んだ。

 

「「うおぉぉぉぉ!!」」

 

二人は全力でぶつかり合い、しのぎを削りあった。

そんな二人を見て、ソウジロウは――――。

 

(二人とも、とっても楽しそうだな。まるで子供みたいだ)

 

楽しそうに戦う二人を、保護者のように温かく見守った。

 

「ヴァイパーストラッシュ!」

 

リルドの双剣が、カワラの両腕を切り刻む。

 

「くっ、スマッシュ!」

 

それに対してカワラはスマッシュを放つが、リルドはそれを後方に飛び上がって回避した。

少し距離が開いたので、カワラはブレスコントロールで回復を図ろうとするが――――。

 

「ライトニングステップ!」

 

そうはさせまいと、リルドはライトニングステップで距離を詰める。

 

「ライトニングストレート!」

 

青白い雷を纏った右ストレートが、リルドを狙う。しかし―――――。

 

「トリックステップ!」

 

「なに!?」

 

リルドはトリックステップでそれをかわし、カワラの背後に回る。

 

「ステルスブレイド!」

 

そしてそのまま、カワラの背を切り裂く。

 

「ぐっ、ドラコンテイルスウィング!」

 

カワラは後ろ回し蹴りで、リルドを吹き飛ばそうとするが、リルドは体勢を低くし、それをかわした。

 

「ブラッディピアッシング!」

 

リルドは続けざまに、カワラの両脚を切り裂いた。これにより、カワラのDEXが下がってしまう。だが―――。

 

「な、んの! アドヒュージョンビー!」

 

間合いから離れようとしたリルドに、アドヒュージョンビーを使い、一気に間合いを詰めた。

 

「しまっ―――」

 

「捕まえた! グリズリースラム!」

 

カワラはリルドを掴み、そのまま床に叩き付けた。そこでソウジロウが止めに入った。

 

「そこまで! この勝負はカワラさんの勝ち!」

 

「よーし! 勝ったー!」

 

喜びを体全体で表すカワラ。一方リルドは、悔しそうに立ち上がった。

 

「ああ、負けちまった・・・・・・」

 

そうに呟くリルドだったが、最後にカワラに握手を求めた。

 

「今回は負けたけど、次は勝つからな」

 

「ふふん、次も勝つのは私だから」

 

そうして二人は握手をかわす。

それからも二人は、時折組手をするようなり、互いに競い合うライバルとなったのである。

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