根無し草の艦隊   作:じーらい

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世界観とかの説明会。話を進めるための前準備


5話

 

 此処、横浜はこの国における海の玄関口であり、現在は要塞都市として機能している。

 

 明治初期。時の政府の方針によって鎖国が終わり、この国は開国へと舵を切った。そのとき国の玄関口として開かれた場所の一つがここ、横浜である。以後、横浜は諸外国との貿易拠点として多様な文化を持つ人々が集う場所となる。

 

 第二次大戦時には海軍によって横浜鎮守府が敷設され、多くの戦艦が配備される軍港としても要所となった。時代の移り変わりにより鎮守府から警備府へ名を変えたが、深海棲艦との戦い以降は旧軍閥の意向もあり、再び鎮守府と名を変えた。深海棲艦との戦いが続く今となっては影も形も無いが、同盟国の軍艦も停泊していた。

 

 その深海棲艦との戦いについてだが、今日を生きている読者には最早語るまでもないだろう。戦争初期、初めに犠牲になったのは民間の商船や航空機だった。国や人種の垣根を超え、それは世界全体で起こった。

 調査機関や軍が出動して原因究明に努めたが、当時は何も見つけることは出来なかったそうだ。また度重なる正体不明の襲撃に有効な手立ても打てず、各国の間では他国による攻撃ではないかと疑いを持つ者も少なくなかった。

 その後に軍が敵の正体を暴いたときには時既に遅く、少なくない人命が失われていた。しかも犠牲の果てに得られた情報は、敵が火力装甲共に第二次大戦時を彷彿とさせる旧世代の兵器を保有していることだけであり、その目的、正体は未だに判明していない。

 

そして、人類に敵対する謎の海洋生物、通称【深海棲艦】との本格的な戦いが始まった。

 各国の軍はミサイルなどの誘導弾主体の戦闘艦に加え、ミサイルを装備したジェット戦闘機を主力としていた。敵の兵装は旧世代の兵器のみであり、当然アウトレンジから一方的な殴殺が期待された。

 

 しかし、当初の予想を裏切る形で軍は敗北した。

 理由は、原因不明のレーダー干渉波だった。

 

 必中のミサイルはその多くが命中せず、敵の位置が正確に把握できない。優秀なレーダーを装備していたはずの主力艦船は、気づけば敵の土俵で戦わざるを得ない状況に陥っていた。それに加え、人類が追い込まれる理由がもう一つあった。

 

 それは、深海棲艦の能力が高くなればなるほど、人間と同サイズの人型を取っていく生態系だった。

 

 大型の主砲を装備した戦艦、多数の戦闘機群を搭載した空母などの強力な力が、そのまま人の形に詰め込まれていたのである。

 砲や魚雷・爆弾は大きさを変えつつも、破壊力は実物となんら変わりは無い。巨体に当てるならともかく、人間サイズにミサイルを直接当てることは困難を極めた。戦闘艦が持つ主砲も、厚い装甲をそのまま人型に詰め込んだ戦艦級には非力さ故に全くの無意味だった。

 

 更に、レーダーを潰された艦船は深海棲艦の接近を海中・海上問わず易々と許し、薄い装甲は容易く食い破られていった。人型の深海棲艦と艦船のサイズ差から言ってみれば、目の前の壁にボール充てるようなものだろう。

 対する人類は空間に対する飽和攻撃、絨毯爆撃、辛うじて使えるレーザー誘導弾など様々な手段を講じたが、沈めた数以上に増える物量を前に各国は後退を繰り返し、ついには本土への直接攻撃を許すこととなる。

 

 横浜港も幾重にも渡る爆撃を受け、その機能は停止寸前まで追い詰められた。既に同盟国との組織的な反攻作戦など不可能であり、たとえ可能だったとしても、一歩海へ踏み出せば敵勢力の真ん中で孤立する嵌めになる。

 軍・民間問わず空爆を生き伸びた人は少なくなかったが、民間人の多くは自然と海から離れた内陸へと避難していった。軍が正常な機能を失った以上、彼らには空爆で死ぬか、陸上戦力を得た敵に上陸を許すかのどちらかを待つしかなかった。

 

 そして誰もが諦観のうちに死することを決めかけた時に、彼女たち艦娘は現れた。深海棲艦と同じく、第二次大戦の艤装を装備した5人の艦娘が人類存亡の危機に立ち上がったのである。

 

 その艤装を誰が作ったのか、彼女達がどこから現れたのかは諸説あるが、はっきりとした記録は残っていない。同時期に現れた妖精さんが作ったとか、妖精さんが成長した姿が艦娘だったなど根も葉もない噂もあるが、現在の艦娘は艤装適正のある普通の少女たちであり、妖精さんのおかげなどとはあまりにファンシーなので、ごく一部にしか受けがよくない。

 

 敵と同じ技術を扱うことに忌避する者もいたが、彼女達の力を借りずに戦況を変える手立ても無かった。当然、艦娘を運用するか否かで海軍内は揉めに揉めた。そこで軍内部の軋轢を和らげるために新たに組織されたのが、艦娘を専用に運用する【鎮守府】だった。

 

 時が経つにつれ艦娘の戦力は増強され、【鎮守府】は戦線を押し返していく。対して、通常艦船など無用の長物を抱える無能と揶揄さえ、煮え湯を飲まされ続けた【海軍】。両者の対立が深まるのは当然のことだった。

 

 それでも数年の月日を掛け、人類は艦娘たちの活躍によって僅かばかりの海路を取り戻した。ここに至って横浜警備府は横浜鎮守府として再び名前を変える。しかしながら鎮守府と海軍の二つの組織が母港を共有したことで、平衡の一途を辿っていた両組織の仲は完全に瓦解した。それは横浜のみならず、舞鶴・呉・佐世保など主要の軍港でも同じだった。

 

 しかし両組織が独立したことでそれぞれが独自の防衛施設を建設し、結果的に横浜港の要塞化は進んだ。また生き残った人々が海を恐れたため、現在は軍関係者か物好きしか海の近くには住まなくなってしまった。このような経緯から、現在の横浜は要塞化されていったのである。

 

 

「――分かりにくいな。横浜鎮守府は要塞、深海棲艦に現代兵器は通用しづらい、海軍と鎮守府は仲が悪い。この3つを分かりやすくするためには、一体どう纏めたものやら……」

 

「くーさーかー! なんか、瑞鶴ちょっと退屈なんだけど~! ふてくされるぞー?」

 

 やる気のまったく感じられない声に視線をやると、ソファーにうつ伏せになり、だらしなく足をバタつかせる瑞鶴がいた。手すりに乗せた顎の上では、いじけたことを主張するように唇が尖っている。

 

「昼寝でもしていたらいいさ。どうせ海に出れば働き詰めになるんだ、休めるうちに休めばいい」

 

「昼寝も飽きたー。……そういや日下、朝から何を書いてるわけ? 報告書?」

 

「先日、瑞鳳君に首から上しか使い物にならないと言われてね。軍を辞めた後の小遣い稼ぎのために、少し盛った海軍将校視点の物語でも出版しようかと思って筆をとってみたのさ。このご時世、軍や艦娘に関する書物はバカみたいに売れるだろうからね」

 

 日下はしれっと言い放ったが、言っている内容の端々にある恨み言は隠せていない。日下は瑞鳳の言った通りに生活スキルは無いし、体力も最低限の軍人レベルでしかない。銃を撃てば外す、刀を持たせても素手より少しマシな程度にしかならない。唯一使える頭脳も、ここ最近は如何に楽をするかに割り振られていた。

 

「ふーん。ま、仕事してるフリにはなるわね。でもいいの? 次の補給任務の部隊リストだって纏めないといけないんじゃない?」

 

「補給船団への加入要請は民間企業が海軍を通して鎮守府に届く。上層部は互いの足を引っ張り合うのが忙しいみたいでね、昨日今日で届くようなものじゃないようだ」

 

 まったく困ったものだと呟く日下に、瑞鶴も同感だと頷いた。

平時は安全地帯から命令を下すだけで、いざとなれば頼りにされるのは現場の人間だ。自分たち軍人が使いようのいい道具なのは百も承知だが、ならせめて、現場が動きやすいように環境くらいは整えて貰いたい。

瑞鶴はそう嘆くが、日下はお茶を啜りながら、どうしようもないことだと言った。

 

「その点、私はまだ恵まれているのかな。こんなだけど、一応は信頼のおける上司だし」

 

「……」

 

「なによ? 艦載機が七面鳥撃ちにされたみたいな顔して」

 

「君とはもう長いが、こうも直接褒められるのは新鮮味を感じるよ。提督なんて地位の割に合わない仕事だと思っていたが、誇りに思ってもいいのかな?」

 

「全員があんたみたいなのでも困るけどね。提督業が嫌だ嫌だって愚痴るくらいなら、下手糞な童話を書くよりも辞表か元帥への嫌味でも書いて発散した方が身の為よ」

 

「いっそのこと、中将も私を見限ってくれれば助かるのだがね。まあ、今みたいに給料泥棒ができるのはこの仕事だけだろうから、まだ此処に座っていたくもある。座り心地はあまり良いものじゃないが」

 

 背もたれに身を預けて欠伸をする。中々どうして、寝心地だけは悪くないと冗談を飛ばす日下に、瑞鶴はズイっとソファーから身を起こす。

 

「……日下、あんたまさか、本当に霞だけに仕事押し付けていなかったでしょうね?」

 

「この間の中将との話を蒸し返すつもりかい? バカを言わないでくれ。彼女が秘書艦になってから、私は睡眠時間が三時間も削られたんだぞ。おかげで規則正しい軍人になってしまった」

 

 朝、艦内での総員起こしの前に布団を取り上げられる。寝起きの悪いところを熱いコーヒーで無理矢理覚醒させられ、着替えた後には身だしなみのチェックが入る。朝礼では傍に控え、スムーズに進むように司会と補足をする。哨戒任務時には連絡を密に取り、帰還後は書類整理と戦術の確認を手伝ってもらう。

 

「なんてこった、サポートが完璧すぎて私が私じゃなくなってしまったみたいだ」

 

「いいご身分じゃない。私じゃそこまで面倒見切れないし、やっぱり霞を秘書艦に押して正解だったわ」

 

「君が秘書艦だった時は楽で助かっていたよ。その分、お上の覚えは相当悪かったと自覚しているがね。なにせお互い最低限しか仕事をしない。上の作戦に異を唱える。現場の指揮官が戦略に口を出す。ははぁ、まるで嫌われ者の典型例だ。

 でも霞君の時はこうはいかないぞ? おはようからお休みまで管理されて、無駄口を叩く隙も与えられない。何とも現場主義の軍人らしい生活だ。

 そのせいか、今は本当に暇だ。見たまえ、書類にも厚みがまったく感じられないぞ」

 

 厚さにして、5ミリあるかどうか。一度任務を終えて陸に上がった以上、日下たちにやることがないのも事実だった。日下率いる艦娘は、次の補給船団の護衛が決まるまで横浜鎮守府に仮暮らししているだけに過ぎない。嫌がらせで回される書類仕事以外に、本当にやることがないのだ。

 

「平和ねー。でも、今こっちに回される書類って何なのかしら? ちょっと見せて貰うねって、何これ要望書? どれどれ……はっは~ん、ねぇ日下。またあのお二人からよ?」

 

「またか……全く、あの二人も物好きだな。ウチには君と瑞鳳君が居るし、補給部隊にこれ以上の過剰戦力が許されるわけないだろうに」

 

「ほんと、飛龍さんも蒼龍さんも日下には勿体無いってね。泣く子も黙る横浜の第10期二航戦。横鎮直轄の第2艦隊主力だって言うのに」

 

 思い浮かべるのは陽気な二人組。人生楽しんだもの勝ちだと言わんばかりに明るい二人だが、こと戦場に立てば鬼神の如く矢を射る。横浜鎮守府で最強の空母は誰かと問えば、名前が挙がることはまず間違いないだろう。

 

「彼女たちとは、アイアンボトムサウンド後の鎮守府防衛戦で一度指揮したくらいだが……何度か無理矢理飲みに連れて行かれたのを除けば」

 

「何それ? 私聞いてないんだけど!」

 

「誘おうと思ったが、君は君で同期の翔鶴君の所に行っていたからな。その紙を返したまえ。なになに? ”貴官の指揮下でまた生死を掛けた戦いがしたいです。引っこ抜くか、早く大将にでも昇進して下さい。追伸――海上勤務で給料余ってるよね? 蒼龍共々また奢って下さい。飛龍より” なにこれ酷い。人を財布にしか考えてないじゃないか」

 

「ケッ、知るもんか。二航戦でも一航戦でも、好きなだけ絡んだらいいじゃない」

 

 瑞鶴は顔を歪め、汚物を見る表情で困り顔の日下を眺めた。

 

「瑞鶴君、それは下種の勘ぐりという奴だよ。君だってあの二人の性格は知っているだろう? こちらの反応を見てからかっているだけさ。第一、こんな私に付いてきてくれる物好きは君たちくらいだ」

 

「物好きで悪かったわね、物好きで。あんたも男だったら、一度くらい上に立って艦娘を侍らすくらいの気概を持ちなさいよ。そうすりゃ私も物好きにならずにすむし」

 

「昇進する前にクビになっていると思うけどね。そもそも、私が前線指揮を執るようになる時は相当追い詰められているだろう。

 ――さて、見えない未来についてどうこう言っても仕方がない。今はご丁寧に回ってきた仕事だけでも消化しておくとしよう。そうじゃないと、早期退職で退職金が減らされるかもしれない」

 

 碌にやることはないが、平日中ずっと寝転んで飯食って寝るだけの生活をしていれば周囲の目が更に厳しくなるし、それは日下を提督にと押した中将や加賀への反感にも繋がってしまう。所属する艦娘たちは今日も各々の休暇を謳歌しているが、日下は秘書艦の瑞鶴と二人で仲良く出勤していた。出勤し、仕事をしているフリをしているのだった。

 

「ふーん。あ、提督辞める時はちゃんと私に言ってからにしてよね。一緒に辞めるから」

 

「おいおい、君は翔鶴型の2番艦だろう。私と違って、鎮守府が任期満了以外での退役を許すとは到底思えないが」

 

「だったら元帥の尻に零戦捻じ込んででも辞めてやるわよ。退職後のお小遣いは月5万でいいから」

 

「うん? 君が辞めたいなら自由にすればいいが、何故私が君の面倒を見ることになるんだ?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 お互い首を傾げ、怪訝な表情を浮かべ合う。そこにある感情は方向性の違いはあれど「何言ってんだコイツ」 で間違いないだろう。

 

「……さて、私は少し鎮守府内を散歩してくる」

 

 こんな時、不利になるのは何時も男の方である。言いたいことはあるが、浮かぶ言葉には蓋をした。お互い引っ込みが付かなくなり喧嘩に発展することなど、艦娘訓練校で担当官をしていた頃から嫌と言うほど知っている。日下は、ペンを置いて立ち上がった。

 

「はいはい、行ってらっしゃい。どこぞの提督に喧嘩売られても買わないでよね。相手するの面倒だし」

 

「ははぁ、つまり私から売るのは構わないと?」

 

「そんな甲斐性があるならどうぞー」

 

 何事も無いように振舞う姿に瑞鶴も合わせる。彼女自身、日下が真面目に話を受け止めるとは露とも思っていない。本気で言ったことが冗談として返されることにはもう慣れっこだった。

 

(いっそのこと、彼女たちの感情を爆発させることが部隊を纏める手段にならないか? いや、ダメだ。彼女たちには真正面から向き合うと決めたじゃないか)

 

 日下率いる艦隊の抱える問題は霞、曙両名だけに留まらない。これからを考えると沈んでいく気持ちに対し、物騒なことを考えつつ扉は閉められた。

 

「やることは山ほどあるが――霞君は今日も訓練所だろうな」

 

 日下にしてみれば、仮の執務室から一歩でも出れば鎮守府だろうと敵地とそう変わらない。

 というのも、やはり海軍出身というやっかみが両肩に重く圧し掛かるからだ。艦娘を指揮して煌びやかな戦果を上げる鎮守府と違い、通常艦船しか持たない海軍は必ず負ける戦いしか出来ない。下賎な海軍が面子を守るために鎮守府に送り込まれた若造。自然とそう見下されるのも仕方のない話であった。

 

 しかし、それでも自分と中将の目指す物は間違っていないと、日下はそう信じている。

 

 鎮守府だの海軍だのと、権力闘争をしている余裕はこの国にはないのだ。取り戻した海路は限りなく少なく、補給路も安全からは程遠い。

 この国はまだ国家の体を成しているが、諸外国はどうか。海と空を失った現状では、得られる情報はあまりにも少ない。嘗ての同盟国の艦船はその全てが海中に没し、衛星を介する連絡網も深海棲艦による何らかの影響で芳しくない。いつ如何なるときにも柔軟に対応できなければ、現在の拮抗状態は簡単に瓦解してしまう。

 そんな砂上の楼閣で成り立っていることを、権力闘争に明け暮れる上層部は理解できていない。

 

 そんな現状に楔を打ち込むために遣わされたのが、海軍から鎮守府の提督へと任命された日下の役割だった。鎮守府防衛戦を乗り越えた実績を持つ日下に、中将は鎮守府と海軍の垣根を越えた活躍を期待したのである。

 現状はただの補給船団の護衛部隊でしかないが、空母艦娘が2人に重巡が1人、錬度の高い駆逐艦娘が3人。清霜は正式に配属されていないが、戦力として成り立つ実力はある。

 

 護衛戦力としては余りにも過剰だ。

 

 護衛対象を抱えた遭遇戦を念頭に置いているとはいえ、既に奪い返した海域を往く補給船団の護衛は、一部例外を除き駆逐艦娘と軽巡艦娘で十分であるとの判断がされている。

 

 では何故、過剰戦力を護衛船団として用いているのか?

 

 一般より多くの輸送船を安全に護衛できる意味合いもあるが、本当の狙いは違う。

 中将と日下は待っているのだ。いずれ、必ず来るであろう想定外の事態に対処できるように。警戒網を突破した敵精鋭に対して一当てし、勢いを削ぐ即応部隊として動くことが出来るように牙を研ぎながら。

 

(実際は他部隊から実力以上に素行に問題アリと見做されてあぶれた艦娘を寄せ集めて出来た部隊だが、それだけに実力は申し分ない。ないのだが……はぁ、年頃の女の子の扱いは難しい)

 

 実力はあるが、素行に問題がある。そんな部隊のはじき者たちを一挙に引き受けたこともあって、上層部もこの過剰戦力を黙認している。要は問題児を集めて、何か起これば中将と日下を首切りにしてしまおうという魂胆だ。

 海軍はそんな鎮守府の狙いを知ってか知らずか、それに乗っかる形で部隊を編成した。強襲揚陸艦【はりま】を艦娘運用のために魔改造したり、艦艇のミサイルを当てるために赤外線レーザー誘導装置を艦娘に持たせようとするなどの無茶もしている。

 

(だがまあ、幸いにしてこの国はまだ民主主義を保っている。職業選択の自由は確保されて当然だし……いよいよとなれば辞職しよう、そうしよう)

 

 いざと成れば、適切な手続きを経た後に全てを辞めて放り出せばいい。

 日下の持論の一つだが、人生とは命あっての物種である。ちっぽけな誇りなど捨ててしまった方が人生は楽だ。しかしこの身が軍人である限り、その命は市民に捧げるべきためにある。なぜなら、それが職業軍人の本来あるべき姿であり、職業選択の自由を享受するために負うべき責任であるからだ。

 

そんなことを考えながらも、日下の足は港に向けて歩みを進める。向かう先は艦娘が訓練している訓練場だ。戦術の練り直し、艦娘の錬度確認、そして部隊内のケア。つまるところ、日下に出来ることは部下の信頼を裏切らないように努力することだけだった。

 




大鯨とビスマルクがね、実装されてないんですよ。しれえLevel100超えてビス子いないのって私くらいじゃ…orz
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