「山田先生、いい加減に超人類に慣れたらどうだ?」
織斑千冬は、溜息をしてから言う。
一方、山田先生は目に涙を浮かべながら反論した。
「む、無理ですよぉ。ジェイソンさんが怖すぎて……」
「山田先生、俺の名前は『ジェイソン』じゃない」
ジェイソン、もとい超人類は手元にあるリストを見ていた。
彼等は今日はIS学園にいるのではなく、とあるアリーナにいた。
今日ここでIS学園の入試テスト2日目が行われる。内容は簡単に言うと『目の前の敵と戦え』らしい。
「しかし、超人類よ。入試テストの為に態々お前が来る必要があったのか?」
「ああ、勿論だ」
超人類はリストを見ながら言う。リストには一本の赤いラインが入っており、そのラインはある人物の示していた。
(まさか、IS学園に入学してくるとはな……織斑一夏)
超人類は机の上にあった缶コーヒーを開けて一気飲みするのだった。
(試験はまだなのか……)
アリーナの端にISを装備して立っている男がいた。彼の名は織斑一夏、世界初の男性操縦者である。
彼はサンプル、またはモルモットにならない為にも、とりあえず3年間逃げるため、いやいや受けに来たそうだった。
しばらく待っていると正面にあった扉が開きISを装備した人物が現れ、アナウンスが入った。
『これより、試験を開始する。それでは……始め!!』
合図と同時に先ほど現れたISは織斑一夏に突進してきた。
(マジかよ、しょぱなから!?)
織斑一夏は突進を避ける。ただそれだけだった。突進してきたISは止まる事ができず、そのまま壁にぶつかるのであった。相当なスピードだった為、壁に衝突した時にアリーナがゆれたのは言うまでもない。
しばらく、織斑一夏はISを観察していたのだが、向かってくる気配は無い。
「……あれ? 俺、勝ったの?」
「……山田先生は何しているんだ?」
「これではテストにならんな」
超人類と織斑千冬は呟く、彼女が上がり症なのは知っていたがここまでとは思わなかった。
「しょうがない、後は俺に任せろ」
そう言って超人類は部屋を出て行った。その時の超人類の顔は恐ろしい笑みを浮かべていた。
織斑一夏は戸惑っていた。テスト終了の合図がされていないのだ。
30秒ぐらい、待っているとアナウンスが入った。
『おめでとうございます! ボーナスステージに突入です!』
「え? ボーナスステージ? 良くわからんがやったぜ!!」
とりあえず、喜ぶ織斑一夏、すると辺りは暗くなり先ほどISが出てきた入り口がライトアップされる。そして、音楽が流れる。その音楽は『新世界より第4楽章』である。
そして、ゆっくりと入り口が開かれる。それと同時にドライアイスの煙がゆっくりとアリーナの中に流れ込む。
「一体何が……?」
織斑一夏は入り口を見る。
出てきたのは、ISではなく顔には西洋の兜(顔が隠れている)を被りぴっちぴちのタンクトップと短パンを履いた筋肉隆々の大男が現れた。
ちなみに西洋の兜、ぴっちぴちのタンクトップ、短パンには『超人類』と書かれている。
「ハローーーー!! 一夏ぁぁぁぁ!!」
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
織斑一夏は本能的に身の危険を感知した。そして、怪しさ全開の男から逃げるように走り出そうとするが……。
「俺から逃げられると思うなよ? 喰らえ!! 亜空拳!!」
「ひでぶーーーー!!」
超人類の亜空を捻じ曲げて繰り出す全方向からの攻撃を受け、織斑一夏はぶっ飛ばされる。
「千冬姉より強いんじゃあ・・・・・・」
そして、織斑一夏はブラックアウトしていった。
「超人類、あれはやり過ぎではないか?」
「千冬よ。あれぐらいしておかないとあのタイプはすぐ調子の乗る。今のうちに芽を摘んでおかなくては……」
部屋に戻ってきた超人類は、運んでいた山田先生を下ろす。
「まあ、いいが余り変な事はしないでくれよ。あれでも私の弟なんだ」
「まぁ、考えておこう。話は変わるが千冬はISに乗る準備をしておいてくれ」
「なぜだ?」
「俺の見立てではもう1人2人、まぐれで教師に勝つ奴がいるだろう。そいつらの相手をしてやれ」
超人類は机の上に置いてあったスポーツドリンクを飲み干すのであった。