「であるからにしてISは―――」
IS学園、1年1組の授業風景、それはどの学校でも同じような風景だった。
一つを除けば……。
「♪―――♪―――♪」
そう、ある者の携帯からリピートして鳴り響く『嵐のマッチョマン』(着うたフル)が授業の雰囲気をぶち壊していた。
そのある者の名前は『織斑一夏』と言う。
なぜ、このような事が起こっているのか?
少し、遡る。
「織斑! 静かにしろ授業中だぞ!」
「げふーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
IS学園中に聞こえる奇声を上げた一夏は千冬に出席簿でどつかれる。
「それとさっさと携帯の電源を切れ、これでは授業出来んだろ」
「はい……織斑先生」
一夏は携帯の電源を落す為、電源ボタンを押す。
「え? 何で……」
「どうした? 織斑、早く電源を切らんか」
「――ボタンを押しても消えません」
「は? そんなはずがなかろう? 早く切れ」
織斑一夏は焦る。
(まずい! このままではまた……そうだ! バッテリーを抜けばいいじゃないか)
織斑一夏は素早くバッテリーを抜いた。
「……先生」
「織斑、どうした?」
「バッテリーを抜いても鳴り止みません」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
一夏は携帯のバッテリーが入っていた部分を見せた。勿論、バッテリーは入ってなかった。だが、携帯は鳴っている。千冬は超人類を見るが、超人類は何も知らなさそうな素振りを見せる。
「しょうがない……まぁ、そのうち鳴り止むだろう。次、自己紹介を頼む」
そんな訳で、そのまま自己紹介を続けるがずっと携帯は鳴りっぱなし、自己紹介が終わって残り時間っで授業に入ったのだが、その間もずっと『嵐のマッチョマン』は流れ続けたのだった。
「では、今日の授業はここまでだ。次の授業もこの部屋だからな」
そう言って千冬と山田先生は出て行く。その時ちょうど、一夏の携帯が鳴り終わった。
(はぁーーー、結局1時間目終わるまで鳴りっぱなしだったか……一体メール何件来てんだよ)
そう思いながら、携帯のバッテリーを入れて電源を付ける。
「……え? メールが一軒もない? 何故だ!?」
「やーい、引っかかったー♪」
突然、超人類はお茶らけた声で言う。
「え? ……え?」
一夏はわけも分からずに少しパニックになる。
「では、種明かしをしよう」
超人類は、端末を取り出し操作した。
「なにぃ!? 俺の携帯から聞き覚えのない曲が……」
「こうやって、操作する事によりお前の携帯を操作することが出来る」
「ちょっと待て、バッテリー抜けば電源切れるはずだ」
「そんなもの、超小型バッテリーを内蔵しているに決まっているだろ」
「はぁ!? いつの間にそんなものを仕込んだんだよ!?」
「3日前だが? 後言っておくがお前のアドレスはばら撒いてないからな安心しろ、それよりいいのか? 彼女が待っているようだが?」
超人類が指差す方向には一夏にとって見覚えある人物が立っていた。
「箒……」
「ちょっといいか?」
超人類は一夏にGoサインを出す。ハーレムが気に食わない超人類も流石に空気を読んだのだった。
「廊下でいいな」
「ああ……超人類、後でな」
超人類は二人が廊下に行ったのを見送ってから、手に持っていた端末を弄り始めた。
(ふむ……やはり、何者かが俺の経歴を調べようとしたのは間違いないようだな)
超人類は考えていた。
(この世界にはISを動かせる男は織斑一夏のみ。故に学園に職員、いや生徒として俺がここにいるのが気になる奴もいるんだろう……特にポリとか―――まぁ、どんな奴でも俺を止められないだろうがな)
超人類は授業が始まるまで端末を弄っていたのだった。