「超人類、ちょっと良いか?」
「勿論良いが……顔色悪いぞ」
2時間目が終了し、すぐさま超人類と話す為、振り返る一夏であるが明らかに顔色が悪かった。
「実は……授業が全く分からないんだっ!!」
「あー……成程な」
実は、先ほどの授業一夏はいびきをかいて寝ていると思われ、千冬に頭をどつかれ授業中、ずっと気絶していたのだった。ちなみに寝ていたのは超人類でその時に夢を見たのだが、知らない人物が多数現れ、かなりカオスな夢だったらしい。
「頼む!! 超人類、教えてくれ!!」
「・・・・・・アデュー」
「見捨てないでくれーーーーーー!!」
教室から立ち去ろうとする超人類を必死で止めようとする一夏であるが、一夏ごときに止められる超人類ではない。そのまま、引き摺っていこうとした時にクラスの女生徒に一夏は呼び止められる。
「あなた、ちょっとよろしくて?」
「よろしくない!! 俺は今忙しいんだ!! 後にしてくれ!!」
一夏は超人類を止めるのに忙しかった為、即答するが周りから見ていると超人類が一夏を使って、アップもとい、トレーニングをしているようにしか見えなかった。
「まぁ、何ですの……私に声をかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」
「悪いな。俺、お前の事、全く知らないしッ!! それに超人類に勉強を教えて頂ける方が非常に光栄だっ!!」
超人類の進行を止めるべく歯を食いしばりながら言うが、超人類はスムーズに動き一夏で遊んでいた。
「わ、私を知らない……」
「おいおい、織斑一夏……自己紹介で言っていたじゃないか。彼女はイギリス代表候補生の『セシリア・モルモット』だ」
「『オルコット』ですわっっっっっっっっっっっっっっ!!」
「そうか、すまない『モルコット』」
「一字しか、変わっていませんわッッ!! 私の名前は『セシリア・オルコット』ですわっっっっ!!」
「まぁまぁ、モルモット、小さい事は気にすんな♪ それワカチコワカチコ!!」
「・・・・・・超人類、全然面白くなかったぞ。超人類は芸人は無理だな」
「芸人何ぞなる気はない。俺はトップアイドルになるんだ」
「まさかのモロパク!?」
「私を馬鹿にしていますの?」
そして、ここでチャイムが鳴る。
「っ……後で来ますわ!」
とセシリアは自分の席に戻るのだが一夏はある事に気が付く。
「あれ? まだ休み時間終わってないぞ?」
不思議に思う一夏であったが超人類が何かやったのだろうと無理やり納得するのだった。その時、ちょうど千冬が教室に入ってきた。
「よし全員座っているな。では授業を始める。青の教科書、3ページを開いてくれ」
「そういえば、クラス代表を決めてなかったな」
千冬は授業を始めて5分位経ってから、突然話を振って来た。
「再来週に『超人類』主催のクラス代表・春の超人類杯が開催される。各学年クラスから1人代表を決め、トーナメント方式の大会だ。その選手を決めたいと思う。あと、クラス代表にはついでにクラス委員もやってもらう。誰かやってくれる奴はいないか?」
しーんと静まり返る教室、恐らく誰もがやりたくないのだろう。クラス委員などめんどくさいと思っている生徒が多数いる。だがそんな中、すっと手を上げたものがいた。そして、一言。
「先生、やります」
クラスの視線が声の方へと集まる。
この静寂の立候補したのは・・・・・・・・・・・・・・・織斑一夏――――の後ろにいる超人類だった。
「超人類、正気か? 何故立候補した?」
「何を言う千冬? 問題でもあるか」
「問題も何もお前はこの学校の用務員であり、教師であり、事務員であり、学年主任であり……その他もろもろ、お前は過労死するつもりかっ!?」
「ふっ、愚問だな。俺は漢として……いや、人間(超人類)としてやるべき事を果たすだけだ!!」
「!!」
「せ、先生ッ!! 私、立候補します!」
「私も立候補します!!」
「わ……私も!!」
「立花に、葵、それに日向も!?」
超人類の発言に何故か心打たれたクラスの生徒が次々に立候補していく、そんな中織斑一夏は、訳が分からなかった。
(今、心打たれるようなところあった!?)
そして、立候補した者は次々に席を立っていく、こうして残されたのは一夏のみになった。こうなってしまったら乗らない一夏ではなかった。
「んじゃあ……俺も!!」
「どうぞ、どうぞ!!」
クラス全員の声がそろう、織斑一夏は全く理解できずに5秒ほど立ち竦む、そして……。
「俺って嵌められた!?」
「よし、クラス代表は織斑一夏に決定だな」
超人類はこれで終わらせるつもりだったが、とんだ邪魔が入る。
「待ってください。これでは納得がいきませんわ!!」
「貴様はKYかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ジェイソン、もとい超人類の叫びは、IS学園中に轟いたのだった。