4時間目、IS学園1年1組の教室の雰囲気は良かった。なぜならば、無駄に威圧感を垂れ流している存在、超人類が教室にいないからだ。クラスの者達はたった1人いないだけでこんなにも雰囲気が変わるものなのかと驚いている。そして教室にいない者がもう1人いた。織斑一夏である。一体何があったのだろうか?
少し遡る……。
「…………KY・モルモットよ。貴様は名前の通り空気が読めないのか?」
超人類はセシリア・オルコット、もといKY・モルモットにドスの効いた声で言うがKYは怯まず、声を張って言う。
「私は、あのような選出は認められません! 大体男がクラス代表なんて……それに私の名前は『セシリア・オルコット』です!!」
「ふん……貴様の名前など今はKY・モルモットで十分、ちゃんとした名前で呼んで欲しかったら俺を認めさせろ。――――お前は男が代表になったらいけないのか?」
「大アリですわ!! 実力からいえば私が代表になるのが必然、それをあんなつまらない猿芝居で決めるなんて論外ですっ!!」
「はぁー…………。これだからネタを知らない真面目な奴は、もっと面白いボケとか突っ込みが出来ないのか?」
「うんうん」
「何故か完全にアウェーですわ」
超人類の発言にKY以外の生徒が頷く、KYの意見はもっともだがこのクラスは何故か乗りが良過ぎる為、この発言は異端となってしまうのだった。
「とっ、とにかく私はこのようなこのような島国までISの技術と修練に来ているのであって、ボケかましに来たのではありません。本来なら私の様なエリートがやるものですわ!! 大体後進的な国で暮らさないといけないなんて――――」
「イギリスだって大した事はないだ
――――ゲバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
「黙れハーレム!! お前が喋ると話がこじれる!!」
一夏もといハーレムが無駄な発言をした為、超人類にアッパーをくらい天井に突き刺さる。状況を見かねた千冬は口を開く。
「これでは話が進まんな……。超人類、教師として何か意見はないか?」
「そうだな。1週間後、ハーレムとKYでISのドンパチでどうだ?」
「成程な。オルコット、それでいいな?」
「いいですわ。ただし、条件があります」
「……何だ?」
「彼との勝負もやらせてください」
KYは超人類に指を差しながら言うが、それを見た千冬は真っ青になっていた。
「ほほぉ、俺に勝負を挑むか……」
「オルコット、正気か?」
「織斑先生、勿論正気です。ISも動かせるかどうか怪しい男に負けるはずがありませんわ」
「いいだろう、お前の挑戦は受け取った。それと織斑先生、この書類を十蔵に渡しといてくれ」
「何だこれは?」
「今から1週間、織斑一夏もといハーレムの強化トレーニングに行く、その報告書だ」
「何? 今から行くのか!?」
「勿論だ。決めたからには即行動だ!! ハーレムを借りるぞ!!」
「待てっ!! 超人類!?
お前がいないと学園が機能しなくなるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
千冬の叫びもむなしく木霊するのだった。
ここは、IS学園から数十キロ程離れたところにある無人島。
「……? ここは?」
超人類にアッパーを貰い、天井に突き刺さりながら気絶していた一夏は目覚める。辺りを見渡すと全然知らない所なので、きょろきょろしていた。
「ハーレムよ。目覚めたか」
「!? 超人類、ここは……ここは何処なんだ?」
超人類は岩場からひょこっと出てきた。
「ここは、無人島だ。何故ここにいるのかはお前を1週間で戦える人間にするためだ」
「戦える人間? 学園で一体何があったんだ!?」
「お前はKY・モルモットと戦うことが決定している。そこで俺はお前を強くする為ここに連れて来た」
「そうだったのか……でもIS初心者の俺が勝つことが出来るのか?」
「ふっ、愚問だな。俺には不可能はない。だから俺を信じてついて来い!!」
「超人類…………分かっただぜ!!」
「いい返事だ。と言う訳で今から超人類ブートキャンプを始めるぞ!! このキャンプが終了するまで俺の事は鬼コーチと呼べ!!」
「はい!! 鬼コーチ」
「では、早速だがこれをつけて貰おう」
超人類は懐から何かを取り出した。
「これは、何?」
「いいから早く着けろっ!!」
5分後……。
「鬼コーチ、息が出来ません」
「当たり前だ!! ガスマスクだからな!! ガスマスクは低酸素運動にいいんだ。これから一週間、寝る以外は装着したままだ。いいな? では体力練成を始める、ついて来い!!」
この後、超人類の強化プログラムは熾烈を極めた。織斑一夏は何度死に掛けたのだろう(てか、何度も死んだ)。その度に
超人類ブートキャンプ、5日目……。
「何度も倒れたが、よく耐えた。今日はいつもと違う事をする」
「はい!! 鬼コーチ」
そう言って超人類は近くに置いて、あった袋からある物を取り出す。
「これは……―――ですか?」
「ハーレム……いや、織斑一夏、これで世界を取れ」
このトレーニングが、旋風の第1歩とは、この時一夏は考えもしなかった。