今回も続きと言う事で戦闘描写ばっかりです。ネタが少なく、すいません。
では、どうぞ。
「マルチタイプだとッ!? あの例のプレートを持たせると属性が変わる伝説の特性……!! まさかワンオフ・アビリティーは『マルチタイプ』!?」
「アルセウスじゃないわよッ!? ……そうやって相手のペースを崩す気ね!!」
「うおッ!? あぶねッ!!」
凰鈴音が投げた大刃の青龍刀は織斑一夏に投げられたが、切れの良いステップによって回避される。だが、それは凰鈴音の狙い通りだった。青龍刀を投げる事によって織斑一夏の隙を作り、自身のISをもう一段階変化せる必要があったのだ。
「フォルム・チェンジ!!」
「!? させねぇ!!」
織斑一夏は黒弾をクイックで凰鈴音に蹴り放った。しかし、凰鈴音は黒弾が命中する前に砂埃を空高く舞い上げ、己の身を煙の中に隠していたのだ。
その為、辺りは異様な静けさに包まれるが織斑一夏は確信していた。
(黒弾は間違いなく直撃した。シールドエネルギーは零になってないようだが、大破は免れないはずだ)
確かな手応えに思わず笑みを零すが、織斑一夏は相手である凰鈴音の姿を見るまでハイパーセンサーを扱い、砂埃によって姿が見えない相手の出方を窺っていた。
――――しかし!
「ぐぁぁぁあああ――!! 横、からだと!?」
突然、横腹から全身に広がっていくように襲い掛かった強い衝撃。その攻撃はハイパーセンサーの反応すら許さなかった。
『一体何が』と織斑一夏が思うと同時に煙の中から凰鈴音が勢い良く飛び出てくる。その加速力は瞬間的に織斑一夏の操る『八咫烏』を上回る速度を叩き出した。
(あの加速は…………まさか!!)
――――
先程の攻撃により体勢がまだ整えられていない織斑一夏は急接近する凰鈴音に全く対応できない。
それをわかっているのか、凰鈴音は急接近による銀刃の一閃が織村一夏を襲った。
「ぐッ!? まだだッッッッッ!!」
一閃は織斑一夏に叩き込まれた。しかし、織斑一夏の『八咫烏』はまだ死んでいなかった。彼の意思に応感し、
だが、その一撃は凰鈴音に届く事はなかった。
それは何故か? 至ってシンプルな答えだった。
――――そう左手で受け止められたからだ。
「俺の蹴りが片手で止められた!?」
「タイプ・セントラル!!」
そして甲龍マルチタイプの姿形はまったく変わりはないものの、カラーリングが変わっていた。緑を基本色に赤色と白色のラインが機体にアクセントを加え、右肩の装甲には某野球球団のマークが掘り込まれていた。
「まさか! セ・リーグだと!?」
「――――今の私に取れない
凰鈴音は掴んでいた足をそのまま振り下ろし織斑一夏を叩きつけた。その衝撃は彼の脳を僅かに揺らし、一瞬だけ意識を失う。
「これでフィニッシュよ!!」
凰鈴音はここぞとばかり追い討ちを仕掛ける。
『龍咆』の代わりに存在していた翼が変形し、二輪の車輪と二本のストッパーで本体を支える突撃砲に形を成す。その突撃砲から伸びる一本のレバーを凰鈴音は思いっきり下げた。
「――――ファイアッ!!」
その瞬間、凄まじい轟音がアリーナ内を激しく揺らし砂埃を巻き上げた。それだけではない、零距離からの砲撃は織斑一夏の断末魔すらかき消したのだ。間違いなく一撃必殺、まともに当たれば一溜まりもない、筈だった。
「何で、…………立てんのよ」
「そりゃあ、まだ俺は負けられないからだ」
織斑一夏は辛うじて避けていた。しかし、『八咫烏』は大破といっていいほど装甲が剥がれ落ちており、エネルギーが残っているのは奇跡だと言える。だが、織斑一夏は相手にプレッシャーをかけるように満面の笑みで余裕を見せながら、一定の距離を素早く取るのだ。
その姿を見た凰鈴音は少なからず、彼がまだ戦いを諦めていない事がはっきりとわかった。
「危なかったぜ。後一瞬、気づくのが遅れたら完璧に狩られていた」
「あの一撃を避けるなんて……。一体何をしたって言うの?」
「『織斑フェイント』、ハイパーセンサーのロックをずらさせてもらった」
「……流石、私が認めただけの事はあるわね。でも、次の一撃で終わらせる」
「残念だが、リン。俺は負けない!!」
両者が再び向き合ったその瞬間、最後の戦闘に入った。
織斑一夏は
一方、凰鈴音は先程の会話の間に『フォルム・チェンジ』を終わらせていた。薄い青色が基本色で白いラインと左肩に某野球球団のマークが掘り込まれている『タイプ・パシフィック』に変化し、一本の細長い棍を左手に出現させ、そのまま素早く横に薙いだ。
「『織斑ステップ』!!」
「クッ、小癪なッ!! あんたの動きはわかってんのよ!!」
織斑一夏の華麗なステップは凰鈴音の攻撃を華麗に避けるが、それは凰鈴音に予測されており『翼』が織斑一夏の先を防ぐように布陣されようとしていた。
――――この布陣は越えられない。その時、凰鈴音は勝利を確信した。
しかし、この瞬間。織斑一夏の目が強く輝いた。
「ここだ! 『織斑ダッシュ』!!」
「!? 抜かれた!?」
織斑一夏は僅かに残る隙間を掻い潜るように凰鈴音の布陣を切り抜け、そのまま凰鈴音の横を疾風の如く素通りした。
「!! なぜ、攻撃を。――――まさか!?」
「いくぜ!! これが俺のぉぉぉおおおおお…………全てだッッッッッッッ!!」
凰鈴音を抜けた先、そこには彼の友達にして相棒の『黒弾』があった。それを織斑一夏は渾身の思いを込め蹴りにいく。それに共鳴すように『八咫烏』は織斑一夏に力を授ける。右足のアーマーに急速に収束されていくエネルギーは、勝利を掴む為に強く輝いた。
「シュゥゥゥウウウッッッッッッッッッッット!!」
力を収束した黒弾はけたたましい爆音と共に凰鈴音に襲い掛かるが、既にそれを予測していた彼女はまるでバッターボックスで構える打者のように構えていたのだ。
「詰めが甘いわ! 一夏ッ!!」
凰鈴音の持っていた棍は極端なアッパースイング軌道で振り、黒弾をジャストミートする事で空高く打ち上げたのだ。
「これでもう黒弾は――――!?」
その瞬間、凰鈴音のISは足元から崩れ落ちその場から動けなくなる。彼女はすぐにダメージチェックを行い。何が以上なのか確認を取った。そして驚愕するのだ。
――――なぜ、黒弾が二球もある。と
「油断したな。リン!! これはあくまでISの試合なんだぜ。ボールは一球だけじゃない」
「あの時ね。あの時、蹴る瞬間に黒弾をもう一つ出して、あたしの視界に被るよう蹴った……!! ありえないわ、そんな芸当!! 」
「信じられないならそれでいいさ。次で決めるから…………」
「!?」
そして、更に凰鈴音は驚愕する事になる。彼女に当たった黒弾が宙をさ迷いながら、織斑一夏に向かっていたのだ。
織斑一夏はそれに合わせるようにバク転の要領で背中を地面に向けながら高く飛んだ。
その姿を見た観客は一斉に声を上げる。まるで静かな水面から飛び上がった銀色の
その技は『オーバーヘッドキック』。織斑一夏が持つ技の中で最も技術が必要な技であった。
「これで終わりだぁぁぁあああああッッッッッッ!!」
「無理よ…………三秒たった。時は満ち――――」
織斑一夏が蹴り出す瞬間、凰鈴音は織斑一夏に指を突き出し…………。
「そして、時は動き出す」
――――ニタッと笑うのだ。
その瞬間、空が眩い光が一閃となり、織斑一夏に向かったのだ。
だが、その時には既に黒弾は凰鈴音に着弾する寸前だった。
「相打ちか」
誰が零した一言かはわからない。その瞬間、アリーナの二箇所で観客席を揺らし、地面に大穴を空けるほどの大爆発が巻き起こす。それと同時に試合終了のブザーが鳴り響いた。
「どうやらこの勝負、引き分けのようだな。よってIS学園特殊規則第三項が適用される。つまりこの勝負の行方、俺が裁く」
「超人類!? 何時の間に……!?」
煙が晴れていく中で、確認した織斑一夏は声を上げた。とは言え、彼のISも体も限界に近く、顔を向ける事が精一杯な状態ではある。
「IS学園特殊規則第三項の内容は、引き分けた場合。次の試合は不戦勝となり、織斑一夏をぼこる事だ」
「へっ? ちょっと待て、そんな校則聞いた事もないぞ!?」
「そりゃ、この俺が付け加えたからな。今さっき」
「職権乱用だぁぁぁぁああああああ!!」
「とにかく、そう言う事だハーレム!! 喰らえ、亜空拳ッ!!」
「ちょっと待て、そんな理不尽を認めても…………のぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
こうして、織斑一夏の断末魔によって戦いは終幕したのだ。
ちなみにこの後の戦いは空気を読んで全試合引き分けになったので、またぼこられるのは別の話である。
――――不幸だぁぁぁぁぁあああああああ!!
織斑一夏がぼこられている頃、IS学園の門には立っている二人がいた。
「ここがIS学園か……ふん、くだらん。何故あの人がここにいるのだ」
一人は銀髪で眼帯を目に着けている少女、もう一人は…………。
「君もこの学園に入るんだね。よろしく」
真っ赤な鉢巻きを頭に巻きつけ、擦り切れた道着を来た『金髪』であった。
「…………私は世間に疎いほうなのだが、その格好はないと思うぞ? ――――貴様、何者だ」
眼帯少女は、目の前にいる『金髪』からあふれ出る威圧感に警戒心を高めながら睨みつける。だが、『金髪』は表情を崩さず、天使のような笑みで答えた。
「僕かい? そんな怖い顔しなくてもいいじゃない。そうだね、例えるなら僕は…………」
――――炎の転校生かな?
しかし、少女にはその笑顔は何故か悪魔のように恐ろしく見えた。
凰鈴音の攻撃の正体はいつか明らかになる予定。
次回も更新が遅くなりますがよろしくお願いします。