「ここが、会場か……」
俺は神様の力を借り、織斑一夏の世界に降り立った。
今俺がいる場所は、第2回モンド・グロッソが行われている。
俺の仕入れた情報では、各部門に分かれISでドンパチするらしい。一番強い奴には最強の称号『ブリュンヒルデ』が貰えるらしいが、俺には関係ない。
俺のやるべき事……それは、織斑一夏の根性を入れ換えさせる事……。
先ほど怪しい奴らを発見し、締め上げたら織斑一夏が大会を見に来ているそうじゃないか!!
つまり会場の中に入れば、奴に会えると言う事だ。
そこで俺は先ほど怪しい奴から徴収した関係者以外立ち入り禁止区でも活動できるパスを首に掛けている。
名前が書いてなかったし誰のか分からんしな!!
と言う訳で、先ほどから会場に向かって歩いているのだが、俺の半径1メートル以内には誰も近付いてこない……。
確かにこんな筋肉隆々の大男で顔が厳つく、無駄に威圧感を垂れ流している奴の近くには誰も寄って来る筈がない。
それだけではなく、現地のポリが不審者と勘違いして何度も逮捕されかけた。
ああ、会場が遠い。
その頃、織斑一夏は……。
「千冬姉、久しぶり」
「一夏!? 何故、お前がここに?」
「何故って? 応援しに来たに決まってるだろ」
一夏は笑いながら言う。千冬は呆れながらもどこか嬉しそうな顔をしていた。
千冬は時計を見てから立ち上がる。時間が来たのだった。
「ふっ、次の試合はすぐに終わらせる」
千冬の後姿はいつもより力強く見えた一夏だった。
本来、ここで会う事はなかった二人であるが、イレギュラーすぎる存在がイレギュラーを起こし、少し未来を変える。
だが、この後イレギュラーすぎる存在が更なるイレギュラーを起こす事は誰も知らなかった。
「ええーい!! 不審者!! 大人しくしろっ!!」
「俺は不審者じゃなーーーーーーい!!」
・・・・・・・・たぶん、知らない。