あれから、何ヶ月たったのだろうか、超人類は
謎であるが説明していると話が進まないので割合することにする。
ある日、超人類は轡木十蔵に呼び出され校長室に来ていた。
「十蔵、俺に何か用か?」
「業務中すまないが空港に行って来て欲しい」
「空港? 何かあるのか?」
「実は今、君が臨時で担任をしているクラスの先生がドイツから帰国するんだ。そこで超人類君には迎えに行って欲しい」
「わかった。いつまでに空港に行かなくてはならない?」
「そうだね、今日の15時頃に行けばちょうどいい筈だよ」
「何ッ!? 今日の15時だとっ!? 十蔵、今何時だ!?」
超人類は恐ろしい顔で轡木に尋ねてくる。轡木は超人類の恐ろしい顔を見て腰が抜けそうになるが何とか耐えて腕時計を見る。
「今は10時だね」
「10時――――――5時間しかないのか!? 急がなくては間に合わんっ!?」
「? 今から行ったら早過ぎるのではないかね?」
「………………校長、これを見てもらえば分かります」
超人類は校長室のカーテンを開け指を差す。
轡木は超人類の指を差したほうを見る。そこは校門前だった。
「? 校門に何かあるのかね」
「はい、良く見てください。物陰には…………大勢のポリが張り込んでいる」
「・・・・・・・・・・・・・・は?」
「何処で情報を入手したのかは知らんが俺を職質を仕掛け様としているッ!!」
「超人類君……それは、考えすぎではないのかね?」
「いえ、間違いない。あいつ等はやってもない罪をかぶせ、捕まえようとしている。だが、ここで踏み止まっている時間は無い!! 行って来ます」
超人類は走って外に出たのだった。轡木十蔵は校門の方を見ていると超人類が走って校門を抜けようとしているが、一歩外に出た途端、十数人の男に囲まれるのを見た。
「不審者止まれッ!! 今日こそ逃がさんぞ!!」
「俺は何もやってないと言っているだろう!! いい加減うんざりだっ!!」
ポリと超人類のやり取りが校長室まで聞こえる。
「今日も日本は安心だねぇー」
轡木十蔵は、ポリの動きを見てのんびり茶を飲んでいるのだった。
ここは空港……。
「1年ぶりだな、やっとまともな日本食が食べれる」
世界最強のIS操縦者、織斑千冬は呟く。
彼女は今までドイツの軍にISの教官として赴任したが、それも今日で終わったのだ。
(ん? 騒がしいな、何があったんだ)
空港内はなんだか騒がしく、なんとなく原因を探してみる。
「おい!! 不審者ッ!! 何しに来た!! この白い粉は何だ!?」
「これは、さっきスポーツ店で買ったプロテインだ!! ここに来た理由は人を迎えに来ただけだッ!」
ぴっちぴちの服を着た筋肉隆々の大男が10人の男に囲まれていた。
「空港に来るだけなのにプロテインを山のように買うやつがいるかっ!! この中に薬(ヤク)が入ってんだろ!!」
「そんなもの入れるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「嘘つけッ!! 迎えにきたって言ったがソイツは仲間なんだろ? 大人しくお縄に付けッ!!」
「なんだとっ!? いたっ!? 手錠をかけようとするな!! 俺は何もやっていないっ!! ああ!? 俺のプロテインがぁぁあああ!?」
特別司法ポリは筋肉隆々の大男に手錠をかけようとするが腕が太すぎて入らず無理やりしようとしている
その隣では大男が買ってきたであろうプロテインの山が積まれていたが全部、特別司法ポリ運ばれていく。
(……余り関わらない方がいいな)
織斑千冬はさっさと立ち去ろうと動き出すが……。
「む? 織斑千冬ではないかっ!! 長旅ご苦労迎えに来たぞ」
声がしたので振り向くが声の先は先ほどの大男であった。
「…………」
織斑千冬は無視して立ち去ろうとするが、腕を掴まれる。
「私に何か用ですか?」
「アイツの仲間だな? 麻薬密売容疑で逮捕させてもらう」
「私は……関係ないッ」
「大人しくついてくるんだな」
「見ろ、こいつ噂の『ブリュンヒルデ』だぜ!!」
「なんとあの『ブリュンヒルデ』が麻薬密売に加担していたとは世も末だぜ」
「私は関係ないと言っているだろう!!」
織斑千冬の言葉は特別司法ポリの耳には届く気配が無い。それどころか特別司法ポリは織斑千冬を拘束しようと集って来ている。
その様子を超人類は奪われそうなプロテインをキープしながら考えていた。このまま
(女尊男卑のこの世界、最強の称号『ブリュンヒルデ』を持つ織斑千冬ならともかく、こんな厳つい顔をし、筋肉隆々の大男の俺はどうなるんだ? 悪くて務所、良くて職を失うだけ……どっちにしろここで捕まる訳にはいかない……)
(てか、職を失いたくないっ!!)
そして超人類は光の速度で動く、全ては職を失わない為に……。
「なっ!? 消えた!?」
「こっちの女も消えたぞ!?」
「探せっ!! まだ遠くにいってないはずだっ」
特別司法ポリは血眼になって不審者を探し始めるのだった。
「くっ・・・はなせっ!!」
「織斑千冬よ、すまんがこのままIS学園に行くぞ」
超人類は織斑千冬をお姫様抱っこで安全(?)に運んでいた。無論荷物も超人類が持っている。
「IS学園? お前が関係者なのか?」
「お前がって――――まあいい、俺の名前は超人類だ。これからよろしく」
「ああよろしく…………ってあの時の男かっ!? 何故IS学園に?」
「ん? まぁ、気にするな」
「……まあいいか」
織斑千冬は気にしない方がいいと思ったのか無理やり納得する。
一方、超人類は織斑千冬を持ちながらも次々と家の屋根の上を跳んでいくのだった。