やはり彼女たちの青春ラブコメはまちがっている。   作:眠り羊

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そして彼は埋められていく

家から出て自転車を取り出す

「・・・ってお前チャリは?」

確か川崎も自転車通学だったはずだ、バイトで問題になった時自転車置き場で葉山が振られた記憶がある・・・いやホントあの時はわらえ・・・わるいことをした

 

「え、あぁちょっと・・・」

 

「はぁ?ちょっとって何だよお前どうやってここまで来たんだよ」

 

「・・・歩いて」

 

「歩いてってどんだけ早く起きてんだよ・・・」

徳でも積みたいの?

 

「別にどうだっていいじゃん」

ぶっきら棒に言った後

「緊張しちゃって寝れなかったから丁度良かったし・・・」

俺に聞こえるか聞こえないかくらいの小声で言った

 

川崎あれで緊張してたのか・・・わかりづれぇ・・・まぁ普通緊張するわな

 

「それより途中まで一緒に行かない?」

「学校に間に合わなくなりそうになったら先行っちゃって良いからさ」

 

まだ時間にかなり余裕はあるが全行程歩きだと間に合いそうにはない

「そんなわけに」

「いいから」

こうなったら川崎は頑なにゆずら無そうだな・・・

「はぁ・・・まぁとりあえず行こうぜ」

「うん」

 

俺と川崎は歩き出した

 

・・・

女子と並んで歩くとかどうも落ち着かない・・・

こいつ俺と歩いてて周りの目とか気にしないの?

自転車を押しつつ歩道に寄らないと行けないから服が触れそうな程近いし・・・

 

意識すると気恥ずかしくなり気を紛らわす為にふと思ったことを口にした

 

「と、ところで今後も朝家に来るのか?」

 

「迷惑だった?」

 

「いや迷惑ってわけじゃねーけど・・・飯は美味かったし」

 

「ありがと・・・」

川崎が頬染めて礼を言う

 

「い、いや、でもせめて俺に連絡してくれ、あれでも小町は一応受験生なんでな」

それに毎回サプライズとか溜まったもんじゃない、心臓幾つあっても足りないぞアレ

 

「あ、そっかごめん・・・ちょっと自分の事で一杯一杯だった・・・」

「毎日来ようってわけじゃないから・・・私も家の事やらないとダメだし、今後行く時はあんたに連絡入れるよ」

 

「お、おぅ分かってくれれば良い」

ふぅ、これでひとまず小町によるサプライズは防げるな・・・って次は何の話題を振ればいいんだこれ?

 

 

「じゃー、言って」

と言って川崎が携帯を手にする

ん?何を言うんだ?えーとやっぱり恋人だから朝から愛の言葉とか囁かないとダメなの?

携帯持って録音とかされちゃうの?

 

「えーと」

ってそんな恥ずかしい言葉朝っぱらから・・・朝っぱらじゃなくても俺が言えるはず無い

「いややっぱりそーゆーのはもっと長く付き合っていって自然に言える時がだなぁ」

川崎が訝しげな顔でこっちを見る

「何言ってんの?言わないとわかんないじゃん」

 

「いや、でも朝っぱら愛を囁くとか俺には・・・」

 

川崎が顔を真っ赤にしながら言った

「な、な何言ってんの!?あんたの電話番号なりメールアドレスなり教えてよ、連絡先分からないんだから!」

「なんだそーゆーことか・・・ははは・・・」

「当たり前でしょ、何バカな事言ってんの」

 

ですよね俺もおかしいと思ったんだよ・・・いやほんとに

 

「まぁ囁いてくれるならそれはそれで嬉しいけど・・・」

川崎はやっぱり頬を染めながらそっぽを向いて小声で呟いていた

 

何この会話・・・爆発したい・・・

 

連絡先を交換した後時間を見ると結構良い時間だった

 

「っとやべーなもうこんな時間か、後ろ乗れよ川崎」

 

川崎が驚いた顔をする・・・どうやら川崎は本当に俺を先に行かせて自分は遅刻することを考えてたようだった

「いや、先行って良いって言ったじゃん、私は歩いて行くから」

 

「そーゆーわけにもいかんだろ、いいから乗れってどうせ負担の少ない国公立の大学狙ってるんだろ?推薦貰うなら遅刻が多いとまずいだろ」

 

「それ言ったら二人乗りを見つかるのもまずいと思うんだけど?」

冷静な顔で川崎が突っ込む

 

「ぐ・・・いや、そうそうみつからねーし遅刻と違って内申に書かれるもんでも無いだろ、まぁ俺と一緒の所を他の生徒に見られるのは嫌だろうが歩きでも間に合いそうな所まで行ったら降ろすし」

「それに見つかったら見つかったで俺が何とかする・・・」

 

「別に一緒の所を見られるのは良いんだけど・・・分かった」

川崎は拒否するのを諦め自転車の後ろに乗る

 

俺は川崎がきちんと乗ったのを確認すると自転車を漕ぎ出した

後ろから俺の身体に手が回り川崎の身体がもたれかかる

・・・やわらかい感触が背中に当たり俺の顔が熱くなる・・・朝も思ったんだがこいつ結構胸あるよな・・・

 

「あのさ」

「ひゃい」

不謹慎な事を考えていた為かなんかへんな声が出てしまった・・・

 

「・・・ありがと」

「あー、どうってことねーよ、朝飯も作ってもらっちまったしなそれに無理強いさせちまったみたいだし」

 

「そんなことないよ、これ結構やってみたかったんだよね」

「これ?」

「・・・好きな人の自転車の後ろに乗るの・・・」

「言わせんなバカ・・・」

ちょっと拗ねたそれでいて少し恥ずかしがっている声が聞こえた

 

何この甘酸っぱい青春みたいなの・・・

 

 

学校が近くなり人目につかない所で川崎を降ろす

「んじゃまた教室でな」

「あ、ちょっとまってコレ」

弁当を差し出された・・・

 

・・・受け取らないわけには行かないよな・・・

「お、おぉ、サンキュー」

 

「うん・・・じゃー教室で」

そう言うと川崎は恥ずかしいのか足早に学校へ向かって行った




ちょっとずつしか進まない2日目、次回もHRから放課後くらいの予定・・・放課後に入ればやっとあの二人が本格的に絡まる~予定・・・予定多いな

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