やはり彼女たちの青春ラブコメはまちがっている。   作:眠り羊

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そして彼女たちも動き出す

「本題?って何だよ」

俺が聞くと雪ノ下は俺を見つめ冷たく微笑みながら言った

「私は今の状況を放って置けないと言ったはずよ?それとも何かしら、あなたにとってこの状況は願ったものなのかしら?」

 

「いやそーゆーわけじゃないが・・・」

 

「そこで本題になるわけだけれど比企谷君、あなたは奉仕部に依頼があるはずよね?」

 

「はぁ?俺が依頼?」

出した記憶の無い依頼が終わってなかったり、出す予定の無い依頼があったり忙しいな俺・・・

 

由比ヶ浜は何か気付いたらしく相槌を打つ

「うんうん、ヒッキーは私たちに依頼があるはず!」

普段頭回らないのになんでこんな時だけ勘が良いんだよ・・・俺はさっぱり分からないんだが

 

「そーですよ!あるはずです!」

一色が前のめりになって言う・・・勢いだけで言って分かってないだろ・・・

「いや、お前は奉仕部じゃないんだから関係無い・・・」

 

「そ、そんなのどーでもいーじゃないですか!」

 

「良くねーだろ奉仕部への依頼なんだから」

ぶーっと一色の頬が膨れる

 

「それに依頼とか別に何も無いと思うんだが・・・」

 

雪ノ下が呆れた顔で額に指を置く

「はぁ・・・比企谷君は自分の事すら何も判っていないようね、仕方が無いので依頼の内容を私が教えてあげるわ」

うんうんと由比ヶ浜が頷き一色が雪ノ下を促す

「言っちゃって下さい、雪ノ下先輩!」

 

いやいやちょっと雪ノ下さん?何も無いと言ってる俺の依頼を勝手に作るとかどうなの?横暴過ぎるだろ

 

「いや、だから俺は何もな・・・」

「いいからヒッキーは黙ってて!」

「先輩は静かにしてて下さい!」

凄い勢いで由比ヶ浜と一色にたしなめられる

「は、はい・・・」

こえー女子こえー、後女子超怖い・・・

 

「川崎さんを傷つけずに別れたい、これがあなたの依頼よ」

 

「あなたの事だからどうせ自分の言ってしまった失言に対して相手を落ち込ませたり傷つけたりするのが嫌だったのでしょ?」

 

 

確かに俺の告白に対して返事をした川崎に事実(実はアレは告白じゃありませんでした)

を言って川崎を傷つけるのは本意では無かったのだが・・・でも本当にそれだけなのか?

何だ?何か自分に引っかかりを覚えるんだが・・・答えが出て来ない

「・・・・・・」

いくらか考えたが出ない答えを考えてもしょうがないのでそのままにして俺は聞いた

 

「そんな方法あるのか?」

 

冷ややかに雪ノ下が答えた

「簡単よ?あなたが嫌われれば良いだけじゃない」

それに同調してうんうんと由比ヶ浜と一色が頷く

 

「いや、お前らさんざん俺の自己犠牲を否定した割にその方法俺が超傷つくんですが・・・」

 

「何を言ってるのかしら比企谷君、私はあなたが他人の為に自分を犠牲にして自分以外に傷を負わせないという上辺だけのやり方が嫌いなだけであって、この場合は自業自得なのだから仕方無いと思うのだけれど」

 

「私も今回はヒッキーが悪いからしょうがないと思う」

 

「そーですよ先輩、ちゃんと罪には罰を受けましょうね、ふふふ」

何この一体感仲が良いなお前ら・・・後一色、お前絶対楽しんでるだけだろ・・・心配だったんじゃなかったの?

 

「はぁ・・・分かった、で俺は何をすれば良い?」

 

雪ノ下は少し顔を俯かせ指を顎に置き考える

「身嗜みに気をつけずズボラになるとか・・・いえそれはダメね、比企谷君の腐った目を見てるのに気後れしない人だもの外見を気にするとは思えない・・・」

「そうね相手が不快に思うような行動を取るとか・・・これはいつもの比企谷君だもの簡単ね」

ちょっと雪ノ下さん、後ろの感想いるのかな?考えるのにかこつけて俺を傷つけるの止めてもらえますか?

 

「あと相手に無理難題を言って呆れられるようにするとか・・・かしら」

 

「無理難題って何だよ」

 

「相手があまりやらない事を振ってみるとか」

「そうね・・・た、例えば、じ、実はロングのストレートの髪が好きなんだ・・・と言ってロングのストレートにさせてみるとか」

何で言い終わった後に頬を染めて顔を伏せるんだよ・・・その行動も俺が実演するの?

「ほら川崎さんって髪を一旦纏めてるじゃない?女性は結構髪型に拘りを持つところがあるから強要すれば嫌がるかもしれないわ」

言い訳がましく言ったような気がするが・・・まぁ髪は女の命だからそうなのかもしれない

 

「あーゆきのんずるい!」

 

「ヒッキー!実は団子髪が好きなんだ!とかでも良いんだよ?」

由比ヶ浜は勢い良く言った後ハッとして顔を真っ赤に染める・・・だからそれも俺が実演するのかと・・・

 

「セミロングが好きなんだ!とk」

「それはダメだ本当に髪を切られたらそれこそ責任を取れない」

最後まで言う前に俺に却下された一色がションボリする

 

雪ノ下と由比ヶ浜がずいっと近づき俺に圧力をかける

「で?どちらにするの?比企谷君」

「で?どっちにするの?ヒッキー」

二人で見事にハモると更に俺に近づいた・・・近い近い!良い匂いとかして心臓に悪いからもうちょっと離れてくれないかな

 

「おぉう・・・何なのお前ら・・・お前ら自分の髪型大好きなの?」

 

はぁ・・・と二人から溜息が洩れ一色が苦笑している・・・いやホントになんなんだよ

 

その後冷淡に雪ノ下が続ける

「後は川崎さんとは真逆の、言葉遣いを女の子らしくして欲しいとか、仕草も女の子らしくとか、服装も清楚な方がとかが良いんじゃないかしら?」

雪ノ下さん?さっきと言い方が随分違いませんかね?・・・まぁいいけど・・・

 

由比ヶ浜も何か考えているようだが何も浮かばなかったようだ・・・と思ったらとんでも無い事を言い出した

 

「えっちなお願いしてみるとか・・・」

何も浮かばないからって何口走っちゃってるのこの子・・・雪ノ下も一色でさえもちょっと引いてるぞ

 

「結衣先輩!?」

「何を言ってるのかしら由比ヶ浜さん・・・」

一色が驚きの目で雪ノ下が呆れた目で由比ヶ浜を見る

 

「あ、いや、そーすれば絶対呆れるかなぁと思って・・・」

「そ、そーですね、以外とアリかもしれませんよ先輩!」

「お、おぅ・・・」

由比ヶ浜・・・一色にフォローされるとかどうなの?

 

「あは、あははは・・・・・・なしなし!やっぱり今のなし!」

由比ヶ浜は必死に無かった事にしようとしていたが、なしってもう聞いちゃってるんですけど

「うぅ・・・」

由比ヶ浜は赤面して俯いていた

 

 

「分かった取りあえず雪ノ下が言った事は今日の帰りにでも言ってみる」

 

俺が了承するとその日の部活は終了となった




いろはす不遇!

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