ぜひ暖かい目で読んでくださいね
―――"ノーネーム"本拠、談話室
館の三階にあるそこで現在、十六夜と正希、そして黒ウサギがソファに座って話し合っていた。
「ゲームが延期?」
「はい……申請に行った先で知りました。このまま中止の線もあるそうです」
元お仲間のレティシアが賭けられるゲームの申請をしに行っていた黒ウサギが泣きそうな顔で帰ってきたのだ。その理由を十六夜が尋ねた所、返ってきたのがこの回答だ。
そのゲームが突然の中止
黒ウサギは不幸のドン底に落ちた様な顔をしている。
十六夜はと言えば肩透かしを食らったようにソファへ寝転んでいた。
「白夜叉に言ってどうにかならないのか?」
「どうにもならないでしょう。どうやら巨額の買い手が付いてしまったそうですから」
「チッ。所詮は売買組織ってことかよ。エンターテイナーとしちゃ五流もいいところだ。"サウザンドアイズ"は巨大なコミュニティじゃなかったのか?プライドはねえのかよ」
「仕方ないですよ。"サウザンドアイズ"は群体コミュニティです。白夜叉様のように直轄の幹部が半分、傘下のコミュニティの幹部が半分です。今回の主催は"サウザンドアイズ"の傘下コミュニティの幹部、"ペルセウス"。双女神の看板に傷が付く事も気にならないほどのお金やギフトを得れば、ゲームの撤回ぐらいやるでしょう」
「まあ、次回を期待するか。ところでその仲間ってのはどんな奴なんだ?」
「そうですね……一言でいえば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪が星の光でキラキラするのです」
「へえ?よくわからんが見応えはありそうだな」
「それはもう!加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。近くに居るのならせめて一度お話ししたかったのですけど……」
「黒ウサギ来客だぞ」
やや興奮気味に同士の事を語る黒ウサギである。
「おや、何やら嬉しい事を言ってくれるじゃないか」
するとその時、窓の外から第三者の声が響いた。
俺達の視線が窓に集中すると、そこにはにこやかに笑う金髪の少女が浮いていたのだ。跳び上がって驚いた黒ウサギが急いで窓に駆け寄る。
「レ、レティシア様!?」
「様はよせ。今の私は他人に所有されてる身分。"箱庭の貴族"ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」
黒ウサギが錠を開けると、レティシアは、苦笑しながら談話室に入ってきた。
「どうした?私の顔に何か付いているか?」
まじまじと見つめる十六夜の視線に気づいたのだろう。レティシアが小さく笑って尋ねた。
「別に。前評判通りの美人……いや、美少女だと思って。目の保養に鑑賞してた」
「ふふ、なるほど。君が十六夜か。白夜叉の話通り歯に絹着せぬ男だな。しかし鑑賞するなら黒ウサギも負けてないと思うのだが。あれは私と違う方向性の可愛さがあるぞ」
「あれは愛玩動物なんだから、鑑賞するより弄ってナンボだろ」
「ふむ、否定はしない」
「否定してください!」
「…して、どのようなご用件でここにいらしたのですか?」
黒ウサギが一転して真面目な顔でレティシアに尋ねる。
「用件というほどのものじゃない。新生コミュニティがどの程度の力を持っているのか、それを見に来たんだ。ジンに会いたくないというのは合わせる顔がないからだよ。お前達の仲間を傷つける結果になってしまったからな君達にはすまない事をした。私は"ノーネーム"が再建の道を掲げ、更に神格級のギフト保持者がコミュニティに参加したと聞き、その力量を試してみたくなったのだ」
神格級のギフト保持者、というのは十中八九十六夜か正希のことだろう。
「それで、結果は?」
「生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。ゲームに参加した彼女達はまだ青い果実で判断に困る。」
レティシアは俺に視線を向ける。
「なんだよ、俺が嘘をついてるとでも、思ったのか?」
「いや、そう言う訳では無いのだが少しな」
その会話を観ていた黒ウサギが頭に?マークを浮かべながら聞いてくる
「正希さんは、レティシア様と会ったことがあるのですか?
ずいぶんとひたしげに話していらっしゃいますけど」
「あーそれの事か、今さっきまで
こいつに会いに行ってたからな」
「エェェー、そうだったのですか」
「イヤー、なんかやたらと俺達の事を見てたから気になって見に行ったらいたからよ、そんで元お仲間の吸血鬼さんは、俺達に話すことがあるんだろ?」
そう言われレティシアは真剣な面持ちでこう言う
「ふむ…私はお前達になんと言葉を掛ければ良いのか。はっきり言って現段階で魔王に太刀打ち出来るとは思っていない。かと言って解散を呼びかけるには遅すぎた」そう言い頭を下げる
その言葉に十六夜が食って掛かる
「要は不安ってことだろ?…その不安、拭う方法があるぜ」
突然の十六夜のその一言にレティシアは眉を顰める。
「何?」
「実に簡単な話だ。アンタが"ノーネーム"が魔王に勝てるか不安を持ってるなら、その力で試せばいい。―――どうだい、元・魔王様?」
実に十六夜らしい提案だ。
レティシアもこれには唖然としていたが、すぐに笑い声を上げると立ち上がる。
「ふふ……なるほど。それは思いつかなんだ。実に分かりやすい。下手な策を弄さず、初めからそうしていればよかったなあ」
「ちょ、ちょっと御二人様?」
「ゲームのルールはどうする?」
「どうせ力試しだ。手間隙かける必要もない。双方が共に一撃ずつ撃ち合い、そして受け合う」
「地に足を着けて立っていたものの勝ち。いいね、シンプルイズベストって奴か?」
二人は笑みを交わし窓から中庭へ同時に飛び出した。
そしてレティシアは空を飛び、ランスを構える。
放たれた槍は瞬く間に摩擦で熱を帯び、一直線へと十六夜に向かって飛んでいく。その流星の如く大気を揺らしながら放たれた槍の先端を前に十六夜は牙を剥いて笑いう
「ハッ―――しゃらくせえ!」
十六夜は槍の先端を殴りつけ、槍はあっさりと破壊されてそれは散弾となりレティシアに襲いかかる。
(こ……これほどか……!)
着弾する間際、彼女の口元から笑みがこぼれる。
尋常じゃない才能を目の当たりしたレティシアは自分の憶測の甘さに恥じ入るが、しかし同時に安心もしていた。
「レティシア様!」
黒ウサギが自分の名を呼ぶ声が聞こえる。
願わくば彼らの進む先をこの目で見てみたいとも思ったが、どうやらそれも叶わないらしい。
(だが…これほどの才能を持つ彼らならばあるいは…)
レティシアが血みどろになって落ちる覚悟を決めた時だった。
「おいおい、何かってに死のうとしてんだよ。」
そこには、白銀の翼を生やした正希がレティシアを抱えて浮遊していた。
「おい、十六夜流石に手加減ぐらいしろよなーまったく」
溜め息を付きながら十六夜に向かってそう呟く
「あれでも、けっこう手加減したはずなんだがな」
それを聞き呆れた様子で、正希達は降りてくる、すると突然黒ウサギがレティシアから素早くギフトカードを掠め取る。
「ギフトネーム・〝純血の吸血姫
ロード・オブ・ヴァンパイア
〟………やっぱり、ギフトネームが変わっている。鬼種は残っているものの、神格が残っていない」
「っ……」
黒ウサギの言葉に目を背けるレティシア。
「もしかして元・魔王のギフトって吸血鬼のギフトしか残ってないのか?」
「はい…武具は多少残してありますが、ご自身に宿る恩恵
ギフト
は………」
それを聞いた十六夜は不満そうに舌打ちまじりにこう呟く
「チ、どうりで歯ごたえがないわけだ、他人に所有されたらギフトまで奪われるのかよ」
「いいえ……魔王がコミュニティから奪ったのは人材であってギフトではありません。武具などの顕現しているギフトとは違い〝恩恵〟は様々な神仏、精霊などから受けた奇跡であり云わば魂の一部……隷属させた相手から同意なしにギフトを奪うことなど」
(つまり、レティシアは自分から魔王にギフトを差し出したということになる。勿論俺達のために)
「レティシア様は鬼種の純血と神格の両方を備えていた為〝魔王〟と自称するほどの力を持っていたはずです、ですが今の貴女の力では、かつての10分の1にも満ちません。どうしてこんなことに……」
「……それは」
必死に話そうとするが結局口を閉ざしたまま俯いてしまう。
十六夜は仕方無さそうに頭を掻きながらこう提案する。
「まあ、あれだ。話があるならとりあえず屋敷に戻ろうぜ」
「………そう、ですね」
「それもそうだな」
2人がそう頷いたのを見て改めて話をすることになり、俺達は足を屋敷に向けようとするだがその矢先、遠方の空から褐色の光が差し込む。
「あの光……ゴーゴンの威光!? まずい、見つかった!」
「正希さん!」
その褐色の光はすぐ目の前まで迫っていた。
すると金の髪が正希を突き飛ばそうとする。
その光を見て正希は不適に笑いこう呟く
「だから、なーに簡単に捕まろう
してんだよ。」
そう言い光に向かって視線を向け呟く『消え失せろ』
その瞬間、こちらに向かっていた光は突如として消え去った。
すると上空に翼の生えた靴を装備した男達が押し寄せてきた。
「いたぞ! すぐに吸血鬼を捕獲しろ!」
「ノーネームもいるようだが、どうする!?」
「邪魔するようなら、切り捨てろ!」
(おいおい散々な言われようだなー本当に、まあいいコイツらには後々の交渉の材料にでも、なってもらうとしよう、フフ)
「おいこら、人様の本拠地にかってに上がり込んで不法浸入とは、いい身分だなおい、非礼を詫びる一言すらも言えねーのか、お前らは!!」
正希がそう言うといかにも見下した口振り一人が答える
「ふん。こんな下層に本拠を構えるコミュニティに礼を尽くしては、それこそ我らの旗に傷がつくわ。身の程を知れ 名無し が」
その言葉に黒ウサギが反応する
「なん、ですって…!?」
黒ウサギの身体が微かに震えている
「ありえない…本当にありえないのですよ。献身の象徴とまで謳われた黒ウサギをコレほどまでに怒らせるなんて……!!」
(ここで怒られては、俺の作戦がダメになっちまうんだよな)
そう思い正希は、黒ウサギ右手制しながら伝える
「止めろ、黒ウサギここで反撃したら自分達が名無しで有ると認めることになるんだぞ、お前はそれでもいいのか?」
「……いえ、黒ウサギは、ただ…」
黒ウサギは俯きながらそう答える
「だったら、俺に任せろ」
正希はペルセウスの兵士達に向き直る
「残念だったな、生憎この吸血鬼は渡せ無いんでな、ちょっとお前らには、捕まってて貰うぜ『気絶しろ』」
すると一瞬にして兵士達の意識は奪われ地面に落下していく。
「おい、十六夜ちょっと飛鳥を呼んできてくれ、後黒ウサギ、ジンに俺達はちょっと出掛けてくると伝えてきてくれ」
「わかりました。」
「俺は、コイツらを邪魔にならない場所に移動させる」
「了解」
それぞれ返事を交わし十六夜達は
走っていった。
どうも作者と「如月 正希だ」
今回のは、なんかやたらと正希くんが派手になった
みたいだけどどう思う?「知るかよそんなの、つうかその前に黒ウサギ以外の女性陣が全く出てこないのは、どう言うことだ!?」それは、そのあれですよほら
後から出番がいっぱい来るとか言うそんな感じだよ?うん「相変わらず作者は、曖昧だな」
大丈夫大丈夫だよね?多分
「はぁ~、まあいいやそれじゃあまた」
『「次回」』