ある司令官の日常~勝利の栄光は何処~   作:三刀

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いまさらですが、ガンダムジオラマフロントは
現在正式サービス中です。
もちろんVRなんかはこちらの小説の独自設定ですよ。

あったら嬉しいですけどね!


流派東方不敗は王者の風よ!

「修行場を知らないか?」

 

 ここは基地司令部のレクリエーションルーム。

 現在基地は参謀本部通達による緊急メンテナンスが行われており

 司令官は回復アイテムの無駄遣いによる精神ダメージを癒やすため

 早々に就寝(ログアウト)することにしていた。

 そんな中で動いているのはAIであるエースパイロットだけなのだが

 この場にいる面子には統一感というものがなかった。

 

「修行場……かい?」

「ああ、ファイターたるもの、常在戦場の意気を持たねばならん。

 だが普段は防衛の任もあるからな、このような休暇となれば

 修行に精を出したいんだが……」

 

 俺は配属されたばかりで、周辺をよく知らん、とぼやいているのは

 キング・オブ・ハート、第十三回ガンダムファイト優勝者のドモン・カッシュである。

 問いかけられていたのは、たまたまコーヒーマシーンに寄っていたコウ・ウラキである。

 基地内にもトレーニングルーム程度はあるのだから

 そこにいけばいいではないか、と思うかもしれないが

 先日基地内に配備されたデスアーミーを見かけ

 すわデビルガンダムが復活したか、と全機叩き壊した前科があるため

 基本的には基地内部で修行を禁止されているのであった。

 

「うーん、流石に知らないなぁ。

 僕も配属されたてだからね」

 

 ――戦場に出ると一般兵同様のAIに切り替わる彼らであったが

 基地内部では出来る限り本人を再現したAIが動くようになっている。

 運動もするし、食事もする。

 娯楽も行うし、訓練も行っている。

 まるで生きているようにその場に存在しているのだ。

 『彼』がグチグチと文句をいいながら続けているのも

 こういったエースパイロットの存在が大きいだろう。

 

「ふん、仕方ない。

 ……それなら手合わせはどうだ。

 軍人なら軍隊格闘技の一つや二つ、習っているんだろう」

「キング・オブ・ハートに手合わせを挑んで無事なら

 軍人より格闘技の世界に飛び込んでるって……」

 

 ドモンの誘いを苦く笑いながら躱すコウ。

 実際この基地内部に配属されている中で

 手合わせをして生き延びるとなると、既に配属されたトロワ・バートンか

 現在技術開発中のウイングガンダムに搭乗するヒイロ・ユイくらいだろうか。

 だが両者とも好んで手合わせをするような性格はしておらず

 従ってドモンの手合わせ相手はいないという塩梅であった。

 もしかしたらスーパーコーディネーターであるキラ・ヤマトも対応できるかも知れないが

 これまた好戦的な性格ではないときた。

 

「出撃もなく、ただ怠惰というのは如何ともし難い。

 ……仕方ない、少しランニングでもしてくるか」

「ああ、気をつけてね」

 

 この基地はジオラマとして成り立っているが、それでも広大である。

 AIである彼らどころか、司令官も基地外部に出ることは出来ないが

 内部であれば比較的自由に動ける。

 もう少しばかり見栄えする建物があればよいのに、というのは

 司令官である『彼』が愚痴っている事だ。

 

「あ……お疲れ様です、アムロ大尉」

「大尉はやめてくださいよ、コウさん。

 僕はそんな立派な人間じゃありませんから」

 

 ドモンが出て行った後、入れ替わりで入ってきたのはアムロ・レイである。

 ――実際、コウ・ウラキが活躍した年代なら、アムロは既に大人であるのだが

 この基地にいるアムロは少年としてのアムロ・レイである。

 本来ならば違和感を抱きそうなものなのだが

 そこはAIとして設定されている以上、仕方のない事だろう。

 

「大尉は大尉であります。

 ……そういえば防衛任務に交代で入られたとか?」

「ルナマリアさんと交代で入ることになって……僕なんかで代わりが務まるかどうか」

「よしてください、我々にはアムロ大尉は憧れなんですから」

 

 そのような事を話していると、内部放送が流れてくる。

 

『お知らせいたします。

 まもなく運営本部による緊急メンテナンスが終了いたします。

 各員は休暇を終了し、所定の位置についてください』

「あ、っと……呼び出しがかかりましたね。

 戻りましょうか」

 

 ――こうしてパイロットたちは僅かな休暇を過ごしているのであった。

 

 

-----

 

 

「――やることが、ない」

 

 緊急メンテナンスがあけ、『彼』はログインすると

 リカバリーチャージャーを無駄にした鬱憤を晴らすかのように

 次々と進軍を行い、時には無様な敗退をしつつも

 資金と資源をかき集め、現状出来る限りの開発プラン、建造計画を進めてしまった。

 

「現在防衛施設建設は対空ミサイルを二台、こちらが三日間。

 迫撃砲を一門、こちらは一昨日からでしたので残り四時間。

 そして引き続き基地本部(フロントコア)を建設中で、残りは四日と六時間となっております。

 そしてモビルスーツ開発は『ユニコーンガンダムU』に着手、『インパルスガンダム』に着手。

 尚『ウイングガンダム』は引き続き建造中。

 戦艦は建造するには施設の増築が必要となり、モビルアーマーは現在『サイコガンダム』を建造中です」

 

 それぞれの基地に許された各開発施設は

 モビルスーツ開発施設が、三つの時代区分に分けられて一つずつ。

 そして戦艦、モビルアーマーの開発施設が一つずつである。

 百数十万の資源と、数百万の資金が吹き飛んでいったが、まだまだ防衛施設は先が見えていない。

 

「うーむ、増築に関しては、ビルドチャージャーがないから手の出しようがない。

 メカチャージャーも少し在庫があったが、焼け石に水だ。

 どちらにせよ二日以上待たなければ完成しない、か」

 

 それぞれ建築・増築の時間と、各種メカの開発期間を短縮するアイテムである。

 リカバリーチャージャーと同様、総司令部(運営)からの支給品であるため、在庫がたっぷりある訳ではない。

 『彼』はリアルマネーをつぎ込もうかとも思ったが、頭を振った。

 課金をすること事態に抵抗はないが、それはもう少し行き詰まった時にするべきだと判断したのだ。

 

「ん?

 ……いや、ふむ。

 迫撃砲は残り四時間……次の増築に何日かかるかはまだ見ていないが……」

 

 資源資金を貯めこんでおくに越したことはないだろう。

 そう『彼』は判断すると、部隊編成を行い始めた。

 現在主力となっているのはエースというよりも量産機による数の暴力の部分が大きい。

 そして量産機やエースパイロットには『レベル』の概念が存在する。

 レベルを上げれば耐久力や攻撃力、一定レベル毎には投入できる機体の数も増えるという恩恵がある。

 攻撃力や耐久力は習熟によって、という理屈がわかる。

 しかし機体の数が増えるのはどういう訳だと思わなくもないが

 利用できるものはとことん利用すべきである。

 

「我が基地はこれより総攻撃に移り、資源の貯蓄を行う。

 また同時に全エースパイロットに出撃命令を下し、各々機体の習熟に励むこととする!」

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