バスケ少年とアイドル   作:山田P

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もう、何も言うまい…。


episode 10

「集合ー!!」

「はい!!」

体育館中に野太い声が響き渡る。

終了の声に反応した少年達は部長の元に駆ける。

 

所変わって、ここ藤月学園の体育館では毎日のように早朝からバスケ部の朝練が行われている。

それは今日も例外では無い。

 

滴り落ちる汗を拭いながら部長の話を聞く部員達の中で、涼しい顔を保ったまま大勢いる部員達の輪に加わる影がひとつ___

 

「___じゃあ、解散!」

「お疲れ様でしたぁ!!」

部長の号令によって各々更衣室に移動する中、

「桜場」

とある少年の名前が呼ばれた。

「ちょっと、こっち来い」

 

この時、桜場は察知した。バレた、と。

 

 

 

 

 

「じゃあ、HR始めるぞー」

廊下まで担任の声が聞こえる。今日も元気だなぁ、なんて思いながら引き戸を開け席に座る。

 

正しくは座ろうとした。

 

「バカだなぁ、素直に謝れば済んだのに」

「うるさい」

 

部長の呼び出しの内容はこうだ。

よく平然とした顔で集合出来たな、と。

つまり、直訳すると

朝練に使った道具の片付け、掃除やってくれるよな?

言い訳は聞かねぇぞ。

と、まぁこういうことでチャイム後に教室に入る羽目になってしまった訳である。

 

「前から思ってたけど、悠人の態度なんとかした方が良いよ?生意気な上にそこそこ上手いから先輩達に目つけられるんだよ、気づいてる?」

「まぁ、なんとなくは………ってかさ、」

「ん?」

「お前、誰だっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジャーン!ここでライブのチラシを配ろう!」

「ひ、人が沢山……」

 

またまた所変わって、秋葉原の大通り。

何故部活を抜け出してこんな所に来ているのか。

 

「ダメかな?」

「私は平気だよ。でも、海未ちゃんが…」

 

「あ、レアなの出たみたいです」

「海未ちゃぁぁぁーん!」

 

分かりづらいので捕捉すると、人前に出るのが苦手な園田先輩を矯正しようという事で人通りの多い所でチラシを配ろうという事になったのだ。

 

ついでにライブの宣伝も出来るし一石二鳥だね!

なんて、電話で言われた時には穂乃果先輩にしては冴えてると誉めてあげました。まぁ、案の定怒られたけど……

 

「ハルちゃーん!移動するよー?」

 

 

 

 

音ノ木坂学院、校門前。

桜舞い散るこの場所で俺は、荷物番させられている。

勿論学院の外で待機している。

 

 

まぁ、当然と言えば当然で他校の男子が廃校寸前とは言え女子高に入ったとなれば良からぬ噂が立つこと請け合いだ。……既に通りすがる音ノ木坂の生徒には疑いの目を向けられる。女子って怖い。

 

「あ、あの…」

「μ'sファー……」

「お願いし………」

遠くで穂乃果先輩と南先輩の声が聞こえる中、近くにいる俺でも聞こえるかという位の声を出す園田先輩。

 

頑張れ、なんて思ってると園田先輩が視線に気付き口パクで何か伝えようとしている。

「 」

俺は「頑張って下さい」と微笑みながら軽くガッツポーズ。先輩は涙目でこっちを睨みながら「恨みますよ」と応えチラシ配りに戻った。

 

 

「宜しくお願いしまーす!」

「μ'sファーストライブやりまーす!」

それから穂乃果先輩の挑発に乗せられる形で園田先輩も緊張を吹っ切りチラシ配りを再開。

幼なじみ兼親友ってのは凄いと思った。

 

 

「あの…」

順調にチラシを配ってる穂乃果先輩に話しかけたのは、1年生の青いリボンに眼鏡をかけた長めのショートの女子。

「あなたは、この前の」

「は、はい。ライブ見に、行きます」

その言葉を聞いた二人も眼鏡ちゃんの元に駆けてく。

「本当!?」

「来てくれるの?」

「では、一枚二枚と言わずこれを全部…」

「海未ちゃん」

ここで穂乃果先輩が釘を指す。普段と逆パターンなだけに凄い新鮮に感じる。

「うぅ…分かってます」

そして珍しく弱気な園田先輩。

これをギャップと言うのだろうな。

 

 

微笑ましい4人を見ていると、校舎からも彼女達を見ている人を見つける。遠目でも目立つ金髪のポニーテールにスラッと伸びた手足。

しかし一番気になったのは外見でなく表情で、園田先輩のチラシを断ったツインテールの小学生もそうだったけど嫌われてるのか、俺たち?

 




読んで下さり、ありがとうございました!

つ、次こそは!!
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