インフィニット・ストラトス いちか君と一夏のIS学園生活 作:迷い人
夢なのか幻なのか理由はわからない。一夏の危機の時、いちか君が現れた。そして二人が手を取り合った時…
「何だこれ…?視界が…時間の流れが…遅くなっている…?」
急に自分の目に映る世界が変わり戸惑う一夏。
「はじめてISに触れたときのような感覚じゃない。でも、ISのセンサーでも感知できない挙動とか感じる。あれ?これは…」
「(一夏!一夏!一夏!)」
「(一夏さん!)」
「(一夏!返事しなさいよ!)」
「…箒、セシリア、鈴、みんなの声が聞こえる?回線も開いてないのに。何だこの感覚。ISの機能なのか?」
「(違うよ、一夏お兄ちゃん)」
いちか君の声が聞こえた。
「えっ、いちか?」
「(僕もよくわからないけど、きっと僕と一夏お兄ちゃんの力だよ)」
「俺といちかの力…」
「(さあ、一夏お兄ちゃん。アイツをやっつけようよ)」
いちか君に言われ謎のIS使いを見る一夏。
「…不思議だな。先っきまではすげー強敵に見えてたのに今は…」
雪片を構える一夏。
「全然たいしたことないな!」
一夏はスラスターを全開にして謎のIS使いに向けて攻撃をしかけた。
「よかった…一夏が無事だった…」
一夏の無事を確認して安堵する箒。自分が行った行為で一夏の身に何かあれば箒は自分を許せないだろう。
「はっ、行くな一夏!逃げるんだ!」
謎のIS使いに向けて突撃する一夏を見て叫ぶ箒。相手の実力は相当なもの。そのうえ一夏は先ほどのダメージがある。どう考えても分が悪い。だが…
「い、いち…一夏…」
一夏は謎のIS使いを圧倒していた。
一夏の攻撃に謎のIS使いは防戦一方だった。
「(一夏お兄ちゃん、アイツは距離を取って砲撃をするよ。)」
「わかった」
理屈はわからないが、いちか君はこれから起こる現象を予知して一夏に伝えている。その予知された動きに合わせて一夏は攻撃をおこなっていた。
「いちかの予知は外れない。それに…」
謎のIS使いの砲撃は一夏をすり抜けた。以前、セシリア戦で使った技だ。
「それによくわからないが、奴の動きがスローに見える」
一夏は距離をつめて斬撃を繰り出す。
「これが俺達の力か!」
謎のIS使いの攻撃を容易く避け、反撃をする一夏だった。
「す、凄いですよ、織斑くん。先っきとは別人のような動きです」
興奮気味に言う山田先生。
「・・・・・」
無言で一夏の戦いを見ている千冬だった。
謎のIS使いを追い詰めた一夏。
「やるじゃない、一夏」
一夏に近づいてくる鈴。
「油断するな鈴」
「わ、わかってるわよ」
青龍刀を構える鈴。
「言葉が通じているのかわからないが、投降しろ」
一夏が投降するように言った時。
「(一夏お兄ちゃん。アイツ、無茶苦茶に撃つよ!)」
いちか君の言葉を聞いて、一夏は鈴の腕を掴んで後方に飛んだ。
「ちょっ、急になにすん…」
謎のIS使いが四方八方に砲撃を始めた。
「何、アイツ。追い詰められてヤケになった?」
「それは、それで面倒だが…」
無茶苦茶に撃ったため、辺りは爆煙が立ちこめていた。
「ひょっとしてこの煙で姿を隠したつもり?センサーですぐに見つけられるのに」
確かにISのハイパーセンサーの前では煙の中に姿を隠してもは意味がない。が・・・
「なるほど、そのための砲撃か」
「何よ?」
「アイツ、すげー量のエネルギーを両腕の砲口に貯めてる。今までの砲撃の比じゃないな」
「先っきの砲撃とこの爆煙は、強力な一撃を撃つための間を作るためだったわけね」
「ああ」
「ああ…じゃないわよ!撃たれる前にアイツを止めないと!」
衝撃砲を撃とうとする鈴。
「鈴、俺に任せてくれ。先っき言っていた全力の一撃ををだす」
「大丈夫なの?」
「絶対に外さない」
そう言いながら、一夏は鞘を展開して雪片を鞘に収めた。
「わかったわ。じゃあ、あたしが援護するわ」
「任せた」
そう言って一夏は抜刀術の構えをした。
「いちか。行くぞ!」
「(うん!)」
バリアー無効化攻撃、『零落百夜』は威力は凄いが外した時のリスクは大きい。『瞬時加速』で間合いを詰めても避けられる恐れがある。そして考えたのが、なら外さなければいい…だ。一夏なりに零落白夜を昇華し出来たのが『抜刀・零落百夜』だ。抜刀術が最速というわけではないが、一夏とっては最速だった。一夏とっての最強と最速を合わせた一撃だ。一夏は加速して一気に謎のIS使いとの距離を詰める。しかし、一夏が間合いに入る前に。
「(一夏お兄ちゃん。撃ってくるよ!弾道は…)」
「わかった!」
謎のIS使いがビームを撃ってきた。今までの比では威力だ。
「いちかが予知したとうりだ!躱せる!」
一夏はビームを体をひねりながら避け、そのまま回転をしながら突進をして。
「オオオッ!」
一夏が鞘から雪片を抜くと同時に雪片が強く光を放つ。
「(いちか…)」
「(何、一夏お兄ちゃん?)」
「俺は、千冬姉を、箒を、鈴を、俺に関わる全ての人を守りたい)」
「(うん)」
「(ただ、俺一人の力じゃできない。だから、いちか。これからも力を貸してくれ!)」
「(うん!)」
一夏の一撃は謎のIS使いに直撃した。その一撃で敵IS使いの動きは止まった。
「はぁ、はぁ、はぁ、や、やったか?」
雪片を杖がわりにして体をささえる一夏。
「って、まだ動くのかよ」
起きあがりはしないが左腕の砲口を一夏にむけていた。
「やばっ、間に合わ…」
力を使い果たしたのか、いちか君の声が聞こえなくなっていたためか、一夏の反応が遅れた。
『させませんわ!』
良く通る声が聞こえた。刹那、客席からブルー・ティアーズの四機同時狙撃が敵IS使いを撃ち抜いた。
ボンッ!
と小さな爆発を起こし、敵ISは動かなくなった。
『ギリギリのタイミングでしたわ』
『はは…助かった。ありがと、セシリア』
『一夏さんのためなら、このくらい…』
『ああ…』
セシリアの言葉を最後まで聞く前に、一夏は気を失った。
「う・・・」
意識を取り戻したいちか君。どうやら保健室にいるようだ。いちか君が状況がわからず周囲を見回していると。
「気がついたか」
シャッとカーテンが引かれ千冬があらわれた。
「体に致命的な損傷はないが、打撲がある。数日は痛いだろうが、我慢するんだぞ」
「う、うん…」
「まあ、何にせよ無事でよかった。家族に死なれては寝覚めが悪い」
そう告げる千冬の表情は、いつものブラコンの逝ったものではなく、柔らかなものだった。
「千冬お姉ちゃん」
「うん?なんだ?」
「心配かけてごめんなさい」
いちか君の言葉にきょとんとした後、千冬は小さく笑った。
「心配などしていないさ。お前は…お前達はそう簡単には死なない。なにせ私の弟だからな」
変な信頼の置き方だが、これも家族ゆえのものなのかもしれない。
「千冬お姉ちゃん。ぼく、ぼくね、一夏お兄ちゃんと話ができたんだ」
「一夏と?」
「うん。それでね、一夏お兄ちゃんと決めたんだ。千冬お姉ちゃんや箒お姉ちゃん。セシリアお姉ちゃんや鈴お姉ちゃんやクラスのみんなや他の人達も一緒に守るって」
満面の笑みを浮かべて言ういちか君。
「ああ…お前たちなら守れるさ。守りたいと望んだ人達すべてをな…」
いちか君の頭を撫でながら言う千冬。何かこの作品で初めて姉という風格を出したような気がする。
「しかし、いちか。お前はまだISスーツのままだ。仕方がないから私が着替えさせてやる」
何が仕方がないのでしょう?
「ち、千冬お姉ちゃん…」
「な、何だ?」
「何で手をワキワキさせてるの?」
「き、気にするな」
「ち、千冬お姉ちゃん…」
「な、何だ?」
「は、鼻息が荒いよ?」
「き、気にするな」
「ち、千冬お姉ちゃん…」
「な、何だ?」
「目が怖いよ」
「き、気にするな…」
幼児に不謹慎なことをする変質者にしか見えませんよ千冬さん。と、千冬の魔の手がいちか君に触れようとした時。
「いちか、傷の具合はどうだ」
「いちか君。セシリア・オルコットがお見舞いにきましたよ~」
「いちか。来たわよ」
三人のヒロインが来た。
「って、織斑先生!何をしているんですか!」
箒が詰め寄って千冬に質問する。
「ん?ただ、いちかを着替えさせようとしていただけだが」
「信じられません。部屋の空気が澱んでます!」
鈴はそう言いながら保健室の窓を開けた。
「ほう…言うじゃないか」
「織斑先生は教師という立場なのですから、あまり一人の生徒にかまうのはよろしくないと思います。いちか君と一夏さんのことはわたくしにお任せください」
ほほほと笑いながら言うセシリア。
「寝言は寝て言え。この際だから、はっきり言っておく。いちかも一夏もお前等には任せられん。私一人で十分だ」
「「「横暴です!」」」
ギャーギャーと騒ぐ四人。そんな中いちか君は…
「部屋に帰って着替えよ~」
四人を置いて部屋に帰っていた。マイペースないちか君だった。
学園の地下五十メートル。そこにはレベル4の権限を持つ関係者しか入れない、隠された空間だった。機能停止したISはすぐさまそこへ運び込まれ解析が開始されていた。
「あのISは無人機…そして登録されていないコア…」
山田先生が解析をしていた。
「それにしても、織斑先生。私一人に解析を押し付けるなんて酷いです…」
苦労が絶えない山田先生だった。
次回は五反田の一族が出ます。腰の痛みが和らげばすぐに更新しますが、何とも言えません。こんな状態ですがこれからもよろしくお願いします。