インフィニット・ストラトス いちか君と一夏のIS学園生活 作:迷い人
可愛い子供の仕草を表現する事にまだ苦戦しているところですが、
この作品を読んでくれる方々が楽しんでもらえるようにがんばります。
では!
いちか君はシャルルと手を繋いで歩いていた。これから行われる授業が二組と合同でIS模擬戦闘を行うので更衣室に向かっていた。
千冬にシャルルの面倒を見るように言われ、意気込むいちか君であった。
「こっちだよ!」
シャルルの手を引っ張るように案内をするいちか君。子供が親の手を引いているような光景だ。
「はい、はい」
シャルルは笑顔で引っ張られていた。
「(得意げな顔で僕の手を引っている姿、なんだか可愛いな。弟がいたらこんな感じなのかな?)」
いちか君の見せてくれる色々な表情や行動を見て温かい気持ちになっているようだ。
そんな二人の様子を見ている女子達は微笑ましく…
「あ、あれは新しいネタに!」
「小さな男の子が、細身の男の子を…」
「鼻血が…」
微笑ましくはなかった。この学園の女子って…
「あっ、僕、自己紹介してなかった」
ふと気がついたようで、いちか君はシャルルの方へ振りかえると。
「これからよろしくお願いします、デュノアお兄ちゃん。織斑いちかです。いちかって呼んでください」
ペコッとお辞儀をするいちか君。
「はは・・・(お兄ちゃんか・・・)」
ちょっと複雑そうな顔をするシャルル。でも、すぐに笑顔になり。
「こちらこそよろしくね、いちか。僕のこともシャルルでいいよ」
「うん、シャルルお兄ちゃん」
シャルルは片膝をついて、いちか君と握手をした。
「きゃああっ!見て見て!」
「あの二人の姿。小さな王子に仕える騎士のような感じだね」
「騎士が仕える小さな王子を部屋に・・・」
いや、もう、どうツッコミを入れようか?
「って、このペースじゃ遅れるよ」
時計を見て慌てるシャルル。そしていちか君を抱きかかえて走り始めた。
「どっちに行けばいいのかな?」
「あっち~」
シャルルに抱きかかえられながら指を指すいちか君。抱きかかえられたのが嬉しいのか笑っている。
「きゃぁぁぁぁ!デュノア君がいちか君を抱っこしている!」
「撮影するのよ!」
「はあ、はあ、細身の男の子が小さな男の子を…」
「どこに連れ込んで・・・」
ここの女子達は学園生活を楽しんでますよね。
シャルルがいちか君の着替えを手伝う事により、何とか授業には間に合った。その際・・・。
「見ちゃった・・・」
赤くなりながら小さな声で言うシャルル。何を見た?
第二グラウンド。
一組と二組の生徒が整列している。
「ずいぶんとゆっくりでしたわね」
いちか君の隣にいたセシリアが声をかけてきた。
「スーツを着るだけで、どうしてこんなに時間がかかるのかしら?」
「ん~どうしてだろ?」
首を傾げるいちか君。
「はっ!もしや、体の調子が悪いのでは?」
「僕、どこも悪くないよ」
「病人はみんなそう言いますわ」
「なに?いちか調子が悪いの?」
後ろにいた鈴も参加してきた。
「これは、しっかりと確認しませんと」
「そうね!」
セシリアと鈴はコショコショと擽るようにいちか君に触れる。
「あははは、セ、セシリア、お、お姉ちゃん、り、鈴お姉ちゃん。くすぐったいよ」
「どの辺りが調子がわるのでしょう?」
「ここかな~」
セシリアと鈴がいちか君にいけない事をしているように見えるのは気のせいか?
「・・・頭の調子が悪い連中なら私の前に二名いる」
「「へ?」」
バシーン
千冬の出席簿アタックが響いた。
「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」
「はい!」
一組と二組の合同実習なので人数はいつもの倍。出てくる返事も妙に気合が入っていた。
「くうっ・・・・。何かというとすぐにポンポンと人の頭を・・・」
「いちかにかまい過ぎて千冬さんに気がつかなかった」
叩かれた場所が痛むのか、セシリアと鈴は涙目になりながら頭を押さえていた。
自業自得ですね。
「今日は戦闘を実演してもらう。ちょうど『欲望』と『活力』が溢れんばかりの十代女子もいることだしな。凰!オルコット!」
「なぜ、わたくしが!」
「専用機持ちはすぐにはじめられるからだ。いいから前に出ろ」
「だからってどうして・・・」
「なんであたしが・・・」
やる気のない二人。
「お前等少しはやる気を出せ。二人にいいところをみせられるぞ。そうすれば・・・(お前等がどんなにがんばっても、いちかと一夏は譲らんがな)」
千冬が小声で告げると、二人はいちか君を見た後。
キラン!
目が光り、ロックオンした。
「ここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!(いちかさんや一夏さんと・・・)」
「まあ、実力の違いを見せるいい機会よね!(ここでライバルに差を広げて、二人と・・・えへへ・・)」
緩んだ顔で、やる気ゲージがマックスになる二人。
「それで、相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」
「ふふん。こっちの台詞。返り討ちよ」
「慌てるな馬鹿ども。対戦相手は・・・」
キィィィィィン・・・・
空気を裂くような音が聞こえる。
「ああああーっ!ど、どいてください~っ!」
「?」
上空から山田先生が飛んで来て。
ドカーン!
いちか君に向かって突撃した。
ここで主人公が死亡・・・ではなかった。
「ふう・・・白式の展開が間に合ったな。これも日頃の訓練の成果だな・・」
山田先生が突撃する前に、『白式』を展開して、山田先生の突撃を受け止めた一夏。
「あ、あの~お、織斑くん・・・」
山田先生に呼ばれ、一夏がそちらを見ると。
「こ、この体勢はちょっと・・・いえ、決して嫌というわけでは。でも私は教師、織斑くんは生徒なので・・・」
一夏は突撃してきた山田先生を真正面から抱きとめて止めた。そのため、今の二人の体勢は一夏が山田先生を抱きしめている状態だ。
「え、え、あ、あの・・・」
鈍感な一夏でも、こういった場面になると女性を意識するようだ。
「///////」
「///////」
互いに顔を赤くして俯く二人。
そして二人はゆっくりと視線を合わせる。
「(山ちゃん。そのまま、ぶちゅっといけぇぇぇぇぇぇ!)」
「(きゃぁぁぁぁ!山ぴー大胆!みんながいる前で!)」
「(教師と生徒の・・・)」
女子生徒達も顔を赤くし、固唾を呑んで見ている。
はぁはぁと言っている者、この光景の刺激が強く倒れている者、手で顔を被っているが指の間で見ている者、様々だ。
二人の心と唇の距離は少しずつ・・・。
「ハッ!」
一夏は身の危険を感じ、即座に動いた。山田先生を抱きしめたままで。
一秒前に一夏の頭があった場所をレーザー光が貫く。
「・・・・・・」
無言のセシリアが銃を構えていた。笑顔だが怒筋を浮かべている。無言なことが迫力を増していた。
ガシーンと何かが組み合わさる音がした。それは鈴が《双天月牙》を連結した音だった。
鈴もセシリア同様に、笑顔だが怒筋を浮かべ無言だった。そして鈴は無言のまま《双天月牙》を投げた。
「おわっ!(俺だけ避けると山田先生が危ない!)」
山田先生を抱きしめたまま、それを避ける一夏。しかし《双天月牙》はその形状からブーメランと同じく返ってくる。一夏がそれを避ようとした時。
「はっ!」
ドンッドンッ!
短く二発、火薬銃の音が響く。弾丸は的確に《双天月牙》の両端を叩き、撃ち落とす。
一夏は《双天月牙》を撃ち落とした射撃手を見る。
それは一夏の腕の中にいる山田先生だった。
山田先生は一夏の脇から手を回し、火薬銃で《双天月牙》を撃ち落とした。一夏が目の前にいて、視界も悪く、そして体勢も悪いはずのなのに《双天月牙》を撃ち落とす技術。さすがはIS学園の教師といったところだろう。
「大丈夫ですか、織斑くん?」
「えっ、あ、はい」
山田先生の技術に驚いている一夏。一夏だけでなくセシリアに鈴、他の女子も唖然としている。
「山田先生。何時までその格好でいる気ですか?」
セシリアや鈴のように怒筋は浮かべてないが、あきらかに不機嫌そうな表情をしている千冬。
「え?・・・///////」
改めて、自分の体勢を見て赤くなる山田先生。先ほどまでは一夏が抱きしめている状態だったが山田先生は銃を撃つため、一夏の脇から手を伸ばしたので今二人の状態は抱きしめあっている。その状態に一夏も気づき。
「「////////」」
また二人とも赤くなる。この展開が続くのだろうか?
「そ、そうですわ!い、いつまで、そ、そんな・・・」
「胸なの?そんなに胸がいいの?大きいのがいいの?」
「破廉恥だぞ一夏。いい加減に離れろ!」
セシリア、鈴、遂には箒まで加わってきた。
そう言われ、ばばっと飛び退くように離れる二人。何か初々しい恋人同士のようだ。
バシーン
「でっ!」
千冬の出席簿アタックが一夏に直撃した。
「何すんだよ、ちふ・・・織斑先生」
「・・・山田先生。準備はいいですか?(私には一度もあんな事をしたことがないのに、何故山田先生には・・・)」
「は、はい!」
一夏の質問を無視して山田先生と話をする千冬。えっ、ひょっとしてやきもち?
「なんだよ・・・しかし、ISを展開しているのに千冬姉の一撃は何でこんなに痛いんだ?未だにわからない」
ぶつぶつと言う一夏。乙女じゃないや女心じゃない姉心がわからない一夏であった。
「さて小娘ども。はじめるぞ」
「え?あの、二対一で?」
「いや、さすがにそれは・・・」
「安心しろ。今のお前たちならすぐ負ける」
負ける、と言われたのが気に障ったのか、セシリアと鈴はその瞳に闘志をたぎらせる。
「手加減はしませんわ」
「さっきのは本気じゃなかったしね!」
「い、行きます!」
三人の戦いの火蓋が切っておとされた。
「「きゅう~」」
二人がかりで戦ったが、結果は山田先生の圧勝だった。
「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。たとえその胸で生徒を誘惑するような教員でも敬意をもって接するように」
「お、織斑先生!」
山田先生は、大慌てで自分の体を抱くように隠す。どうやら千冬は一夏と抱きしめあった事を根に持っているようで。
「専用機持ちはオルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰だな。ではグループになって実習を行なう。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな。では分かれろ」
「あ、あのー織斑先生。織斑くんはどうするんですか?」
女子生徒の一人が一夏がはぶかれていることを質問した。
「お前等の中に織斑を入れると授業が進みそうにないからな。リーダーから外しておいた(これ以上一夏に虫は近づけさせん)」
それが本音ですか。
「「「えっっっっっ!」」」
ブーイングが巻き起こる。
「ほう、そんなに織斑がいいか。なら同じ『織斑』の私が・・・」
「「「いえ、結構です!」」」
女子生徒一同の想いがシンクロした瞬間だった。
「教官。私は教官の指導を!」
「お前はグループリーダーだ。早くしろ」
「・・・了解です」
しゅんとするラウラ。
とまあこんな感じで授業が進んでいった。
「あー、えっと。デュノア?」
「え?」
一夏は授業の合間にシャルルに声をかけた。
「えーと、俺は織斑一夏。って何か変だな。同じ人に二度自己紹介するのは」
ぽりぽりと頬をかく一夏。
「大きくなったいちか?」
「いや、大きくなったというかこっちが本来の姿なんだが」
「あっ、そうだったね」
苦笑するする二人。
「じゃあ、改めて、僕はシャルル・デュノア。シャルルでいいよ」
「ああ、よろしくな。俺も一夏って呼んでくれ」
「うん」
握手する二人。
「これを切っ掛けに二人の距離は・・・・」
「今日は刺激が多い日ね。鼻血を止めるティシュが足りないわ・・・」
「二人を見ていたら、IS学園公認の薄い本のネタに困らないわね・・・」
え、何?IS学園公認の薄い本って・・・
「小さい俺が色々と迷惑をかけるだろうけど頼むな」
「大丈夫だよ。弟が出来たようで嬉しいから」
「そう言ってもらうと助かる」
笑顔になる二人。深まる友情。美しいですな!
「篠ノ之さん。いいですか?」
「はい」
山田先生が箒に話しかける。
「急遽、篠ノ之さんのお引っ越しが決まりました」
「はい?」
急な山田先生の発言で混乱する箒。
「篠ノ之さんが織斑くんと幼なじみということで小さい織斑くんの事を任せていましたけど、男性のデュノアくんがこの学園に来たということで、小さい織斑くんのことはデュノアくんに任せようと学園側で決まりました。織斑くんとデュノアくんが同じ部屋になります」
「急にそんな・・・」
慌てる箒。そうだろう。箒は他のライバルより大きなアドバンテージ『いちか君と一夏と同じ部屋』を持っている。そのアドバンテージがなくなるのだから。
「いくら織斑くんが小さい姿といっても記憶が反映されるわけですから、いつまでも年頃の男女が同室で生活をするというのは問題がありますし、篠ノ之さんもくつろげないでしょう?」
「その辺りは別に問題はありませんが・・・」
えっ、そうなの?毎晩、いちか君の寝顔を見て、はあはあ言っているのは問題ではないの?
「そんな事はありませんわ。年頃の男女が同じ部屋なんて!」
「そうよね。そんな事、あっちゃいけないわね!」
二人の話を聞いていたのかセシリアと鈴が話に加わってきた。
「これは私といちかと一夏の問題だ。二人には関係が・・・」
「ではすぐにでも引っ越しをしませんと。ええ、可及的速やかに」
「そうね。あたしも手伝うわ。友達のためだもの」
思惑が露骨にわかる二人だ。セシリアと鈴は箒を抱えると、寮に向かった。
「今は授業中だから放課後でいんですよ~」
山田先生が叫ぶが聞こえてないのか、そのまま校舎に消える三人だった。
授業が終わり一夏からいちか君になっていた。そして・・・
「すぅ・・・すぅ・・・」
自分より年上、兄のような存在が出来た事が嬉しかったのか、はしゃぎ過ぎて疲れたのかいちか君は寝ていた。まだ午前中なのに寝てしまうなんて、よほど嬉しかったのだろうか?
「はぁ~」
そんないちか君を抱っこしながら更衣室に向かうシャルル。顔が緩んで見えるのは気のせいか?
「(何だろう。この小動物を彷彿させる抱擁感は・・・。それにいちかの寝顔を見ていたら・・・)」
見ていたらどうなんですかシャルル君?
いちか君の魅力にやられつつあるシャルルだった。
次回はシャルルの正体がわかる辺りまで行きたいと思ってます。
その間でいちか君とシャルルの仲も深まっていくかな?
山田先生との展開はどうかなと思いましたが、個人的に出したかったので
書いてみました。どうだったでしょうか?
次回もお馬鹿な展開を考えていますのでよろしくお願いします。