インフィニット・ストラトス  いちか君と一夏のIS学園生活    作:迷い人

9 / 22
バトルが中心だとおバカな話が書けない。今回は少しマジメなお話しということで…。こんな作品ですが、読んでくれる方々。ありがとうございます。では今回もよろしくお願いします。


きゅうわめ~

クラス対抗戦、第一試合。一夏対鈴。試合開始のブザーが鳴り一夏の初撃を防いだ鈴。そしてそのまま二人の近接格闘戦が始まった。

 

ギィン!ギィン!

 

互いの武器のぶつかり合う音が響く。

 

「くっ・・・(一夏の動きと一撃、速い!)」

 

連続で斬撃を繰り出す一夏。鈴に攻撃をさせずにいる。鈴は防戦一方だ。近接格闘戦、そして速さでは一夏に分があるようだ。

 

 

 

「一夏さん、その調子ですわ!」

 

一夏の優勢を見て喜ぶセシリア。

 

「ふん、私達が鍛えたんだ。当然の結果だな(この様子なら賭けは私の勝ちだな)」

 

内心、ホッとする箒。

 

「・・・・・(このシーンを一夏の成長の記録として収めておくか)」

 

モニターを見ながら腕を組み思う千冬。

 

「本当に織斑くん凄いですね。中国代表候補生の凰さんを相手に優位にたっている」

 

純粋に一夏の力量に驚く山田先生。

 

「「「「おおっ!」」」」

 

さらに攻める一夏に驚く四人だった。

 

 

 

「(まずいわね。距離を取ってから…)」

 

一夏から距離を取る鈴。

 

「距離は取らせない!」

 

鈴が距離を取るので、距離を取らせまいと追う一夏。

 

「かかったわね!」

 

鈴がそう言うとぱかっと鈴の肩のアーマーがスライドして開き中心の球体が光る。

 

「はっ!」

 

一夏は咄嗟に横に避けた。避けた一夏の横を見えない衝撃が走った。

 

「やるじゃない。さっきのをかわすなんて(あれをかわすなんて…)」

 

「特訓のおかげかな?」

 

苦笑する一夏。

 

「でも今のはジャブだからね」

 

そう言うと、鈴の肩のアーマー中心の球体が光る。

 

「っと!」

 

鈴の攻撃をかわす一夏。先ほどの様には攻め込めれないようだ。

 

 

 

「なんだあれは?」

 

鈴の攻撃を見て箒がつぶやく。

 

「『衝撃砲』ですわね。空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰で生じる衝撃それを自体を砲撃化して撃ちだす。わたくしのブルー・ティアーズと同じ第三世代型兵器ですわね」

 

箒のつぶやきに答えるセシリア。

 

「一夏・・・・」

 

箒は賭けの勝利よりただ一夏の無事を願っていた。

 

 

 

「よくかわすじゃない。《龍胞》は砲身も砲弾も目に見えないのが特徴なのに(まさか、一発も当たらないなんて…)」

 

その通りだった。砲弾も砲身も目に見えず、しかも砲身斜角がほぼ制限なしで撃てるようだ。真上真下はもちろん、真後ろまで展開して撃てるようだ。そして鈴は、近接戦闘を避けるため《龍咆》を連続して撃っている。

 

「これくらいの事ができないと、あの特訓では生き残れなかったよ…」

 

どこか遠いところを見るような表情をする一夏。

 

「な、何があったのよ?」

 

「厳しい特訓…」

 

「そ、そう…」

 

一夏の表情を見て詳しく聞くのを止める鈴。一夏って強いはずなのにこんな表情するなんて、どんな特訓だったでしょうね?

 

「(さて…見えないってのはやっかいだな。距離を詰めにくい。それにこのまま鈴の攻撃をかわしてるばかりじゃな。こちらから先手を打たないとな)」

 

右手の《雪片弐型》を握りしめ、千冬との特訓を思い出す。

 

 

 

「『バリアー無効化攻撃』?」

 

一夏が聞き返すと、千冬は小さく頷く。放課後の特訓で箒とセシリアが一夏を独占しているためか、嫉妬心から千冬も一夏の特訓に加わったようだ。ただ、二人の姿が見えないのは何故?

 

「《雪片》の特殊能力がそれだ。相手のバリアー残量に関係なく、それを切り裂いて本体に直接ダメージを与える事ができる。そうすると、どうなる?織斑(ふふ…やっと一夏と二人きりなった。篠ノ之やオルコットを筆頭に邪魔者が多くて面倒だったがすべて黙らせた。仕事は山田先生に全て押し付けた。後は一夏との二人きりの時間を楽しむだけだ)」

 

いや、千冬さん。あなたは何をしているのですか?箒たちは大丈夫なんだろうか…

 

「ISの『絶対防御』が発動して、大幅にシールドエネルギーを削ぐ事ができる…かな」

 

「その通りだ。私がかって世界一の座にいたのも、《雪片》のその特殊能力によるところが大きい(さあ、手取り足とり、色々と教えてやろう。色々と…)」

 

邪まな考えをする千冬。一夏は大丈夫だろうか…。それと千冬がさらりと言ったが世界一の座にいたというのは、三年に一度行われるISの世界大会『モンド・グロッソ』、その第一回大会において優勝したのが、何を隠そう千冬なのだ。いつも、いちか君や一夏に変な事を考えている人だが実は凄い人だったのだ。

 

「ってことは、その一撃が当たればどんな相手でも俺が勝つ?」

 

「当たればな。ただし注意しなければならない事がある(さて、最初は何から…)」

 

「注意する事?」

 

「《雪片》の特殊攻撃を行うには大量のエネルギーが必要になる(あれから行くべきか?いや、楽しみは後に…)」

 

「あーなるほど。つまり、自分のシールドエネルギーを攻撃に転化するということか」

 

千冬は頷く。というか千冬さん、あなたは説明をしながら何を考えているのですか?

 

「つまり、欠陥機だ(しかし、小さい一夏にも…)」

 

「け、欠陥機?」

 

「言い方が悪かったな。ISはそもそも完成していないのだから欠陥も何もない。ただ、他の機体よりちょっと攻撃特化になっているだけだ。おおかた、拡張領域も埋まっているだろう(これは悩みど頃だな…)」

 

頷く一夏。

 

「本来拡張領域用に空いているはずの処理をすべて使って《雪片》を振るっているんだ。その威力は全IS中でもトップクラスだ(くっ、どれも魅力的で決まらない。私とあろうものが!)」

 

「(そういえば、千冬姉のISも《雪片》しか装備してなかったな…)」

 

「大体、お前のような素人が射撃戦闘ができるものか。様々な知識が必要だぞ。できるのか?(決断の時だな…)」

 

「はは・・・」

 

苦笑するしかない一夏。

 

「一つのことを極める方が、お前は向いているさ。なにせ・・・私の弟だ(そう、私の可愛い、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い弟だからな。絶対に誰にもやらんぞ!)」

 

一夏はそれからの特訓をすべて近接戦闘と基礎移動技能に費やした。普通に考えれば一夏が鈴と互角以上に戦える筈はないのだが、元より高い戦闘力を有していた一夏。今回の特訓により、その普通を超えたようだ。補足だが千冬との特訓の後、一夏がどうなったかは定かではない…

 

 

 

「(みんなとの特訓のおかげで実力はついた。後は負けない強い意志!)」

 

一夏は深呼吸をした。そして…

 

「鈴」

 

「なによ?」

 

「本気で行くからな」

 

「な、なによ…そんなこと、当り前じゃない。とっ、とにかくっ、格の違いってのを見せてあげるわよ!(試合中にそんな表情するなんて、ズルイわ!)」

 

頬を赤くしながらも鈴は両刀青龍刀を一回転させて構えなおす。

 

「(狙いは鈴が衝撃砲を撃つ前だ。撃つ前に一気に距離を詰めて俺の一撃を決める)」

 

一夏が構えを取ろうとした時。

 

ズドオオオオオオンッ!

 

「‼」

 

突然大きな衝撃がアリーナ全体に走った。そしてステージ中央からはもくもくと煙が上がっている。どうやらさっきの衝撃は『それ』がアリーナの遮断シールドを貫通して入ってきた衝撃波のようだ。

 

「何が起こって…」

 

状況がわからない一夏に、鈴からプライベート・チャンネルが飛んできた。

 

『一夏、試合は中止よ!すぐにピットに戻って!』

 

鈴がそう言った時、白式のハイパーセンサーが緊急通告を一夏に行った。

 

゛ステージ中央に熱源。所属不明のISと断定。ロックされています゛

 

「ってことは…」

 

一夏はアリーナの中央を見ながら。

 

「アリーナの遮断シールドを貫通するだけの攻撃力を持った機体が乱入して、そして俺をロックしていると…」

 

『一夏、早く!』

 

「お前はどうするんだよ?」

 

『あたしが時間を稼ぐから、その間に逃げなさいよ!』

 

「逃げるって。鈴を置いて逃げるなんてできるか!」

 

『馬鹿!アンタの方が弱いんだからしょうがないでしょう!』

 

「俺、鈴の攻撃…一発も当たってないけど」

 

『う、うるさいわね!逃げるのだけが上手くても意味がないのよ!』

 

痛い所をつかれ叫ぶ鈴。

 

『別に、あたしも最後までやり合うつもりはないわよ。こんな異常事態、すぐに学園の先生達がやってきて…』

 

「あぶない!」

 

間一髪、鈴の体を抱きかかえてさらう。その直後さっきまでいた空間が熱戦で砲撃された。

 

「ビーム兵器か。しかもセシリアのISより出力は上か」

 

ハイパーセンサーの簡易解析でその熱量を知る一夏。

 

「・・・・・・・・・」

 

「どうした鈴?急に静かになって」

 

一夏に抱きかかえられているためか鈴はしおらしくなっている。

 

「鈴、腕を離すぞ」

 

「あ…」

 

抱きかかえるのやめ、謎のISを見る一夏。鈴は名残惜しそうにしているが。

 

「なんだ、こいつ…」

 

姿からして異様だった。深い灰色をしたそのISは手が異常に長く、つま先よりも下まで伸びている。しかも首というものがない。肩と頭が一体化しているような形をしている。何より特異なのが、その『全身装甲』だった。通常、ISは部分的にしか装甲を形成しない。なぜなら、必要がないからだ。防御はほとんどがシールドエネルギーによって行われている。だから、見た目の装甲というのはあまり意味を成さない。物理シールドを搭載しているISもあるがそれにしたって肌が一ミリも露出していないISというのはない。そしてその巨体も、普通のISではないことを物語っている。腕を入れると二メートルを超える巨体。姿勢を維持するためか全身にスラスター口が見て取れる。頭部には剥き出しのセンサーレンズが不規則に並び、腕には先ほどのビーム砲口が左右合計四つあるようだ。

 

「お前、何者だよ?」

 

「・・・・・・」

 

謎の乱入者は応えない。呼ばれたら返事はしましょう。

 

『織斑くん!凰さん!今すぐアリーナから脱出してください。すぐに先生達がISで制圧に行きます!』

 

山田先生からの回線だ。

 

「いや、先生達が来るまで俺が食い止めます。あのISは遮断シールドを突破してきました。といことは今ここで誰かが相手をしないと観客席に人達に被害が及ぶ可能性があります。鈴、お前は脱出しろ」

 

「誰に言ってるのよ。あんたが脱出しなさいよ」

 

『織斑くん!だ、ダメですよ!生徒さんにもしものことがあったら…』

 

山田先生の言葉は最後まで聞けなかった。謎のISが体を傾けて突進してきた。二人はそれを避けた。

 

「向こうは、やる気満々みたいね」

 

「だな」

 

一夏と鈴は横並びになってそれぞれの獲物を構える。

 

「仕方がないか。鈴、一緒に行くぞ」

 

「一夏。足を引っ張らないでよ」

 

一夏と鈴の即席コンビネーションで飛び出した。

 

 

 

「もしもし!織斑くん聞いてます!凰さんも!聞いてます!」

 

ISのプライベートチャンネルは声を出す必要はないのだが、山田先生はそんな事を失念するほど焦っていた。

 

「本人達がやると言っているんだ。やらせてみてもいいだろう(ああ、あああ、ああああ、一夏が!一夏がぁぁ!)」

 

言っている事と思っている事が真逆の千冬。

 

「お、お、お、織斑先生!何をのん気な事を言ってるんですか!」

 

「落ち着け。コーヒーでも飲め。糖分が足りないからイライラするんだ(そ、そ、そ、そうだ。餅つけ。餅つくんだ!)」

 

いや、落ち着けでしょ?千冬さん。口では言えてるのに心では言えないのですか。

 

「あの、先生。砂糖がコーヒーの中に入ってませんよ…」

 

千冬の手が異常にプルプル震えているためか、コーヒーに入れる前に砂糖がスプーンからこぼれていた。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

妙な沈黙…

 

「ブラックが好きなので…」

 

そう言ってコーヒーを飲む千冬。糖分は?

 

「先生!わたくしにIS使用許可を!すぐに出撃でますわ!」

 

「そうしたいところだが、これを見ろ(私だってすぐに出撃したい!)」

 

ブック型端末の画面を数回叩き、表示される情報を切り替える。その数値は第二アリーナのステータスチェックだった。

 

「遮断シールドがレベル4に設定?しかも、扉がすべてロックされて…あのISの仕業ですの!」

 

「そのようだ。これでは避難することも救援に向かうこともできないな(私の拳でドアをブチ破ってみるか?)」

 

それは無理…千冬ならできるかな?

 

「で、でしたら!緊急事態として政府に助勢を!」

 

「やっている。現在も三年の精鋭がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに部隊を突入させる(もうすぐにでも!)」

 

「はぁぁ…。結局、待っている事しかできないのですね」

 

「何、どちらにしてもお前は突入部隊に入れないから安心しろ(私が行くからな)」

 

「な、なんですって!」

 

「お前のISの装備は一対多向きだ。多対一ではむしろ邪魔になる(一夏を助けるのは私だからな…)」

 

千冬ってもう何というか…

 

「そんなことありませんわ!このわたくしが邪魔だなどと!」

 

「では連携訓練はしたか?その時のお前の役割は?ビットをどういう風に使う?味方の構成は?敵はどのレベルで想定している?連携稼動…」

 

「わ、わかりました!もう結構です!」

 

「ふん。わかればいい(見せ場は譲らん…)」

 

セシリアの心配はしていないのですね。

 

「はぁ…。言い返せない自分が悔しいですわ…(ここで一夏さんと力を合わせて謎のIS使いを倒すというわたくしのシナリオが…)」

 

千冬と似たようなことを考えるセシリアさんであった。それからふと、あることに気がつく。

 

「あら?篠ノ之さんはどこへ?」

 

きょろきょろと周囲を見回すセシリアとは対照的に、千冬だけはさっきまでとは違う異様に鋭い視線をしていた。

 

 

 

「くっ!」

 

一夏は謎のIS使いと激しい近接戦闘を高速移動をしながら行っていた。

 

「コイツ…強い…」

 

凄まじい斬撃の応酬だった。一夏が攻撃すれば謎のIS使いが防ぎ反撃する。謎のIS使いが攻撃すれば一夏が防ぎ反撃する。まるで達人同士の戦いのようだ。鈴は二人の速さについて行けず見ているだけだった。

 

「(こいつ、速い!くそ、負けるか!)」

 

必死にくらいつく一夏。

 

「凄い一夏。ISを動かして日が浅いはずなのにここまで…」

 

純粋に一夏の技量に驚く鈴。先ほど戦って一夏の力量を知ったつもりだがそれ以上だった。

 

「それにしても、あいつ。一夏ばかり狙ってあたしは無視?」

 

そう、何故か謎のIS使いは鈴を狙わず一夏を狙っていた。

 

「ふふふ…いい度胸じゃない。このあたし。中国代表候補生、凰鈴音を無視するなんてね!」

 

鈴はハイパーセンサーを使い二人の動きの予測をする。そして!

 

「そこぉ!」

 

衝撃砲を撃つ鈴。鈴の撃った衝撃砲をかわす謎のIS使い。

 

「今だ!」

 

謎のIS使いの隙を狙い斬撃を繰り出す一夏。しかし…

 

「なっ…蹴り?」

 

一夏の斬撃を膝から爪先間に設置されたビームブレイドで防ぐ謎のIS使い。

 

「何よ…あれ…」

 

一夏は普通ならかわせるはずのない速度と角度で攻撃している。けれど、謎のIS使いは全身に付けたスラスターの出力が尋常ではない。零距離から脱出するのに一秒とかからないうえに先ほどの様な装備で一夏の斬撃を防いでくる。

 

「一夏っ!離脱!」

 

「ああ!」

 

敵は攻撃を防いだ後、反撃に転じてきた。しかもその方法が無茶苦茶だ。でたらめに長い腕をぶんぶんと振り回して接近してきた。まるでコマだ。しかも回転状態からビーム砲撃まで行ってくる。こんな攻撃をおこないながらも一夏との接近戦では繊細な戦いをしてくる。

 

「ああもうっ、めんどくさいわねコイツ!」

 

鈴が焦れたように衝撃砲を撃つ。しかし敵の腕はその見えない衝撃を叩き落とす。

 

「鈴。あとエネルギーはどのくらい残ってる?」

 

「180ってところね。でもこれは攻撃分を考えないエネルギーね」

 

「わかった。俺の方がエネルギーはあるがこの状況を変えるとなると…」

 

「ちょっと、厳しいわね。現在の火力でアイツのシールドを突破して機能停止させるのは確率的に一桁台ってとこじゃない?」

 

「確かに厳しいな。でも…」

 

「でも?」

 

「鈴と二人なら何とか出来るさ」

 

「えっ、あっ、うん…」

 

また赤くなる鈴。

 

「・・・・・なあ、鈴。アイツ、変じゃないか?」

 

「変って何が?」

 

「なんつーか・・・機械じみてるような」

 

「何言ってるのよ。ISは機械よ」

 

「そう言うのじゃなくて、あれって本当に人が乗ってるのか?」

 

「ISは人が乗らなきゃ…うご…」

 

そこまで言って鈴の言葉が止まる。

 

「そういえばアレ、さっきからあたし達が会話してるときってあんまり攻撃してこないわね。まるで興味があるみたいに聞いているような…」

 

思い返すように鈴が今までの戦闘を振り返る。

 

「ううん。でも無人機なんてありえない。ISは人が乗らないと絶対に動かない。そういものだもの」

 

「ああ…でもな、仮に、仮にだ。無人機だったらどうだ?」

 

「なに?無人機なら勝てるっていうの?」

 

「ああ。人が乗ってないなら容赦なく全力で攻撃しても大丈夫だしな」

 

「全力もなにもその攻撃じたい当たってないじゃない」

 

「まだ、全力の一撃はだしてない。次の攻撃で繰り出して当てる」

 

「言い切ったわね。じゃあ、そんなこと絶対にあり得ないけど、あれが無人機だと仮定して攻めましょうか」

 

不敵に笑う鈴。

 

「一夏」

 

「ん?」

 

「どうしたらいい?」

 

「俺が合図したら衝撃砲を撃ってくれ」

 

「いいけど、当たらないわよ?」

 

「いいんだ。牽制になれば」

 

「わかったわ。それじゃ…」

 

二人が構えを取ろうとした時。

 

「一夏ぁっ!」

 

キーンと声が響く。中継室の方を見ると声の主がいた。箒だった。

 

「な、なにしてるんだ、箒!」

 

「男なら・・・男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」

 

キーンと箒の声がハウリングする。

 

「・・・・・」

 

気がつくと謎のIS使いは館内放送、その発信者に興味を持ったようだ。一夏たちからセンサーレンズをそらし、じっと箒を見ている。

 

「箒、逃げろ!」

 

一夏がそう言うと、謎のIS使いは一夏と箒を二人を見た後、何故か箒に向けてビーム砲口を向けた。

 

「な、何で箒を!」

 

一夏は『瞬時加速』を使って箒の元に向かった。そして謎のIS使いは一夏が動いた後、ビームを撃った。

 

「間に合った!」

 

「一夏!」

 

一夏は《雪片》を盾にするように構え、謎のIS使いのビームを防いだ。

 

「くっ・・・そっ、がぁぁ・・・」

 

ドゴォォォォォォ!

 

何とかビームを防いだ一夏だが、威力が凄まじかったため吹き飛ばされそのまま落下した。

 

「つぅぅ…くっ…」

 

意識が朦朧としているのか焦点が定まってないようだ。そして白式からのアラートが絶え間なく響いていた。

 

「えっ…あ…そうだ。箒は!箒は無事か?」

 

中継室の方を見ると箒がいた。何か叫んでいるようだが今の一夏にはわからなかった。

 

「やば・・・意識が・・・まあ、いっか。箒は守れたし、時間も十分に稼いだ。後は・・」

 

意識を手放そうとする一夏。

 

「・・・兄ちゃ・・・」

 

誰かの声が一夏に聞こえた。

 

「だ・・れ・・だ?」

 

「い・・いち・・兄ちゃん」

 

「・・・えっ?」

 

「一夏お兄ちゃん!」

 

「えっ、俺?」

 

一夏の前にいちか君が立っていた。

 

「はは…小さい俺が見えるなんて、いよいよ…」

 

「一夏お兄ちゃん。どうしたの?早く立ちあがって。アイツをやっつけて、みんなを守らないと!」

 

「それは無理だ。アイツは強い。俺じゃ無理…」

 

「そんなことないよ!一夏お兄ちゃんは強いよ!僕、知ってるよ!」

 

「何を根拠に…俺は弱い…だから、千冬姉にも迷惑を…」

 

「一夏お兄ちゃんが弱いなんてウソだよ」

 

真っ直ぐ一夏を見ながら言ういちか君。

 

「でも…今、ほんの少しだけ力が足りないのなら…」

 

いちか君は笑顔で一夏に手を差し出した。

 

「僕も一緒に戦うよ」

 

「えっ・・・」

 

いちか君の言葉に驚く一夏。

 

「何を言って…」

 

「さあ!」

 

「・・・・・ああ。今、少しだけ力が足りない、力を貸してくれ。いちか!」

 

そう言っていちか君の手を取る一夏。

 

「うん!」

 

笑顔で応えるいちか君。そして一夏といちか君は不思議な感覚に包まれるのだった・・・

 

 




小説を書くことの難しさを改めて実感しています。バトルは表現が難しい。いや、それ以外も難しいですけどね…。とにかくこのまま書き続けていきますのでよろしくお願いします。そして近いうちにBLの弾を出します。コイツは出る話はおバカな話なので書きやすいです。では次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。