魔進チェイサー THE STORY   作:ちょいワルドラゴン

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新作が遊戯王と思った方すいませんねえ。

今度は仮面ライダーです。


破壊神《イレギュラー》編
第1話 笑顔の世界


『俺は死神だがコアは破壊しない。』

『道を踏み外したロイミュードにやり直すチャンスを与える。』

 

 

 

ハートは言った。

 

 

道を踏み外せば手を差し伸べる。

信じた道を行くのであれば黙って見送ってやる。

それが友だと。

 

 

俺には記憶という記憶がない。

気付いた時にはハート達がいた。

 

 

道を踏み外したロイミュード(友達)をやり直させる、それが死神だと言った。

俺は死神として沢山の友を救った。

 

 

仮面ライダードライブ。

友を殺す悪魔。

そう彼らは言った。

 

俺は奴と戦ううちに自分も仮面ライダーだと知った。

 

ドライブの基礎となった仮面ライダー、『プロトドライブ』、それが俺だ。

 

俺も仮面ライダーだと信じられない。

信じたくなかった。

 

だがもう一人の仮面ライダー、マッハとの戦いで確信した。

奴のバイクと俺のバイクは合体し新たな力となる。

 

俺も仮面ライダーだった。

 

途中メディックにどこかをいじられ記憶が曖昧だった頃もある。

 

わかったことはあの時ドライブに救われた事だけだ。

 

そして俺は執拗に俺につきまとう人間の女、霧子によって再び仮面ライダーとして戦うことになった。

 

可笑しな話だ……。

だが悪くはない。

 

 

ハートを裏切ったことを除けば………。

 

 

 

 

男はマンションの一室で目を覚ました。

目を開いた時一瞬そこが何処だか皆目見当はつかない。

黒を基調とした家具が部屋の隅々に置かれている。部屋には机と椅子、小さなテーブル、本棚、そしてパソコンが置かれていた。

ベッドから起き上がるとまっすぐ鏡の前に向かう。

映ったのはなんの変哲もない自分の人間態、チェイスの姿だ。

紫のマフラー、紫のジャケット、ズボン、

いつもと変わらない格好だった。

窓に向かってカーテンを開けると空には吸い込まれそうな程の青空が広がっていた。

一つ違うことは全く知らない街ということだけ。

見たことのないマンションの最上階の一室、そこから見渡す街は今までのあの場所ではない。

底知れぬ不安により無意識のうちにジャケットの中に手を突っ込む。

そして気づく。

アレがないことに。

 

「ブレイクガンナー……、ブレイクガンナーが無い。」

 

ブレイクガンナーとはチェイスが死神(魔進チェイサー)の装甲を装備する際に必要なロイミュードの銃である。

いつも懐に持っているはずのそれがなくなっていることに焦り出す青年。

狂ったように部屋の隅々をかき回し始める。

布団の裏から机の引き出し、本棚から机の下まで探しまわる。だが探し物は何処にもなかった。

そして最後にクローゼットを開けるとそこにはカバンと制服がかけてあった。

制服にはビニールがかかっておりクリーニング済みと印刷されていた。

バックの中には教科書やノート、筆記用具があり横の小さい収納スペースに学生証が入っていた。

 

「俺の学生証……?

『私立 星見学園高等部……チェイス』。

ここでも俺はチェイスなのか……。」

 

チェイスは部屋を出る。

そして廊下を歩いて行くと大きなリビングに出た。

ソファ、テーブルに大きなテレビ。

キッチンとつながっているらしく料理台の前には簡単なカウンターテーブルがあった。

そして部屋の奥には大きな窓がありそこを開けるとテラスがあった。

目の前には青々と海が広がっていた。

再びリビングに入ると何か違和感を感じた。

冷蔵庫の横のデジタル時計に

『4/2 PM2:13』と表示されていた。

これだけ見れば違和感は無い。

だが西暦が表示されていないのだ。

 

「西暦が無い……。

暦がないのか?

それとも………。」

 

可能な限り自分の中で考えを試みようとはしたが結局納得のいく解釈は出なかった。考えるのをやめて彼は玄関へと向かった。

玄関の靴箱の上には部屋の鍵がなかった。

否、部屋の扉には鍵すら付いていなかった。

何か不気味さを感じつつも外にへと足を踏み出す。

エレベーターで地下一階の共同駐車場に行く。

ブレイクガンナーが無い時点で嫌な予感はしていたがそれは現実のものとなった。

何処にもライドチェイサーがなかった。

 

「この世界……一体何なんだ……。」

 

チェイスはそのまま徒歩で街に向かった。

街の様子には特に不自然に思う節は見当たらないように感じられた。人々は行き交うものに挨拶をし笑顔を振りまく。

一見すれば平和とも言える光景。

しかし、なにか……何かが違う……。

何故……何故全員が全員笑顔なのだ……。

 

おかしい。

 

これだけの人数の人間がいれば泣くもの怒るものがいても自然なはずだ。何故満面の笑みなのだ……。

 

おかしい、普段であれば真顔で歩く。

そんな光景なのに今ここにいる連中は満面の笑みですれ違う者全員に挨拶を繰り返す。

不気味だ……不気味すぎる……。

チェイスは途端に気持ちが悪くなった。

頭の中がぐるぐると回りだし今にも倒れそうになる。

耐えきれなくなり大通りの横にある細い裏道に逃げ込んだ。仰向けで倒れこみ大きく深呼吸をする。

 

5分ほど目を閉じた後ゆっくりと立ち上がった。

 

不気味な世界に不気味な人間達、

この世界がなんなのか?

彼にはわからなかった。

 

 

日が傾き始めたころチェイスは人通りが少なくなりだした商店街を歩いていた。買い物帰りで少し大きな荷物を抱えた者が歩いている。

八百屋の前を通りかかろうとした際前方から歩いてくる少年に目が向いた。

金髪の髪を肩まで伸ばし服をだらしなく着崩す姿が見えた。

 

「さあさあ安いよ安いよ!!

青森県産の絶品りんごなんとたったの48円。」

「もっと安くしてやるよ!!」

 

すると少年は店員の顔に何かのスプレーを吹きかける。

店員は眼の痛みで体勢を崩しその場に倒れこんだ。その姿を見て少年は腹を抱えて笑いだすと一言二言罵倒の言葉を浴びせた後りんごを3個ほど持って歩き出す。

 

「不良だ!!

捕まえてくれ!!」

 

その姿を見たチェイスが少年を捕まえようと歩き出した時何かが起こった。

チェイスの身体の動きが極端に鈍くなったのだ。

 

「これは……重加速!?」

 

いや、重加速ではない。数秒後チェイスの体は自由を取り戻し通常の速さで動けるようになった。

しかし、動けるのは彼だけであり周りの人間の動きは全て止まっていた。

 

「何が起こっている……。

何だあいつらは。」

 

目の前にいた不良少年の前に謎の怪人が2体現れた。

そこにいた怪人はロイミュードではない。

黒い怪人と白い怪人。

見たことのない二人組が少年の顔を抑えると黒いほうが少年の胸に手を突っ込んだ。

するとそこから心臓が取り出される。

心臓が抜かれると残った体はガラスのように割れて消えて無くなった。

今度は取り出された心臓を白い怪人が手に取りそこに数粒種のようなものを植え付けるとそこから植物が生え同じ少年の体が形成される。

だが再び現れた少年は黒く短い髪にしっかりと着こなされた制服を着た先ほどとは真逆の少年であった。しばらくすると時間が巻き戻され再び人々が歩き出す。

 

「さあさあ安いよ安いよ!!

青森県産の絶品りんごなんとたったの48円。」

「こんにちは、りんごひとつください。」

「毎度あり!!」

「なんだと!?

…………一体何が…!?」

 

消された人間、そして真人間に造り直された人物。

 

「着いておいで。」

 

声が聞こえた。

周りをキョロキョロと見渡すとすぐ後ろに白いワンピースを着た少女が立っていた。

チェイスが手を伸ばすと少女は目にも留まらぬ速さで消え去る。だが彼女の去った方向に白い薔薇が道しるべのように落ちていた。

それを一つ一つ拾っていくチェイス。

 

 

気がつくとそこは公園の噴水前だった。

噴水の周りを見渡すと再び彼の横にその少女は立っていた。

 

「ごきげんよう、死神さん。」

「お前、何者だ?」

「あなたの知っている言葉で表すなら

 

 

 

 

 

 

神です。」

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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