断裁分離のクライムエッジ 最悪の血を継ぐ者と最凶の血を継ぐ者 作:フィル
むかしむかしあるところに魔女に呪われた女王さまがいました。
呪いで髪の毛が切れなくなった女王さまは気が狂ってしまいました。
魔女は女王を呪い、女王は魔女を憎んだ。
魔女の呪いと女王の憎しみは己の子孫までに影響した。
女王の子孫は決して切ることができない髪の毛を持って生まれ。
殺人鬼に呪いをかけて、殺人鬼が殺しに愛用した道具に呪いを残した。
魔女と女王と殺人鬼の子孫はいつしか殺し合いのゲームを始めた。
女王を殺すゲーム。
魔女の子孫はゲームを主催し、殺人鬼の子孫は女王を殺し、女王の子孫は殺される。
女王を殺した殺人鬼はどんな願いをも叶えられる権利を持つ。
世界の理をも殺せるようになる。
中世の時代から現代まで連綿と続く残酷なゲーム。
人を殺すことに罪悪感などない。
我は最凶の血を継ぐ者。
人を殺し、人を終わらせる。
そうやって我ら一族は生きてきた。
穢れた血統。
その血統はいつしか呪いの域まで達し、力を得てしまった。
人は言う。
なんて穢れた一族なんだ。
なんて残酷な一族なんだ。
なんて非道な一族なんだ。
一族に恐怖し、絶望し、忌避し、逃亡する。
されど我らは言う。
なんて優しい一族なんだ。
なんて善良な一族なんだ。
なんて罪深い一族なんだ。
我らがいるからこそ人の世は回っている。
我らがいるからこそ人は平穏に生きていられる。
我らがいるからこそ悪人は死を与えられている。
ならば戦おう。ならば殺そう。ならば生きよう。
悪を殺すために悪を為せ。
殺人鬼を殺すために殺人鬼と為れ。
必要悪としての我ら一族。
世界から必要とされている限り、
世界から認められている限り、
人の世で生きていこう。
人の世で悪を為そう。
我ら一族はそのために生きている。
残酷なゲームが始まる。
けれどそれは少しだけ違うゲームだ。
いままでの一方的な殺しのゲームとは違う。
競い合う意味での殺人鬼たちの殺し合いとも違う。
観客たちは楽しむ。
殺し合いのゲームを、
観客たちは楽しむ。
一線を越えた者たちの狂気を、
殺し合いを見て観客たちは思う。
あぁ、なんて気持ちの悪い殺人鬼たちだ……と。
自分と奴らは違う。
日常と異常は違う。
正気と狂気は違う。
観客たちは殺人鬼を見て、己を正気を確かめ、奴らを唾棄すべき存在だと信じ、奴らを見下す。
普通の人間とは違う完全に隔絶された彼岸。
その向こうは決して理解することはない。
そう認識する。
自分は上等な存在であり、奴らは末代まで呪われた下等な存在だと信じて。
観客たちは満足する。
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それはそうと言い難いのですが、私が考えた主人公の
一応いくつかの