勉強タイムはゆるゆるっといきましょう!   作:橘田 露草

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ゆるにちは!(^◇^)
くーさんこと露草です。

何か久しぶりの気がするようなそうでもないような(笑)
3月はバイト先が忙しくなかなか時間がとれなかったりして遅れちゃいますね~(^^;
まあ、頑張っていきましょう♪(≧ω≦)

今回はある文学作品を取り入れてみました。
有名な作品なので皆さんもご存じだと思いますよ~。
せっかくですからクイズにしてみます?(笑)

では、「ゆるっと」ゆるーくどうぞ!(*^^*)


雨上がりの狐と孤独な時限爆弾

ある日の休日。

休みなのに仕事だというセナ姉にお弁当を届けた後、街をうろうろしていた。

別に買いたいものはないけど、せっかくのいい天気に閉じこもっているのもなんだろう。

 

『ありがとー!』

「ん?」

 

と、知り合いの声が聞こえて気がして振り向いた。

 

「ああ、テレビか」

 

そこにあったのは電気屋さんだった。

外に向けてあるテレビに映っていたのは。

 

『しろももライブまだまだいっくよー!』

『『『『しろももちゃぁぁぁぁぁぁぁん~!!!!』』』』

 

しろももちゃんこと小桃ちゃんのだった。

店長さんがファンなのか全部のテレビで小桃ちゃんのライブ映像が流れている。

 

「すごいなぁ……」

 

勉強会ではお姉ちゃんの小鈴先輩にからかわれていたり、すぐに暴言を言ったりとあんまりアイドルという感じはしない。

だけどこうして見ると、彼女は自分とは違う世界にいる人なんだと気づかされてしまう。

なぜかちょっとだけ落ち込んだ。

 

「へー、アンタもライブとか興味あるんだ?」

「うぇ!?」

 

突如後ろからさっきまで聞いていた声が聞こえ、慌てて振り向く。

 

「小桃ちゃん!?」

「ん」

 

そこにいたのは本物の小桃ちゃんだった。

初めてみる私服姿だが、Tシャツに短いスカートと意外と普通だ。

変装のためか眼鏡と大きな帽子を被っている。

 

「何してんのよこんなところで」

「え、えっと、暇だから街をうろうろって」

「ふーん」

 

小桃ちゃんから聞いたくせにそんなに興味はないようだった。

というか、いつも以上にぶっきらぼうだ。

 

「えっと、小桃ちゃんはお仕事の帰り?」

「カメラマンの都合でバラシだってさ。まったく朝5時に起こされたうえ3時間も待たせるなんて……。」

 

あくびをしながら小桃ちゃんがそう言った。

なるほど、ようやく小桃ちゃんが不機嫌な理由がわかった。

お仕事とはいえ、朝早くから起こされ待ちぼうけを食らったならそりゃ怒るだろう。

 

「じゃ、眠いしそろそろ帰る……。」

 

そう小桃ちゃんが言いかけた時だった。

ざぁーっと突然雨が降ってきた。

 

「ちょなにこれ!?」

 

慌てる小桃ちゃんに僕は羽織っていたシャツを被らせる。

 

「とりあえず雨宿りしよう!あそこに喫茶店があるから。」

「えっ……ちょ!?」

 

小桃ちゃんの手をつかみ、すぐ近くの喫茶店に飛び込んだ。

店員さんはびしょ濡れの僕らを見て一瞬嫌そうな顔をしたが通してくれた。

席に座りようやく人心地がつく。

 

「もうさいあく……!」

 

小桃ちゃんはカバンからハンカチを取り出し、びしょ濡れになった頭や腕を拭く。

僕もポケットからハンカチを取り出す。

 

「よかったらこれもつか……!?」

 

ハンカチを小桃ちゃんに渡そうとした瞬間。

濡れて透けた胸元から黄色いものと、ほどよく膨らんだ胸が見えてしまい慌てて目をそらす。

そんな僕を小桃ちゃんは不審そうな顔で見ている。

 

「ちょっと水樹。どうし……!?」

 

言葉が途中で止まった。

どうやら彼女も気が付いたようで慌てて胸元を抱きしめる。

 

「……見た?」

「……めんぼくない。」

 

見てしまったのは事実なんだからごまかすわけにもいかず素直に答えた。

だが、小桃ちゃんは怒ることもなく、はぁーっとため息をついた。

そのまま気まずいムードが漂う。

 

「えっと、お詫びになんでも頼んでいいよ。」

 

せめてもの償いとメニューを渡す。

ややあって彼女はそれを受け取った。

 

そして十分後。

 

「もぐもぐはぐはぐ。」

「うわぁ……。」

 

目の前にはケーキやらプリンやらのスイーツが並んでいた。

それがどんどん小桃ちゃんの口に吸い込まれていく。

僕が頼んだのはコーヒー一杯だけ。

残りは全部彼女の頼んだものだ。

 

「何よ、アンタのおごりなんでしょ?まさかあたしの胸がそんな安いと思ってんの?」

「……ごめんなさい。」

 

頭の中で財布の中身を計算する。

明日からは缶ジュースすら飲めないな。

コーヒーを飲みながら外を見ると、すでに雨は止み、びしょ濡れになったサラリーマンが濡れたスーツを拭きながら歩いていた。

 

「通り雨なんて最悪よ……。」

 

クレープを切りながら小桃ちゃんがジト目で僕をにらむ。

別に僕が降らせたわけじゃないんだけど。

 

「狐の嫁入りだね。」

 

晴れているのに雨が降ることを狐の嫁入りというのだ。

狐に化かされているように感じるからという意味らしいが、確かに化かされた気分だ。

 

「こんなとこまで勉強なんてやめてよ。」

「ごめんごめん。」

 

小桃ちゃんには不評みたいなのでやめておこう。

黙ってコーヒーとスイーツを食べる。

2杯目のコーヒーが飲み終わるころ、テーブルの上のスイーツはすべてなくなった。

 

「ぷはーっ、おいしかった~!ごちそうさま。」

「あはは……。お粗末様。」

 

ようやく機嫌が直ったようだ。

それなら犠牲になった樋口一葉さんも喜んでくれるだろう。

 

「さっきさ……。」

「ん?」

 

小桃ちゃんが口を開いた。

なぜか言いにくそうだ。

 

「あたしのライブのやつ見てどう思った?」

「え?あ、うーん。」

 

小桃ちゃんがなんでこんな質問をするのかわからない。

ならば素直に答えるべきだろう。

 

「キラキラしててとても素敵だと思ったよ。」

「そう……。」

 

素直に答えたもののどうやら不正解だったらしい。

小桃ちゃんの顔は優れない。

 

「……たまに思うのよね。あたしって何のためにアイドルやってるんだろうって。」

「なんのため?」

「そ。普通の生活を犠牲にした割には、グズなスタッフのせいでイライラすることもあるし、言われない中傷を受けたりさ。こんなことのためにアイドルなったのかなって。」

 

僕は小桃ちゃんの言葉に驚いた。

さっきのライブの笑顔や元気さの裏側にはそんな悩みもあったんだ。

そりゃそうだ。

彼女だって僕と同じ15歳なんだから。

 

と、小桃ちゃんはテーブルの上のレモンの置物を手に取った。

 

「いつかさこの時限爆弾がドーンって爆発しちゃうような気がしてたまに怖くなるの。」

 

そう言って小桃ちゃんは顔を伏せた。

時限爆弾が爆発する時、それは「アイドルとしての」小桃ちゃんが終わってしまうのだろう。

彼女はそれを恐れているんだ。

 

「……爆発なんてさせないよ。」

「……え?」

 

僕は自然と口が開いていた。

そして素直な言葉が出てくる。

 

「僕が、優紀先輩が、小鈴先輩が、みーちゃん先輩が、ちー姉が絶対に爆発させない。」

「……なんでそう言い切れるの?」

「だって、勉強会の時小桃ちゃんすごく楽しそうだもん。それなのに爆発するわけないよ。」

 

優紀先輩がポンコツなことを言ったり、ちー姉が居眠りしているのを小桃ちゃんはよく呆れた目で見ている。

でも教壇に立ってるとわかるのだ。

たまに小桃ちゃんが笑みを浮かべているのが。

 

「たまに息抜きしてみなよ。もしアレなら僕も協力するからさ。」

 

彼女にとって勉強会は数少ない息抜きの場なのだ。

もちろん僕だって小桃ちゃんのためならどんなこともするだろう。

出会ってまだ1ヵ月ちょっとだが、僕にとって彼女は友達なんだから。

 

すると、彼女は顔を上げた。

 

「……バカ。」

「え?」

「うぬぼれんなバカ水樹!あたしはアイドルしろももちゃんよ!アンタ如きに頼るわけないでしょう。」

「……そっか。」

「そーよ!」

 

目の端に少しだけキラッと光るものがあったことはまあ見逃してあげるべきだろう。

小桃ちゃんは勢いよく立ち上がった。

 

「よしっ!せっかくオフになったんだから買い物でもしましょ!水樹も来なさいよ!」

「えっ!?で、でも僕もうお金が……。」

「いいから!さっきと行く!」

「う、うわぁ~!?」

 

喫茶店を出て、小桃ちゃんに手を引かれる僕。

それは、恋人というより飼い主とペットの犬みたいだ。

 

まあ、たまにはこんな休日もいいのかな。




というわけで、答えは梶井基次郎氏の「檸檬」でした~。
個人的には大好きな話の一つでして(笑)
この手の文学作品はそこそこ知識もあるのでまたやってみましょうかね?

でもシリアスはやっぱり性に合わないといいますか、うまく書けないですね~(^^;
とはいえギャグも決して得意ではないのですが(笑)
まあ、次回はもうちょいハーレム感のある話にしたいですね(^^)

では、また次回!(^^♪
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