勉強タイムはゆるゆるっといきましょう!   作:橘田 露草

19 / 28
ゆるばんわ!!(^◇^)
くーさんこと露草です。

最近お気に入りの本が3巻で終わってしまいまして……めちゃくちゃ落ち込んでいたりします(´;ω;`)
僕は本を読む時、ヒロインの女の子たちが本気で大好きになっちゃうので、失恋したような気持ちになっちゃうんですよね~(^^;
ちなみにリアルの恋は1度だけだったりします(笑)
うん、一切興味ないですよね~。

では、「ゆるっと」スタートです!(*^^*)
今回はパイセン編です!


ぱいせんの特筆することのない普通の一日

世界に名を轟かせる大企業の社長、飯森厳《いいもり いわお》。

そして、彼の一人娘こそ「みー」こと飯森未知である。

今夜は彼女の知られざる休日に迫ろうと思う。

果たして、我々が見るのは天使の彼女か、それとも――――

 

 

 

 

 

飯森未知の朝は早い。

水色の置時計が最初のピッを奏でる時にはすでにボタンを押してしまう。

 

「ふぁぁ~」

 

起き上がりうーんと背伸びをする。

ピンクのチェック柄のパジャマは小学生の時から使っているものだが問題なく着れてしまうあたり余程物持ちがいいか、スタイルに変化がないかのいずれだろう。

 

「ん……」

 

のそのそとベッドから起き上がり、机の上にある常時つけっぱなしのテレビのもとへ歩く。

眠い目をこすりながら画面を見る。

 

「……えへっ、みーくんおはようです♪」

 

にっこりと天使のような笑顔で微笑む。

画面の中には、どこかの部屋のベッドで寝ている少年が映っていた。

どうやら休日のためぐっすりのようだ。

大好きな人といつも一緒にいるために設置したカメラだがこれのおかげでいつでも会えるのだ。

お義姉さんの瀬奈先生も「楽し……おもしろそうだからOK!」と快く許してくれた。

 

そんな彼を15分ほど見つめた未知はもう1つのテレビの電気をつける。

少し操作し、昨日録画済みの彼の着替え映像を映す。

彼の動きに合わせて自身もパジャマを脱ぎ、ワンピースへと着替える。

終わった後、同じ映像を繰り返し3回観る。

これが彼女の毎朝のルーティンなのだ。

 

「♪~」

 

着替えを終え、部屋を出た彼女はダイニングキッチンへ向かった。

そしてかわいいエプロンをつけ、朝ごはんを作り始める。

婚約者にして彼氏にして旦那様のために始めた料理だが、まだ目玉焼きをようやく焦がさずに作れるようになったぐらいでまだまだ先は長い。

少し焦げたスクランブルエッグとちぎっただけのサラダ、パンを食卓へと並べキッチンを出る。

3つ並んだ扉の一番右の部屋をノックする。

 

「みどりさん起きてますか~?」

 

いつも通り返事はない。

ガチャっとドアを開け、小さな部屋に入る。

そしていつも通り布団にくるまったまま床で寝ている彼女をゆする。

 

「みどりさん、朝ですよ~」

「う~ん……。あっ、梅潤が櫻川くんに壁ドンを……!二ノ原くんとキャプテンが飼葉ちゃんを取り合って……!」

「みどりさん、起きてくださいです~」

「ふゅみゅ……あ、あれお嬢様?『台風』のみんなは!?ラブラブなトニーズのみんなはどこに!?」

 

朝からにぎやかな彼女の名前は、一色(いっしき)みどり子。

飯森家のメイド3姉妹の三女で通称「みどり」だ。

ちなみに長女の一色あか音は父親の専属、次女の一色あお美は母親の専属で、このみどり子が未知の専属となる。

朝が弱い彼女は、主人の未知に起こしてもらうのが日課だ。

あとどうでもいいが腐ってる。

 

場所が変わってさっきのダイニングキッチン。

未知とまだうとうとしているみどり子は朝ごはんを食べていた。

 

「あっ、みどりさんほっぺにパンがついてるですよ~」

「ふぇっ?どこでしゅか……?」

「そこはほっぺじゃなくておでこですよ~。はい取れたです~」

 

メイドの世話を甲斐甲斐しく焼く未知。

パンをもそもそと食べながら、少しだけ目が覚めたみどり子は未知に話しかける。

 

「そう言えばお嬢様」

「うみゅ?なんですか?」

「昨日のお出かけはどうだったんですか?」

 

みどり子にそう言われ、未知は昨日のことを思い出した。

 

 

 

 

都会の喧騒から離れた森の中。

そこある1軒の大豪邸の前に2台の車が止まった。

黒塗りの車の運転席から降りてきた、飯森家のメイドである一色あか音がドアを開ける。

運転席からは大柄な男性と小柄な少女が降りてくる。

飯森家主人の巌と未知だ。

先導をしていた軽自動車から揉み手をした男が近づいてくる。

 

「飯森様!こちらが我が不動産が誇る最高級物件でございます!」

 

大分髪の後退した額に汗をかき、へらへらした顔を浮かべている。

何やら「これでついに俺も本社の幹部に……」などと呟いていたがどうでもいいのでスルーしようと思う。

 

「……うむ。未知行くぞ」

「はい!」

 

男の案内で屋敷を見て回る。

今日、未知たちは将来水樹と暮らす家を見に来たのだ。

結婚式の時のサプライズにしようと彼は呼んでない。

 

「こちらはメインルームで、こちらがダイニングで……」

 

見て回ること1時間、ようやく屋敷すべての案内が終わった。

 

「いかがでございましょう!3億のこのお屋敷は飯森様に相応しいと思います!」

「……うむ。未知お前はどうだ?」

「う~ん」

 

未知は少しほど悩み、にっこりと笑った。

 

「みーは30人子供産みますから……ちょっと狭いかもです」

「……は?」

 

未知の言う通りいくら広いとはいえ、さすがに32人で暮らせば狭いだろう。

男はあんぐりと口を開けているが、巌は「うむ」と頷いた。

 

「確かにそれでも狭いな……。やはり安い物件ではダメだな。キミ、今日はもう帰っていいぞ」

「おじさん、ありがとうでした!」

 

固まったままの男を放置し、車に乗っていってしまう飯森父子。

これが休日の全容であった。

 

 

 

「はぁ……そうでしたか~」

「はい、みっくんと住む家はなかなか見つからないです……」

 

しょぼんと落ち込む未知。

「それにしても」とみどり子が気になったところを言う。

 

「お嬢様は子供は30人でいいんですか?」

「はい!あんまり多すぎても大変ですし……。あっ、でもみーくんがもっと欲しいって言ったら100人でも200人でもいいです~」

 

やんやんと妄想の中で悶える未知。

そんな彼女を微笑ましそうにみどり子は見ていた。

 

食事を終えた未知は、二度寝するというみどり子と分かれ、部屋で教科書を開いていた。

 

「えっと、かんいじゅうにかいは……しょうとくたいしです!」

 

勉強会で勉強したことをノートにひたすら書いていく未知。

あまり勉強が得意ではない未知が集中できるのはあるアイテムのおかげである。

 

『正解だ未知。さすが僕の奥さんだな』

「えへへ~♪みーくん照れちゃいますです~」

 

ここにいないはずの水樹の声にデレッとする未知。

これこそが未知の勉強アイテム「水樹の声CD」である。

録音した水樹の声を無数の音声に分け、機械によって組み合わせたのがこのCDである。

どんな言葉でも再現でき、未知は特にこの「未知専用家庭教師バージョン」が気に入っていた。

飯森家傘下のおもちゃ屋により製品化が検討されているらしい。

 

『さて勉強は終わりだ。ここからは大人の勉強を始めようか?』

「はいですっ!みーもっと大人の女の子になっちゃいます!」

 

未知の勉強はいつも賑やかである。

 

 

 

「はぅぅ……気持ちいいです~」

 

20人は余裕で入れそうな浴室で未知はシャワーを浴びていた。

もちろんお風呂の壁に設置されたテレビで、以前撮った水樹の入浴映像を観ながらだ。

 

「えへへ~、みーくんも気持ちいいですか~?」

 

にやにやと笑いながら画面を見つめる未知。

画面では彼の全裸が余すことなく映っていた。

数百回以上観た動画のため、もはや未知は水樹の全身のほくろの位置すら把握しているほどである。

 

「みーくんのお背中流してあげたいです~。一緒にお風呂入りたいです~」

 

結婚するまで我慢しようと決めたことだが、たまに我慢がきかなくなってしまう。

乙女心は複雑なのだ。

 

「みーくんの頭も洗ってあげたいです……。毎日何十回も何百回も洗ってあげたいです……」

 

ぶつぶつと呟く未知は手に届かない水樹にやや不満げな顔になりながらもシャワーを終えた。

ちなみに何百回も洗うと間違いなくハゲるので絶対やめて欲しい。

 

 

 

いつの間にか夕方になり、未知は部屋のベッドでごろごろしていた。

さっきのお風呂で水樹のことを考えたためか、会いたくて仕方ない。

秘蔵の水樹動画を見ても気が晴れない。

 

「みーくん……」

 

画面に映った誰もいない彼の部屋を見て呟く。

 

「会いたいです……」

 

その時だった。

テーブルに置いてあったスマホが鳴った途端、未知は勢いよく顔を上げた。

この着信音を設定しているのはたった1つの番号だけだ。

ベッドから転げ落ちながらスマホを手に取る。

膝が痛いのも気にせず電話に出る。

 

「もしゅもしゅ!」

『もしゅもしゅ!?せ、先輩新しい鳴き声かなんかですか……?』

 

電話の向こうから不審げな声が聞こえる。

それだけで未知の心の3割は彼で満たされた。

ちなみに残りの7割は膝の激痛だ。

 

「も、もしもしですっ!みーくんさんです!?」

「え、ええと、みーくんさんですけど……先輩大丈夫ですか?」

「膝がすごく痛いです!!」

「何が起きたらそんな状況に!?」

 

慌てすぎて自分でも何を言ってるのかさっぱりわからない。

バクバクしている鼓動が収まらず、深呼吸をしてようやく落ち着かせる。

あと、膝が本気で痛い。

 

「そんなことよりっ!みーくんどうしましたです?」

「ああ、実は優紀先輩がみんなでご飯に行かないかって。先輩も」

「行くです!!」

「どおう!?で、では1時間後に学校の前で集合ということで……」

「りょうかいですっ!」

 

電話を終え、急いでお気に入りの服に着替える。

やっぱり想像より現実の彼が一番大好きなのだ。

 

「みどり子さん!!ヘリを呼んでくださいです!!」

 

どうでもいいが、未知の中では優紀たちのことは忘れ去られていた。




……ツッコミがいねぇぇぇぇぇぇぇ!?(゚Д゚;)
ボケキャラしかいない時ってこんな感じになるんですね~
「ゆるっと」のツッコミである水樹と小桃に本気で助けを求めたかったです……(^^;

こんな日々をみーちゃん先輩は送ってます。
ね、普通でしょ?(目そらし

あ、新作の投稿を始めました~。
同じイチャイチャ日常系小説なのでぜひご覧ください!(≧ω≦)




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。