くーさんこと露草です。
さて、もう1つのが完全にタイトル詐欺になっているのに対し、こっちは完全に日常系にするつもりです。
その幻想をぶっ壊さなければ、なぜか具現化するカードバトルもしない、怪しい生物による魔法少女勧誘もなければ、麻雀をやる女子高校生も出てこない、ホントの日常系です。
そんな普通で、どこかくすっと笑える日常を送る少年少女の話です。
って、あえて前書きであらすじを語ってみました。
しかも3話目でですよ!
ふっふっふ、だまされたでしょう。
というわけで、ゆるっと第3話GET AGAIN!!
英語は苦手です!
「あ、みっちゃんだぁ~!」
昼休み。
飲み物を忘れたため、中庭の自動販売機に行くと不意に声を掛けられた。
別に振り返らなくても分かる。
こんなぽわぽわした声を出す知り合いは1人しかいない。
「こんにちは、小鈴先輩。」
「えへへ、こんにちはぁ!」
やっぱり小鈴先輩だった。
「先輩も飲み物を買いに来たんですか?」
「そ~だよぉ。田中さんから新しい飲み物を入れたって聞いたから。」
「えっと、誰ですか田中さんって。」
「業者のおじさんだよ。」
まさかの業者のおじさんだった。
ていうか、どこでつながってるんだ。
「これこれ!いちごジャム入りおしるこだって!」
何その完全に地雷臭のする飲み物!?
絶対まずいよね!?
「先輩それ絶対やめた方が…ってもう買ってるし。」
遅かった。
先輩は嬉しそうに缶を開け、一気飲みした。
そして、勢いよく吹き出した。
僕の顔面に。
「うぇ…。すっごく甘くてまずいよぉ…。」
先輩は完全にグロッキーになっていた。
ちょっと口に入ったけど、この世の物とは思えない甘さだった。
あれ?これ間接キス?
「いやむしろ何でこんなの買ったんですか…?」
「だってだって、わたしあんまり学校来られないし…。こういうの楽しそうなのあんまりできないんだよぉ…。」
そういえば、小鈴先輩は昔から病弱だと言っていた。
最近は大分元気になったようだが、中学の頃は1年中休むなどそうとう酷かったらしい。
元気になった今でも、1週間に1度くらいは休んでいる。
そのため、彼女は僕の一学年上でありながら、年は2つ離れているのだ。
「楽しそうって…。別にこんなの楽しくはないと思いますけど。」
まずい飲み物を飲むのが楽しいってこの人ドMか?うん、ドMっぽいな。
「ううん、楽しいの。こうやって普通に学校に通えて、優紀ちゃんたちとお話できるのがすっごくすっっごく楽しいの。」
彼女は笑顔で微笑む。
僕にとっては何気ない日常が彼女にとってはとても貴重なもの。
同じ24時間でもその重さはまったく違うのだ。
「それに、最近は、みーちゃん先輩と、千波ちゃんと、みっちゃんがわたしと遊んでくれるでしょ。だから毎日がもっと楽しくなったんだぁ。だから、1日1日を大切にしたいの。」
「…遊んでるんじゃなくて、勉強ですけどね。」
名前を出されて照れてしまい、つい余計なことを言ってしまう。
彼女の笑顔は、とてもきれいだったが、同時にとても悲しそうに見えた。
だから、ついまた余計なことを言ってしまう。
「別に、面会謝絶の病気じゃないんですし、学校休んでいても会えるでしょう。もしあれなら家庭教師をしてもいいですよ。」
不意に頭を撫でられ、そんなことを言われたからか先輩は驚いた顔をする。
だが、嫌がってる感じでもなかった。
「ほ、ほら!別に優紀先輩とかみーちゃん先輩もいますし、いざという時は彼女たちを頼ればいいってことで!」
恥ずかしくなり、自分でも訳も分からないことを言ってしまう。
これ絶対黒歴史行きだよ…。
「えへへ!やっぱりみーちゃんは優しいねぇ♪」
先輩が僕に笑いかける。
それは、さっきみたいな悲しい笑顔ではなく、年相応の女の子らしいかわいい笑顔だった。
「も、もう行きます!」
恥ずかしさMAXでその場から逃げようとする。
「え~!もっと撫でてよぉ~。」
「嫌です!」
こんな恥ずかしいところにいられるか!僕は教室に帰らせてもらう!
だが逃げられる訳もなく、結局、昼休みが終わるまで撫でさせられた。
坂神 小鈴(kosuzu sakagami)
2年1組の生徒で、勉強会の天然隊長。
ピンクの髪をふわふわとさせている。
今日もぽわぽわ、明日もぽわぽわ。
でも、怒ると意外と怖い!?
病弱で小中学校はまともに通えなかったが、高校では少し前より良くなった。