ま、楽しんでください。
5畳ほどの大きさだろうか。彼はそこの小さな一室で椅子に座り、焼肉を食べている。
その男の風貌は一言で表すならば、『可愛い』だろうか。青のシャツにデニムのズボンをはいており。髪の色は金だ。かなり小柄で、座っている椅子が大きくて、足がぶらぶらと揺れている。だが、その男の顔……というか、表情を見たら、10人中9人が「コイツなんかキモイな」という評価を貰うだろう。なぜならば、焼肉を食べながらこれほどというほどににやけているからだ。
別に精神異常者という訳ではない。重度のぼっちで遂ににやけながら焼肉を一人で食べるほどになってしまったという訳でもない。
ならばなぜにやけているのか。
それはこれから起こる出来事が非常に楽しみだからだ。なぜならば、彼はこれから起こる出来事が“判っている”からである。……何を言っているのか、と思うだろう。彼は別に未来予知ができるとかそんな能力はない。ならば何故か?
__それはここ、……否。『この世界』は漫画の世界であり、彼はこれから先の
そしてしばらくして4歳になったとき、両親に地図をねだった。そして彼はその地図を読みあさった。そうしたら、『くじら島』、『流星街』、『天空闘技場』などなど前世で読んだ漫画の地名が出てきた。そして、彼は両親からある存在の名を聞いて、確信する。
____この世界が『HUNTER×HUNTER』の世界であることを。
それからは、「この先どうするか」。これを考えた。だが答えは決まっていた。
____折角転生したんだから
それが彼の出した答えであった。彼はこの世界がどんな世界かは知っている。勿論死亡率も高いことを。だが、彼は前世はオタクと呼ばれる存在であった。だから、画面の向こう側の存在であるこの世界に転生して舞い上がっていた。それに加え、怖いもの見たさ。というやつだろうか。
そして、彼は早速修行を始めた。『念』と呼ばれるチカラの修行を。
____念。それはこの世界のチカラ。体から溢れ出す生命エネルギー・オーラを自在に使いこなす力のことであり、この世界においてかなり重要なものと言えるだろう。この力は個々によって様々な力を発揮する。例えばゾルティック家の殺し屋であるキルア。彼は自分のオーラを電気に変換し、それを雷として放出したり、自分の体を雷に変えたりも出来る。他にも様々な能力がある。
そして彼はその力を身につけるために修行をした。とは言っても大したことはしていない。只只瞑想しただけだ。初めはなんの変化も感じなかったが、瞑想を始めてから2年ほどだろうか。自分の体から極々僅かだが、オーラが流れ出ているのを感じた。そこからは一心不乱に修行した、四大行である纏・絶・鍊・発は勿論、その応用技である凝・隠・円・周・堅・硬・流も習得後に、それぞれとことん磨き、オーラの総量もかなりのものとなった。勿論必殺技である“発”も作った。
そして数年後、両親を説得しハンター試験に向かうことになった。
____第287期ハンター試験。
原作が始まる時期であり、この世界の主人公であるゴン=フリークスがハンター試験に参加する。彼はそのタイミングを図ってハンター試験に志願した。
____そしてその試験会場へと彼は今、向かっているのだ。彼がいる部屋はただの部屋では無い。焼肉屋の店主にある『暗号』を言えば通される道のりである。この部屋はエレベーターになっており、今、現在進行形で地下深くにあるプロハンターの試験会場に向かっている。
そして、「チン」という電気音と共に「B100」という表示が扉の上に出る。そして彼は口元についたソースをナプキンで拭い、テーブルの脚に立てかけておいたリュックを背中に背負うと共に扉が開く。彼はなんのためらいもなく、開かれた扉の外へと歩き出す。
そして彼が先ず初めに目にしたのは一枚のトランプだった。それもただのトランプではなかった。念の一種である『周』により強化されたものだった、人体ならば豆腐でも切るかのように容易く切断できるほどのオーラが纏っていた。だが、彼は『硬』で指にオーラを集め、人差し指と中指でそのトランプを掴み取った。
「やれやれ、いきなり荒っぽい歓迎をするんですね。ハンター試験というのは」
そう言い、トランプが飛んできた方向を見ると、一人の男が目に止まった。その男はピエロのような格好をし、顔には左頬に涙を、右頬には星を模したペイントが書かれている。彼はその男を“知っている”画面の向こうで印象に残っているキャラクター。その名は
「ふふふ♡ボクからのプレゼントだよ♤気に入ってくれたかな?」
奇術師ヒソカ。
「いいえ、全く。プレゼントとしてはセンス皆無ですよ。いきなり殺しにかかってくるなんて、そんなんじゃ彼女に嫌われますよ?」
「そうかい♡でも問題ないでしょう?『使える』んだから◇」
「そうですね。というかここに『使える』奴がいるかどうか試しにわざと漏らしただけなんですよ。そしたら案の定、引っかかってくれました」
「そうかい♡キミ……名前は?」
「……シャル。シャルです」
「……シャル◇うん♤いい名前だ、覚えたよ♡ボクの名前はヒソカ。よろしくね♡ふふふ……食べがいがありそうだ◇勃ってきちゃったよ♡」
ヒソカがそう言うと、彼、シャルは自分の尻に手を当てながら10歩ほど後ろに下がり。
「え?なんなんですか?ホモなんですか?ゲイなんですか?薔薇なんですか?気持ち悪いです。僕にソッチの気はありませんよ?僕の半径10m以内に入らないでください。というか視界に入らないでください。そのゲロみたいに気持ち悪いオーラも引っ込めてください。男とヤリたいならソッチ専門のお店にでも行ってくださいよ。生理的にもう無理です。ゴキブリ並……いえ、それ以上にもっとキモイです。もうさっさとどこかに行ってください。でないと余っている『
……散々な悪口をヒソカにぶつけた。そして当のヒソカはというと……
「……◇」
少し精神的に来ていたようであった。シャルはヒソカがそっちの気があるといったような表現を本で読んでいたが、実際に会ってみると物凄く気持ち悪かったのである。
そしてシャルはというと……既にこの場から消えて、どこかへと行ってしまったようである。『隠』を使っているのか、気配を感じることは出来なかった。
そして、ジリリリリリリリリリ!!!!!というアラーム音が鳴る。その音の発生源は奇妙な形をしたベルからであった。そしてそのベルを持っている男性がベルを止め、口を開いた。
「ただいまをもって、受付時間を終了いたします。__では、ハンター試験を開始します」
髭が特徴の男、サトツがそう言い、周りの空気がピンと張り詰める。だが、サトツはそんなことはお構いなしに歩き出す。
その時、シャルは
(おおー、あのヒゲは確かサトツさんでしたっけ?漫画を読んだときはあんまし気にしてはいませんでしたけれど、ダンディーとでも言うんでしょうか?実際に見るとカッコイイですねー)
なんでいうことを考えていた。
「さて、一応確認致しますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり、実力が乏しかったりすると、ケガしたり、死んだりします。先程のように受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます。それでも構わない。__という方のみ、付いてきてください」
といい、前へと進む。勿論警告を聞いても誰もリタイアしない。
(ま、とーぜんですよね。みんな覚悟してここに来ているんですから。……最も僕の場合は原作キャラたちを見てニヤニヤしたいという不純な動機ですがね。……はっ!ゴン達を探すのを忘れていました!これではゴン達と知り合いになれません!一体どこにいるんですかね?)
シャルは今更ながらここに来た目的を思い出していた。
最初はゆっくりと歩いていたが、だんだんと早く進み、最終的には全力で走っていくものまでいる。
「申し遅れましたが、私、一次試験担当官のサトツと申します。これより皆様を二次試験会場へ案内いたします」
「二次……ってことは一次は?」
と忍者のハンゾーが疑問をあげる。
「もう始まっているのでございます。二次試験会場まで、私についてくること。これが一次試験でございます。場所や到着時刻はお答えできません。ただ私について来ていただきます」
(なるほどなるほど。原作でレオリオとクラピカが言っていた通り、持久力と精神を試すことになりそうですねーま、最も僕の場合そんなのは関係ないんですけれどね。時計はしっかり持っていますし、オヤツもリュックに詰めてあります。なんら問題はありません!No'problemなのですよ!問題はゴン達ですね、どこにいるんでしょうか?……ここはあれを使いますか。)
シャルがそう決めた瞬間。シャルの青い靴にそれぞれ4つのタイヤが現れた。
(ふふん。これが僕の数ある能力の内の一つ、『
そして、そこからシャルの姿が消えた。いま、シャルは『隠』で自分の姿、気配を隠し、あっちこっちを超スピードでちょこまかと移動している。そして__
(おお!遂に見つけましたよ!あのツンツン頭はゴンで間違いありません!それにクラピカとキルアもいるではありませんか!よし、ここは怪しまれないように後ろから近づくとしますか!)
そして、彼ら……ゴン一行の100mほど後ろに行き、『隠』を解いてゴン達の方に近づいていく。
「ん?アンタは確か……ヒソカに絡まれていた奴か」
真っ先にシャルの気配に気がついたのは、キルアだ。そしてキルアの言葉をきっかけに他のメンバーも振り向き、それぞれ反応を見せる。
「はい!そうですよ!僕の名前はシャルといいます!よろしくお願いしますね!」
「うん、よろしく!僕の名前はゴン、ゴン=フリークスだよ!」
「……私の名前はクラピカだ」
「俺はレオリオっていうもんだ、ヒソカに絡まれるなんて大変だったな」
「……キルアだ、ねえ、アンタ今までどこにいたんだ?」
「皆さんよろしくお願いしますね!それとキルアの質問に答えるならば、今は教えることはできませんが、ハンター試験に合格すればわかりますよ!」
(流石は暗殺一家ですねー、もっと後ろで絶を解くべきでしたか)
「ふうん」
(怪しまれています!ものっそい怪しまれていますよ!まあ、流石に念のことは教えられないから仕方がないんですけどね)
キルアは訝しむような目でシャルを見つめるが、シャルに邪気の無い目で見つめられて、白ける。
「ねえねえ!シャルはなんでハンターになりたいの?」
と、ゴンがシャルに疑問をぶつける。
「そうですねー、僕は色々ありますが、世界を面白可笑しく冒険したり、美味しいものを沢山食べたいからですよー。言うなれば、トレジャーハンターとグルメハンターというところですかねー」
「へえ、そうなんだ!」
その後も他愛の無い会話が続き、途中でレオリオが裸になってシャルに「変態です!変態がいますよ!」と言われてショックを受ける出来事があったりもしたが、遂に。
「見ろ、出口だ!」
と受験生の誰かが叫んだ。そして、扉の先には__
「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師の塒”。二次試験会場にはここを通っていかなければなりません。この湿原にしかいない珍奇な動物達、その多くが人間を欺いて食料にしようとする狡猾で、貪欲な生き物です。十分注意して付いてきてください。騙されると死にますよ」
先が見えないほど広大な湿原が広がっていた。
(うおー。凄いですね、広すぎますよ。一体何へタールあるんでしょうかねえ?……確か、ここでゴン達はヒソカに絡まれるんでしたっけ。助けてあげたいには山々なんですが、あのホモピエロには近づきたくありません。よってここは先を走っていきますか)
シャルはそんなことを考えていた。
「ウソだ!そいつはウソをついている!」
突然そんな叫び声が後方から発された。みんなが何事か。と振り向くと、物陰から血だらけになった男が出てきた。そして、サトツを指差し。
「そいつは偽物だ!試験管じゃない!俺が本当の試験管だ!これを見ろ!」
そういい、引っ張り出したのは、ひとの顔をした猿。男に仕留められたのか、あちこちボロボロで、だらん。と舌を垂らしている。
「ヌメーレ湿原に生息する人面猿!人面猿は、新鮮な人肉を好む。しかし、手足が細長く、非常に力が弱い。そこで自ら人に扮し、言葉巧みに人間を湿原に連れ込み他の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだ!そいつは、ハンター試験に集まった受験生を一網打尽にする気だぞ!」
男がそう叫ぶと、受験生たちがざわめきだす。だが。
「ゲプゥっ!?」
男の股間をける人物がいた。ぐしゅ。という生々しい音が鳴り、男の受験生達は自分の股間にてを当てて、すくみあがった。その股間を蹴った人物は。
「やれやれ、片腹痛いですねぇ。この僕を騙すなんて、生意気なんですよ」
シャルである。
「おい、見ろ!姿が……!」
股間を蹴られた男は、ぼふん。という煙が巻き上がるとともに姿を人間から人面猿へと変えていく。
「僕を騙すなんて1000万年ほど早いんですよ。まあ、その心意気だけは買ってあげましょう。ご褒美をあげますよ。__ああ!なんて優しいんでしょうか!ああ、もちろんそっちのお仲間も一緒にあげますよ」
「ギャ!?」
シャルはそういい、二匹の猿を掴んで拘束する。そして手を懐に潜り込ませ、ノコギリを取り出す。そのノコギリは念能力で具現化したものである。
「ふふふふ、なあに、遠慮はいりませんよ。このノコギリは、『
そのシャルのセリフを聞いた受験生たちはこう思った。
(いやいや!天使というか悪魔だろ!……ともかくアイツは敵に回すのはやめよう)
そして、シャルは人面猿の腕にノコギリの刃を立てる。
「ウギュゲ!」
人面猿は苦痛の叫びをあげるが、まだ終わらない。シャルはノコギリを引く。ただし、材木を切るように素早くゴッコっギコと引くわけではない。ゆっくり、ゆっくりと引いている。
「ウッdツギャfgrゲゴオsfアブヒウヘ!!!!!??????」
人面猿はこの世のものとは思えない叫びをあげるが、シャルはそんな事お構いなしにノコギリを引く。通常のノコギリならば、既に失血、もしくはあまりの痛覚によって気絶か、死んでいるだろう。だが、
「うげえ!?」
「うっ」
「おろろろろろ」
その光景をみた受験生たちの中には吐くものまでいた。
~
「ふう、こんなところですかね?」
シャルはそう言い、汗を拭う動作をする。シャルの足元には“人面猿だったもの”が転がっている。1センチ角に切り刻まれており、最早原型すらとどめていない。
「……あれが敗者の姿です。私をにせもの扱いして、受験者を混乱させ何人か連れ去ろうとしたんでしょうな。こうした命懸けの騙し合いが日夜行われているわけです。それでは参りましょうか。二次試験会場へ」
___受験者312名ヌメーレ湿原へ突入。
受験者たちはサトツの後を付いていく。その先頭にはシャルの姿も見える。そして暫くすると、断末魔がいくつか聞こえてくる。主に、湿原の生物に襲われたものの声だろう。だが、その中にはヒソカに狩られたものの声も混じっている。
(さて、なんやかんやあって試験会場へ着いたわけですけれど)
「皆さんお疲れ様です。無事湿原を抜けました。ここ、ビスカ森林公園が二次試験会場となります。それじゃ、私はこれで。健闘を祈ります」
彼、サトツはそういい、去っていく。そして、受験生たちが残されたのは巨大な広場。その中央にはこれまた巨大な倉庫のような建物がある。その中から怪獣のような不気味な唸り声が聞こえる。
(まあ、この唸り声はただの腹の音ですから、気にすることはありませんね。……それよりも、問題は)
シャルに熱い視線……というよりはヘドロのように薄気味悪い殺気とオーラをぶつけているピエロ。ヒソカである。彼はシャルが試験会場に到着したあと、レオリオを背負って現れた。そしてレオリオを木の下に寝かせると、まるでデザートを待ちきれない子供のような目線をシャルに向けてきたのである。
(ヒソカなんですよねぇ……このままじゃあ今にも襲いかかられそうですし……ああもう!早く始めてください!)
シャルのストレスが臨界寸前まで達しようとしたその時、倉庫の扉が開く。受験生たちは身を構え、警戒するが……その警戒は徒労に終わる。なぜならば、そこにいたのは、怪獣などではなく一人の女と一人の巨大な男だったのだから。そして唸り声はその巨大な男の腹の音であった。一気にシリアスからギャグのような光景になって受験生達はなんとも言えない空気になる。
そして、女が口を開く。
「どお?お腹は大分空いてきた?」
「聞いてのとおり、もーペコペコだよ」
巨大な男がそう答える。
「そんなわけで二次試験は料理よ!美食ハンターのあたし達二人を満足させる食事を用意してちょうだい」
「まずは俺の指定する料理を作ってもらい」
「そこで合格したものだけがあたしの指定する料理を作れるってわけよ。つまり、あたし達二人が“おいしい”といえば晴れて二次試験合格!試験は、あたしたちが満腹になった時点で終了よ」
(ふむふむ、なるほどです。原作通りならば、1回目は豚の丸焼き、二回目は寿司。……ふっふっふ……この勝負もらいました!)
「俺のメニューは豚の丸焼き!俺の大好物。森林公園に生息する豚なら種類は自由。それじゃ二次試験スタート!」
巨大な男。ブハラの合図で受験生はそれぞれの方向に散っていく。一人の男を除いて。
「……あら?あなたは行かないのかしら?リタイア?」
「いえいえ、そうではありませんよ。豚ならもう持っていますから、後は焼くだけです」
シャルが女、メンチの疑問に答える。
「持っている?それはあなたの『能力』かしら?」
「はい、そうですよ。……『
シャルがそう宣言するとともに、手に小さな小箱が現れた。そして、その小箱から一頭の豚……グレイトスタンプ。普通の豚よりも大きい鼻を持っている。
「さて、焼くとしますか。もう少しでみなさんも戻ってくるようですし」
そして、シャルが豚を焼き終えるとともに大量の受験生が豚を抱えて戻ってきた。
「うん、おいしい!これもおいしい!うんうん。イケル。これもいい!」
そう言いながら豚を食べているのは、ブハラ。そして……
「あ~~~~食った食った。もーお腹いっぱい!」
という宣言とともにメンチがドラを鳴らす。
(しかし……ブハラさんの体積よりも食べた量が多いのはどういうことでしょうか?念能力でしょうか。貯めるタイプの)
そんなことをシャルは考えていた。なぜならばブハラの背後には彼が食べた豚の骨が積み上がっており、その体積が彼よりも多いのであった。
「豚の丸焼き料理審査!70名が通過!続いて私からのお題を出すわよ!あたしはブハラとはちがって辛党よ!覚悟しなさい!____それじゃ、あたしのメニューは……スシよ!」
メンチがそう宣言する。だが受験生たちは困惑する、なぜならば寿司を知っているのは受験生の中で2人。一人は転生者であり、元日本人であるシャル。もうひとりはこの世界にある、地球でいう日本に非常に似た国の出身である忍者。ハンゾーだけである。ハンゾーは他の受験生たちの作っては失敗している様子を見て笑っており、周囲から殺意を向けられている。
「魚ァ!?お前、ここは森の中だぜ!?」
(レオリオさん……いくらなんでもそれはないんじゃあ……)
シャルは原作通りの展開に呆れていた。そして、レオリオの言葉を聞いた受験生たちは魚を採るために、川や池を目指して走っていった。
「まあ、とりあえずは再び、『
シャルがそう宣言するとともに再び小箱が手元に現れた。そして、その小箱の中から取り出したのは。
「これどうぞです!ジャポンの寿司職人の中でも5本の指に入ると言われる海堂・亮源氏が握った寿司です!」
「なんですって!?あの海堂氏が握った寿司!?早くこっちに持ってきなさい!」
メンチが待ちきれない。といった様子で催促してくる。なぜメンチがここまで催促してくるのか。それはシャルが言ったとおり、海堂・亮源はジャポンの寿司職人の中でも5本の指に入るという腕前を持つ。海堂氏は寿司職人であるとともに、プロのハンターでもある。寿司のネタを自分で狩り、厳選するという拘り。それだけではなく、彼の店は予約制で、政治関係のお偉方でも最低5年は待つと言われるほど、予約が埋まっている超人気店なのである。シャルは8歳の頃、両親に連れて行ってもらい、この時に備えて
「んん~!この口に入れた瞬間、とろける新鮮なネタ!シャリも程よい絶妙な力加減で握られているわね!とっっっっても美味しいわ!受験ナンバー407番。シャル、合格よ!」
The・有頂天といった感じでメンチはシャルに合格を宣言する。
その後は、原作通りにハンゾーが寿司の作り方をバラしてしまい……
「お腹いっぱいになっちた」
____第二試験後半 メンチの
そこからは、メンチがハンター協会と揉めたり、受験生が切れて襲いかかったりしたが、結局はあっさり返り討ちにされたり、ハンター教会の会長であるネテロが出てきたりして、その後ゆで卵を作ったりと言ったことがあった。が、無事試験を突破した。
____そして、現在。シャルはネテロと対峙している。
なぜこんな事になったのか。それは数時間ほど前に遡る。
「ゴンにキルア。今晩はです」
「あ、シャル!今晩は!凄いね!試験を一人だけ突破したんでしょう?」
「……ふん。どうだかね、案外あいつらとつながっていたりして」
「もーダメだよキルア!そんな事言っちゃあ」
「あははは、いいんですよ、ゴン。でも僕はきちんと正々堂々と突破しましたから」
そんな風にシャルは飛行船の中でゴンとキルアと話していた。そんな中、その三人に目をつける男がいた。その男の名は、ネテロ。ハンター協会会長であり、最強の男だ。
「「「!?」」」
ネテロはシャル、ゴン、キルアの3人に殺気をぶつけ、3人は振り返る。だが、振り返ったあとは誰もいなかった。その反対側の通路からネテロが歩いてくる。
「どうかしたかの?」
「あれ?ネテロさんこっちの方からだれか近づいてこなかった?」
とゴンはネテロに疑問をぶつけるが。ネテロは「いーや」とごまかし、辛うじて見えていたキルアは。
「素早いね。年の割に」
「今のが?ちょこっと歩いただけじゃよ?」
といい、ゴン同様にネテロはとぼける。
シャルは。
「ネテロさん、いくら強いからといって無理しないでください。年寄りの冷や水っていう言葉知っていますか?腰ぼっきりやっちゃいますよ?老人はおとなしく床に伏せていてください」
「ほっほっほ。随分と辛辣じゃのう」
……平常運転だった。
「ところで何か用?じいさん最終試験までやることないんだろ?」
キルアがネテロを睨みながらそう言う。
「そう邪険にしなさんな。退屈なんで遊び相手を探していたんじゃ。どうかな?お3がた、ハンター試験初挑戦の感想は?」
「うん、楽しいよ!想像と違って頭使うペーパーテストみたいのないし」
とゴン。キルアは。
「俺は拍子抜けしたね。もっと手応えのある難関かと思っていたから。」
「そうですね。ヒソカとかいうキチガイホモピエロのおかげで台無しです。というか、同じ飛行船の中にいるというだけで、空気が汚れます。アイツと同じ空気は吸いたくありません。……そうだ、ネテロさん。お金払うんで、ヒソカを始末してくれません?」
シャルはヒソカのことが随分と嫌いなようであった。
「随分とヒソカとやらのことが嫌いなようじゃの。ところで、お主らワシとゲームをせんか?もし、そのゲームでワシに勝てたら、ハンターの資格をやろう」
3人はこのゲームを受ける。
そして、場所を移し、ネテロがルールを言う。
「この船が、次の目的地につくまでの間に、この球をワシから奪えば勝ちじゃ。そっちはどんな攻撃も自由!わしの方は手を出さん」
「それじゃあ、僕はしばらく寝ていますね」
「おい!」
シャルが部屋の隅っこに移動し、横になる。それをキルアがツッコムということがあったが、ここから先は原作道理にキルアが途中でやめ、ゴンは力尽きて寝ることになった。
___そして、シャルが起き、ネテロと相対する。
「ほっほっほ。お主『使える』んじゃろう?この飛行船を壊さない程度なら使って構わんよ。____それと、ルール変更じゃ。ボールを奪うのではなく、ワシを認めさせる。それと、ワシもある程度反撃させてもらうぞい」
ネテロはそう言い、構えを取り全身にオーラを漲らせる。シャルはというと。
「やれやれ、随分と舐められたもんですねえ。そこらへんに落ちている枯れ木と見分けが付かなくなるくらいボコってあげます」
そういい、シャルが持つ、戦闘での切り札のうちの一つである能力を発動する。
シャルの背後にオーラが集まり、一つの形を作っていく。その姿はまるで、巨大な
_____
(これは……わしの百式観音と同等……この年でこれかの……!だが、面白い!久々に血が熱くなってきたわい!)
ネテロは戦慄する。それと同時に、武人としての血が騒いだ。
「__さて、それじゃあ、行きますよ?」
シャルがそう宣言するとともに、アイアン・メイデンの腹部が開き、そこから無数の針が飛ぶ。この針は一本一本がミサイルと同程度の威力を持っている。
それに対し、ネテロはただ、両手を合わせる。この行為だけで、針は全て叩き落とされる。ネテロの背後には、これまた、巨大な観音が出現していた。
_____百式観音。それがネテロの能力である。
_______今、ここに観音と
(凄まじいですね……漫画では知っていましたが……実際に見てみると、とてつもない
次にアイアン・メイデンの腹部から飛び出したのは、無数の血に塗れた手であった。
(上等じゃねえの……!クソガキが!)
______観音と
「く、くははははははは!!!!!」
「ふ、ふふ、あーはははははははっ!!!!」
____二人は戦いを楽しんでいた。お互い、目には今敵対しているものしか入っていない。背景は切り取られ、音も、相手が奏でるものしか耳に入らない。
____だが、何事にも終わりは来る。
最後はあっけないものであった。ネテロの百式観音の掌底がシャルを吹き飛ばし、そのまま、シャルは起き上がることはなかった。
「くっくっく。小僧……久々に楽しめたぜ……俺もまだまだじゃ……!もっと経験を積んでから挑んでこい!……シャル。てめぇはハンター試験合格だ!」
次の土日はとあるを投稿します。
あと、活動報告も見ていってください。