ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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ん~。良いタイトルが思いつかない。


第38話 魂の輝き

~リリスside~

 

「すぅすぅ……はっ!?」

 

お兄ちゃんと同じように仮眠をしていた私達は突如として現れた大きな殺気を感じた。この感じ……外から!

 

「みんな!」

 

「ええ!行きましょう!」

 

「来ましたわね。」

 

「……潰す。」

 

「エクスカリバーを取り返す!」

 

そう言って急いで外に出るとそこにはすでにお兄ちゃんと祐斗さんとイッセーさんがいた。お兄ちゃんは正義のコートを羽織ってイッセーさんは肩で息をしていたが。ちなみにレイナーレさんたちには避難してもらった。

 

「初めまして、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいものだな。忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ。」

 

!言葉のしたほうに、つまり上を見るとそこには月をバックに浮かんでいる漆黒の翼を生やした男がいた。黒い翼は十枚あり、装飾の凝った黒いローブを身に纏った男だ。こいつが……。

 

「リアス・グレモリーよ。堕ちた天使の幹部、コカビエル。お見知り置きを。それともう一つ付け加えさせてもらうなら、グレモリー家と我らが魔王は最も近く、最も遠い存在。この場で政治的なやり取りに私との接触を求めるなら無駄よ。」

 

こいつが!堕天使コカビエル!

 

「魔王との交渉などバカげた事はしない。まぁ、妹を犯してから殺せば、サーゼクスの激情が俺に向けられるのかもしれない。それも悪くない。」

 

「「「「「…………。」」」」」

 

その言葉にリアスお義姉ちゃんは侮蔑したような目でコカビエルを睨む。もちろん、オカルト研究部員全員で。ちなみにお兄ちゃんは殺気も混じってる。

 

「それで、私との接触は何が目的かしら?」

 

リアスお義姉ちゃんの問いにコカビエルは嬉々として告げる。

 

「お前の根城である駒王学園、ここを中心にしてこの町で暴れさせてもらうぞ。そうすればいずれサーゼクスも出てくるだろう?」

 

それって!

 

「そんな事をすれば、堕天使と神、悪魔との戦争が再び勃発するわよ?」

 

「それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーを盗めばミカエルが戦争を仕掛けてくると思ったが、寄越したのが雑魚のエクソシストと聖剣使いが二名だけ。故に、サーゼクスの妹の根城で暴れるのだよ。ほら、楽しめるだろ?」

 

一体どこが楽しめるの!?

 

「戦争狂め。」

 

私たちの思いをリアスお義姉ちゃんが代弁するように、忌々しいそうに言った。

 

「そうだ。そうだとも!俺は三つ巴の戦争が終わってから退屈で退屈で仕方なかった!アザゼルもシェムハザも次の戦争に消極的でな。それ所か、神器(セイグリット・ギア)なんてつまらん物を集めだして訳の分からない研究に没頭し始めた。そんなクソの役にもたたない物が俺達の決定的な武器になるとは限らん!まぁ、そこのガキが持つ赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)クラスのものなら話は別だが、そうそう見つかる訳ではないだろう。」

 

コカビエルの視線がイッセーさんに及び、イッセーさんは体を震えだした。それでも、強気な姿勢をみせてる。お兄ちゃんとの特訓はちゃんと生きてる。というかあいつなんで分かって……あ、いつのまにか赤龍帝の籠手を装備していた。

 

「どちらにしろ、俺はお前の根城で聖剣を巡る戦いをさせてもらうぞ、リアス・グレモリー。戦争をする為にな!ルシファーの妹とレヴィアタンの妹、それらが通う学舎だ。魔力の波動が立ち込めいて、混沌が楽しめそうだ!エクスカリバー本来の力を解放するには最適だ!戦場としてはちょうどいい!」

 

「そんなことを私たちが許すとでも?」

 

そう言って前にでるリアスお義姉ちゃん。

 

「わざわざ許しを得る必要はない。きさまらは地獄から連れてきた俺のペットとでも遊んでろ。」

 

そう言ってコカビエルが指をパチンとならすと大きな三つ首の犬こちらに歩いてきた。これって!

 

「ケルベロス!」

 

リアスお義姉ちゃんが忌々しいそうに言う。

 

「ケルベロスって確か」

 

「ええ、地獄の番犬の異名を持つ有名な魔物よ。」

 

やっぱり!しかも、それが5匹も!

 

「本来は地獄、冥界に続く門の周囲に生息しているのだけれど、人間界に持ち込むなんて!」

 

「落ち着けリアス。所詮雑魚だ。」

 

お兄ちゃんがそう言う。そうだ……お兄ちゃんにはあの力が!

 

「ほう……雑魚か。ならばきさまから遊んでやれ。」

 

ケルベロスが一斉にお兄ちゃんに向かうが……。

 

「寝てろ。」

 

一瞬で気絶した。覇王色の覇気……やっぱりすごい!

 

「づっ……!何もしてないというのに俺の意識が一瞬飛びかけるか……。話に聞いていた通り面白い!面白いぞ!」

 

どうやらついでとばかしにコカビエルにも覇気をぶつけていたようだ。一瞬意識が飛びかけたということは、お兄ちゃん並みとはいかなくても結構な実力を持っているようだ。

 

「ここで相手をしてやりたいが、そろそろ時間だ。」

 

そう言うとグラウンドの方へ飛んで行った。

 

「!待て!」

 

ゼノヴィアさんが真っ先に追いかけて行った。

 

「私たちも行くわよ!」

 

「はい!」

 

もちろん私たちも後を追って行った。

 

『リアス聞こえる?』

 

「ソーナ。どうしたの?」

 

突然ソーナさんの声が聞こえてくる。通話魔法かな?

 

『今から結界を張ります。ただしこの結界はコカビエル相手にどこまで持ちこたえれるか分かりません。一応覇気で強化します。』

 

「ありがとうソーナ。」

 

『ただ私の将軍(ジェネラル)は愚か、冥界とすら連絡は繋がりませんでした。』

 

「何ですって!?」

 

『恐らく向こうが何かしたのでしょう。ですので応援は望めません。』

 

「充分よソーナ。私たちだけで終わらせるわ。」

 

『……武運を祈ります。』

 

その言葉を最後に通話が切れた。私たちだけで頑張らないと……!

校庭につくとそこは……。

 

「完成だ……。」

 

中央に三本の聖剣が神々しい光を発しながら、宙に浮いてこり、それを中心に怪しい魔方陣が校庭全体に描かれていた。魔方陣の中央には、へんな男の姿があった。あの男は……?

 

「バルパー・ガリレイ!」

 

「あの男が……!」

 

ゼノヴィアさんがそう言うと、祐斗さんがわずかに憎しみのこもった声をだす。やっぱりまだ……。

 

「4本のエクスカリバーが一つになる。」

 

空中で拍手を送るコカビエル。神々しい光が校庭全域に広がっていく。あまりの眩しさに目も開けられない。

眩しい光が収まった時、校庭の中央には青白いオーラを放つ一本の聖剣があった。

 

「エクスカリバーが1本になった光で、下の術式も完成した。後二十分もしない内にこの町は崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない。」

 

衝撃的な事をバルパー・ガリレイは口にした。校庭全域に展開していた魔方陣に光が走り、力が帯び始めた。これじゃあ……!

 

「フリード!」

 

コカビエルがフリードの名を呼ぶ。

 

「はいな、ボス!」

 

暗闇の向こうから、例のいかれ少年神父が歩いてきた。

 

「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。4本の力を得たエクスカリバーで戦って見せろ」

 

「ヘイヘイ。まーったく、俺のボスは人使いが荒くてさ。でもでも!チョー素敵仕様になったエクスカリバーちゃんを使えるなんて光栄の極み、みたいな?ウヘヘ!ちょっくら、悪魔でもチョッパーしますかね!」

 

イカれた笑みを見せながら、フリードが校庭のエクスカリバーを握った。

 

「リアス・グレモリーの騎士(ナイト)、共同戦線が生きているならあのエクスカリバーを共に破壊するぞ。」

 

「いいのかい?」

 

「最悪、あのエクスカリバーの核になっているかけらを回収できればいい。フリードが使っている以上、あれは聖剣であって、聖剣ではない。」

 

確かにいくら見た目がきれいでもあんな人が使えば……。

 

「バルパー・ガリレイ。僕は聖剣計画の生き残りだ。いや、正確には貴方に殺された身だ。悪魔に転生した事で生き永らえている!」

 

祐斗さんは多少熱くなっているが、思っていたより落ち着いていた。

 

「あの計画の生き残りか。これは数奇なものだ。こんな極東の国で会う事になろうとは。縁を感じるな、ふふふ。」

 

バルパーは小バカにした口調で笑う。これには祐斗さんの憎しみが増すのではないか?

 

「私はな。聖剣が好きなのだよ。それこそ、夢にまで見るほどに。幼少の頃、エクスカリバーの伝記に心を踊らせたからなのだろうな。だからこそ、自分に聖剣使いの適性が無いと知った時の絶望といったらなかった。」

 

突然、バルパーが語りだした。いきなり語って何を言うの?

 

「自分では使えないからこそ、使える者に憧れを抱いた。その想いは高まり、聖剣を使える者を人口的に創りだす研究に没頭するようになったのだよ。そして完成した。君達のおかげだ。」

 

おかげ……?

 

「何?完成?僕達を失敗作だと断じて処分したじゃないか。」

 

そのとおりだ。しかしバルパーは祐斗さんの言葉を否定するように首を横に振った。

 

「聖剣を使うのに必要な因子かある事に気づいた私は、因子の数値で適性を調べた。被験者の少年少女、ほぼ全員に因子があるものの、どれもこれもエクスカリバーを扱える数値に満たなかったのだ。そこで私は一つの結論に至った。ならば因子だけを抽出し、集める事はできないか?とな。」

 

「まさか……。聖剣使いが祝福を受けるとき、体に入れられるのは!」

 

ゼノヴィアさんは気づいたのか、忌々しそうに歯噛みしていた。まさか……!?見ると他の皆もほとんど気づいたようだ。イッセーさんとアーシアさんは気づいてなかったようだ。

 

「そうだ。聖剣使いの少女。持っている者達から、聖なる因子を抜き取り、結晶を作ったのだ。こんな風に。」

 

バルパーが懐から光り輝く球体を取り出した。眩い光で、聖なるオーラが迸っていた。綺麗……だけど悲しい光に見える。

 

「これにより、聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。それなのに、教会の者どもは私だけを異端として排除したのだ。研究資料だけを奪ってな。貴殿を見るに、私の研究は誰かに引き継がれているようだな。ミカエルめ。あれだけ私を断罪しておいて、その結果がこれか。」

 

「これって……異端として排除した人の研究を使ったの!?」

 

自分たちで異端として追放したくせにそれを使うなんて、同情はしないけどひどく自分勝手よ!

 

「同士達を殺して、聖剣適性の因子を抜いたのか!?」

 

祐斗さんは震えた口調でバルパーに訊いた。

 

「そうだ。この球体はその時のものだぞ。三つほどフリード達に使ったがね。これは最後の一つだ。」

 

「ヒャハハハ!俺以外の奴等は途中で因子に体がついていけなくなって、死んじまったけどな。うーん。そう考えると俺様はスペシャルだよね!?」

 

「バルパー・ガリレイ。自分の研究、自分の欲望の為に、どれだけの命を弄んだんだ!?」

 

とうとう祐斗さんが怒った。いや祐斗さんだけじゃない。私たちも怒りに震えてる……!

 

「ふん。それだけ言うならば、この因子の結晶は貴様にくれてやる。環境が整えば、量産できる段階まで研究はきている。まずはこの町をコカビエルと共に破壊しよう。後は世界の各地に保管されている伝説の聖剣をかき集めよう。そして聖剣使いを量産し、統合されたエクスカリバーを用いて、ミカエルとヴァチカンに戦争を仕掛けてくれる。私を断罪した愚かな天使どもと信徒どもに私の研究を見せつけてやるのだよ!!!」

 

そう言って、バルパーは興味を無くしたかのように持っていた因子を放り投げた。因子の結晶は地面を転がり、祐斗さんの足元に行き着いた。祐斗さんは静かに屈み込み、結晶を手に取った。

 

「……皆……。」

 

祐斗さんの頬を涙が伝わっていた。

 

「祐斗さん……。」

 

「祐斗……。」

 

「祐斗……。」

 

「祐斗君……。」

 

「木場……。」

 

「祐斗先輩……。」

 

すると突然祐斗さんの持つ結晶が淡い光を発し始めた。光は徐々に広がっていき、校庭を包み込むまでに拡大していった。校庭の地面、その各所から光がポツポツと浮いてきて、カタチを成していく。それはハッキリとしたものに形成されていき、人のカタチとなった。祐斗さんを囲むように現れたのは、青白い淡い光を放つ少年少女達だった。これって……ひょっとして!

 

「……この戦場に漂う様々な力が因子の結晶から魂を解き放ったのですね。」

 

やっぱり!聖剣を扱うための因子を抜かれた人たちの魂!祐斗さんは少年少女を見つめ、懐かしそうで悲しそうな表情を浮かべていた。

 

「皆!僕は……僕は!……ずっと……ずっと、思っていたんだ。僕が、僕だけが生きていいのかなって。僕より夢を持っていた子がいた。僕より生きたかった子がいた。僕だけが平和な暮らしを過ごしていいのかなって……。」

 

魂だけの少年の一人が微笑みながら、何かを訴えていた。口をパクパクしているだけで言葉は聞こえないが思いは分かる。

 

『自分達の事はもういいよ。君だけでも生きてくれ。』

 

祐斗さんも彼らの言葉が伝わったのか大粒の涙を流している。魂の少年少女達が口をパクパクとリズミカルに同調させている。歌を歌っている。この歌は……?

 

「……聖歌。」

 

アーシアさんがそう呟いた。皆は聖歌を歌っている。祐斗さんも涙を流しながら、聖歌を口ずさみだした。魂だけの人が青白い輝きを放ち出し、その光が祐斗さんを包んでいく。

 

『僕らは一人ではダメだった。」』

 

『私達は聖歌を扱える因子が足りなかった。けど。』

 

『皆が集まれば、きっと大丈夫。』

 

『聖剣を受け入れるんだ。』

 

『怖くなんてない。』

 

『たとえ、神がいなくても。』

 

『たとえ、神が見ていなくても。』

 

『僕達の心はいつだって。』

 

「一つだ。」

 

祐斗さんの体が強く輝いている……!みんなの思いが……一つに!

 

~リリスsideout~

 

 

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