ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~Noside~
「ゼ、ゼファー先生……。」
「もう目が覚めたのかルフト?だがつもる話は後だ。おまえは下がってろルフト。おいそこの奴ら!」
そう言ってゼファーはリアスたちを指さす。
「な、何!?」
「おれの教え子とついでに海賊小僧を頼む。」
そう言ってリアスたちにルフトとエースを渡す。
「あ……。」
「好き勝手やった落とし前はつけてもらうぜ金獅子。」
そう言いながらシキの方へ歩くゼファー。
「くっ……先生までこの世界に……?」
「!アーシア!ルフトとエースを早く治療して!」
「は、はい!」
その指示を受けたアーシアが手早く二人の治療を行う。
「くっ……先生……!」
「お兄ちゃん!あの人は一体誰なの!?」
ルフトが先生と慕うあたりタダものではないとさとったのであろう。
「……黒腕のゼファー。海軍本部の元大将で元教官、遊撃隊の隊長でおれを鍛えてくれた恩師の一人だ……!」
そういうルフトの顔には再び会えた喜びと、この世界で会ったという悲しみ、二つの矛盾した感情が生まれていた。
「さて……金獅子。よくもおれの教え子をいたぶってくれたな。覚悟は出来てるのか?」
そう言いながら前にでるが、それを白ひげが抑える。
「あ?」
「こいつはおれの可愛い息子をいたぶってくれたんだ。落とし前をつけるのはおれだ。」
「ああ?ふざけるなよ……!?おれの教え子の落とし前つけるのが先だ!」
「いいや!おれだ!」
「おれだ!」
そのまま言い争いを始める二人。どうやら仲はよくないようだ。
「はっ……悪いがこっちはお前等につきあう義理はねえ。こっちはお前等の教え子やら息子やらにやられたんだ。今の状態じゃ勝ち目はねえからな。逃げさせてもらうぜ。」
そう言うとシキの周りに霧が覆われる。いやシキだけでなく、カテレアやインディゴの周りにも霧が包まれる。どうやらさきほどの口ぶりから逃げるつもりのようだ。
「「!逃がすか!!!」」
それを見た二人の行動は早かった。ゼファーの右腕にニューゲートがのっかったかと思えば、爆発しすさまじい勢いでシキめがけて飛んでいく。さっきまで口喧嘩していたとは思えないほどの連携の取れたコンビネーションだ。
「金獅子ーーーーー!!!!!」
「白ひげーーーーー!!!!!」
《ギャアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!》
二人が互いの斬撃をぶつけると、ニューゲートの髭の片方が、シキのもみあげの片方が切り落とされる。
「嘘……。」
しかしリアスたちはそれよりもとんでもないものを見てしまった。雲が消え失せたのである。二人の覇気のぶつかり合いで!そしてこれはリアスたちも気付けなかったことだが、この日世界から一瞬ですべての雲が消え失せた。のちに異常気象として騒がれることになった。
「ジハハハハ!それじゃあまたな!!!」
そのままシキ達は霧に消えて行った。
「ちっ……逃がしたか……。」
「みたいだな。全くせっかくサポートしてやったというのに……。やはり海賊に任せるべきではないか。」
「なんだと?いい歳してヒーローやってるやつがいうじゃねえか。」
「は、ヒーローに歳は関係ねえよ。」
そのまま言い争いを再開する二人。連携は素晴らしかったがやはり仲はよくないようだ。
「なんなんだあいつらは……。」
そう言いながら歩いてくるアザゼル。鎧姿はないようだ。
「あの白いおっきなひとはニューゲート・セイスム。悪魔の中でも恐らく最強……そして
セラフォルーも一緒に歩いてくる。どうやら檻はカテレアがいなくなったことで消えたようだ。
「最強……だけど聞いたこともありません。」
「私もですお姉さま。」
そう疑問に思うリアスとソーナ。最強なら有名になっているはずだからだ。ディハウザー・ベリアルしかりリュディガー・ローゼンクロイツしかり。
「それは本人がしばらくは自分の
「そうなのですか……。」
「じゃあその男と言い争っている相手は何者だ?」
そう言ってアザゼルはいまだに口喧嘩をつづけるゼファーを指さす。
「あの人も多分転生者だと思うよ……何者かはよくわからないけど……。」
「爆発する巨大な右腕……お姉さま、ひょっとしてあの方はZなのでは?」
そう言うとほとんどの者が納得した顔になる。まだ裏の世界に関わって浅いリリスと匙と世間に疎いアーシアはわかっていなかった。
「え、か、会長?Zって何者なのですか?」
「ああ、Zというのは、裏世界でHEROを名乗ってる男です。」
「HERO……ですか?」
「そうだよリリス。多くの人間をはぐれ悪魔や堕天使、凶暴な魔獣から守ってるんだ。そして彼は戦いで犠牲者を出したことがなく、更にははぐれ悪魔を説得して更生させたから奇跡の英雄、絶対無敵のHERO、ビッグボムアームなんて呼ばれているんだけど……まさかルフトくんと同じ転生者だなんて……。」
「HEROか……あの人がかつて追い求め、育てたものだな。」
「どういうことルフト?」
Zの説明を聞いていたルフトがつぶやく。
「あの人はさっきも言っていたが、昔軍の教官をしてたんだ。HERO育てたいってな。当時の海兵は皆あの人に憧れていたんだ。」
「そうなの……。」
「おいお前ら。」
「「!!!」」
いつの間にか口喧嘩をやめていたゼファーがこっちによってきた。
「ゼ、ゼファー先生……!」
「つもる話は後と言ったはずだ。まだ戦ってる奴らいるぞ。」
するとその言葉を証明するかのように校舎を挟んで反対側で大きな激突音が鳴り響く。
「!そうだわ!イッセーとヴァーリが!」
「ちっ……流石にこの状態じゃおれは足手まといか……。ゼファー先生……イッセーを見てやってくれませんか?ただギリギリまで手を出さないでほしい……。」
そうゼファーに頼み込むルフト。その頼みにたいしゼファーは怪訝な顔つきになる。
「ギリギリまで、か?」
「ええ、そうです。あいつにはきつい相手ですが、それでもたたかわなくちゃいけない相手です。それにあいつバカですから、なにか予想外なことをしでかすかもしれませんよ?」
「ふうん……そうか。それもいいだろう。」
「あ……それとアーシアも連れて行ってください。万が一のこともありますし……。」
「えええ!?で、でもルフトさんとエースさんが……。」
ルフトがアーシアもつれていくようにいうものの、ルフトとエースを気遣って渋るアーシア。
「おれたちはもう大丈夫だ。それよりあいつの方を見届けに行ってくれ……。」
「ルフトさん……はい!」
ルフトの真剣な表情を見てそれを飲むアーシア。
「話は纏まったか?いくぞ嬢ちゃん。」
そう言ってアーシアを抱えて走り出そうとするゼファー。
「待った。俺もいく。ヴァーリのことは俺にも責任がある。見届けなくちゃならねえ。」
「……勝手にしとけ。」
そして今度こそ走り出すゼファー。とても右腕に巨大なアームをつけているとは思えない動きだ。それを追ってアザゼルも飛んでいく。
「頼みます。ゼファー先生、アーシア……。ついでにアザゼル。」
「俺はついでなのか!?」
遠くからアザゼルの声が聞こえたようなルフトだった。
~Nosideout~