ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~ルフトside~
……しまった。油断した!最後の最後で……アーシアが……!あまりの光景に唖然としていると空中に魔法陣が描かれる……。あれは?そして魔法陣から見知らぬ男が現れる。あいつは一体?そして男がこちらに向けて憎しみの籠った言葉と視線を投げかける。
「お初にお目にかかる、忌々しき偽りの魔王の妹よ。私の名前はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる真の魔王ベルゼブブの血を引く、正統なる後継者だ。先ほどの偽りの血族とは違う。ディオドラ・アスタロト、私が力を貸したというのにこのザマとは。先日のアガレスとの試合でも無断でオーフィスの蛇を使い、計画を敵に予見させた。貴公はあまりにも愚行が過ぎる。」
旧魔王のベルゼブブか!こんなときに今回の首謀者がご登場とは……。下種屑が懇願するような顔となった
「シャルバ!助けておくれ!キミと一緒なら、赤龍帝を殺せる!旧魔王と現魔王が力を合わせれば……。」
《ビッ!グアアアアアン!》
「ごはあ!?」
ハエ屑が手から下種屑めがけて光が放出される。おれはとっさに覇気で下種屑を強化する。もっとも急場しのぎだから、防ぎきれなったようだが。まあ生きてるからよしとしよう。
「哀れな。あの娘の神器の力まで教えてやったのに、モノにできずじまい。たかが知れているというもの……しかし今ので生きているとは、貴様の力も忌々しい。」
嘲笑い、吐き捨てるように言うハエ屑。そしてこちらにむけて憎しみの籠った視線を投げかける……こいつがアーシアを……。皆ももう気づき始めているようだ。ゼノヴィアは体をわなわなと怒りに打ち震わせていた。
「まあいい。サーゼクスの妹君。いきなりだが、貴公には死んでいただく。理由は当然。現魔王の血筋をすべて滅ぼすため。」
冷淡な声。瞳も憎悪に染まっている。よほど現魔王に恨みがあるみたいだな。もっとも逆恨みで愚かしいがな。
「グラシャラボラス、アスタロト、そして私たちグレモリーを殺すというのね。」
リアスの問いかけにハエ屑は目を細める。
「その通りだ。不愉快極まりないのでね。私たち真の血統が、貴公ら現魔王の血族に旧などと言われるのが耐えられないのだよ。まあ今回の作戦はこれで終了。私たちの負けだ。まさか、
「直接現魔王に決闘も申込まずにその血族から殺すだなんて卑劣ね。」
「それでいい。まずは現魔王の家族から殺す。絶望を与えなければ意味が……《ボッゴン!》なあ!?」
何か言いかけているが、かまわずぶんなぐる。
「絶望を与える?違うな。お前は現魔王と戦うのが怖いだけだ。そして苦し紛れに、家族を殺して溜飲を下げようとしているだけにすぎないな。」
「そうね!そして何よりもアーシアを殺した罪!絶対に許さないわ!」
リアスは激昂し、
「アーシア?アーシア?」
イッセーはフラフラそこらを歩くようにアーシアを探しだすように歩いていた……。
「アーシア?どこ行ったんだよ?ほら、帰るぞ?家に帰るんだ。もう、誰もアーシアをいじめる奴はいないんだ。いたって、俺がぶん殴るさ!ほら、帰ろう、アーシア。」
イッセー……。その光景を見て、小猫とギャスパーが嗚咽を漏らしていた。朱乃と祐斗も顔を背け、頬に涙を伝わせている。リアスはイッセーをやさしく抱いていた。おれとゼフィはさらに怒りを耐えぎらせた。
「……許さない。許さないッ!斬るっ!斬り殺してやるっ!」
叫びながらゼノヴィアがデュランダルとアスカロンでハエ屑に斬りかかる。
「無駄……!?」
ハエ屑は聖剣の二刀を防御障壁で防ごうとしたようだが、防御障壁は一瞬で切り裂かれる。もっともハエ屑はかわしたみたいだな……。
「……アーシアを返せ……。私の……友達なんだ……っ!……やさしい友達なんだ……。誰よりもやさしかったんだ……どうして……!」
「くっ……下劣なる転生悪魔と汚物同然のドラゴン。まったくもって、グレモリーの姫君は趣味が悪い。そこの赤い汚物。あの娘は次元の彼方に消えていった。すでにその身も消失しているだろう。……死んだ、と「斬腕!!!」《ザン!》ぎいやああああああ!?」
聞くに堪えなかったのでハエ屑の歯を切り落とす。舌を狙ったがギリギリかわされたか……。
「が……が……お、おのれ!!!」
〈リアス・グレモリー、いますぐこの場を離れろ。死にたくなければすぐに退去したほうがい。〉
するとドライグの声が響き渡る。見るとイッセーの視線はハエ屑を見つめたまま視線を外さない。
〈そこのハエ屑……シャルバと言ったか?〉
イッセーがリアスを振り払い立ち上がる。
〈……おまえは。〉
死人のようなゆっくりとした足取りでハエ屑のほうに向かっていく。ハエ屑の真下に来たとき、ドライグの声音はイッセーの口元から発せられた。
〈選択を間違えた。〉
それは何も詰まっていないただひたすらまでの、無感情の一声だった。
《ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!》
神殿が大きく揺れ、イッセーが血のように真っ赤なオーラを発していく!肌に伝わるこのオーラ……!覇気を使わなくても分かる!……危険だ。そしてイッセーの口から、呪詛のように呪文が発せられる。その声は老若男女、複数入り交じった不気味なものだった。
『我、目覚めるは……』
〈始まったよ〉〈始まってしまうね〉
『覇の理を神より奪いし二天龍なり』
〈いつだって、そうでした〉〈そうじゃな、いつだってそうだった〉
『無限をわらい、無限を憂う』
〈世界が求めるのは……〉〈世界が否定するのは……〉
『我、赤き龍の覇王と成りて……』
〈いつだって、力でした〉〈いつだって、愛だった〉
〈何度でもおまえたちは滅びを選択するのだなっ!〉
イッセーの鎧が形変わっていく。さらに鋭角なフォルムが増し、巨大な翼が生え、両手両足からは爪のようなものが伸び、兜からは角のようなものがいくつも形作られていく。
まるで、その姿は人の形をしたドラゴン、人獣型のようだ。
そして、全身の宝玉から、絶叫に近い声が老若男女入り乱れて発声される!
「「「「「「「汝を紅蓮の煉獄に沈めよう―――」」」」」」」
『Juggernaut Drive!!!!!!』
これが
「ぐぎゅあああああああああああああああああああああああああああああああっ!アーシアァァァァッァァァァッァァァァッッ!」
獣のような叫び声をあげ、四つん這いになり翼を羽ばたかせるイッセー……。
《ビュッ!》
速い!すさまじいスピードだ!だが読みやすいな。全員が一瞬でハエ屑のほうを振り返る。そこにはほとんど小型のドラゴンと化したイッセーが噛みつこうとするところだった。
「ぬうううううっ!」
イッセーはそのままハエ屑に絡みつき、肩に食らいついき、肉を引きちぎる。
「おのれっ!」
ハエ屑が光を作りだし、イッセーに放とうとするが、宝玉の一つから、黒い鱗に覆われた龍の手が出現し、ハエ屑の攻撃を止める。いやあれは覇気で強化されているのか。さらにもうひとつの宝玉から刃が生まれ、ハエ屑の右腕を切断した。
「ぐおっ!」
「げぎゅがぁぁ、ぎゅはごはぁっ!ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
もはや人の声を発していない……。全身の宝玉から、龍の腕、あるいは刃が生えていく。その姿は異形そのものだ。
「ふざけるなっ!」
残った腕で、極大の光の一撃を放つハエ屑その時イッセーの赤龍帝の翼が、光輝く!
『DividDividDividDividDividDividDividDivid!!!』
あれはヴァーリの力か!それによりハエ屑の攻撃はペンライトの光ほどの弱々しさになる。
「ヴァーリの力か!おのれ!どこまでもおまえは私の前に立ちふさがるというのだな!!ヴァーリィィィィィィ!!!」
吼えるハエ屑が絶大な魔力の波動を放つものの。
《バジイィィィィィィッ!》
翼の羽ばたきだけで軌道をずらして弾いた……あれはおれもできそうだな。そのとき赤龍帝の兜に生まれた口が大きく開き、口内にレーザー発射口のようなものが見えた。
《ビィィィィィィッ!》
赤いレーザーがハエ屑の左腕を吹き飛ばす。凄まじい威力のレーザーは神殿の床や壁、天井に一直線の細い痕を残す。あの野郎、周りが全く見えてねえな……!
《ドオオオオオオオオオオンッ!》
遠く放たれた場所から爆発が巻き起こり、爆煙が上がる。
「ぬあああああああがああああああああああああっ!」
イッセーが咆哮をあげ、全身に莫大なオーラを漂わせる。いや覇気も混じっている!だが武装色とは違う……覇王色!?だがあいつに覇王色の素質はなかったはずじゃ……?そう混乱している間にも床が抉れ、巨大クレーターが生まれていた。
「ば、化け物め!こ、これが覇龍だというのか!?冗談ではない!わ、私の力はオーフィスによって前魔王クラスにまで引き上げられているのだぞ!?データ上の
ハエ屑の顔が恐怖に包まれている。リアスたちは呆然と見ていた。当たり前だ。リアスも朱乃もゼノヴィアも小猫もギャスパーも祐斗も黒歌もイッセーを恐れるように見ている。もちろんおれとゼフィもだ。ただ決して目を背けることはしない。あれもイッセーだからだ。どんな異形でもあいつはあいつだ。エロくてスケベで大馬鹿野郎だ。
イッセーは体勢を変え、翼を広げ、顔をハエ屑に向ける。すると鎧の胸元と腹部が開き、何かの発射口が現れた。赤いオーラが発射口に集まり、徐々に大きく黒くなっていく。あれは受けるとやばいな……。
「くっ!私はこんなところで死ぬわけには!」
危険と感じとったハエ屑は残った足で転移用魔方陣を描こうとする。させるか!
「嵐脚‘縫’!!!」
《ドスドスドス!》
「ぐおおお!?」
嵐脚で奴の足を地面に縫いとめる。逃がすか。
「ハエ屑、お前は屑だ。本来なら地獄魔法を味あわせたいが、それすらもったいない。死ね。」
絶望した顔になるハエ屑。すると祐斗があわてだす。
「部長、一時退去しましょう!この神殿から出るべきです!」
「イッセー……アーシア……。」
しかしリアスは動こうとしない……。いやリアスだけでなく、ほとんどの奴らが茫然としている!このままじゃまずい!
「バ、バカな……!真なる魔王の血筋である私が!ヴァーリに一泡も噴かせていないのだぞ!?ベルゼブブはルシファーよりも偉大なのだ!おのれ!ドラゴンごときが!赤い龍め!白い龍めぇぇぇぇっ!」
《ズバァァアアアアアアアアアアアアアアアンッ!》
放射される赤黒い閃光にハエ屑は包まれた。仕方ない!こうなったらいちかばちかだ!
「ゼフィ!」
「おう!」
おれは封印されているであろう能力を使おうとする。ただこのままじゃ使えねえからゼフィに触れてもらい、思考速度をあげ、
「ぬ、ぬおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
そしてなんとか耐えきった。ちょっといてえな……とそれよりこちらを見て茫然としているリアスたちにおれは怒鳴る。
「馬鹿野郎が!何をしている!?」
「だって……アーシアだけじゃなく、イッセーまで……。」
「だからって悲しみにくれてていいのか!?このままじゃイッセーが死ぬぞ!?それにアーシアもまだ死んだと決まったわけじゃねえ……おれはあきらめねえぞ!」
おれの言葉に若干目の光を取り戻すリアスたち。もっともアーシアの生存は絶望的だとおれも分かっている。でもまだ可能性はあるんだ……だったら最後まであきらめねえ……。
「おおおおおおおおおおおん……。」
崩壊した神殿の瓦礫の山、そしてその上で悲哀に包まれた咆哮しているイッセーにおれは体を人獣型に切り替え歩み始める。
「ゼフィ!みんなを守ってくれ!」
「ああ……お前はどうするんだ?」
「おれはこの大馬鹿を止める!行くぞイッセー!」
そうして突っ込むおれ。そしてイッセーも迎え撃つように突っ込み。
「ぎゃおおおぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!」
覚悟しろよイッセー……馬鹿の目を覚まさせるおれの仕置きは痛いぞ!
~ルフトsideout~
オリジナル技
嵐脚‘縫’
嵐脚で相手を地面に縫いとめる技。長時間形を保つ。