世界を渡る高校生   作:バキュラø

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決着

「「な‼」」

 

「怒りに任せて武器を振ってくれたおかげで、攻撃の軌道は読みやすかったからね。」

 そう言って、彼女たちより後ろに立つ恭弥の手には、剣と槍が握られていた。

 

 その光景に、サーシャ以外が驚きの表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

「キョウヤ、キミはそんなこともできたんだね。…ボクとやった時は手を抜いていたのかい?」

 サーシャは目を細めて恭弥を見る。

 

「そういうわけじゃないよ。サーシャは戦闘態勢に入ると、一気に隙がなくなちゃうから、迂闊に間合いに入れないしこんなことできないんだよ。大体、冷静な相手にこんな危ないことしないさ。」

 恭弥は、肩を竦めてそういった。

 

「それにしても、その技どこかで………昔、母さんに教えてもらったんだったかな。確か…無刀取り。ここより遥か東国に栄えている国の剣技の一つだったかな?」

 そんな恭弥の様子に少し嬉しそうな様子を見せながら、思い出すようにそういった。

 

「正確には違うけど…まあそんなところかな…「アリファール‼」え、嘘。消えた!」

 そんな会話を続ける恭弥たちに痺れを切らしたのか二人のうちの一人、エレオノーラが再び、剣を取り恭弥へと向かっていく。

 

「あ、こらエレン‼」

 

「貴様‼何を仲良くサーシャとおしゃべりをしているんだ‼さっきのはマグレだ。次やれば、勝てるッ‼‼」

 そういい、エレオノーラは剣を恭弥に叩き付ける。

 

「アブね。………マジかよ。」

 恭弥は身を翻してエレオノーラから距離を取った。しかし、恭弥の後ろにあった木はバッサリとなぎ倒されていた。

 

「サーシャも、なんでそんな奴と親しげに話しているんだ‼」

 

「ハァ。エレン…キョウヤいいよ。もう一回のしちゃってくれ。けどその子もボクのお気に入りなんだ。ケガはさせないでね。」

 サーシャはため息をつくと恭弥に向かってそういった。

 

「あ、ああ、わかった。」

 恭弥は戸惑いつつも了解の意を示した。

 

「今度は、貴様が膝をつく番だ‼」

 そんな態度にますます語気を強めつつ、恭弥に斬りかかる。

 

「ごめんよ。」

 そういって、恭弥は後ろに回り込こんだ。

 

「しまっ……」

 

「遅い‼」

 エレオノーラもかろうじて反応するが、恭弥の方が早かった。

 そして、

 

 

 

 

 トンッ

 

 

 

 

 

「………んぁ」

 透き通り、艶めいた声が響いた。その声を響かせた彼女は涙目になり、恭弥をにらみつけていた。

 

「あ、あれ。もしかして、間違えた?」

 恭弥はそこに立ち尽くしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………それで、キョウヤさっきのことは説明してくれるよね?」

 サーシャは底冷えするような、低い声で恭弥に尋ねた。尋ねたのかと言われれば疑問を持つ迫力ではあったが。

 

「…え、えっと~何と言いますか…」

 恭弥は何とか言い訳をしようと正座をしながらも目を泳がせる。その様子は、ジスタートが誇る戦姫を軽くあしらったものには、まるで見えなかった。

 

「ボクは、のしていいとは言ったけど、喘がせろなんて、一言も言ってないよね?」

 その反応に、さらに声のトーンが下がっていった。

 

「…ハイ。」

 

「それで、どうしてああなったんだい。」

 そしてようやくその質問を口にした。

 

「人の背中には、麻痺点ってのがあってそこを突いて終わりにしようとしたんだけど…」

 

「けど?」

 

「予想外に反応が早くて、快楽点ってとこを押しちゃったかも、みたいな?」

 

「………ふぅん。女の子の敵みたいな技だね。それで?」

 説明を終えた恭弥をジロリとサーシャは見た。

 

「す、スミマセンでした。」

 その視線を受けて恭弥は、ひたすら謝ることしかできなかった。

 無論、体勢は土下座である。

 

「まあ、今はエレンも落ち着いて、非があったことも認めてるからもう何も言わないけど、今後その技は禁止だからね。特に女の子に使うのは。」

 

「ハイ…」

 そう、不機嫌そうにサーシャはいうのだった。

 ただなぜ、叱るだけだというのにここまで不機嫌になっているのかは彼女自身気づいてはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 このことをサーシャが王宮から帰り、ロイドに話して「彼は、本当に面白いですね。」、とサーシャに生暖かい目を向られることになり、サーシャがまた拗ねてしまい恭弥を八つ当たりが襲うことになるのだが、それはまあ、余談であろう。

 

 

 

 

 

 

 




読んでくれてありがとうございます。
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