どうもこんにちわ
それでそんな私はなんやかんやでカンピオーネという神殺しになって、つい先程もナルトラとかいう訳の分からない次元の神を殺したんですけど不意を突かれちゃいましてね?ええ。なんか別世界に飛ばされちゃったみたいなんですよ。うん。
『……現実逃避は終わったか?』
…もう少し待って我が愛しのロンギヌスの槍よ。今心と頭の中を整理してるから。
『そうか…だが早くしないと多分死ぬぞ』
……ええ。ええ。分かっていますとも。早くこの状況をなんとかしないと私の命は無いってことも。いくらカンピオーネが頑丈に出来ていても流石にこれは無理だってことも。正に今私は風前の灯火に晒されてるっていうのも十分に分かっていますけれども。…つーか
「飛ばすならちゃんと飛ばせあのクソ神いいいい!!!気付いたらパラシュート無しのスカイダイビングってどういうことじゃぼけえええええ!!!」
『まあ……運が悪かったってことで』
そんな一言で済ませたら警察も神様もいらねーんだよちくしょおおおお!!!
『お、だんだんと下が見えてきたぞ』
というかなんでそんなマイペースなの君は!?私が死んだらあんたもパッキリ折れちゃうんだよ!?そういう契約結んでるんだよ!?ねえ!!分かってらっしゃるの!?
『キャラが変わっているぞリイナ…その時はその時だ。俺の主人はお前だからな。お前がそういう運命なら俺もそれに従うさ』
やだ…この子イケメン…抱いて…
『断る。…そろそろ地面に着くぞ』
え、嘘ぉう!?あかんってまだ何も準備してないって下!!下に誰かいる!?
「ちょ、ま、そこの人おおおおお!!!退いてえええええええ!!!」
「!!?」
ズドオォォオンッッ!!!
………ぐっお。いったああああああ!!!なにこれ超いったああああああ!!お尻!!特にお尻が!!これ逝ったんじゃね!?お尻2つに割れたんじゃね!?
『元々割れてるだろうが…というか下。お前誰かを下敷きにしたぞ』
え、嘘!?そういえばやけに地面が柔らかいような…。
「ぐ、うぅ…」
「うっわ!ごごご、ごめんなさい!!大丈夫ですか!?どこか出ちゃってないですか!?内蔵的なものが!!」
やばいやばいやばい!!飛ばされてさっそく殺人事件起こすとか洒落にならないって!!
『落ち着けリイナ。…どうやらそいつ、人間ではないみたいだぞ』
は?人間じゃないって……あ、よく見たらこの人背中に黒い羽が生えてらっしゃる…。しかも黒い帽子に黒コートって…これはもしかして……
「……かなりイタいコスプレイヤー?」
「誰がだ!!」
ガバリとうつ伏せになっていた人(人と言えるのかは不明だが)が起き上がった。だけどやっぱりかなりの衝撃だったのかおデコから血が流れている。それにしても…
「復活はやいなーあんた。やっぱり人間じゃないの?」
「人間などというあんな下等生物と一緒にするな!!私は堕天使だ!!」
……はあ?
「あんた…今なんて言った?」
「なんだと?」
「人間を……下等生物だって?」
今のはちょっとカチンときたよ私は。だってこいつ…
「どいつもこいつも…人間をバカにすんじゃねえええ!!!」
バキイ!!
「ぐほぉ!?」
私の世界で暴れまわる神と全く同じことを言いやがった!!うん!これは仕方ないよね!?つい持ってた槍でぶん殴っちゃったけどしょうがないよね!?
『……いいんじゃないか?別に』
反応するのがめんどいからって投げやりな返しやめてくれる?私泣いちゃうから。
「う、ぐ……貴様ぁ…」
顔を手で抑えて堕天使(笑)が起き上がった。魔力を込めてないとはいえかなり全力で殴ったのに…思った以上に頑丈なのね。
「もう我慢ならん…そこのはぐれ悪魔と一緒に貴様も葬りさってやろう…」
は?悪魔?っていうか私と堕天使(笑)以外に誰かいたの!?
『ああいるな。お前の後ろに』
「まじで!?」
ロンギヌスの言葉にばっと後ろを振り返ってみると、そこにはこちらを唖然とした表情で見ながら座り込んでいる茶髪の男の子がいた。そして片手で庇っている腹部からおびただしい量の血が流れているところを見つけ、慌てて駆け寄る。
「っ!!ちょっと君大丈夫!?すごい血だよ!?」
「っあ…げほ…っ」
何か言葉を発しようとしたのか茶髪君が口を開くがそれは血を吐き出すだけで終わってしまった。体力も限界だったのかそのままふっと目を閉じると後ろに倒れ込む。
「うわあ!?ちょちょ、しっかりしなさいよ君!!」
ぐいっと頭を抱き上げるが茶髪君はぐったりと気を失ってしまったようだ。腹部からの出血も止まっておらず、周辺の地面を赤く染め続けている。
「ふん…下級悪魔風情が手こずらせおって…」
不意にそう呟き笑う堕天使に、プチンとどこかが切れる音がした。
「……あんた?この子を襲ったのは」
「だからなんだ?悪魔なんぞ目障りにすぎない。しかもそいつははぐれ悪魔だ。始末されてしまった方がそいつも幸せだろう」
「……この子がそれを望んだの?」
「なに?」
ゆっくりと茶髪君の頭を降ろし、優しく寝かせる。そして自分でも分かるくらいの怒りに震える声を出しながら手元にロンギヌスを出現させ、立ち上がる。
「この子が、あんたに自分を殺してくれって…そう言ったの?私は全然そうには見えないけど」
ぎっと堕天使を睨み付ける。そいつは未だに醜い笑顔を絶やさない。
「そんなことどうでもいいだろう。どうせ貴様も、そこに転がっている悪魔も、私の手で葬られるのだからな」
「っ…ざっけんなこのクソ天使!!あんたなんかの思い通りになると思うな!!」
決定。こいつは敵だ。ここまで私の癪に触られたのは久しぶりだ。というかこいつの方があの男の子より全然悪魔に見えるのは私だけだろうか。
『安心しろ。俺もお前と同意見だ』
さすが愛しの相棒!気が合いますなぁ!んじゃ、さっさとこの堕天使とやらを始末いたしますか!!…あの茶髪君もこれ以上ほっとくとヤバイしね。
「こざかしい小娘だ…。汚らわしい悪魔とともに散れ!!!」
ブウンと堕天使がこちらに向かって光の槍を投げてくる。……かなり大きいが、私なら防げるだろう。一気に凪ぎ払ってしまおうとロンギヌスを構えるが、それより早く横から黒い稲妻が走り光の槍を弾いた。
「なに…っ!?」
「その子に触らないで貰えるかしら?」
不意に凛とした女性の声が辺りに響き、何もなかった地面から赤い魔方陣が展開される。すると魔方陣と同じような…いや、それよりもさらに紅い髪を揺らしたスタイルの良い女性が現れた。
堕天使が眉を潜め、新しく創った光の槍を構える。
「貴様…なにやつだ!?」
間髪いれずに女性に向かって槍を投げる堕天使。だが、私が動く間もなくその槍は女性に届く前に小柄で白い髪の女の子によって弾かれた。
「っ貴様らああ!!」
このことで堕天使は完全にキレて今度は槍を持ったまま突っ込んでいったが、それもどこからか現れた黒髪のポニーテールをした美人さんによって上から落とされた稲妻に防がれ、そいつはそのまま吹き飛ばされた。……ぶっちゃけ急展開すぎて付いていけてません。はい。
(…こういう場合はどうしたらいいんだろうか…)
『傍観に限る』
(だよね~…)
ロンギヌスの提案に頷き、私はとりあえず状況を大人しく見ることにした。…体操座りもしておくべきか?
「紅い髪…そうか…グレモリー家の者か…」
堕天使が思い付いたように呟く。グレモリー家?この世界じゃ有名な人なのかな?確かにあの紅い髪の女性はなんか気品に満ち溢れてるけど。
「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう。堕ちた天使さん?」
(………)
『どうしたリイナ』
(いや…リアルで「ごきげんよう」なんて言う人がいるんだなぁと思って)
『イタリアにもそれなりにいただろうが』
(まあ確かにそうなんだけど…)
ごきげんよう談義を心中でしているうちにも堕天使と女性の話は進んでいく。
「ふふ…これは…この街がグレモリー家次期当主の管轄だったとは…その者
……ん?た、たち?ちょっと待って。あの茶髪君はそうなんだろうけど私この人たちと初対面なんだけど!?というか一度もこっち見られてないから対面すらしてないんだけど!?…いや、この状況ではそう捉えられても仕方ないかもしれないけどさ…
グルグルと考えが頭を回るなか、チラリと女性がこちらを見た。そして私の姿を一瞥すると小さく微笑みを浮かべた。堕天使には気づかれてないようだが。
「……この子
そして女性は堕天使に向かってそう言い放った。ってうええ!?アドリブで仲間にされた!?いやしてくれた!?…案外この人たち良い人たちなのかもしれない。
「…まあ、今日のところは詫びよう。…だが下僕は放し飼いにしないことだ。私のようなものが散歩がてら狩ってしまうかもしれんからな」
ニヤリと笑う堕天使。だが女性は怯むことなく堂々と言い返す。
「ご忠告痛み入るわ。私の方も今度こんな真似をしたら躊躇なくやらせてもらうから…そのつもりで」
目を細め凄む女性。なんだろう。顔は綺麗に微笑んでるのにものすごく怖い。
『美人ほど怒ると恐ろしいと言うしな』
ああ、うん…相棒よ…それは美人ではなくておとなしいやつほどの間違いではないか?……いや、これも強ち間違ってはいないが…
「その台詞…そのままそっくり返そう。グレモリー家の次期当主よ」
バサリと堕天使が羽を広げ身を浮かせる。
「その紅い槍を持つ者よ…今度合間見えたときには…」
「うるさいバカ天使。今度は完膚なきまでに叩きのめしてやるから覚悟しなさい!!」
堕天使の言葉を遮りべっと舌を出す。これくらいやってやらなきゃ気が済まない。
「ふん…我が名はドーナシーク!!再び合間見えないことを祈ろう…」
そう言って消えていった堕天使。…つかお前さっき合間見えたら…とかって言ってたよな?会いたいのか会いたくないのかどっちかはっきりしてから消えろよ!!
「迂闊でしたわ…まさか堕天使と接触するとわ…」
「このままだと死にますね…」
空を仰いで消えた堕天使に突っ込んでいると、紅い髪の女性とは違う声が2つ聞こえた。どうやら黒髪の美人さんと白髪の女の子が口を開いていたようで、彼女たちは寝かせておいた茶髪君のそばに立っていた。
その中心にいた紅い髪の女性が膝をついて茶髪君の髪に触れる。その表情は先程の凄みを効かせた笑みではなく慈愛に満ち溢れた微笑みだった。
「死なせないわ…だって、この子は私の……ねえ、そこのあなた」
「ふぁい!?」
唐突に声を掛けられ体がビクリと震える。『情けない…』と呆れた声をだすロンギヌスはスルーしておこう。
「この子を守ってくれてありがとう。貴女がいなかったら今ごろ…」
「あああいえいえいえ!!こちらこそ助けてもらっちゃって…それに、私がもう少し早く落ちていたらその子も無傷だったかもしれないのに…」
「落ちて…?…そういえば貴女、普通の人間じゃないわよね?それにその槍…」
女性の言葉は疑問系だが確信を得たような声色に私は苦笑した。まあ、隠してもバレるよねこれじゃあ。
「そのことはまたの機会にお話しします。私も色々と混乱しているので…それに、その茶髪君の治療も…」
「そうね…仕方ないわ。小猫、お願いね」
「はい、部長」
子猫と呼ばれた白髪の女の子がひょいっと茶髪君をお姫様抱っこした。……人って見かけによらないのね。細身とはいえ男の子をあんな軽々と…。
「明日の夕方…駒王学園に来てちょうだい。そこで話をしましょう」
「はい!……は?駒王学園?」
女性の言葉に反射的頷き、そのあとすぐに初耳の場所の名に首を傾げるが、そんな私を尻目に3人(茶髪君を入れて4人)は集まり、女性は現れた時と同じ魔方陣を展開する。
「それじゃあ、また明日の夕方に」
女性は綺麗に微笑むと、そのまま消えていった。勿論他の3人も同様だ。
「え…嘘でしょ…」
一気に静かになった空間の中、私はガクリと膝を地面につき、前に倒れ込むようにして両手もつく。つまりはorzの格好だ。そしてひゅるりと冷たい風を受けながら私は一言呟いた。
「駒王学園って……どこだよ」
この世界に来たのつい10分前くらいなんですけど…とさらに絶望的に呟く私に、相棒が再び呆れたようにため息をついたのは言うまでもない。
(でもまあ…目的地が出来たことは良いことだよね)
『前向きだな』
(そうやって自分を励ましていかないと心がポキリと逝きそうだから)
『そうか…なんか、悪かった』
いかがだったでしょうか?次話はグレモリー眷族…の前にあのシスターに会います。首を長くしてお待ちいただけたら幸いです